20240103
「『義母と娘のブルース』FINAL 謹賀新年スペシャル」を観た。二〇一八年に放送された連続ドラマの文字通り最後の特別編。桜沢鈴による漫画が原作で、森下佳子が脚本を務める。余命わずかのシングルファーザーが幼い娘のために義母を探し、娘と義母二人で生きていくヒューマンドラマ。義母を綾瀬はるか、父を竹野内豊、娘を横溝菜帆、成長した娘を上白石萌歌が演じた。これまでに二〇年と二二年の二回にかけて謹賀新年スペシャルが放送されていて、すっかりわたしの中ではお馴染みの家族になっていた。今回は、ついに大学生の娘が幼馴染で恋人になったヒロキと結婚する際に一波乱といった内容だった。血のつながりのない母と娘、そこに幽霊として現れる父、さらに母に想いを寄せる佐藤健演じる麦田。もともと何の縁もなかった三人、そこにヒロキが加わった四人が幽霊となった父の導きで一つの家族になる奮闘記と言えばいいだろうか。血統主義の中世的価値観から脱却し、個が確立された近現代を通し、あらためて家族とはなにかを模索する、そういう重要な問いを孕む作品だった。