5GとNeosVRがもたらす未来の音楽の希望「Revolution No.10」
この記事は「NeosVR reso Advent Calendar 2020」の5日目です。
こんにちは、VRサウンドクリエイターのKento Mizuno(On Twitter @kmizuno0211_x)です。
いきなり未来?音楽?希望?「Revolution No.10」とは。
内容を英文でTwitter投稿したり、 Clusterイベント「TTVR」でVR登壇してきたのですが、そのご説明の前に、VRがこの短期間でわたしにもたらしたものについてご説明します。
10月初旬、とある禅問答の答え探しをしていたらわたしはVRではなく「NeosVR」に出会いました。それまではVRなんてどうでもいいだろ、音楽だって宇宙だし三次元だし。時間概念とか入れたら四次元五次元だし、とイキっていました。(苦笑)
ですが幸運にも初日にフリックさん(@TewiEwi_no96)にインバイトしていただき(アバターもその場で発注させていただきました!笑)、その後もjpでジョインしている皆さんが大変に、それはもうめちゃめちゃ親切なので、すんなりと世界に馴染んでいくことができました。
それまで音楽制作がメインだったのでMacしか所持していなかったのですが強引にブートキャンプとデスクトップモードでNeosVRを立ち上げ(これは同じ境遇にいる方には有用な方法だと思います)、数週間で吟味を重ねた自作WindowsとHTC VIVE Cosmos Eliteまでガツンと投資をブチ込み(笑)
...気づけばNeos内の実装や見聞したものから逆引きで、logiXやdevtool、マテリアルやメッシュの概念などからC#/Unity、Blender、360°ビデオ/空間音声...とやりたいけど動機がない敷居が高いコンピューティングにも理解の扉やモチベーションの火種に歩みを進めることができました。
端的に言って、NeosVRをはじめてから神が創りしもうひとつの世界を得たわたしは、ダンスを踊るように毎日を過ごし、幸せになりました。
さて、こうしてNeosVRのパブリックフォルダに開発その他の用途向けに楽曲、SE、ループを次々アップロードしていったわたしは晴れてVRサウンドクリエイターを名乗ることができました。
現実世界の具体的な発注がなくても楽曲をストックしていくだけで仕事のモデルが成立し、一日を音楽制作、ジムやサウナなど心身の鍛錬、上記学習、もちろんVRなど好きなことに好きなだけ時間を注ぎ込み、毎日が夏休みのように暮らしています。
こうした積み重ねのおかげで、12/11(Fri)Clusterイベント「VRカタリアウ 2020」に全楽曲提供&VRマニュピレーターとして参加することになりました。(当日NeosVRからはオレンジさん(@mikan3134)が登壇してくれます!)
マニュピレーターとは現実の音楽仕事のひとつで、舞台にPCを二台並べて音源を流すあの謎の人です。(笑)セカオワのDJ Loveとか。
これをVRに持ち込むことは仮想デバイスを用いた簡易的な方法ですが、Neos含めあらゆるVRフォーマットで即時応用可能です。
単なるリモートワークは音楽制作の世界でもコロナ禍の前からかなりの割合で存在しましたが、その理由の多くは圧倒的予算のなさでした。これは現実世界の音楽業界の悲しい側面です。
ここからようやく5GとVRの話になるのですが、5Gが普及し、NeosVRのように可能性が無限に近いフォーマットでCD音質の16bit/44.1kHz(願わくば64bit float/96kHz)のマルチトラックデータ転送のレイテンシーが人間の体感上のほぼゼロに近い10msを切るとなにが起こるでしょうか...。
レコーディング、ディレクション、ミキシング、マスタリング、ジャムセッションやライブまで、ありとあらゆる音楽の職業をVRの世界に持ち込むことができます。
それは時間や居場所の制約を超え、1966年以降ライブをやめてスタジオに籠もり続けたビートルズのレコーディングマジック以来の、音楽史における革命をもたらします。
わたしはその構想を彼らの楽曲「Revolution No.9」にかけて...「Revolution No.10」と呼ぶことにしました。
NeosVR上での魔法のようなオブジェクトや皆さんの開発物のなかでDJミキサーを拝見しましたが、ノブやフェーダー、スライダーは完璧に機能し、音楽機材といってほぼ遜色のないクオリティでした。
また海外のクラブワールドのDJブースには、Pioneer DJのフラッグシップ機材「CDJ-2000NXS」や「DJM-900NXS」シリーズをやはり完璧に模したモックアップがありました。技術的には謎なのですがヘッドセットをすると現実のような「クラブ鳴り」を感じて、今後実際の演奏やDJのブッキングがなされるかと思うと期待が高まります。(笑)
こうしたことから将来NeosVR上でコンソール、アウトボード、マイク、ブース別モニターシステムなどが実際に機能するレコーディングスタジオが生まれる可能性は、強くあると信じています。
また、わたしが初学の際強いインスピレーションと勘で選んだプログラミング言語Elixirも、変数がイミュータブルでマルチコア並列処理に最適なことから、通信トラフィックでのデータ増大が予想される未来でこういった構想を技術面で後押ししてくれるものと信じています。
ElixirのWebフレームワークPhoenixについても、上記Elixirの特性に加えて「Phoenix LiveView」という実装では外部的にプログラマがJavaScriptを書かなくてよい、という非常にわたしにとって夢のあるものです。
わたしがこの言語とフレームワークでやりたいことがAPIやWebSocket、Get/Postを使ったNeosVRとの連携だと気づき、目標を立てることもできました。(Elixirについては初学のころから名前を上げるのも野暮なほどたくさんの方に...お世話になっています。)
さらに転じてAR、拡張現実で家に電子ドラムを置いたなら、憧れの機材やアンプを置けたなら、住環境が厳しかったり貧しい国でお金がなかったとしても、デバイスひとつ、公共のPC一台で...夢は無限に広がります。
わたしはこの革命に向けてワクワクが止まりません。
パラダイムは何度でもシフトします。それがVRの本質だと思っています。
自身に技術的回収の能力が全く無くても夢を持ってもいいのは、現実世界でも同じことだと思います。
長くなりましたが、この構想やわたし自身の歩みは、未来のそれに預けることにして、このあたりで筆を置こうと思います。
ご一読いただきありがとうございました!
Kento Mizuno
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