産業保健・労働衛生のエビデンスを集めるためにおすすめのTwitterアカウント
現在、私は大学院に在籍しています。自分の研究テーマのため、また産業医活動のためにエビデンスを調べたり、集めたりしています。
エビデンスとは、科学的根拠のことであり、実験や疫学調査などの研究結果から導かれた知見のことです。
エビデンスの集め方として、「どんなエビデンスが必要か」を考えて収集することは重要です。臨床疑問の定式化といいますが、この方法として「PICO」や「PECO」があります。科学的根拠を報告する論文のデータベースとしては、PubMed(アメリカ国立生物工学情報センターの提供する医学・生物学分野の論文検索サービス)があります。他にも、CiNii(国立情報学研究所)や医中誌Webなどがあります。
臨床疑問の定式化に加えて、私は「日常的にエビデンスに触れる」ということを習慣付けています。自分の興味のある情報を定期的に目にするようにして、エビデンスに触れる時間を増やしています。そして、興味深いと思った内容についてはじっくり読むようにしています。
信頼できるエビデンスに効率よく触れるためには、ジャーナルや大学教育機関の公式SNSアカウントが便利です。興味深いと思ったtweetには「いいね」したり、興味のあるアカウントだけまとめたりすることもできます。
最近ではDeepLやSimple Translateなどの翻訳アプリが豊富にあるので、英語を読むのもそこまで苦労しなくなりました。翻訳を使わないで読むこともしたほうがいいとは思いますが。
例えば、Twitterでは以下のようなジャーナルの公式アカウントがあります。
・Occupational and Environmental Health (OEM): 労働衛生分野のトップジャーナル。
・Scandinavian Journal of Work, Environment & Health (SJWEH): 同じく労働衛生分野のトップジャーナル。
・Journal of Occupational and Environmental Medicine (JOEM): 米国産業環境医学会(ACOEM)が発行するジャーナル。
・Occupational Medicine: イギリスのSociety of Occupational Medicineが発行しているジャーナル。
また、ジャーナルではありませんが、アメリカ国立労働安全衛生研究所(NIOSH)の公式アカウントがあり、こちらも参考になります。
海外の大学公衆衛生学部のアカウントにも良い情報があります。例えば、ハーバード大学(Harvard T.H. Chan School of Public Health)です。
ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health)もあります。
日本では、産業医科大学 産業保健学部 産業衛生科学科のアカウントがあります。
Twitterにはありませんが、FacebookにはJournal of Occupational Health(日本産業衛生学会が発行する国際誌)のアカウントがあります。
他にも、臨床医学領域ではNEJM、Lancet、BMJ、JAMAなどのジャーナルアカウントがあります。NatureやScienceの科学雑誌も公式SNSアカウントがあり、面白い研究を発信しています。
私は情報収集のためにTwitterをしていることが多いですが、このようなアカウントをフォローすることで産業保健・労働衛生の情報を日頃から目にすることができます。よければ皆さんもフォローしてみてください。
欲を言えば、日本の労働衛生のジャーナルや学会も、もっと公式アカウントを作って積極的に情報発信をしてくれると嬉しいのですが…。
※追記
産業保健職のTwitterの有効活用術については、ガチ産業医先生(@fightingSANGYOI)のnoteが良くまとまっています!