Mちゃんが産まれるまで④
過保護ママが妊娠をしてつわりを何とか乗り越え出産する為に里帰り出産することにしました。
もう少しでMちゃんに会える!
Mちゃんの出産までラストスパート!!
『うーん、そろそろ産まれる気がするんだよね』
過保護ママはまん丸と大きくなったお腹を撫でながら、バリバリとお煎餅をもぐもぐ。
出産予定日まで10日前。
丁度、年末年始で一緒に帰省して過ごしているものの、もう少しで年始のお仕事が再開という屁理屈パパ。
確かに予定日までは余裕がある。
でもね、何かね、、、うーん、なんか色々そわそわするの。
そんな私の感情を伝えたが出産経験のある叔母たちは
『そんなお煎餅を食べてるなんてまだまだ産まれないよ笑』
との一言。
何を根拠に言ったのか、今では完全な笑い話しみたいになっていたが、当時の私は真剣に帰らないでと思っていた。
なんか気になるの!!
訴えたけれど、誰にも響かない。
そのままパパの帰る時間が近づいていく。
今から関東にある家に戻ると車、新幹線、電車を乗り継いで5時間はかかる。
しかも夜にあっちに着くから戻ってくることはできない。
不安でありながらも、仕事があるから帰るという言葉に私はきっと大丈夫、まだ産まれないと思い見送りをした。
しかしその夜、、、お腹に違和感を覚えた。
なんだこれ。
あれ?
いつもの前駆陣痛じゃない気がする、、、
陣痛だよ、これ、きっと、、、
私は慌てて、母を起こしに行った。
夜の23時。
屁理屈パパは今家に着いたと連絡が入る。
私は陣痛がきたから病院に行くと返信をした。
動揺が隠しきれないパパ。
今から向かうと新幹線がないから朝になる。
立ち会い出産を予定していた私たちにとってこれからの間に合うのかという不安でいっぱいになった。
病院について診察後。
このまま出産になる可能性があるので、病院にいてくださいと言われ、私の付き添いは母にやってもらった。
少しずつ痛みが強くなる中で、丁度中学の同級生が婦人科の看護婦をしていたこともあり、私の様子を見にきてくれた。
『まだまだ会話する余裕があるからもう少しかかりそうだね』
私は始め何を言ってるのか理解していなかった。
もっと痛くなるの?
この数分後、、、
すごく痛くなりました。
恥ずかしながら泣き叫んでいました。
なんと言ってもいいのかわからない痛み。
呼吸して痛み逃しなんて、初産そんな余裕なし。
5センチ、6センチ、、、あっ、破水した。
7センチ、、、待って何センチまで開けばいいんだっけ?
朦朧とする意識の中、母がずっと背中をさすってくれているのに涙がでてきた。
お母さん、こんな痛い思いをして私を産んだんだね。
携帯がなっているが、それどころではない。
痛いよ。お母さん痛いよ。
母にしがみついて私は泣いた。
やっとパパからの連絡をみた時にはあと2時間はかかるとのこと。
助産師さんが私を覗きこむように聞いてきた。
『もうそろそろだね。旦那さん待つ?』
『待ちません』
迷いはなかった。
即決、即答、早く私を分娩室に連れて行ってー!!
そして2回ほど息むと、、、ストンと痛みと共に赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
『おめでとう!頑張ったね!』
私の腕の中に小さな女の子が。
可愛い、私の赤ちゃん、やっと会えた。
あんなに痛かった痛みはどこに行ったのか。
幸せな気持ちで痛みの涙から喜びの涙に代わっていた。
ありがとう。私のところにきてくれて。
そっと助産師さんが私にペットボトルの水を差し出してくれた。
母が私の為に産まれてすぐに買ってきてくれたらしい。
夜通し母が付き添ってくれたお陰で私は出産することができたんだと改めて感謝の気持ちでいっぱいだった。
お母さんってやっぱりずっと私のお母さんだ。
屁理屈パパは頑張って帰ってきてくれたからね。
次回の出産は私の勘を信じてねとだけ伝えた笑
これが長女Mちゃんが産まれるまでのお話し。
Mちゃんが産まれるまで、お終い。