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人生邂逅 ・まなび編 ◆仏教読書会から -14
「仏教の大意」 解説文から
仏教読書会では、般若心経講義を8か月をかけ読破(?)し、次の段階へと入りました。
ここからは、鈴木大拙先生の「仏教の大義」です。
仏教の大意は、鈴木先生が昭和21年4月に昭和天皇、皇后の前で仏教について講義(ご進講)を行ったのですが、その時の記録をもとに補正、加筆して出版されたものです。
まずは、この書の解説文から講義は始まるのですが、解説文だけでも十分に難解です。
解説文の中でとくに頭に残ったのは、”霊性的世界”という概念でした。
これに相対するのは感性的世界であり、私たちが五感を通じて認識する通常の世界です。
しかし、実際にはこれだけでは理解しえない世界がある。
感性的世界は、人間が頭の中で再構築したもので、霊性的世界こそが実在性を持っている。
ということだそうですが、ココはまだ納得感がありません。
ただ、次のことはよく腹落ちしました。
「自分の力だけではどうしようもない。この時に心の奥底から湧いてくるのが祈りである。」
「祈りは、豊かな言葉に包まれたときではなく、自らの限界を身をもって知ったところから始まる。」
人知の及ばない世界
畏敬の念 自然崇拝 など、
こんな話が、講師の方からありました。
初代はやぶさのプロジェクトリーダー川口淳一郎氏の話です。
奇跡の帰還を果たせた初代はやぶさには、実は神頼みがあったそうです。
相次ぐエンジントラブルに見舞われ、極限状態にまで追い込まれるのですがそれでも、可能な限りの手を尽くします。 そして、最後の最後にやったことは、なんと岡山県真庭市(わが故郷)にある「中和神社」へのお参りだったそうです。
なぜ、この神社なのか?
はやぶさのエンジンは「中和機」と呼ばれていたそうで、その中和の名がつく中和(ちゅうか)神社を神頼みの先としたそうです。
人知を尽くし神に祈る!
最先端技術と神頼み。
これこそ、感性的世界と霊性的世界の象徴でしょうか。
※以下、はやぶさに使われたイオンエンジンと中和器の説明
イオンエンジンの仕組みは陽イオン (+の電荷) を飛ばしてその反作用で加速します。ただこのままだと宇宙船にどんどん電子 (-の電荷) が溜まっていき、後ろに飛ぶはずの陽イオンを引きもどす力が働いてしまいます。
作用反作用でロケットは後ろ髪を引かれる状態になります。
それを防ぐために飛ばした陽イオンと同量の電子を放出して、+-0を保ちます。
このため「中和器」、つまり+と-を中和して+-0にする機械と呼ばれます。