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『包帯』Tele
初めて聞いた時、彼は死をこう捉えていたんだってちょっと拍子抜けした。もちろんほっとしたという良い意味で。ドラマのテーマに対してとてもポップなメロディと柔らかい声だなと思ったから。この曲からは死の匂いは確かにするし、それは温かい匂いなんだけど誰も足を止めることは無い匂い、それこそ焼きたてのパンみたいな。でも確かに、この曲がエンディングテーマであるドラマでは他のドラマで一番のバットエンドとも捉えられる"死"が30分の中でナチュラルに登場する。そういう意味では通ずるものがあるのか、と思った。
私が個人的に好きな歌詞は「ダクトに流れる暮らし≒額縁の中にしまう後悔。」というフレーズ。前者が生、後者が死。なんでもない生活と額縁の中で微笑む遺影。流れるものと止まったもの。一見、対極に居座る2つが≒で結ばれ共存する。たまらなく好き。≒が丁度いい。本当に。
生きることとは、死なないでいること。そう答えた彼が書いたこの詞、MVに嗜好品である珈琲や煙草が描かれているのもなんだかすごく面白い。死と並んで音を奏でたり、逃げ回ったり。明るくあってくれと願ったり、やっぱりそれは難しいのかもと思ったり。
誰も否定しない、彼の書く曲がが心から大好きです。全てを取りこぼさず掬うことなんて出来ないけどそれでも何とか、結んで引き摺ってでも連れていこうと抗う彼が私は大好きです。