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コンサルタントはお医者さん

就活での説明会や、業界マップなんかを見ていると、こんな言葉をよく聞きます。私も説明するときに使ったことあります。

具体的に言うとどんなことなのか。

お医者さんのお仕事

目的は、患者さんの病気を治すこと。そしてその方が安心して、人生を前向きに進める状態を作り出すこと。

そのために、患者さんの症状を確認します。

症状というのは、表面的な事象です。熱があるとか体がだるいとか。

そこから、根本的な原因を探り、病名を特定することが重要です。これを誤ると症状は改善せず、時には悪化にも繋がりかねません。

そのため、問診、触診、専門器具を用いた検査、類似症例からの推測といったことを行い、診察の確度を上げ、根幹に迫ります。

そして、見出した原因に対し、適切な対策を施します。投薬であったり、手術であったり。時には経過観察という判断もありますね。

深刻な場合には、入院してもらい、問題がない状況までの改善を、付きっきりで診ることもあるでしょう。

何より、患者さんのために。患者さんの不安を取り除き、病気であればそれを治し、健康に次のステップへ踏み出すために尽力する。それがお医者さんのミッションでしょうか。

コンサルタントのお仕事

お医者さんのお仕事で丁寧に書き、皆さん察しも付いていると思うので、手抜きしますね笑。

目的は、クライアントの課題を解決すること。そして、クライアントが次のステージへ進むこと。

そのために、クライアントの現状を把握します。課題は何か、クライアントの声や感じていることを聞きます。

次に、課題の深掘りを行い、本質的な課題を見出します。表面的な課題とは異なります。時にはただの事象しかクライアントは把握していないこともあります。
売り上げが上がらん、組織が成長しない、とか。原因は今どきの若いもんに根性が無いからだ、とか。笑
そんなこと言う経営者はいないか…いや、世の中の普通って意外と、って話もあります。(最後にオマケで書きます。)

本質的な課題を追求するため、様々なリサーチや仮説検証を行います。

クライアントの現状を理解するため、ヒアリングするだけではなく、店舗や工場などの現場に赴き、実地調査をしたり、その業界の専門家に話を聞いたりして、得られる情報(特に生きた情報)を集められるだけ集めます。

その結果を踏まえ、様々な観点で分析をしたり、仮説検証を行うことで、顧客の本質的な問題、表面的な事象を起こす根っこの課題を、捕まえるのです。

そこまでできたら、後はその問題を解消するための対策を検討し、立案し、提言として報告をします。

戦略系のコンサルや、実行支援を伴わない場合は、ここまででクライアントからは離れます。

最近は、実行支援や結果が出るまでの伴走を付加価値とするケースも増えてきていますね。

特にIT、業務改革、採用とか人事系だと多い印象ですね。

コンサルは、医者ではなく、コーチや導く存在にもなる

コンサルは問題がある、ダメな人たちを助ける仕事ではありません。

わかりやすいので、課題の相談を受ける…と書きがちなのですが、成長戦略でももちろん価値を出します。

新規事業を立ち上げたい、売り上げを倍増させたい、海外進出をしたい、、、

課題とは、ダメなところを普通にするために必要なことではありません。
現状と目標の差分が課題です。ToBe-AsIsって、コンサルの資料によく出てきます。

高みを目指すために、取り得る手段、最善の策は何か、それを一緒に探してくれるのも、コンサルの大事なミッションです。

コンサルの仕事と付加価値

正直、クライアントやコンサル会社の方針によります。ただ、こういう依頼のパターンがあるぞ、という例です。

①クライアントにスキルが足りないケース

自分たちでは見出せない価値を引き出してもらう。または解決できない課題を解消してもらう。

最も、付加価値が高い仕事です。まさに戦略コンサルの仕事。クライアントが大企業やグローバル企業の場合に多い依頼でしょう。

②クライアントにあと少しのスキルとリソースが足りないケース

なんとなくわかっている、でも具体的にどうしたら良いのかの突破口が出てこない。そんなときに一緒に考え、知恵をくれる存在。

こちらも付加価値は高い。経営戦略や事業企画などの部門が少数精鋭の時に発生しそうな案件です。

③クライアントにリソースだけが足りないケース

やらなくてはならないことはわかっている。でも誰にでもできるわけではない。そこそこのスキルセットの人に頼みたい。

実行支援にあたるので、付加価値は正直高くない。でも、コンサル会社によってはこういう仕事をメインにしています。

以前聞いた例だと、地方企業から経営の支援依頼があったそうです。そのコンサルタントがまず最初にやったことは、売上と費用、利益の把握とのことでした。

そんなこと、社長なりなんなりがやっておいてよって思うかもしれませんが、忙しかったり、当たり前のことができていない会社って山ほどあるのが実態だと思っています。
なので、コンサルの中でも実行支援のスタイルのニーズが消えないのでしょう。

ただ、このような価値では、いずれ圧倒的なSaaSモデルなどのサービスによる生産性向上を受け、消える可能性もあるでしょう。

また、どんな会社でも活躍できるスキルを習得できる、とも言い切れないでしょう。

このように、実際のその会社の中に、どのような案件が多いのか、どんなクライアントが多いのか、そして自分がどのようなスキルを身につけることができるのか。それを見極めてください。

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