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(みんなの広場)何のための奨学金か 制度見直しを!

 経済的余裕のない大学生の味方、奨学金。奨学金が振り込まれる日を待ち焦がれ、何に使うか思いを馳せる方々に、ここで警鐘を。奨学金制度に蟠りを抱く自分の経験談を、ここで晒させてください。勿論、奨学金は貸してくれる側あっての制度ではあるので、奨学金制度を設けてくれていることに感謝はしているのですが、いかんせん今の大学生にそぐわないように感ぜられるのです。(以下常体)

 自分は、大学進学後給付奨学金を受給していた。暫くしてようやくコロナ収束の兆しが見えた頃、アルバイトを開始した。当時の給付奨学金の額は二万円少し。家賃や生活費等の必要経費ですら賄い難い額で、多子世帯が故、親からの仕送りが見込めない自分はアルバイトをせざるを得なかったという方が正しい。ただ、問題は翌年発生した。給付奨学金が停止されたのである。何が抵触したのか分からなかった自分が調べたところ、給付奨学金を受給できるか否かの区分の計算方法は「両親の収入+本人の収入」だった。
 親の収入を加味することについては理解できるが、ここに何故本人の収入が入っているのだろうか。社会人が大学に通っているのとは違い、自分はアルバイトに週数回入っていただけの一大学生。月二万少しでは生活できないからこそアルバイトで月五万近く稼いだのに、此は如何。つくづく腑に落ちず。給付奨学金が停止されてからは、停止された二万分も稼がなくてはならなくなり、ますますアルバイトに時間を割く日々。勉学に集中させるための奨学金ではないのかと、疑問を抱かずにはいられない。

 また、熊大独自の熊本大学新庄鷹義基金修学支援奨学金をはじめとする、諸々の奨学金についても一言言わせてほしい。勿論、成績優秀者に奨学金を給付することについての異論はない。ご褒美という言い方をするのは良くないが、学業に励み結果を出したことに対する相当の対価を与えるという点には、一貫性がある。ただ、本来奨学金というのは、経済的困窮により勉学に十分励めない学生を救済する制度ではないのか。
 本来支援すべきは、既に学業に優れた学生よりも、アルバイト等に忙殺されて成績の振るわない学生ではないのかと、問いたい。当然ながら、やる気のある学生に限定するために、学生の勉学に対する熱意や今の就労状況の把握が欠かせないため、奨学金を貸す側の負担は増えると思われる。しかしながら、今いる成績優秀者にのみ支援するよりも、成績の振るわない学生に経済支援を行って「秀」を得る学生を増やす方が、確実に学生全体の成績向上に繋がるのではないのか。そう思えてならない。…というより、正直自分の私怨の詭弁として上記の論理を使わせてほしい。
 自分は卒業単位分の講義に加えて、資格取得に繋がる講義も数々受講した。その中で気づいたのだが、資格取得に関する講義は卒業要件単位に入らないものの、GPAには反映されるのだ。この理不尽さに気づけただろうか。そう、奨学金の多くはGPAで足切りされる。
 言うなれば、授業を取れば取るだけ一講義に割く勉強時間は減る以上、資格取得は奨学金を受給する上で損といえる。しかし、就職活動をするに当たっては、資格を持っていた方が比較的有利なのだ。質をとるか量をとるか、それを強制されるのはいただけない。個人的な話をするが、結局自分は複数の資格を得る条件を達成しつつあるものの、一度もこういった趣旨の奨学金に受からなかった。せめて、資格取得に関する講義の評価はGPAに入れるべきではない。これを声高に言わせていただく。

 この他にも、とある奨学金手続き関連で、大学側の不備により除籍させられそうになるという事件も勃発した。詳細は身バレするので伏せさせていただくが、自分には奨学金に対し良い印象を持てなくなってしまった。本来困窮する学生の選択肢を増やす良い制度である筈だから、受給資格等の見直しがされることを望む。

 余談だが、年々最低賃金が上がるにも関わらず103万円の壁が引き上がらないのは何故だろうか。上げないと学生は困窮の一途を辿るだけでは無いだろうか。外国人留学生を優遇する前に、日本国籍の学生の経済支援に力を入れてほしいのだが。共感してくれる皆々様よ、選挙で思いの丈をぶちまけよう。

〔P.N 特技:現実逃避(熊大学生)〕

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