「あれっ?」から新たな価値を紡ぐ―全国高専プロコン現地レポート #高専生たちの挑戦
みなさんは、
「こんなことが、できたらいいのに…」と思ったことはないでしょうか?
それは今までの経験からくる違和感「あれっ?」から生まれるものだと考えています。
そんな「あれっ?」をもとに新たな価値を紡ぎ(つむぎ)・提案するコンテストがあります。
それは、全国高等専門学校プログラミングコンテスト(全国高専プロコン)です。
神山まるごと高専生の活躍ぶりと高専生のよさ(特長)を
高専卒業生のヤギが現地で体感しましたのでレポートします📝
概要
全国高専プロコン第34回福井大会(2023)*1は、
2023年10月14日(土)から15日(日)の2日間にかけて開催されました。
(*1: 全国高専プロコン公式ページはこちら)
全国高専プロコンには「課題部門」、「自由部門」、「競技部門」の3部門あります。神山まるごと高専は「課題部門」、「自由部門」の2部門に本選出場しました。
神山まるごと高専の学生が自ら企画・運営しているプロジェクト
まるごとコンテスト部(まるコン部)から出場しています。
まるコン部などプロジェクトの詳細はこちら
課題部門
課題部門では与えられたテーマに沿った独創的なソフトウェア作品を開発・プレゼンテーション(プレゼン)します。
今回、課題部門のテーマは「オンラインで生み出す新しい楽しみ」です。
<作品タイトル>
biblio connect(ビブリオコネクト)
みなさんは「ビブリオバトル」をご存知でしょうか?
自身が好きな本について「こんなに面白いんだ!」と場にいる参加者同士で魅力を伝え合うコミュニケーションゲームです📗
もともとはオフライン(対面)で実施するゲームなのですが、
オンライン(非対面)でもできるようにしたものが、
この「biblio connect」です。
詳細は審査プレゼン動画をご覧ください🎥
(プレゼンもさることながら審査員との質疑応答も「上手い」です)
第34回高専プロコン「課題部門プレゼンテーション」#procon34 - YouTube[4:25:42]
https://www.youtube.com/watch?v=ro57pRwFhLM&t=15942s
「biblio connect」の審査プレゼン冒頭からご視聴いただけます。
作品展示ブースでも学生さんご本人に直接お話を伺いました。
「(高専プロコン本選)2か月前までJavaScript使ったことがなくて」と言っていた彼らは「コーディングやリファクタリングには、ChatGPTを使っています」とのこと。
「画面レイアウトがずれたり、動かなかったりするところがあって…」と
粗削りながらも本(読書)が大好きだからこそ生まれたコンセプトの光る
作品でした✨
結果は企業賞受賞でした🏅
自由部門
自由部門では与えられたテーマをもとにつくる課題部門とは異なり、
自由な発想(フリーテーマ)でソフトウェア作品を開発・プレゼンします。
<作品タイトル>
μ sight(ミューサイト)
-ひとりでも合奏がしたい!AR合奏練習アプリ-
ARグラス(スマートグラス)に楽譜を投影・音源を立体音響で流しながら、演奏中に楽譜を手でめくることなく自動で切り替えてくれるようにしたものが、この「μ sight」です。音階とBPMによって演奏の正確さを判定する機能もあり、楽器を演奏する方であればほしくなるのではないでしょうか。
詳細は審査プレゼン動画をご覧ください🎥
(学生さん自身の体験を開発に至った背景としてプレゼンしています。
冒頭、マイクを持ち忘れて音声が入っていないようですが、
率直なプレゼンと審査員とのやり取りをぜひご覧ください!)
第34回高専プロコン「自由部門プレゼンテーション」#procon34 - YouTube[41:45]
https://www.youtube.com/watch?v=25Ibv-Vq-RM&t=2505s
「μ sight」の審査プレゼン開始からご視聴いただけます。
この作品には、富士通とのコラボレーション活動に参加している学生の
宮野さん、山口さんもメンバーとして出場しています。神山の学び舎で
ワークショップしたとき以来の再会です。
展示ブースでは山口さんたちにご説明いただきましたよ!
─苦労した点はどんなところですか?
「利用者からのフィードバックを受けて、
変拍子に対応した可変BPM機能を追加したことに苦労しました」
─楽譜ではなく、楽器の打鍵に合わせた表示もARグラスなら可能では?
「特定の楽器にフォーカスを当てるのではなく、
多くの楽器で利用できる汎用的な作品にしました」
受け答えも堂々と、また納得感もあり流石です💪
結果は特別賞と企業賞のW受賞でした🏅
特別賞は最優秀賞、優秀賞に次ぐ賞となります。
高専生のよさ(特長)
神山まるごと高専で学生を引率され、出場作品の指導教員でもある先生に直接お話を伺うことができました。企業の研究所で技術開発に従事され、他高専での教鞭をとられた後、現在は神山まるごと高専でプログラミングを教えておられます。
─富士通は神山まるごと高専のスカラーシップパートナー*2としてお世話になっております。(*2: プレスリリースはこちら)
「こちらこそお世話になっています」
─今まで教えてこられた高専生と神山まるごと高専生とでは指導する上で違いがありますか?
「今まで教えてきた高専生はいわゆる理系の学生のため技術力・実装力が高いです。一方、神山まるごと高専生は理系に限らず、文系の学生もいます。起業を目指す学生も多く、圧倒的にプレゼンが上手いですね」
神山まるごと高専生とそれ以外の高専生が交流することで
新たな良い影響が生まれるのではないかと感じました。
おわりに
今回、複数の賞を獲得した神山まるごと高専。
高専生たちの今後の活躍がとても楽しみです!