
算出するだけで稼働率UPに繋がる魔法の指標
こんにちは
デイサービスのプロ、けんです。
このnoteでは、稼働率UPに必須の指標として、「LTV」の解説をします。
「稼働率がなかなか上がらない」
「チラシなどで宣伝したいけど妥当な費用がわからない」
「効果的な営業をしたい」
と、考えている方にオススメのnoteです!
LTVの考え方や指標をデイの運営に取り入れることができれば、デイサービスは100%間違いなく成長することができます。
そんな解説をする私ですが、これまでに2か所のデイサービスで相談員の経験があります。
1か所目は新規立ち上げから関わり、1年半で稼働率を60%へ
2か所目は周辺で最も古いデイであり、1年半で稼働率を30%台から70%へ
現在は現役の地域包括支援センター職員として1,500件以上の介護相談に乗り、50か所以上のデイサービスを見てきました。
詳しい経歴や実績、失敗談などはコチラのnoteをご覧ください。
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LTVとは
私は常々、「デイサービス(介護業界)は遅れている」とnoteに書いています。
様々な点から「遅れている」と感じていますが、「LTV」の考え方が取り入れらていないも「遅れている」と感じる理由のひとつです。
LTVはほかの業界では、一般的な指標であり、LTVをベースに事業を推進している会社も少なくありません。
しかし、介護業界は
「良いサービスを提供すればお客様が来る」
と、信じてやまないためLTVをはじめとするマーケティング施策にはかなり疎いです。
事実として、このnoteを読んでいるアナタが介護従事者だとしたら、「LTV」という言葉を聞いたことがないでしょう。
しかし、これはアナタが悪いのではありません。
マーケティングを教える上司や先輩が周りにいないせいです。
なので、私のnoteでマーケティングにちょっと触れてみましょう!
そして、デイサービスを成長させるコツは他の業界の当たり前を取り入れることです。
だって、
「近くのデイサービスがリハビリに力を入れ始めたら、利用者が増えたらしいからウチもやってみよう!」
と、他のデイのやり方を取り入れても、同じことを考えて、同じようにサービス提供するデイが増えるだけで高齢者やケアマネからするとどちらも全て同じデイにしか見えません。
要するに、「特徴がない」んです。
逆に、他の業界ではよくある手法や施策でもデイサービス業界で取り入れられていなければ、それだけで真新しい手法に見えます。
この「他の業界の当たり前をとりいれる」ですが、私が特に効果があると推奨しているのが、LINE公式アカウントの活用です。
LINE公式アカウントとデイサービスの関係性についてはコチラのnoteをご覧ください。
ということで、このnoteでは稼働率UPに必須の指標として、「LTV」を紹介します。
まずは、「LTV」とはなんなのか説明します。
デイにおけるLTV
LTVとは「顧客生涯価値(Life Time Value)」の略称であり、ある顧客が自社の利用を開始してから終了するまでの期間に、自社がその顧客からどれだけの利益を得ることができるのかを表す指標
LTVを説明すると上記のようになりますが、なかなかわかりにくい方もいると思うので、デイサービスに置き換えてみると
「ひとりの利用者が利用開始から利用終了までにデイサービスにもたらした利益」
となります。
例えば、Aさんと契約して、1年2年3年と利用していただき、入所などで利用中止になるまでの期間にAさんから得られた利益がAさんのLTVです。
では、そのLTVはどのように算出したら良いかというと、
① 一ヶ月の利益÷その月の利用者数
② ①を直近12ヶ月分算出して平均値を出す
③ ②の数字に平均利用期間をかける
④ LTVが算出される
この①~④がLTVの算出方法です。
少し補足します。
①では、その月の利益をその月の利用者数で割ることで、利用者ひとりあたりの利益が算出できます。この利用者数は1か月の延べ人数ではなく、実数です。
②はやらなくても構いませんがより精度の高いLTVを算出するなら必要です。
③ですが、①②の数字はあくまで1ヶ月の利益です。今回、算出したいLTVは「ひとりの利用者が利用開始から利用終了までにデイサービスにもたらした利益」なので、平均利用期間を掛けることで、そのデイサービスにおける「ひとりの利用者が利用開始から利用終了までにデイサービスにもたらした利益」すなわちLTVが算出できます。
計算自体は難しくないですよね。
もう少しイメージしやすくするために、全国平均の数字をもとに算出してみましょう。
〇 「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によるとデイサービスの1か月の売り上げは全国平均で「546万円」です。
○546万円はあくまで売り上げなのでここから人件費などが引かれます。デイの人件費率は約67%なのでキリよく70%とすると、「163万円」が残ります。この163万円がデイの1か月の利益です。
〇次に利用者数は50名とします。(50名の理由として、まず「2022年度 通所介護の経営状況について」によるとデイの平均定員が29.6なのでわかりやすく30名とします。続いて、同資料によると通常規模デイの平均稼働率は66%です。最後に、私の経験則として稼働率66%で定員30名だと利用者の実数は50名台と想定されるので、キリよく50名とします。)
〇平均利用期間は3年(36か月)とします。(理由として、デイサービスの平均利用期間のデータは見つかりませんでしたが、介護全般の平均期間は5.1年とされています。介護が必要な期間のうちデイサービスをずっと利用しているわけではないと想定されるので、今回はデイサービスの平均利用期間を3年(36か月)とします。)
デイサービスの1か月の利益が「163万円」、実数は「50人」、平均利用期間は「3年(36か月)」というケースをLTVの算出方法①~④にあてはめます。
① 一ヶ月の利益÷その月の利用者数
② ①を直近12ヶ月分算出して平均値を出す
③ ②の数字に平均利用期間をかける
④ LTVが算出される
↓↓↓↓↓
① 163万円÷50人=32,600円② ①を直近12ヶ月分算出して平均値を出す←今回は省略します。
③ 32,600円(本来は②)×36か月(平均利用期間)=1,173,600円
④ LTV=1,173,600円
ということで、このデイでは「ひとりの利用者が利用開始から利用終了までにデイサービスにもたらす利益=LTV」は約117万円ということになります。
LTVベースドマーケティング
このLTVという数字はあらゆるマーケティング施策を実行する際に活用できます。
例えば、商品やサービスで「初回無料」「〇か月無料」などの施策を見聞きしたことはありませんか?
AmazonプライムやYouTubeプレミアムは1か月や3か月無料のキャンペーンをよくやってますよね?
あれもLTVがベースにあるからできる施策です。
AmazonやGoogle(YouTube)は「一人の顧客がどれぐらいの期間、サービスを利用しているか把握しているので3か月無料にしても利益がでる」というデータをもとにこの施策を実行しています。
世界を牛耳るAmazonやGoogleもLTVをベースに施策を実行していることからLTVが重要なのは理解できたと思います。
では、デイサービスがLTVをベースにマーケティングを展開するのはどうしたらいいか…
繰り返しますが、デイサービスにおけるLTVとは「ひとりの利用者が利用開始から利用終了までにデイサービスにもたらしす利益」です。
つまり、ひとりの利用者を獲得するための費用がLTV未満であれば、利益になるということです。
AmazonもYouTubeもそうでしたよね。
例えば、今回は例として、LTVが117万円としました。
この117万円は「ひとりの利用者が利用開始から利用終了までにデイサービスにもたらす利益」です。
チラシのデザインやポスティングで外注費として100万円使って、利用者をひとり獲得できたのであればその利用者あたりのLTVは広告宣伝費を引いた17万円となります。
わかりますか?
LTVが117万円と把握できているので、外注で100万円使っても最終的には17万円の利益がでると計算ができるわけです。
なので、LTVさえ算出できていれば、どれぐらいの金額を利用者獲得のために使っていいのか根拠をもって示すことができます。
逆に言うと、必要以上の費用をかけなくて済むようになります。
例えば、LTV117万円なのに150万円の広告で利用者ひとりを獲得できても、33万円の赤字になってしまいますよね。
ほかのnoteでも何度も何度も言っているように、介護業界はマーケティングに疎すぎます。
だからこそ、まずはLTVを理解してマーケティングに使える予算を確保し、予算内で様々なマーケティングを実行し、成功と失敗を積み重ね、アナタのデイに最適なマーケティング手法を確立することがこの先、生き残るコツです。
例えば、マーケティング手法のひとつとして以前のnoteで『キャンペーン戦略』を紹介しました。
キャンペーン戦略は場合によっては費用が発生しますが、その費用もLTVを把握していればどこまで使えるかわかるようになり、根拠をもってキャンペーン戦略を実行することができるようになります。
最後に
デイサービスのLTVを算出するのはそんなに難しいことではありませんし、チラシを作成するにしろ、営業するにしろ、どんな手法で利用者を獲得する場合でも少なからずお金が発生します。
だから、すべての利用者獲得施策はLTVを算出することから始めるべきだと私は考えています。
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今後も「デイサービス×LINE公式アカウント」に関するnoteをいくつか書く予定なのでお楽しみに!
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