男の星座たちに捧ぐ
増田俊也『木村政彦外伝』に掲載されていた筆者と著名人たちとの対談の章のタイトルが「男の星座たちに捧ぐ」であった。
猪瀬直樹、吉田豪、綾小路翔、小林まこと、中井祐樹、原田久仁信との対談であったが、原田久仁信との対談には涙した。
原田久仁信は梶原一騎とタッグを組み、「プロレススーパースター列伝」や未完の傑作「男の星座」を描いた漫画家だ。
梶原一騎亡き後、漫画を辞め、ラーメン屋をやっていたこともあったそうだが、今回、増田俊也の木村政彦の一連の著作を読み、木村政彦を描くべく、還暦を越えて、漫画家として最後の一仕事をやり遂げるためにカムバックしたことが対談からうかがえた。
その作品「KIMURA」の作画は年齢のせいか、多少のゆがみはあるものの、作者の覚悟が伝わってくる鬼気迫るものがあった。
木村政彦に対してもそうであるが、梶原一騎やその時代に対する思いが溢れており、胸がいっぱいになった。
なかでも、「(梶原一騎の洗礼を)次の人にバトンを渡さないといけないから」と語っていたことも印象的だった。
自分も梶原一騎チルドレンとして、梶原一騎から受け取った何かしらを後世に伝えていきたいという思いもあり、同感であった。
対談は木村政彦から始まり、梶原一騎、現代の男の星座に名を連ねる中井祐樹の話までつながり、終わった。
男の星座。
自分にとって、それはもう夜空を見上げずとも、心のうちに輝く祈りのような存在なのかもしれない。
燦然と心のうちに輝ける男の星座君に有りしや
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人の世に熱あれ、人間(じんかん)に光りあれ。