20240627
『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』を再鑑賞した。現在公開中の前日譚となる『フュリオサ』を鑑賞する前に観ておこうと思い立った。最初は映画館で観て、ずいぶんと楽しんだ記憶があったので安心して観ていたのだが、観終わって感じたことは全くの〝無〟ということだった。これは当初から言われていたことだが、つまり行って帰って来るというだけの内容と言えばその通りで、フュリオサの復讐が成し遂げられるということ以外に物語として進展はない。しかも、肝心のフュリオサの過去もただ匂わせだけで終わり、イモータン・ジョーの支配から英雄に担ぎ上げられたフュリオサの支配へと移行するだけで水源や食料の問題は何ひとつ解決していない。しかも、マックスはトラウマを克服できないまま、ここからも去ってしまう。『フュリオサ』がこれらの課題を回収してくれるのか、観てみないと分からない。あえて言うなら、ウォーボーイズのニュークスの転向の話だと言えるだろう。崇拝するジョーから、自分の死に場所を自分の意志で決める、という彼の話だと考えれば、サブタイトルにも納得がいく。だが、そこでは結局自身が特攻するという選択に変わりはなく、もっと自由に生きれた可能性は潰えている。