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恋アスを視聴したら次に観るべき天文アニメ6選

星咲高校地学部の活動を描いたTVアニメ「恋する小惑星(恋アス)」の放送終了から4週間が経ち、本日4月24日にはニコニコ生放送にて全話一挙放送が行われました。皆さん円盤を買いたくなりましたね?

さて春アニメの放送も始まりましたが、今年は残念なことに、某感染症の影響により、放送延期が相次いでしまっています。しかも、外出自粛で暇を持て余してしまった方も多くいらっしゃることでしょう。そんな方は、この機会に過去の天文アニメ作品を配信などで振り返ってみるのはいかがでしょうか。

この記事の趣旨

kn1chtと申します。中学・高校・大学で8年間天文部に在籍し、恋アスを毎週とても楽しみに観ていた天文ファンの1人です。天文ファンの視点から恋アスを考察した記事を12話分書きましたので、そちらもご覧いただけますと幸いです。

本記事では、これまで制作された「天文アニメ」をピックアップしておすすめしていきます(選定の理由等は記事の末尾にあります)。基本的に筆者が視聴したものを挙げていますが、一部視聴が終わっていないものもあるのでご容赦ください。

1.宙のまにまに

元祖「天文部アニメ」。趣味としての天文をもっと知りたい人におすすめ。

・放送  2009年夏
・話数  全12話
・制作  スタジオコメット
・原作  柏原麻実によるコミック
・配信  dアニメストア / AbemaTV /  U-NEXT /  バンダイチャンネル(レンタル) / GYAO!(レンタル)

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©柏原麻実/講談社・蒼栄高校天文部

通称「宙まに(そらまに)」。天文アニメの祖であり、天文趣味を扱ったアニメとして最もまっとうな(?)タイプの作品といえるでしょう。

主人公の大八木 朔(おおやぎ さく)は、入学した高校で幼馴染の明野 美星(あけの みほし)と再会し、半ば強引に天文の世界に引っ張り込まれます。はじめは興味がなかった朔ですが、天文部の活動や部の仲間との交流を重ねていくうち、星への造詣を深めていくことになります。

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第2話「ファーストスター」より ©柏原麻実/講談社・蒼栄高校天文部

幼馴染と再会して天文部(地学部)に入部するという部分は、恋アスとよく似ていますね。ただ、登場人物全員がいきなり趣味人全開だった恋アスと違い、主人公は天文に関して最初は全くの素人です。そのため、天文の知識がまったくないという方でも、キャラクターと一緒に星に入門しやすい流れになっています。

また、地学のあらゆる分野の活動を描く恋アスと違い、宙まには天文部なのでずっと星に関する活動です(アニメの範囲に限る。原作では途中から石好きも出ます)。天文部のお約束である観測合宿やプラネタリウム作りに加え、他校の天文部との交流など、「天文部あるある」が詰め込まれたストーリーになっています。

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第9話「高校天文ネットワーク」より ©柏原麻実/講談社・蒼栄高校天文部

一番気になる(?)星空描写ですが、まったく心配はいりません。なぜなら、恋アスでも協力で入っていたアストロアーツさんが本作でも全面協力しているからです。専門メーカーの技術を駆使して描かれる正確な星空や星座絵に注目です。ちなみに、こちらも恋アスでおなじみの望遠鏡メーカー、Vixenさんの望遠鏡が出てくる回もあります。

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第5話「言葉の星」より ©柏原麻実/講談社・蒼栄高校天文部

最後に、一部の人には最重要の情報ですが、主要キャラがだいたい女子の恋アスと違い、宙まにでは普通に男女のキャラが出てきてラブコメします。あらかじめご了承ください。

2.planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜 / planetarian~星の人~

「プラネタリウムはいかがでしょう? どんな時も決して消えることのない、美しい無窮のきらめき

・放送  2016年夏(ネット配信アニメ)・9月(劇場アニメ)
・話数  全5話 + 117分(映画)
・制作  david production
・原作  Keyによるキネティックノベルゲーム
・配信  dアニメストア /   U-NEXT /  バンダイチャンネル / GYAO!(レンタル) / ニコニコチャンネル(レンタル)

planetarianは、KeyによるPCノベルゲームから始まり、配信と映画の2作品が公開されたSF作品です。

第3次世界対戦により世界が荒廃し、厚い雲が常に地上を覆うようになった西暦2079年。廃墟の物資を回収して生きる「屑屋(くずや)」は、ある日廃墟のはずのプラネタリウムで解説員ロボット「ほしのゆめみ」と出会います。訪れるはずのない「お客様」を30年近く待ち続けていたゆめみと成り行きで過ごすうちに、冷たかった屑屋の心情は変化していきます。そして、屑屋の生き方を決定的に変えてしまう出来事が起こるのでした。

あらすじの最初に書いてある通り、本作の舞台となる近未来では気候の激変により星が全く見えません。従って、天文アニメとしてはかなり異質な作品になっています。主人公の屑屋は27歳で、一度も本物の星を見たことがないのです。本作は、そのような暗い状況にも関わらず、プラネタリウムが人々に星の美しさを伝えていくさまを描いています。

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第3話「ゆめみの投影」より © VisualArt's / Key / planetarian project

本作の星空描写も、もはやおなじみ(?)のアストロアーツさんが手掛けます。プラネタリウム投影専用のソフトウェアでシミュレーションし、実際の星空とは微妙に異なる見え方をしっかり再現する手の込みようです。こういった経緯があって、同社発行のムック「星空年鑑 2017」の表紙にほしのゆめみが登場。巡り巡って、恋アス3話の冒頭でほしのゆめみがゲスト出演(?)することになったのです。

物語のキーとなるプラネタリウムですが、「ほしのゆめみ」は投影機のことを「イエナさん」と呼びます。このイエナさんは、明石市立天文科学館で現役稼働しているカールツァイス・イエナ UPP23/3型のことです。1960年に導入された、稼働しているプラネタリウム投影機としては日本最古です。明石市立天文科学館はplanetarianファンの聖地となっており、同館の協力でドーム内での上映イベントが行われたこともあります!

そんな熱いファンが多数いるplanetarian。配信版と映画版に分かれますが、配信版の20分×5話だけでもストーリーとしては完結します。まずは配信版を観て、ほしのゆめみとプラネタリウム・イエナさんが織りなす星の世界を味わってみてはいかがでしょうか?

3.天体のメソッド

「円盤」が湖に浮かぶ町。天文台での思い出をたどり、7年前の「願い」を叶えるストーリー。

・放送  2014年冬
・話数  全13話
・制作  3Hz
・原作  オリジナル(原案・脚本:久弥直樹)
・配信  dアニメストア /   U-NEXT /  バンダイチャンネル(レンタル) / Amazon Prime Video(レンタル)GYAO!(レンタル)

湖の町・霧弥湖町に巨大な「円盤」が出現してから7年。霧弥湖町へ引越してきた古宮 乃々香(こみや ののか)は、自分を知っている謎の少女ノエルと出会う。「乃々香の願いを叶える約束をした」と語るノエルや中学校クラスメイト達と交流するうちに、7年前の「約束」をめぐって事態が動き出していく。

ノエルがかわいいことで有名な天体のメソッド。本作の主題は過去の思い出をめぐるドラマとファンタジーで、その中に「天文台」「流星群」「自作プラネタリウム」といった天文モチーフがガンガン登場してきます。毎回星を見上げるようなアニメではない(そもそも頭上に巨大な円盤が浮いていたら、星を見るどころではなさそうですもんね……)ものの、星空や天文台に関わる「記憶」がストーリーの根幹を支えています。天文的な要素が、キャラクターたちの心情とストーリーを効果的に演出していくのを楽しんで鑑賞するといいでしょう。

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第3話「記憶のありか」より © 霧弥湖町観光協会

なお、天体のメソッドはモデルとなった洞爺湖町や壮瞥(そうべつ)町の風景が丁寧に再現された「聖地アニメ」としても有名です。本作で繰り返し登場する天文台も、「森と木の里センター」という実在の宿泊施設の天文ドームが元になっています。

聖地が徹底的に再現された一方で、星の描写については少し疑問もあります(※ アニメ演出としてどこに重点を置くかの違いはあって当然だと思うので、責めるわけではありませんよ!)。例えば、主人公たちが文化祭の出し物として制作するプラネタリウムのシーンですが、明るい星が満遍なく散りばめられていて、実際の星空を再現したものではなさそうに見えます。

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第8話「彼女の信じること」より © 霧弥湖町観光協会

また、とても印象的な「流星群」の場面で、複数の流星が平行に流れるように描かれます。恋アスの解説記事で何度か登場しているように、流星群の流星はある1点(輻射点)から放射状に飛び出してくるように見えるので、この描写は正確ではありません。
※ これはとても感動的な場面なので、実際にご覧になる際は今の指摘を忘れて物語に没入してくださいね!

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第11話「流星群の夜」より © 霧弥湖町観光協会

天文描写には正確さに欠ける部分があるにせよ、本作は天文のモチーフを物語の重要な演出として有効に活用できていると言えます。キャラクターのデザインもとてもかわいいので、今回ご紹介した中で恋アスに近い雰囲気を最も感じられるアニメだと思います。

4.放課後のプレアデス(テレビアニメ版)

魔法少女ものに見せかけた、地球惑星科学アニメ

・放送  2015年春
・話数  全12話
・制作  GAINAX
・原作  オリジナル(キャラクター原案:菊池大輔)
・配信  dアニメストア /  バンダイチャンネル(レンタル) / Amazon Prime Video(レンタル)GYAO!(レンタル)

このアニメの出自は少し特殊で、もともとはスバル自動車の宣伝のため、2011年にYouTubeで公開された24分のアニメーションでした(これは2020年現在でも無料で視聴できます)。車は直接は出てこないものの、魔法の杖の音がエンジン音になっているなど、作中の随所にスバルの要素が隠されています。このYouTube版がリメイクされ、テレビアニメ版として放送されたのです。

主人公のすばるは星が好きな中学生で、1人で天文部に所属してひっそりと星を見る生活を送っています。そんなある日、幼馴染のあおいたち4名と、プレアデス星人(プレアデスはすばるの別名ですね)と名乗る生物と遭遇したことで、魔法少女のような姿に変身して「エンジンのカケラ」を集める羽目になります。プレアデス星人のもとに集った「何者でもない」5人の少女たちは、「カケラ」を集める戦いを成し遂げることができるのでしょうか。

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第2話「星めぐりの歌」より ©GAINAX/放課後のプレアデス製作委員会

こんなあらすじとビジュアルを見たら、未視聴の方のほとんどが「ああ、魔法少女モノなんだな」と思うのではないでしょうか。しかし、その実態は骨太の宇宙SFで、それを背景に5人それぞれが過去を乗り越え、成長していく過程がとてもエモーショナルに描かれている作品になります。エモーショナルな部分の語りは先人の記事に譲るとして、ここでは本作がどう宇宙SFなのか述べていきます。

2話くらいまでは、すばるたちは「ドライブシャフト」と呼ばれるホウキ状の装置で空を飛んでいました。ところが、3話の最後でいきなり宇宙(正確には地球と宇宙の中間にある「宇宙の渚」)に到達してしまいます。これ以降、月に行ったり土星の輪に行ったり太陽系外縁部に行ったりと、移動距離がどんどんインフレしていくのです。

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第5話「帽子と氷とお姫様」より ©GAINAX/放課後のプレアデス製作委員会

さまざまな太陽系の天体を舞台にアクションシーンが展開するわけですが、なんと天体描写の監修に国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト(4D2U)の小久保英一郎先生らが入っています。特に、土星のシーンは、最新のシミュレーション研究のデータが反映されたリアル重視の映像になっています。

筆者のおすすめは第8話「ななこ13」です。コスプレ部一の不思議キャラであるななこが、約0.25光年先の太陽系外縁部に到達するために亜光速(光速の99.999%)で飛行することになります。亜光速に達したななこの周囲の星が虹色になって集まるのですが、これは亜高速飛行時に見えると言われている「スターボウ」です。また、相対性理論が導く「時間の遅れ」によって、外縁部到達にななこ側で半日しかかからないのに対し、地球側では3ヶ月が経過します。両者が交互に描かれることで、その時間的断絶がいっそう強調されます。

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第8話「ななこ13」より ©GAINAX/放課後のプレアデス製作委員会

このように、宇宙SFあるあるのネタを的確に取り込んでくるのがこの作品のすごいところだと思います。さらに言えば、こうしたSFネタをキャラクターの内省や救済にまで繋げてくる点もうまいのですが、いい加減分量が多くなりすぎなので、気になる方はぜひ本編を観てください。

5.Charlotte

彗星の回帰が引き起こした特殊能力をめぐる物語

・放送  2015年夏
・話数  全13話
・制作   P.A.WORKS
・原作  オリジナル(原作・脚本:麻枝准)
・配信  dアニメストア / U-NEXT / バンダイチャンネル / HuluAmazon Prime Video(レンタル) / GYAO!(レンタル)

Charlotte(シャーロット)全体のテーマは特殊能力をめぐる人間ドラマで、天文要素が直接関わる部分はそれほどありません。強いていえば、アニメの1話~2話では、主人公である乙坂 有宇(おとさか ゆう)の妹・乙坂 歩未(おとさか あゆみ)が星好きで、日課としてベランダで望遠鏡を覗くシーンが出てきます。これで天文ファンは若干盛り上がったものの、後半からは特に出てこずがっかりしました……(なお、ここで歩未が使っているのは、恋アスの地学部も保有している「Vixen ポルタⅡ A80Mf」です)。

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第二話「絶望の旋律」より ©VisualArt's/Key/Charlotte Project

話が進むうちに話の根幹に関わってくるのが「シャーロット彗星」という75年周期の周期彗星です。2話で歩未が「長期彗星」を見てみたいという話をしたのが伏線で、実は超能力者が生まれる原因が彗星だったことが明かされます(ちなみに天文用語の「長周期彗星」は周期200年以上と定義されているため、シャーロット彗星は「長周期彗星」ではありません)。

シャーロット彗星と同じ、75年の周期を持つ彗星があります。有名なハレー彗星(1P/Halley)です。その出現は人類の歴史上繰り返し観測され、記録が残されました。1910年の接近のころ、日本では「空気がなくなる」という噂で人々が震え上がったそうです。一方で、宮沢賢治の親友である保阪嘉内がスケッチしたハレー彗星の姿が『銀河鉄道の夜』の重要なヒントとなったという説もあります。
(藤井旭.「藤井旭が見に行く 宮澤賢治「銀河鉄道の夜」と親友・保坂嘉内」,『月刊天文ガイド』.Vol. 47,No. 9,2011年8月5日)

75年後である1986年の接近は、日本を含め北半球からは見づらいものでした。しかし、各地で観測会が催され望遠鏡が飛ぶように売れるという一大「彗星ブーム」が起きました。ハレー彗星をきっかけに、天文少年・少女となった人も多かったはずです。

Charlotteの脚本を手掛けた麻枝准氏が、ハレー彗星をめぐる物語をどれほど意識していたかは分かりません。ただ、人の一生に相当するほどの時間をかけて戻ってくるハレー彗星が、現実に人々に影響を与えてきたことに思いを馳せながらCharlotteを鑑賞するのも悪くないと思います。

次回のハレー彗星の接近は2061年です。

6.星空キセキ

この夏、星空に恋をした

・放送  2006年7月
・話数  全1話(27分のOVA)
・制作   コミックス・ウェーブ
・原作  オリジナル(原案・脚本など:松原俊和)
・配信  dアニメストア / U-NEXT / バンダイチャンネル / Amazon Prime Video(レンタル) / GYAO!(レンタル)

本記事でご紹介する作品では本作が一番古いです。アニメーション制作のコミックス・ウェーブは、新海誠の映画などを手がけるコミックス・ウェーブ・フィルムの元になった会社です。

天文部員のこずえは、幼いころ手に入れた「隕石のカケラ」に導かれ、1人で星を見る旅に出ます。旅をする中で出会った謎の少年・銀河に惹かれるこずえですが、「使命があるから関わらないで」と拒絶されてしまいます。「使命」をめぐる計画が着々と進む中、こずえの旅の顛末が描かれます。

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Ⓒ 119.CoMix Wave Films / D.I.C

この作品、レビューサイトなどを見ればすぐわかりますが、評価がかなり低めです。「使命」や「隕石のカケラ」など意味ありげな伏線や回想が山ほど登場するのに、その説明が十分なされないままストーリーが終わり、盛り上がりに欠けるというのが主要な問題のようです。27分という時間では、入れたかった要素を表現しきれなかったのかもしれません。

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(アニメの望遠鏡は屈折式が圧倒的多数ですが、本作は珍しく反射望遠鏡です。肝心の接眼部が見当たらないのが残念) Ⓒ 119.CoMix Wave Films / D.I.C

天文描写はどうでしょうか。全ての場面を検証してはいませんが、「このあたりが〇〇座かな」と見当がつく程度には実際の星座を再現しています。また、途中でこずえがたどり着くプラネタリウムでは、かなり丁寧に投影機が描写されます。軸部分や恒星球(恒星を投影するための球状の部分)の形状から、カール・ツァイスⅣ型プラネタリウムではないかと思います。

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Ⓒ 119.CoMix Wave Films / D.I.C

この機種の実機は、日本国内では東京都のコスモプラネタリウム渋谷や、愛知県の名古屋市科学館に保存展示されています。足回りの形状から、おそらく渋谷の方をモデルにしたのでしょう。planetarianに登場した「イエナさん」もカール・ツァイス社製なので、親戚にあたりますね。

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コスモプラネタリウム渋谷のカール・ツァイスⅣ型(筆者撮影)

本作は決して成功した作品ではないものの、全体にわたる独特な雰囲気が不思議とノスタルジーを感じさせます(自身が天文部員だったからそう感じるだけかもしれませんが…)。27分で見終わる短さなので、配信サービスで観られる環境にある方はチェックしてみてください。

そもそも天文アニメとは何なのか?

星や天文の要素が出てくるアニメは、もちろん上に挙げたものだけではありません。それらをご紹介していないのは、単純に筆者が未視聴で知見が不足しているだけ……という理由ももちろんありますが、どんな作品が「天文アニメ」と言えるのかを考えてみると結構面白いです。

「天文部が出てきたら天文アニメだろ」みたいに雑に考えていた時期が私にもありましたが、このsiori kitade氏の定義を読んで考えが変わりました。

「天文アニメ」というのは単に天文の知識が使われているアニメということではなくて、天文をモチーフに用いつつ、ある特定のテーマが共有されているようなアニメ群のこと。

調べれば分かりますが、「天文部」という部活自体は、珍しい感じがウケるのか意外といろいろな作品に登場します。本記事で出なかったアニメの中で例を挙げると、「失われた未来を求めて」「えびてん 公立海老栖川高校天悶部」「極黒のブリュンヒルデ」「徒然チルドレン」などですね。これらには天文部またはそれに類似する部活動が出るものの、別に天文が主題ではなく、サスペンスだったりギャグアニメだったり恋愛アニメだったりします。

※これらの作品にも、望遠鏡や自作プラネタリウムなど天文ネタが出てくるものもあるので、気になってはいます

我々天文ファンの琴線に触れるようなアニメに出会いたいなら、そのテーマ性をこそ重視すべきではないでしょうか。kitade氏が指摘している通り、天文アニメでは「過去の約束・思い出」が物語のキーとなることが不思議と多いです。これは、日常・非日常の時間スケールを内包する星空が、年月の流れと人の変化を感じさせる素地を持つことと無関係ではないのでしょう。

筆者は天文アニメが好きですが、単に星が自分の趣味だからというだけでなく、過去と現在の繋がりというテーマにも心惹かれているのかもしれません。

これからの天文アニメの益々の発展を祈って、この記事の結びと致します。

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