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KMA
2024年2月3日 14:53
じりじりと音を立て、ぼうっと赤く燃え進む白い煙草の先から空へ昇っていく煙を見つめながら彼女はぼんやり考えていた。手にした煙草を口から離し深くふいーっと呼気と一緒に白煙を吐き出す。その白煙を見ながら今度は、たばこの煙には紫煙という呼び名があることを誰かから聞いたことを思い出していた。「まーたさぼってる」不意に彼女の背後から聞こえた声に彼女の思索は打ち切られた。白衣のポケットに左手を突っ込んだま