海外の産業保健Twitterアカウント
世界で労働衛生(Occupational Health)や労働安全衛生(Occupational Safety and Health)は大きなテーマであるということは共通しています。多くの人にとって仕事は生活の中で大きな位置を占めるものであり、健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health)となっています。グローバリゼーションや仕事の多様化、COVID-19に代表される新興感染症、気候変動によっても労働衛生は大きく影響を受けます。
今後は、労働関連の怪我や病気を減らすという従来の労働衛生の目的を超えて、仕事がどのように労働者の健康や幸福感と関連しているのか、という考えに進んでいくでしょう。労働安全衛生(研究)の将来については、こちらの文献が詳しいです。
実は、産業医を専任する制度は世界共通ではありません。ドイツでは法律で産業医専任義務はありますが、アメリカやイギリスには産業医専任を義務付ける法的な制度はありません。
詳細は厚生労働省がまとめた「諸外国の産業医及び産業保健サービス機関に関する制度」が詳しいです。
https://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000qmvh-att/2r9852000000ryv7.pdf
以前、「産業保健・労働衛生のエビデンスを集めるためにおすすめのTwitterアカウント」というnoteを書きましたが、Journalや大学の公式アカウントだけでなく、海外でも産業保健職や産業保健の研究者はSNSを活用して情報発信を行っています。産業保健の最新のトレンドを知るために、海外のアカウントをフォローすることは有用だと思われます。
海外の労働安全衛生の情報を発信しているアカウントをいくつか紹介したいと思います。
ICOH: International Commission on Occupational Health、国際産業保健学会
労働安全衛生に関する情報、研究を発信している国際団体です。Twitterアカウントもあり積極的に情報発信しています。2023年にモロッコで学術集会が行われる予定です。
日本語での解説は中災防の記事がわかりやすいです。
ACOEM: American College of Occupational and Environmental Medicine、米国労働環境医学学会
アメリカの労働衛生学会です。アメリカでの産業衛生専門医の認定や情報発信を行っています。こちらもTwitterアカウントがあります。
ACOEMとアメリカの産業衛生専門医制度については、こちらの記事に解説があります。
https://www.jashcon.or.jp/publish/pdf/67/67kaigai.pdf
IOSH: Institution of Occupational Safety and Health、イギリス労働安全衛生協会
イギリスにおける安全衛生専門家のための組織で、労働安全衛生に関する研修、出版等の事業等を行っています。
研究者個人も積極的に情報発信を行っています。
例えば、ワーク・エンゲイジメントの概念を提唱した、オランダ・ユトレヒト大学のWilmar B.SchaufeliもTwitterのアカウントを持っています。
ロッテルダムのエラスムス大学産業・組織心理学部教授のArnold B. Bakker
WHOの国際産業保健プログラムのチームリーダーIvan Ivanov
他にも、Twitterには多くの産業保健の海外研究者が情報発信を行っているので、フォローすると良いと思います。