【まとめ】音楽好きがいま観たい映画6選 #StayHome
おうち時間、何して過ごしてますか?
だんだんと感染者数も減り始め、一部地域では日常生活に戻れる兆しが見えてきたとはいえ、まだまだ京阪神や首都圏では非常事態宣言は発令中。油断を許さない状況が続いています。今のうちに、おうち時間にやりたかったこと、観たかったもの全てやりきりませんか?
今回は映画。
音楽は映画のとても大事な要素のひとつ。そんな”音楽”がテーマになった映画は数多く存在しますが、Bridgeメンバーが名作中の名作たちを選りすぐりました。
グレイテスト・ショーマン(2018,アメリカ)
■おすすめポイント■
話の展開がとても速いので、ストーリー重視で映画を楽しみたいという方よりも、音楽を楽しみたいという方におすすめの作品です。この映画は、19世紀のニューヨークに実在したバーナムという男性がショーで成功するまでの物語を描いています。
劇中の《This Is Me》は、第90回アカデミー賞主題歌賞にノミネートされました。この曲を歌うキアラ・セトルさんは日本の歌番組にも多く出演されていたので、テレビで聴いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。テレビで聴いても圧巻の歌声ですが、映画のストーリーの中で《This Is Me》を聴くと、歌詞やキャストの表情に心打たれます。
この映画の音楽は、メッセージ性が強いように感じられます。夢、仲間、愛など、さまざまなテーマを描いているので、共感できる言葉も多いのではないでしょうか。ぜひ映画を見て、一緒に口ずさんで、グレイテスト・ショーマンの世界に浸ってみてください。
千と千尋の神隠し(2001,日本)
この映画は、言わずと知れたジブリの名作、今まで日本公開された映画の中で最も興行収入が多く、愛されている作品です。物語自体、音楽に関するものではありませんが、注目していただきたいのは後ろに流れるサウンドトラックです。
■おすすめポイント■
物語の主人公は、千尋という10歳の少女。千尋が不思議な湯屋に迷い込み、多くの個性的なキャラクターたちとともに働き、奮闘する様子が軸に描かれます。
この映画において音楽が大きな役割を果たしているということは、映画を見た方なら感じていただけると思います。特に印象的な音楽は、重要なシーンで流れる《あの夏へ》という曲。聴くとどこか懐かしさを感じ、胸に込み上げてくるものがあります。その他にも、千尋の感情や湯屋のキャラクターたちを表現するために音楽は不可欠な存在です。
見れば見るほど新しい気づきがあるこの映画ですが、音楽に注目すると、さらに深い世界を体験することができると思います。初めて見る方はもちろん、見慣れているという方も、ぜひ音楽に注目して見てみてください。
アマデウス(1984,アメリカ)
1984年に制作され、日本では1985年2月に公開された映画。クラシック音楽について「堅苦しい」「難しい」などというイメージを持っている人にこそ見ていただきたい1本です。
■おすすめポイント■
この映画の主人公は、モーツァルト。
彼は教科書にも出てくる偉人ですが、みなさまはモーツァルトという人物に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
舞台は19世紀。日本では、幕末から明治維新が始まったころ。
ヴァイオリニストの父親をもつモーツァルトですが、音楽の才能は早熟な上に類い稀なものでした。ヨーロッパ中の皇帝や大衆から絶賛されており、次々に仕事が舞い込んできます。いわゆる、”売れっ子作曲家”として、ヨーロッパで大活躍していたんですね。
しかし、モーツァルトのその人間性は、天真爛漫かつとっても下品。礼儀などという言葉は知らないかのような彼の態度は、他の作曲家からひどく軽蔑されてしまいます。中でも、モーツァルトの音楽に対する才能に人一倍嫉妬し悲劇を起こしてしまうのが、この映画の冒頭に登場するサリエリです。サリエリの冒頭のセリフには、誰もが驚かされることでしょう。
モーツァルトの人生で様々な経験を重ねる度に生み出すアイデアや音楽、そしてそれに対する反応や評価。それらを通じて、クラシック音楽の面白さや自由さを感じてみてください。
サウンド・オブ・ミュージック(1965,アメリカ)
1965年に公開されたロバート・ワイズ監督、ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画。
■おすすめポイント■
ミュージカル好きにはもちろん、「ミュージカル見たことない」という初心者や、「ミュージカルって、突然歌い出すから苦手」なんて思っている方にもお勧めしたい作品の一つ。
「今の気持ち歌うわ〜」というミュージカル音楽よりかは、日常にある音楽題材にしていることが多く、「主人公が子供たちに音楽を教える」、「お父さんが子供たちに歌を聞かせる」場面での歌なので、非常に自然にミュージカルを楽しむことができます。
さらには耳馴染みのある曲が出てきたりと、初心者でも楽しめるポイントがあります。「ドレミの歌」「エーデルワイス」は、童謡のイメージが強いかもしれませんが、実はこの映画から生まれました。
皆さんも一度は耳にしたことのある曲ではないでしょうか?
映画を見ると、曲のイメージが変わるかもしれません。
ちなみにこの作品は「吹き替え」ではなく、原語版(吹き替えなし)で見て欲しい作品です。主人公の歌声と、子供たちの歌声は、お楽しみポイントの一つです。
舞台は1930年代のオーストリア、「亡命」「ナチス」といったセンシティブな時代背景も含まれますが、何度見ても、何歳になっても楽しめるのは、キャッチーな音楽と、深い時代背景を絡めた作品だからではないでしょうか。見る度に年齢相応の感想を持つことができ、いつ、何度見ても興味深い作品です。
所々に出てくる雄大な自然もおすすめポイント。壮大な音楽と、雄大な自然は、言葉にならぬ感情が溢れます。是非このおうち時間で、体験してみてください。
モダン・タイムス(1936,アメリカ)
1936年、チャーリー・チャップリンが監督・製作・脚本・作曲を担当した喜劇映画で、彼の代表作のひとつ。
■おすすめポイント■
この映画は、一部にセリフが入る以外は音楽と伴奏で成り立っている、モノクロ映画です。
「4Kやら5Gやら言っているこのご時世に、モノクロ映画!?」なんて思った方もいらっしゃるかもしれませんが、すでにこの作品が発表された時、世論では「時代遅れ」とされていました。
何でそんなモノクロの映画をお勧めするのか。私自身小さい頃モノクロ映画が大好きでした。言葉を喋らないのに、言いたいことが伝わったり、気持ちが伝わってくるモノクロ映画は言葉以上に伝わる”何か”があります。
また、チャップリンの陽気さの裏側には、社会に対するメッセージが秘められています。この「モダン・タイムス」では、「資本主義社会」や「機械文明」が題材になっています。「一昔前の題材じゃない?」と思われるかもしれませんが、どんどんと機械化が進む今、私たち人間は「機械の一部」のようになっていないでしょうか。おうち時間で様々なテクノロジーを駆使した生活へと変化しているように思います。こんな時代だからこそ、もう一度立ち止まって考えたいテーマがこの映画にはあると思います。
笑うためだけに見るもよし。
社会批判を読み解くもよし。
音楽を楽しむもよし。
様々な楽しみ方ができる作品です。
ウエスト・サイド・ストーリー(1961,アメリカ)
「ロミオとジュリエット」を元にしたとされている、2つの対立する派閥間で生まれた悲恋の物語です。ブロードウェイのミュージカルが映画化された、歌あり、ダンスありの作品です。
■おすすめポイント■
この映画のポイントは、作中の音楽を手掛けているのがアメリカの作曲家、レナード・バーンスタインであるところ。
ダンスパーティーで踊り狂う若者たちによる「Mambo」、
恋に落ちた2人が見つめ合い高らかに歌う「Tonight」、
プエルトリコ系の若者がアメリカを称える「America」。
時にうっとりするほど美しいかと思えば、弾けるようなダンスミュージックや、若者ならではの憧憬、また対立による悲劇など、シーンに沿ったマルチな音楽がストーリーを劇的に彩ります。
ただうっとりするような恋愛モノではなく、アメリカに蔓延る人種差別問題などにも踏み込んだ、中身の詰まった見応えアリな作品です。
最後に
Bridgeメンバーたち、選りすぐりの映画5選をお送りしました。
流行りの配信サービスに加入したり無料体験を利用したりするのも良いかもしれません。今後も私たちはウィズコロナ・アフターコロナにおける音楽の在り方を探ります。
文責:前田 直哉
鹿児島県出身。9歳からサクソフォンを始める。第17回日本ジュニア管打楽器コンクール銀賞(第2位)受賞。第23回日本クラシック音楽コンクール1位なしの2位。第22回KOBE国際音楽コンクール優秀賞を受賞。第20回大阪国際音楽コンクールエスポワール賞を受賞。アジアユースオーケストラ2018の一員として、アジア11都市を巡るツアーに参加。2019年12月、韓国ソウルにて「Amuse Saxophone Ensemble 創立演奏会」にゲストとして参加。多重録音によるアンサンブル「splendor saxophone ensemble」主宰。これまでにサクソフォンを土田まゆみ、有村純親、國末貞仁、須川展也、本堂誠の各氏に師事。京都市立芸術大学音楽学部音楽学科管打楽専攻卒業。
問合せ:maedanaoya.sax@gmail.com
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