ヒラ公務員欧州へ行く12 ~FCバルセロナとASローマ~
2015/9/16 wed 風邪の状態:★★(バチカンでのダメージ引きずる)
イタリア ローマ
遡る事3週間前、出発前での日本。ぼくは固唾を飲んでテレビを見守っていました。
予定しているヨーロッパ旅行の行程を変えるかもしれない、ある抽選会が行われていたのです。
その抽選会とは、チャンピオンズリーグ(CL)の試合の組合せを決めるものです。
CLとは欧州にある数多くのサッカークラブの中で国を越え一番強いクラブを決めようという大会です。その試合の日程が、私がイタリアに滞在する期間と偶然重なっていたのです。
CLに出場するイタリアのクラブは2つ。そのどちらかがホームゲーム(イタリアで試合)するとなれば、日程はきつくなりますが物理的に見に行くことは可能です。
抽選の結果は、イタリア北部を本拠地とするチーム「ユベントス」はアウェイ(イギリスでマンチェスターシティと試合)、もう一方のローマのクラブ「ASローマ」はホームとなりました。
しかし、CLとはいえASローマの相手次第です。よほどの相手でなければ、ミラノから2時間以上かかるローマまでサッカー観戦に行く気にはなりません。
が、対戦相手を見て私は即ローマ行きを決めました。相手はメッシ、ネイマール、イニエスタを擁するFCバルセロナだったのです。
私は普段V・ファーレン長崎と日本代表を応援していますが、観てみたいチームや試合はこの世にごまんとあります。だれもが聞いたことのあるバルセロナのようなクラブは勿論、聞いたこともないようなクラブ同士の試合も観てみたいくらいです。それもできれば生観戦で。
今回日程がきつくなることを承知でローマまで行ったのは、バルセロナを観るためだけでなく「バルセロナが来ることで満員になるであろうスタジアムで、地元のクラブを地元の人と一緒に応援したい」という気持ちがあったためです。
サッカークラブもその土地の立派な文化の一つだと思います。その文化を肌で感じるには、地元の人と同じ目線で一緒に応援することが一番ですし、ましてそれが満員なら最高です。
これは私なりに考えるスポーツツーリズムなのです。
バルセロナは尊敬していますし、プレーを見ればレベルも高いため確かに楽しいです。が、ぼくにとってはそれだけでは特に応援する理由にはなりません。有名チームは勝つべきという考えもまったく持ち合わせていません。
以前、欧州サッカーを見ていたときに、リーグ下位のチームに負けそうになりながらもなんとか勝ったビッグクラブを見て、日本人解説者が「世界にとってはやはり、ビッグクラブが勝ってよかった」と言ったのを覚えてますが、まったくの意味不明です。
ビッグクラブは世界への影響は大きいですし、彼らを見て子供たちも憧れを抱き、結果競技人口や関心のある人を増やす…ということは理解できます。でも、敗れた下位チーム(非ビッグクラブ)も、その地元で大切にされ応援され続け、紆余曲折ありながらもつむいできた歴史があるはずなのです。この日本人解説者の発言・考え方は、そういったクラブへの敬意を欠いた冒涜以外の何物でもないと思います。強大なものへの忖度にも近い発言だと思いました。
要するに、ぼくはビッグクラブだからと言って応援する気は一切ないのです。見てみたいとは思いますが。これはFCバルセロナも同様です。もちろん、ほかの人たちがビッグクラブを応援することは何とも思わないし、自由だと思います。ビッグクラブ以外を貶めるような考えは許せないのです。
バチカンを出てローマオリンピックスタジアムに到着し、今日だけASローマの地元ファンとなり、FCバルセロナを迎え撃ちます。
↓ ヒラ公務員欧州へ行く1~11はこちら
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