人生邂逅 ・まなび編 ◆日常から -18
義父の生きざまに教わること ~長生きは新たな試練と向き合うこと
生涯現役を心に決め、小さいながらも問屋の主として70年以上もの間、頑張ってきたのですが、ついに今年の2月 95歳の誕生日を機に店じまいを決意しました。
きっかけは、
ほぼ1年前、おなかに異常を感じて近くの病院に直行。即入院となり10日間ベッドでの生活を余儀なくされたため、急に足腰が弱ったことからでした
もともと、右ひざが悪く杖の力を借りないと歩行できないような状態にはなっていたのですが、さらに状況は厳しいものになりました。
足腰が不自由になることでほかの機能にも影響が出てきたようで、視力や手先の感覚も衰え、それまで使っていたパソコンのキーボードでミスが増えたこともショックだったようです。
それにしても、95歳になるまでパソコンを使い、商売を切り盛りしてきたのですから、もう ”あっぱれ” というしかないのですが、
現実は残酷!
義父をまじかで観ていてつくづく感じるのは、
ヒトが歳を取る(長生きする)ことが如何に難しいかということ。
義父の場合、自営業ならではのことでもあるのでしょうが、
身を引くタイミングとそのための準備をしておくことがそこに大きくかかわってきます。
その点、私たちサラリーマンは定年という明らかな人生の区切りがあるので助かっている部分があるのですが、それでもその後に備えての準備は同じでしょう。
義父の場合、なまじ体が丈夫(膝を除き)であったことと、ビジネス環境で逆風にさらされながらも運よく商売を継続できたことから、決断のタイミングが遅れたこと。さらには、いずれは来るであろう ”X-デイ” に備え、次のステージに向けた準備を怠ったことでしょう。
仕事一途に打ち込みすぎたこと。
趣味はゴルフとカラオケ、お酒も大好きで毎晩の晩酌は欠かさないほどでしたが、ゴルフは80歳で打ち止め。そのためか、交友も減ったためカラオケも自然消滅。お酒は昨年の入院でドクターストップ。
仕事に変わる生きがい。を見つけなさい。と言われますが、それも大概は 健康であってのこと。 そうたやすいことではないのです。
店を閉じてからの義父は、歩行器を使って朝のゆっくりとした1時間ほどの散歩を終えると自宅兼旧店舗の椅子に座って、かかってくるあてもない電話を前に店番(?)をする毎日を送っています。
気力の衰えから、テレビも見ず、ラジオも聞かず。せいぜい、新聞に目を通すくらい。
こうした1日が約半年間続いています。
今から思えば、 どうしてもっと元気なうちに手を打ってこなかったのか? やるべきことをやってこなかったから、こうなったのだ。 と無責任なことは言えますが、自分が同じ状況だったならどうだったか。???
これは、まさに先達として、身をもって私へ貴重な示唆を与えてくれているように思うのです。
よくよく考えて齢を取る準備をしておかないと大変なことになるぞ。
長生きするとは新たな試練と向き合うこと。
歳を取ることへの覚悟と準備はできているか? と。