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20230604

 雲の広がる空模様になったが、雨は降らなかった。前川國男設計の世田谷区役所に行った。現在は世田谷区民会館が解体、改築工事中で隣接する第一庁舎も一部改築中だ。第二庁舎だけが辛うじてその外観を一望できる。近くで見ると、なるほどその年月を感じるほどにコンクリートや鉄柵の劣化が激しい。それでもその外観は威風堂々、ル・コルビュジエとアントニン・レーモンドに学んだモダニズム建築の風格を依然として保っていた。わたしは昨年、小説で建築家の増田友也を題材にして以来、モダニズム建築に興味を持ち、その建築物のほとんどが経年劣化と耐震工事による解体、改築のタイムリミットを迎えている問題を知った。しかも、国や地方自治体にはその財源が乏しく、丹下健三など著名な建築家の作品までもが解体を余儀なくされているという。この世田谷区役所もその例に漏れない。工期が伸びて、世田谷区長の保坂展人が損害賠償も視野に入れていると先月ニュースになって、この建物を知った次第だ。これからモダニズム建築が無くなる前にできるだけ回って見たいと思っている。

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