『映画 ギヴン』感想(ネタバレあり)おまけ:書き起こし鑑賞中メモ
映画館があまり好きではない。
行くと大抵泣かされるから。
あと、椅子と雰囲気が落ち着いていて、帰りたくなくなるから。
そんな映画館に、およそ1年ぶりに行ってきた。
観に行ったのは、『映画 ギヴン』。
もう公開前から至る所で、そして公開初日に、なんなら観てすぐに、noteでも散々騒いだというのに、まだ話すことがあるのかと思われたかもしれない。
ある。
それはもうめっちゃ、ある。
ということで、今回は『映画 ギヴン』を観ての全体的な感想を書き連ねていこうと思う。
“全体的な”というのは、あまりにもピンポイントな感想は(前述の通り)既に書いているので、それ以外のことという意味である。
なお、以下の感想は、ネタバレを大いに含むので、これからDVDやBlu-rayで観る予定の方はご注意を。
私は、秋春の映画を観に行ったはずだった。
アニメで、秋彦さんと春樹さんのあれやこれやを見て、絶対結ばれてほし〜!の気持ちで映画を楽しみに待っていた。
カップリングではなく、キャラクター単体としては、雨月さんが好きだけど、正直、映画では彼を邪魔に思うのだろうと思っていた。
これは、雨月さんの映画だ。
映画を観終わって、一番最初の感想はこれだった。
そう言っても過言ではないほど、観て早々に1本のnoteを書き上げてしまうほど、彼の物語だと思ってしまったのだ。
初めは広い視野で物語が見えていたはずなのに、気づけば雨月さんに感情移入しすぎて、エピローグでようやく、秋春の映画を観にきたはずだと思い出した始末。
雨月さんと秋彦さんの間にある、愛と憎しみと執着と。
便利な魔法の言葉をお借りして言うなら、“クソデカ感情”というもの。
物語の中でそれを感じる度に息が苦しくなったし、涙が出てきた。
特に、天才故の豊かな感受性があるからなのか、秋彦さんよりも雨月さんの言動の端々に、それを感じた。
雨月さんは、秋彦さんと自分を繋ぐものでもあるヴァイオリンという音楽が好きだけど、音楽を好きでいると、愛する秋彦さんを苦しめて傷つけてしまうし、それは嫌だった。
でも音楽は自分のアイデンティティであり、捨てることはできない。
だからといって、秋彦さんを傷つけないために、自分から彼の手を離すことも、彼を愛しているからこそ、できない。
だからせめて、秋彦さんから離れてほしくて、何度も離れるように仕向けたが、実際に秋彦さんが離れていこうとすると、それも嫌で。
…なんとか言葉にするなら、こんな感じだろうと思う。
秋彦さんが、ヴァイオリンから少し離れてバンドをやり始めたとき、雨月さんはやっぱり寂しかったんだろうか。
ヴァイオリンとバンド、それぞれに片足ずつ突っ込んでる状態だった秋彦さんが部屋を出てバンドに行く=ヴァイオリン(雨月さん)を捨てる、と雨月さんは感じてしまったのではないか。
地下のあの部屋で、戻ってきた(が、出て行くと言った)秋彦さんに「嫌だ」と言った雨月さんを見て、そんなことを考えていた。
……?
結局、雨月さんの話ばっかりじゃない??
全体的とは何だったのか。
まあいいや。
今回の物語で、秋彦さんの過去、というより、家庭環境を、私は初めて知った。
高校生という子どもの時期に、経済的にも精神的にも親に甘えることができなかった秋彦さん。
とんでも突然だが、私はアニメを見ていたとき、ふと思い立って、“ほっとけない男度ソート”(実際は“おかん度ソート”で、その逆に当たる)を考えてみたことがある。
私的“ほっとけない男度ソート”、1位は真冬くん、2位は雨月さん、そして3位は秋彦さん。
ちなみに、最下位&おかん度1位は、春樹さんである。
親に甘えられないという不安定な高校生時代、秋彦さんには甘えることのできる相手が必要だった。
しかし、そのとき秋彦さんの隣にいたのは、他者に世話を焼かれるほうが得意であろう雨月さん。
秋彦さんも周囲から見れば十分ほっとけない男だが、そんな秋彦さんもほっとけない男が雨月さんなのだ。
甘えるべき、世話を焼かれるべきときに、秋彦さんは雨月さんを甘やかし、雨月さんの世話を焼いていた。
もし、あのとき、春樹さんが隣にいてくれたら、そう思わなかったとは言えない。
でも、アニメでも今回の物語でも、春樹さんはずっと、秋彦さんを甘やかして、世話を焼いていた。
どんなに酷いことを言われて、されて、喧嘩をしても、自分のことより、秋彦さんの苦しみを理解することを優先していた。
「何でもしてあげる」と言ったり、結局家に泊めてあげたり、何度でも「いいよ」と言って秋彦さんを許してあげていた。
(これは少し専門的な話だけど、親の愛というものは無償の愛と言われていて、親は子がどんなことをしても見返りも求めずに自分を愛してくれる存在であると、そう子が感じることで、子の愛着やコミュニケーションの取り方が安定するとされている。)
少し遠回りをしてしまったが、今回の物語の最後までに、秋彦さんは安定した精神を得ることができたのだと思う。
もちろんここまでの全ての経験がその結果を形作っているとは思っているが、ただただ、秋彦さんには春樹さんにたくさん感謝して生きてほしい。
ありがとう、春樹さん。よく頑張った。
春樹さんもちゃんと誰かに、秋彦さんに、甘やかしてもらってほしい。
物語の中で、givenが歌った「夜が明ける」。
真冬くんがまだ由紀くんのことを振り切れてないのを感じて、実はちょっと安心してしまった。
立夏くんが彼氏になってすぐ立ち直ったんだとしたら、なんだかなあと思っていたのだ。
愛する人が隣にいなくても生きてゆけるけど、悲しいし、愛されなくてもそれでもその人に会いたいのは、真冬くんも雨月さんも同じだね。
それから、これは映画を観終わったあとにインストを聴いていて気づいたことだけど、2番の「春に咲いて 秋に枯れる」のところがベースとドラムだけになっていて、映画終わりに入ったカフェのトイレで泣いた。
物語の終盤、ライブハウスを出る雨月さんと、それを追う秋彦さんのシーン。
会話中は何とか泣くのを我慢できたんだけど、雨月さんが振り返った瞬間に私の涙腺が壊れてしまった。
視界がボヤけて溢れる涙、振り返らない秋彦さんの背中、思わず伸ばしてしまう手、呼び止めずに心の中で告げる別れ。
あんなに何でもないような声で答えていたのに、振り返る動作はあの秋の日と変わらないのに。
もう100億回くらい言われてることかもしれないけど、振り返りと雨月さんに関する話は、どうか浅沼晋太郎さんのツイートを見てほしい。
私の言いたいことがそこに詰まっている。
最後に主題歌の「僕らだけの主題歌」について。
最初の歌詞を聴き取った時点で、雨月さんを連想してしまったので、そこからずっと最後まで雨月さんの曲のように感じた。
「あなたより大事なもの探してくるよ 何よりも大事なあなたのために」で本当にしゃくり上げてしまうくらい泣いた、しんどかった。
曲の最後で、ヴァイオリンの音が2つ聴こえてきて、秋彦さんと雨月さんは離れた場所にいても音楽で繋がっている、そこにはいないけど確実にお互いの存在を感じながら2人が演奏している、そんな風に聴こえた。
ちなみに歌詞だけを見ると、春樹さんが過去の(片想い時代の)春樹さんに歌ってるようにも感じられるので、本当にセンチミリメンタルさんには脱帽するばかりだ。
……いつものことながら、長いなあ。
実は、ここまでの感想は、映画を見て感じたことからさらに考えたことについて、箇条書きのメモをもとに書いている。
何が言いたいかというと、単純に映画を見て感じたことや思ったことを、暗闇の中でメモ帳に書き留めた『鑑賞中メモ』がまだあるんだよね。
今回書いた内容と一部被ってるし、そして何より、予備知識なしで見たアニメの感想文と同様に、見たことがないと何言ってるかさっぱりわからないので、もし興味がある方がいれば、よかったら最後のおまけまで読んでみてくださいませ。
ということで、ここまでお付き合いいただいて、ありがとうございました。
では、また近いうちに。
以下、おまけ:書き起こし鑑賞中メモ
(※一部、書いた本人もよく覚えてないメモがあります)
え、なに、え、秋彦さん??
あ〜おだんご!
悪い顔だなあ…それもまた魅力だけど
雨月さーん!
いや、ママかよw
ヴァイオリンが歌ってるみたい……
3DCG?
おかんの話ちゃんと聞いてて息子たち〜
ハンバーガー2個あるの男の子だなぁ
いや、言語化諦めるの草
おかえりー!
秋彦って呼び方かわ……
スる日なの?ってお姉さんか??しかも、珍しいの????
失恋んんんんんんッ
あれ、雨月さん意外と常識人……
いややっぱり天才だったわ
運転してる秋彦さんかっこよ
本当、同居人って表現な
そうだよォいるよォ…(同居人が)
春樹さんのショックたるや、心中お察し
目が死にまくってるな秋彦さん
今の秋彦さんにとっちゃ皮肉だわね…
私から!モテてるよーーーー!!!!
互いが互いを追い詰めてるとか、え、つら
いやいやいやいや言葉が足りなさすぎる
確かに友達いなさそう、悲しすぎるが天才の宿命だもんな
好きなの?離れられないの??そうなの????
そばにいたいのか
贈り物に腹が立つってどういうことなんだろう
女とも寝られるのか秋彦ォォォォォお前ええええ
そうだそうだー!
でも、春樹さんが見捨てちゃったら秋彦には本当に後がないんよな
苦しいなあ…
ハーフアップ!!!!!!ハーフアップじゃん!
真冬くんピン留めかわいい
?歌詞なんて??
ラブソングってわかる春樹さん、それも才能やで
でも天才集団の中の疎外感わかる〜〜〜〜
寝てるよ!って返したれ!!
えーーーーそんなんさあ、出るに決まってんじゃん、ずるいよぉ
エッ春樹さんその格好は確実に女子じゃん、可愛いかよ好きです、私がお前を包むブランケットになる
三つ編みも羽織りも可愛いなあ
あら、綺麗なお顔に傷が
ひ、怖い怖い、怖いって
春樹さん泣いてんじゃんばか!やめろ!!
変に束縛してるの気づいてるのかな秋彦さん
あら、それは本当にやめてあげて…
関係あるよ、
なあ、秋彦さん泣いてるの?
なんでもするから、でも何もできない辛さ
捨てられたくないって、そう思ってるのかな
あっ春樹さん大人だね…
雨月さんから拒絶されたときと同じ、雨月さんと同じ目してる春樹さん
つらすぎる……
春樹さん泣かないで…………
やっぱり春樹さんの前ではいい子のフリして隠してたのね
タケちゃん!私たちの良心!助けて!(春樹さんを)
ありがとうねぇ、タケちゃん…
えッッッッ
か、髪、かみ髪が、
切っちゃった;;;;;;;;;;;
ふられたんだもんな、願掛けダメだったんだもんな、そら切るわな、でも、でもなあ…
また払われて、雨月さんと重なるね
ずるいよ、そんなの、春樹さんはまだ好きなのに
しんどいな…
言ってたァ確かにアニメでも言ってたァ
えっらそうに〜〜こいつ
でも確かに春樹さん、何かあると目合わせないし、逸らすとこあるもんね
それな、ヒモ力高すぎ、いいよそれでこそ秋彦
でも本当ずるいなあ
たばこをお吸いになられておる
好き“だった”という表現ね…言葉だけが過去感…
苦しいのはみんな一緒だよな
うっわ、3:24て
2回言ったw
えらーい可愛い(←?)
春樹さんも2回言うんかいww
ママじゃん
好きだと思った?(←?)
雨月さんジト目えろ、好きすぎる
およ、大丈夫?けがしてない?
できたかあ(←?)
雨月さん1人で何にもできなさそう
グラスそのままなのね
そうよ、母ちゃんよ
なんでって
それは嫌なのね…こじらせてるわ……(私が)
見ててしんどい!
高校生に好意を言い当てられる大学院生
なあに?可愛いかよ
ただいまはずるい!
おっ前さーそんな甘え方はずるいって
あたまグリグリかわいいぞ
おいでって…!かわわ
おいおい、男前が台無しぞ
雨月さんおるやんけ!
またしてもライブシーンで感想書けなかった…
(以下思い出しつつ)
そうだよ!秋彦さん!楽しいんだよ!!
雨月さんはなんでわかるの…やばすぎ
いつか夜は明ける、永遠に感じる苦しみもいつか終わりが来る、新しい日が、来るんだね
真冬くんの歌詞を聴いても立夏くんが動揺しないのはもう信頼関係ができてるんだろうな
「大丈夫」って言えるようになってよかった真冬くん
真冬くんの歌はみんなの心にちゃんと届いたよ
クラスメイトも柊くんも女の子もおる…
柊くんなんて泣いてるやん…ありがとうね……
追いかけるってわかってて信じて承諾する春樹さんの気持ちよ
雨月さんの情緒〜
もう、握り返さないんだね
別れ話するんでしょって、もう自分から振ってるのに、別れ話って言うのね…
だめ、しれっとしてたはずの雨月さんが振り返ったのも、泣いていたのも、呼びたいのに呼べなくて、呼ばなくて、手を伸ばすのも、「ばいばい」って心で言うのも全部だめ、今日イチ泣いてる
雨月さんが音以外で感情を表現してるのって珍しいし、多分普段から音で表現?排出?してるから、きっとすごくしんどいだろうな…
別れた方がいいってわかってて、でも離れられなくて、離れていってくれるように仕向けては喧嘩して、でも戻ってきてほしくて、行かないでって思うのに、心のどこかで戻ってきてくれるって信じてたのに、もう戻ってこない
でも真冬くんの「大丈夫」がちゃんと雨月さんに届いてたから、秋彦さんがヴァイオリンを捨てずに愛すって言ってくれたから、ゆっくりでも前を向いてほしいね
お前だよーーーー!!
2回言うくらい恥ずかしかったのかw
えっ今言うの??
いや声でか…
見合う男になりたかったのね!!!!
春樹さんがいたから、支えてくれたから変われたんだよな
春樹さん泣いてるじゃん……
あッ触ってもいいですかって聞くの、あ、怖い思いさせたもんな、そうだよな、涙を拭ってやりたいよな
いいよって、いいよって春樹さん;;;;;;;
好きですって敬語出てますよ
よく言った!!!!
春樹さんが何度もいいよって許してくれたから、秋彦は生きてるようなもんなんやで…ありがとうありがとう…おめでとう…………
EDが雨月さんの曲すぎる…
こう、確かに、秋彦さんや春樹さんのことを歌ってるところもあるんだけど、全体的に雨月さん
秋彦さんしゃがんでたんかあ…そうだよな、お互い高校生のときからずっと一緒だったんだもんね
自分のアイデンティティの一部を引き剥がしてるような感じなのかな
でもきっと全部がなくなったんじゃなくて、それぞれの中にそれぞれの存在がちゃんと拠り所として残ってると思うよ
秋春がめでたいのに雨月さんのことを思いすぎて、EDでさらにえぐられて泣く泣いた
特にライブ以降の記憶がぐちゃぐちゃ、放心しててメモもほとんど残ってないので、もう1回見たいんだけど、でもあまりにしんどいのでもう2度と見たくない…(褒め言葉)
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