20221028

 快晴。とても過ごしやすい一日だった。BFC4のファイターとジャッジが発表された。毎回そのときの自信作を送っているのだが、残念ながらわたしの名前はなかった。今年で四年目になる。決定的に足りていないものがあるのだろう。知っている名前が多く、彼らにあって自分にないものを考えなければならない。落ち込んだ気持ちを振り払うために、神保町で今日から十一月三日まで開催されている古本祭りへと赴いた。コロナ禍で二〇一九年から三年ぶりの開催。昼の三時ころに着いたが、すでに路上には多くの人が路面に特設されたワゴンボックスの本を品定めしていた。こんなにも本を愛する人がいるのを目撃すると、昨今の活字離れが叫ばれる現実が嘘のように思えてしまう。イグBFC3はR、S、T、Uグループを読んだ。Rでは山崎朝日「アレ」に一票。"アレ"で進む中年の悲しき応酬はクスリと笑える。日常のユーモアを掬い取るセンスは抜群。Sは自分に投じる。苦戦しているようなので。Tでは、比良岡美紀「ムダ毛の話」に一票。髭に対するこだわり、男としてはわかる気がする。軽妙なやり取りとは裏腹に誘拐事件の被疑者死亡という凶悪な事件を描くという挑戦に敬意を表したい。Uでは小林猫太「ナゴン教」に一票。――春はぼのぼの――というパワーワードから枕草子をユーモアあふれる表現で再構築した傑作。

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