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アートとコピー⑥|コンビだから行けるところへ

コンビを組むことに、正解はあるか。

先日、第6回目となる「アートとコピー」の講座を終えた。今回のスペシャルなゲストは、博報堂の鈴木智也さん。「あぁ、アート生とコピー生のために、語りかけてくれている。受け取らないと。」そう思える熱い時間だった。

「 ”コンビを組む”ということの正解は、僕にもまだ分からない。」鈴木さんの一言が、とても、とてもとても、深いものに感じた。誰かと組んで、何かをつくることのプロが「分からない」のは、なぜだろう。本当に「分からない」のだろうか。そんな「?」を抱えつつ講義を聞き始めたのだが、このモヤモヤは、すぐに晴れた。

あくまで私なりの解釈だが、ただ単に「分からない」のではなく、「分かるわけがない」のだと感じた。すこぶる探究心に溢れた鈴木さんが意識されている「トライ&エラー」の姿勢。どんな仕事においても、試行錯誤を繰り返し、必ず「最適」を見つけている。つまり、仕事を作業と捉えていないということ。鈴木さんの仕事には、テンプレートなんてないということ。きっと、全部が別物で、全部が特別なんだ。

コンビを組むなら、自分を持とう。

もうひとつ、忘れたくない気づきがある。それは、「自分を持つ」ということ。コンビとしての可能性を狭めるのも広げるのも、自分次第。自分の考え、自分の熱量、自分の感情、自分の表情、あらゆる「自分」が、コンビの運命を左右する。

もちろん、コンビを組むということは、相手がいる。その相手を信じ、託すことで、ものづくりの質も高まっていくだろう。けれど、そのような関係を築くためには、自分自身の心の余裕が必要だ。コンビといえど、他人。境遇の違いを面白がり、楽しみ、尊重し、成長しあえるように、まずは「自分」を大切にしたい。

コンビだから、行けるところへ。

アートとコピーも終盤。これまでの課題制作過程を振り返ることも増えた。試行錯誤が楽しいときもあれば、苦しいこともあった。思い出されるネガティブな時間は、いずれも自分の心に余裕がなかったときだ。しんどいときに、相方に引き上げてもらったこと、全部、覚えている。やっぱり、コンビって、強いんだ。課題を課題として捉えるステージから、一緒に抜け出したい。その先へ行きたい。全ては自分次第。講座がスタートした頃の熱量を、もう一度取り戻そう。

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