20240804 夏の恥は掻き捨て


夏だ!!!!!
みんな!夏わよ!!!!


陰で生きるものの割に、私は夏が好きだった。
しかし、もともと軟弱だった体力は加齢に伴いさらに低下。酷暑をのりきるだけのパワーは早々に尽きた。まだ8月上旬なのに。
いつもより彩度が気持ち高めの空や山の色とか、ヒョイと跨げるくらい狭い土手に思いの外澄んだ水が流れていて、それが陽光を受けてきらきらするのとか、ひぐらしの鳴き声と立ち上る濃い草の匂いとか、なんかそういうものを美しいと思う心がしぼみきってしまっている。
生きているだけで疲れる季節、それが夏。そうなってしまった。体が弱るって悲しい。身体能力だけじゃなくて感受性もみるみる枯渇してきている気がする。

陰のわりに好んで参加していた野外音楽フェスも、今夏1回行ったのみだが「引退」の2文字が脳裏をよぎった。終わりです、もう。
まだ憧れのRSRもフジロックも行ったことがないのに。
(今年のフジロック大変に良かったですね。夏フェス20年ぶりのsyrup16gとか、ノエル・ギャラガーも。あんなにOasisの楽曲をやってくれるなんてね。配信ありがたいね。)

syrup16g の音楽を聴くと、こんなにも生きたい人間あんまりいないよと思ってしまう。



創作したい。
よく言う、頭には思い浮かぶのに形には出来ないってやつね。あれ、本当だわ。
文章の組み立て、一番難しい。





この星はもうすぐ終わる。
それは今や人類みな周知の事実であった。

もちろん僕も知っている。

どこかの大学の、見るからに賢そうな学者が淡々とそう発表したのは2年ほど前だっただろうか。
聞きなじみのない言葉ばかりが並び、僕には難しくて大半が理解できなかった。
どうやら、宇宙線とかいう巨大なエネルギーを持つ粒子がこの星に降り注ぐらしい。そして爆発して終わるんだと、後から友人が噛み砕いた説明をしてくれた。あまりにもあっけない終わりかたに4コマ漫画みたいと他人事のように笑ったことを覚えている。

だが、その状況になす術なく滅亡を待つだけという時代はとうの昔に終わっていた。
「ここが駄目なら他へ移ればいいじゃない」と至極シンプルな結論に至った人類は、その叡知と技術力をもって近隣惑星への大規模な移住を可能にした。いわば、星ぐるみの引っ越しである。


 ◇

「君、住所移してないってどういうこと?もう住民票移行期間って過ぎてるはずだけど?」

目の前にいる上司が手元の書類と僕の顔を交互に確認しながら目を白黒させるようすが、昔に流行ったおもちゃみたいだった。

「え、えっと、25日まででは…?」
今日は18日だから、まだ大丈夫。24時間受付可能だからいつでも出来る、とひたすら後回しにしていた。

「えっ!?15日だよ?役所から申請書届いてたでしょ?もしかして見てないの!?」

「ちなみに25日までなのは転出期間」
隣に座っていた先輩があきれた顔で口を挟む。

「……え?」

「え?じゃない!この事業所も今週末に移転って前から言ってたよね。君、どうするつもり?まぁ、どうもこうも物理的に出勤できないんだから辞めてもらうしかないけどね!」

-そのだらしなさ、みんな迷惑してたよ。君が気づいてないだけで。

追い討ちをかけるようにそう吐き捨てた上司はもう帰っていいよ、と持っていた紙を僕につっ返してきた。

『新住所地及び通勤経路届』
今朝、急いで「住所地未定」とだけ走り書き、上司に渡したそれは先週末が提出期限だった。






 ・
みたいな話をね。


スマホで長文打つならキーボードのほうがいいなと思ってBluetooth接続のキーボードを買ったのに結局大半フリック入力している。意味ね~(PCは開くのがめんどくさい)

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