20221127

 快晴。BFC4の優勝者が決まった。決勝ジャッジ岡田麻沙によって、冬乃くじ「健康と対話」が草野理恵子「言ったり思ったり詰まったり」を下して第四回王者となった。ジャッジ文は言語を解体した表を交えた丁寧な解析と読みが試みられていた。便通を通してケア、コミュニケーションの問題へのアプローチに成功した稀有な作品が文芸の可能性を押し広げた記念すべき日になったと言っていいだろう。思えば、破滅派やBFCでweb文芸のコミュニティに参加するようになったのも四年前のことである。冬乃さんの「愛あるかぎり」という掌編は時空を超えて愛し合う二人が出会う物語であった。あれから四年の時を経て彼女は自身の過去と向き合い、それを抱きとめることができたのだと思う。「健康と対話」には解放された自由がある。これからの活躍が楽しみである。その歴史の生き証人として立ち会えたことはとても幸せなことである。

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