生き方を変える本
大層なタイトルだが、その大小に関わらず、生き方が変わる本というのに出会うことがある。ライフサイクルを変えた本、と言っても良いと思う。
ずっと本を読むのは嫌いではなかったが、好きなもの、好きな人、ある程度予測の範疇にある本を辿ってきたが、最近そうでも無くなってきた。とある小説家の方とお知り合いになり、作品を読んだりお話をしたり周りの方々と接することで、一歩を踏み出してみる場所が増えた。自分の中から出るものでやりくりしている、と言われることもあるが、そうだ、インプットの質を上げてみたけど、幅を広げてみれば良いんだ。
ということで、最近出会って生き方(ライフサイクル)が変わった本。
小説家・松宮宏先生の「竜馬ときらり」出版イベントに出演した際、トークショーでいらしていた江弘毅さんの本。単なるオシャレブックでは無く、ファッションとはなんのためにやっているのか、考えさせる一冊。「ファッションは利他である」これは効いた。単なる安心を求めるファストファッションの横並び、マスターベーションになりがちな世間とのズレ。「もうええ歳なんやから、それなりにええ服着んとな」とは思っていたが、ベクトルがまるで違う。気付き。服との付き合い方。非常にためになった。影響されて、さっそくリゾルトのジーパン買いに行ってもた。
ということで「竜馬ときらり」も。
帯の挑発的な売り文句につい購入。ジャズ、ブラックミュージックのおおざっぱな成り立ちは知っているつもりだったが、一般的な歴史をなぞった本ではない。黒人の壮絶なアメリカでの生活から滲み出る、生きるための術が込められている。濃過ぎてちょっとしんどかったが、認識の深みは持てた気がする。ムーとか好きな人はひょっとしたら良いかも。
もっと上手に演奏しなきゃ。自分なんてまだまだ。みたいなマインドで背伸びし過ぎてこけた演奏をしてしまう。こんな経験がたくさんあるが、歳とともに、なんかどうでも良くなってきた。その辺りを上手に裏付けしてくれた本。エロージャズのメンバーが自分のために買って、とてもよかったので勧めてくれた。自分は自分、あなたはあなた。音楽なんて個を感じていれば良いんだという認識を理屈で支えてくれる本でした。体験と理論の二本立ては、それはそれは頼もしい。
ふつふつと低温で沸いていた興味を一気に沸き立たせてくれた一冊。我が街神戸の歴史。実は縁者である神戸の詩人・竹中郁さんへの興味。数年前からなんとなく気になり始めた絵画。この3つが一気に目の前に立ち上がった。神戸は好きだと脊髄反応的に言っていたが、その成り立ち、外国との絡み、港町神戸の港があったからこそ神戸がこんな街になった。そして意外と浅い歴史の神戸だからこそ新しいものを受け入れる土壌がある。なるほどな。と歴史を読み辿っていく過程で、阪神間モダニズムの章、なんと竹中郁の記述。どこで足跡を辿れるか、親友の小磯良平の小磯記念美術館、チャリンコで15分やないか。美術館探訪。絵画を知りたい。西洋美術史を学ぶ。というのがここ数ヶ月のムーブメント。えらいこっちゃ。
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