20230109

 今日も晴れて日差しが暖かい。公園ではまだ凧がたくさん上がっていて、壮観だった。いまは朝ドラでも放送されて長崎・五島の伝統民芸バラモン凧が有名になった。実家にもあのおどろおどろしいバラモン凧が居間に飾ってあった。だが、あれが空を飛んでいるところは一度も見たことがない。宝の持ち腐れというか、あの巨大な凧が空を飛ぶ画はさぞ素晴らしいだろうと思う。思えば、いつからだろう、凧を飛ばしたかすかな記憶はあるが判然としない。小学生低学年くらいだろう。それ以後に凧なんて、いま大人になって思い返すことがあるくらいにしか気にしたことはない。おそらく、あの子どもたちの前で凧を飛ばしてみせている親らしき人々もこういう機会を得て初めて凧を再び飛ばしたのではないだろうか。そう考えると不思議なものだ。幼い頃に飛ばした凧の記憶が自分の子どもたちによって再び蘇る。そこに物語はある。そういうことを彼らを眺めてわたしは思った。

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