意志は使えば使うほど強くなる
ヒクソン・グレイシーの著作「ヒクソン・グレイシー 無敗の法則」を読み終えた。
なかでも印象に残った言葉が「意志は使えば使うほど強くなる」だ。
400戦無敗のまま現役の選手生活を終えたヒクソンがいうこの言葉の意味は重い。
また「意志が弱い人間は、自分の強さを感じることができない」とも述べていた。
「意志の力は、感情と関係なく、論理的に考えることから生まれるのだ」とも。
確かに意志の弱い人、また自分自身も意志の力が弱まっている時は、論理的に考える力が低下しており、感情的な傾向が強い状態にあることを感じる。
一見、強い意志力は強固な信念、感情のもとに成り立っているように思えるが、そうではなく、事実や論理に支えられ積み上げられていくものであると導きだされた。
その事実や論理が他人には上手く説明できないものであっても、自身の中で論理的であり、揺るがぬ事実であるなら、それはきっと強い意志の力へとなってゆくのだろう。
そして、その論理を積み上げ、意志の力を磨き、ヒクソンは無敗のまま引退したのだ。
論理的に考えることはそう、難しいことではない。
ただ、論理的に生きてゆくことは難しい。
その選択には時に、勇気を必要とし、また、喪失を伴うこともあるからだ。
長年連れ添った奥さんと別れる際、自らのファイトを経て獲得してきたカリフォルニアの邸宅、所有する農園もすべて譲り渡し、裸一環でブラジルへと戻り、また柔術の普及と言う新たな戦いに挑んでいるという。
ヒクソンが偉大であるのは400戦無敗であったということではなく、この戦う意志を持ち続け、今もなお戦士であるという点に違いない。
自分も意志の力を使い続け、強さを育んでいきたい。
しなやかにみちすじたててさあゆかんろんりのみちはゆうきのみちなり
人の世に熱あれ、人間(じんかん)に光りあれ。