「人生は勘違いの連続?」— ビジネスと心理学から考える思考のクセ
こんにちは!
ビジネスコーチのたかぎけんじです。
今日は「勘違い」について考えてみたいと思います。
「勘違い」は日常のどこにでもある
あなたは最近、こんな経験をしませんでしたか?
• 「あれ? ちゃんと伝えたはずなのに、相手が全然違う解釈をしている…」
• 「この商品、絶対お得だと思って買ったのに、よく考えたらそこまででもなかった…」
• 「この人は◯◯な性格だと思っていたのに、話してみると全然違った…」
ぼくらは日常の中で、何気なく言葉を交わし、何かを判断し、行動をしています。
でも、実はその多くが「勘違い」から生まれているとしたらどうでしょう?
「言葉」が持つ曖昧さとコミュニケーションのズレ
先日、コーチングセッションの中で、管理職をされているクライアントさんが
「ある言葉の使い方に違和感を覚えたので、その言葉について考えを深めたい」
とおっしゃいました。
これをきっかけに、「言葉」や「コミュニケーション」について深く話す機会がありました。
その対話の中では、アルフレッド・コージブスキーが提唱した一般意味論にも触れながら、
• 言葉は、そのもののすべてを正確に表現できるわけではないこと
• 言葉を使う人の文脈によって、意味や語彙が微妙にズレることがあること
といった前提についてもお話ししました。
つまり、「ある言葉」が指し示すものは、それを使う人によって少しずつ違っている可能性があるということです。
こうしたズレが、コミュニケーションの齟齬(そご)を生む原因になることも少なくありません。
日常の何気ない会話の中でも、こうした「勘違い」は意外と頻繁に起こっているのではないでしょうか?
「人生は勘違いだ」と思う理由
もしかしたら、ぼくが今「正しい」と思っていることにもたくさん勘違いがあるかもしれません。
プロのビジネスコーチとして、もっと深くクライアントさんのお役に立ちたいと思い、
心理学・行動科学・行動経済学・禅を学ぶ中で、何度も思うことがあります。
「人生は勘違いだ」
心理学の研究では、人間は思っているほど正確に物事を見ていないとされています。
冒頭の言葉やコミュニケーションの違和感や勘違いのようなことも、
気づかずに日常の中でたくさんやり過ごしていることでしょう。
それなのに、人間は自分の認識を「正しいもの」と思い込み、
• 不安になったり
• 怒ったり
• 悲しくなったり
• 嬉しくなったり
• ワクワクしたり
そして、そうした感情をもとに「行動を決定」していきます。
人は「勘違い」を前提に行動を選択していることも実は多いのかもしれません
合理的な判断のつもりが、実は非合理?— プロスペクト理論の視点
このように、人は合理的に考えているつもりでも、実際には感情や思い込みに左右されています。
これも「勘違い」の一種と言えるかもしれません。
プロスペクト理論の具体例
例えば、次の2つの状況を考えてみてください。
▶ 状況A:確実に10万円をもらえる
▶ 状況B:50%の確率で20万円もらえるが、50%の確率で0円になる
多くの人は「確実に10万円をもらえる方」を選びます。
でも、同じような状況で損失が絡むと、人の判断は大きく変わります。
▶ 状況C:確実に10万円を失う
▶ 状況D:50%の確率で20万円を失うが、50%の確率で0円になる
この場合、多くの人は「確実に10万円を失う」のを避けようとし、リスクを取って「50%の確率で20万円失う」方を選びます。
つまり、**「得をするときは確実に取りたがる」のに、「損をするときはリスクを取ってでも避けようとする」**という非合理的な選択をしてしまうのです。
ぼくらは「合理的に考えているつもり」でも、実際には感情に左右されて判断している。
これこそが「勘違い」による意思決定の代表例と言えるかもしれないですね。
禅の教えと「幸せな勘違い」
ぼくが以前坐禅をしに通っていたお寺では、坐禅の前に般若心経を唱えます。
般若心経の中心にあるのは、「この世界はすべて移り変わるものであり、実体のないものに囚われる必要はない」 という考え方です。
つまり、ぼくたちが「これは絶対に正しい」と思い込んでいることも、実はただの捉え方のひとつに過ぎず、違う捉え方がある可能性は高いと思うのです。
それなら、「どうせなら、自分のパフォーマンスが上がるような捉え方を選んでみるのもいいかもしれません。」
まとめ:「勘違い」を味方につける
✔ 人間は合理的に判断しているつもりでも、非合理的な選択をする
✔ 勘違いが良い結果をもたらすこともあれば、逆もある
✔ どうせなら、自分のパフォーマンスが上がるような捉え方を選んでみるのもいいかもしれません。
では、今日からあなたはどんな「幸せな勘違い」をしてみたいですか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました!