株主総会Q&A(総合)
株主総会に関して、Q&Aをまとめました。社内資料等でも用いることができるようできるだけ平易な言葉を用いており、前提となる説明を省略している場合がありますのでご留意ください。また、上場会社の株主総会を念頭に置いた記述であり、非公開会社の場合は別途の考慮を要することがあります。個別の案件に関しては、個別の事情を前提としないと正確な回答はできませんので、ご留意ください。
皆様のご参考になれば幸いです。
総会の議事関係
Q. 株主総会の議事進行の流れを教えてください。
一般的な議会の進行は、以下のような流れで行われます。
まず、議長就任宣言や開会宣言(定数充足宣言)などが行われ、次に議事進行ルールの説明があります。その後、監査報告や事業報告などの報告事項などが報告されます。事業報告はナレーションが用いられる場合も多いです。その後、議案が上程されます。審議ルールの説明があった後、質疑応答が行われます。最後に、議案の採決(投票)が行われ、閉会宣言が行われます。
Q. 取締役は、株主の質問にどこまで回答しなければならないのですか?
取締役等は、株主総会において説明義務を負います(会社法314条)。ただし、無限定ではなく、株主総会の目的事項に関しないものである場合や、株主の共同の利益を害する場合等には、説明義務を負いません(会社法314条但書、会社法施行規則71条)。
株主総会の目的事項とは、決議事項は勿論、報告事項も含むと考えられており、特に定時株主総会においては、事業報告や計算書類が報告事項とされているので、目的事項の範囲は広いと言えます。一つの考え方としては、株主総会参考書類に記載がある事項は、株主総会の目的事項に関連すると考えておくのが無難でしょう。
また、説明の程度としては、合理的な平均的株主の立場を基準に判断されます。そのような株主が、会議の目的事項を合理的に理解し、判断をできる程度の説明をしなければなりません(日本交通事件、九州電力事件、東京スタイル事件等)。
Q. 議長は、質疑応答の方法を制限したり、質疑を打ち切ることはできますか。
多数の株主が出席する総会では、適切に議事を整理する必要があるとともに、すべての株主の質問に回答することが現実的に不可能な場合もあります。そこで、議長の裁量により、1人当たり発言時間の制限、質問数の制限も許されると解されます(議長の議事整理権、会社法315条1項)。また、合理的な平均的株主において、合理的な理解のために必要な程度の説明がなされたと客観的に判断できる状況に至れば、質疑打ち切りも可能と解されます。
Q. 当社の総会では、現経営陣と敵対する株主達がおり、例年、質問を繰り返しています。どの位、質問に答えればよいですか。
合理的な平均的株主において、合理的な理解のために必要な程度の説明がなされたと客観的に判断できる状況に至れば、質疑を打ち切ってよいと解されます。また、質問株主が平均的株主より多くの知識を有していることが明らかな場合には、そのことを前提に説明を簡略化して差し支えないとも解されています(日本交通事件・広島高裁松江支部平成8年9月27日判決)。
ある程度は応答するのが無難ですが、議案や報告事項とは関係のない質問が続いたりするようになってくれば、合理的な平均的株主において、賛否の議決権行使をするために必要な説明は尽くされたと解して問題ないと考えます。コロナ禍以前では、一般的には2時間程度(質疑応答で1時間~1時間半程度)が目安でした。
Q. コロナの感染拡大防止の懸念があるので、質疑応答の時間を短縮しても良いですか?
新型コロナウィルスの感染拡大の状況を受け、経産省・法務省の連名で「株主総会運営に係るQ&A」が公表されています(令和5年3月30日最終更新)。同Q&Aによると、感染拡大防止に必要な対応をとるためにやむを得ないと判断される場合には、株主総会の運営等に際し合理的な措置を講じることも可能と考えるとされ、その方法として、株主が会場に滞在する時間を短縮するため、例年に比べて議事の時間を短くすることが挙げられています。
このような考え方に照らせば、ある程度、質疑応答の時間を短縮することも許容されると考えます。もっとも、新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月8日に、5類感染症に変更されており、以前とは少し状況が異なる可能性があります。漫然と感染拡大防止だけを理由として質疑応答の時間を制限することは許されないので注意してください。
Q. 株主から、特定の取締役を指名する質問がされましたが、その取締役が回答する必要はありますか?
議長は、適切な説明を行うことができる回答者を指名して、回答させることができます。したがって、必ずしもこれに応ずる必要はありません。議長が適切と判断する回答者から説明すれば足ります。
もっとも、特に社外取締役の役割が重要視されるようになっており、社外取締役としての見解を問うような質問も増えています。また、取締役等として壇上に登っている以上、いつでも回答できるような準備をしておく心構えも必要と言えましょう。会社として、株主に害意があると思われない状況であれば、柔軟に対応するのも一考であると考えます。
Q. 議事を妨害する株主がいた場合、退場させることができますか?
議長には、会社法上、秩序維持権、議事整理権、退場命令権があります(会社法315条1項、2項)。
したがって、議事を妨害する株主を退場させることが可能です。もっとも、総会への出席は、株主の質問権や議決権行使の前提となるものであり、重要な株主の権利でもあることから、退場命令は「最終手段」として利用されるべきものと考えられています。警告しても制御できない等、他の穏当な方法では秩序の維持が図れない場合にのみ認められます。具体的には、①初回の注意、②これ以上続けると退場になる旨の警告、③退場命令の3ステップ程度で考えておくと良いでしょう。
Q. 動議とは何ですか?
「動議」とは、会議体において、出席者(株主)から提出され、討論・採決に付される提案のことをいいます。総会において提出される動議には、大きく分けて、①修正動議(議案の修正に関する動議、実質的動議とも呼ばれます。)と、②手続的動議(議事運営等の手続きに関する動議)とがあります。
Q. 議長不信任動議が提出されました。議場に諮る必要はありますか?
議場自らのことなので、権利の濫用に当たるなどの合理性を欠いたものであることが一見して明白であるといった事情のない限り、必ず議場に諮らなければなりません(大盛工業事件)。議長不信任動議が提出されたら、まず一回は議場に諮るということを覚えておきましょう。
なお、議長不信任動議が出された場合も、その動議の採決だけのために議長が交代する必要はなく、そのまま議場に諮って構いません。
Q. 手続的動議が提出されました。議場に諮る必要はありますか?
議長不信任動議のほか、総会提出資料等の調査者の選任を求める動議(会社法316条1項)、総会の延期・続行を求める動議(会社法317条)、会計監査人の出席を求める動議(会社法398条2項)については、必ず議場に諮らなければなりません。
その他の手続的動議、例えば、休憩を求める動議(休憩動議)、議案の一括審議を求める動議、議題審議の順序変更を求める動議、質疑の打切りまたは続行を求める動議などについては、議長の議事整理権の範囲内の問題と考えられますので、議場に諮る必要はなく、議長が自ら判断することができます。もっとも、議事を円滑に進める目的で、議場に諮ったとしても問題はありません。実務的にはそのように対応している場合も多いと考えられます。
Q. 修正動議が適法となる範囲はどのようなものですか?
株主は、総会当日において議案に関する修正動議を提出することができます(会社法304条)。ただし、総会の目的事項から一般的に予見することができる範囲を超えることはできないと解され、これを超える修正動議は不適法となります。
例えば、「取締役5名選任の件」という議題が提出されている総会において、新たな候補者の追加選任を求める修正動議は、株主が一般的に予見しうる範囲の議案の変更ではなく、不適法と解されています。一方、選任予定者の員数を縮小する修正は、定款に反しない範囲で許されると解されています。
議決権行使に関する事項
Q. スチュワードシップ・コードとは何ですか。
保険会社、銀行、年金基金、政府系金融機関など、大量の株式運用を行う機関投資家のための行動規範です。2014年2月、金融庁に設置された「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」により、「日本版スチュワードシップ・コード」が策定され、2017年5月に改訂、2020年3月に再改訂されています。
2017年5月改訂により、議決権行使ガイドラインの策定と議決権行使結果の個別開示が求められるようになり、実務上に大きな影響を与えています。
Q. 機関投資家の議決権行使ガイドライン(議決権行使基準)とは何ですか。
機関投資家がスチュワードシップ・コードに基づき策定し、公表している議決権の行使指針です。機関投資家の考え方が開示されています。
Q. 議決権行使ガイドラインで取り上げられる最近のテーマについて教えてください。
近年の注目すべきテーマとして、サステナビリティ課題への取組み、ジェンダーダイバーシティの確保、一定割合以上の独立社外取締役の選任などが挙げられています。
Q. 議決権行使助言会社とは何ですか。
機関投資家向けに、株主総会の議案について賛否の助言を行う会社のことです。海外の機関投資家は議決権行使助言会社の意見を参照する場合が多く、決議の結果に大きな影響力を持ちます。
代表的な議決権行使助言会社として、ISS(Institutional Shareholder Services Inc.)とグラス・ルイス(Glass Lewis & Co.)があります。
Q. 議決権行使助言会社の方針(ポリシー)改訂で注目すべき点は。
①気候変動リスク情報の開示や温室効果ガス排出量削減目標の設定の推奨、➁ジェンダーダイバーシティ(取締役会における女性の数、または割合)の推奨、➂社外取締役の増加推奨、④政策保有株式の過度な保有の非推奨、⑤バーチャルオンリー総会の非推奨等を助言方針として掲げている点が注目されます。(2023年時点)
Q. 近時のジェンダーダイバーシティの確保についての機関投資家等の動きは?
女性役員の1名以上の選任を必須とした上で、複数名の女性役員の選任を求める動きが見られます。
コーポレートガバナンス・コード(「CGコード」)等におけるダイバーシティの確保の要請や、グラス・ルイスが積極的に女性役員の選任を求める基準を採用してきたことなどもあり、多くの機関投資家において、1名以上の女性役員の選任を必須とする動きがみられます。また、機関投資家の中には、複数名の女性役員の選任を求める動きも見られる他、グラス・ルイスも割合基準に移行するなどしており、今後は複数名の女性役員の選任を求める動きは強くなっていくものと予想されます。また、女性活躍推進法に基づく情報開示制度も導入されており、自社のダイバーシティ確保に関する考え方について、しっかりとした対外的開示を行うことが求められているといえます。
Q. 社外役員の在任期間に関する機関投資家の見方はどうですか?
社外役員について、再任が重なり在任期間が長期化した場合、期待される独立性に疑義が生じることが指摘されており、長期在任の社外役員については選任に反対するとする動きがあります。
期間設定について、12年以上で反対とする例(三井住友トラスト・アセットマネジメント、日興アセットマネジメント、ブラックロック・ジャパン)が見られます。
Q. 政策保有株式に関する機関投資家の見方はどうですか?
政策保有株式の保有については、コーポレートガバナンス・コードにおいてもその縮減に関する方針・考え方などの開示が求められており(原則1-4)、機関投資家の注目度合いも高い分野です。縮減に向けた取り組みが十分に行われていると判断できない企業や、連結純資産の一定割合を占める場合であってROEが低い企業における代表取締役の再任議案の反対などの動きがあります。
Q. 買収防衛策の導入に関する最近の動向は?
買収防衛策の導入については、経営者の保身のために利用されるおそれがあることや、本来的な株主価値が株価に反映されることを妨げる可能性があること等が懸念点として指摘されています。議決権行使助言会社、機関投資家ともにかなり消極的な姿勢が見られ、ほとんどの場合に機関投資家は反対の議決権行使を行なっています。ISSの議決権助言方針でも、二段階の審査を経て例外的な場合を除き、原則として反対推奨としています。
ただし、近年の敵対的買収事例の増加に伴い、特定の買収者が現れてから買収防衛策を導入し、株主意思確認総会において株主の承認を得る事例が見られるようになっています(有事導入型の買収防衛策)。このような経営支配権の争いが顕在化した状況における買収防衛策については、別途の基準を設け、個別判断を行うこととする機関投資家も見られます。
Q. 令和元年改正会社法では、社外取締役の業務執行についてどのような改正がありましたか。
会社法上は、業務執行取締役でないことが社外取締役の要件になっています(会社法2条15号イ)。しかし、MBOや親子会社間の取引等の場面で社外取締役が独立の立場で交渉を行うことがあり、その際に社外性を失うのではないかが問題と指摘されていました。そこで、社外取締役への業務執行の委託に関する規定が新設され、利益相反の状況にあるときは、取締役会の決定により社外取締役に業務執行を委託できる旨の規定が新設され(会社法348条の2第1項)、社外取締役がこれによって委託された業務執行を行っても資格要件を失わないことが明確にされました(会社法348条の2第3項)。
また、有価証券報告書の提出を義務付けられている一定の監査役会設置会社は、社外取締役を置かなければならない義務付け規定が新設されました。(会社法327条の2)。
株主提案関係
Q. 株主提案を行う株主の属性を分類してください。
株主提案自体は、原則、総株主の議決権の100分の1以上または300個以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主であれば誰でも行うことは可能です(会社法303条2項、305条1項)。
もっとも、実際に株主提案を行う株主の属性は限られており、大別すると、①アクティビスト株主(資金力を背景にまとまった株式数を取得し、ガバナンス上の問題を問うような形態)、②運動型株主(伝統的な社会運動として行われる形態)、③筆頭株主・大株主と区分できます。
Q. 最近の株主提案の事案の特徴について教えてください。
現在でもガバナンスを問う株主提案は、定款変更議案として提出されます。そうすると、可決には特別決議(議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成、会社法309条2項)が必要となるので、実際に可決に至る事例は限定的であると考えられます。
しかしながら、最近では、具体的かつ説得力を持った株主提案がなされれば、他の株主から高い賛成票を集めるようになっています。特に、ESG関連の株主提案についてはその傾向が顕著に見られるようになっています。そうなると、経営陣もこれを無視して放置するわけにはいかず、提起された問題について適切に説明し、情報開示を行い、事実上の対応をしていかざるを得なくなっています。
Q. 最近の株主提案及びその投票結果には、どのような変化が見られますか。
株主との対話の重要性が強調されるようになるに伴い、株主の権利行使としての株主提案も積極化しています。最近の株主提案の事例は、会社のガバナンスの在り方を問うもの、あるいはESG等の観点から会社の環境問題への取組みを問うものなど、会社の経営体制について真剣な意見を問うものが多くなっています。先述のように、機関投資家は、安易に会社提案に賛成することはできなくなったため、大株主の提案でなくても、2割、3割といった高い支持率を集める株主提案が現れるようになっています。したがって、会社側としても株主提案を無視できない格好になっています。
最近の株主提案の大きな特徴として、いわゆるアクティビスト株主による株主提案が多く見られるようになった点が挙げられます。2022年6月総会において株主提案が行われた76社のうち、半数である38社において、アクティビスト株主によって株主提案が行われています。また、筆頭株主、大株主による株主提案は30社で行われています。運動型株主からは、電力会社における反原発に関する株主提案が行われています。
Q. 令和元年改正会社法(令和3年施行)では、株主提案権についてどのような改正がありましたか。
過去、会社を困惑させる目的と見受けられる濫用的な行使事例が相次ぎ、本来あるべき視点と異なる面で株主提案の制度が目立っていました。そこで、令和元年会社法改正において、提案できる議案数の制限が設けられ、株主が同一の株主総会において提出できる議案の数の上限を10に制限されることとなりました(会社法305条4項、5項)。
Q. アクティビストの株主提案の傾向を教えてください。
アクティビストによる株主提案の内容としては、会社提案の配当額に一定額を加算する等といった剰余金の処分(配当)議案が典型的です。また、ガバナンスを問う株主提案については、定款変更議案が用いられ、具体的内容としては、資本コストの開示、相談役・顧問の廃止、政策保有株式の売却、などといった例がみられます。役員報酬関連では、譲渡制限付株式報酬制度の導入に関する議案や、自己株式取得に関する株主提案の例があり、役員報酬の個別開示(定款変更議案として提出される)は、比較的高い支持を集める傾向にあります。
また、近時は個社の状況に照らして、経営陣の不適格性や不祥事の対応の問題点などを鋭く追及しようとする例も多くみられます。このような場合には、株主提案として役員選任議案、解任議案が提出されます。
なお、アクティビスト株主側から会社に対する要請については、株主提案にまで至る前に水面下で交渉を行い、会社側が事実上対応している例も少なくないと考えられます。
Q. なぜ株主提案は定款変更議案として提出されるのですか。
提案株主側が何らかの要望を会社にぶつける場合、特にガバナンスに関する株主提案については、一般的には定款変更議案が用いられます。
これは、会社法上、取締役会設置会社では会社法又は定款で規定された事項に限り株主総会で決議を行うことができるとされ(会社法295条2項)、それ以外の具体的な業務執行に関する事項を直接に義務付ける株主提案は許されないと解されているからです。
そのため株主側は、その内容を定款に規定するよう、定款変更議案として株主提案を行うのが通例となっています。
Q. 株主提案が可決された事例を教えてください。
2022年6月総会の例では、北越メタルの事例、Fast Fitness Japanの事例、フューチャーベンチャーキャピタルの事例の3例がありました。
北越メタル(2022)の事例は、筆頭株主(約35%保有)であるトピー工業との経営を巡る対立があり、筆頭株主側から役員選任に関する株主提案が提出された事例です。会社提案の役員選任議案が一部否決され、株主提案の役員選任議案が可決されました(賛成率約74%)。
Fast Fitness Japan(2022)の事例は、取締役会が指名報酬委員会の意見を得て取締役候補者の選定を行ったのに対し、実質的に議決権の過半数を保有する取締役会長と監査等委員である取締役が反発し、自ら株主として株主提案を行った事例です。任意の諮問委員会の意見と真っ向から異なる株主提案を行った点において、やや異例な事例ですが、株主提案が可決されるに至りました(賛成率約73%~79%)。
フューチャーベンチャーキャピタル(2022)の事例は、個人投資家がSNS等を通じて経営陣交代を訴えて株主提案を行い、役員選任議案の株主提案が可決されるに至った事例です(賛成率約68%)。株主提案を行った個人投資家は大株主ではないが、過半数の株主の賛同を得た珍しい事例です。会社提案は全て否決され、経営陣は全員交代となりました。
Q. サステナビリティ課題に関する株主提案の動向は?
グローバルの動向として、企業活動が地球環境に与える影響について非常に強く関心が寄せられており、企業によるSDGsやESGの取組みはもはや必須のものとして要請されています。このような環境の変化を受け、サステナビリティ課題を株主提案として提出する例が多くみられるようになってきました。このような株主提案は、伝統的な運動型株主提案とは異なり、多くの機関投資家、特に海外の機関投資家の説得に成功しており、高い賛成票が集まる傾向があります。
2022年6月総会の事例では、石炭火力大手のJパワー(電源開発)において、英銀系のHSBCアセットマネジメント、英ヘッジファンドのマン・グループ、NGOのオーストラリア企業責任センターらが共同で、パリ協定に沿った温室効果ガス排出量削減の目標を明記した事業計画の策定・公表と、設備投資と目標との整合性の評価の開示等を求める定款変更議案を株主提案として提出し、一部の株主提案は賛成率約25.8%を集めました。また、三菱商事、三井住友FGの事例でも、同様にパリ協定目標と整合する中期および短期の温室効果ガス削減目標を含む事業計画の策定・開示等を求める株主提案について、20%を超える賛成率を集めました。
以上です。
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