ラクガキングダムとほぼ四人の勇者の話。
※劇場版クレヨンしんちゃん「激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」のネタバレを存分に含みます。あと、観てきた勢いのまま書いているので支離滅裂です。ご了承ください。
9月11日。
見てきました、ラクガキングダム。
結論から言うと、個人的に歴代トップ5入りの完成度だった。1位は相変わらずロボとーちゃんなのだけど、負けず劣らずの出来だったし、全体のバランスで見たら1位かもしれない。特にキャラデザ。姫とユウマくん(彼については後ほど)もだが、個人的にカラフルなうんこ軍団とローラー兵士がツボすぎた。大臣たちが結局何だったのかと思う位置ではあったけど、彼らが無能すぎたから防衛大臣はああまで過激な手段を取らざるを得なかった…ということかも。
で、ユウマくん。あまりクレしんを見ない友人が「クレしんっぽくない子だね」と評価したけどその通りだと思った。タブレットを使うところと、彼は新世代の象徴というか「ラクガキ」という現代では少しばかりアナログな遊びとのギャップ、劇場版ならではの子だったんじゃないかな。個人的には、基本的に父と母と子供という家庭が主なクレしんワールド(ボーちゃんは未だ謎多いが)で、母子家庭というのも現代らしいなと思った。そういえば風間くんが出番少なかったのは、ちょっとキャラが被りそうなのと、来年の出番が多そうだからか?(エンドロール後の予告編のあれ、風間くんだよな)
ほぼ四人の勇者。ぶりぶりざえもんは後にして、
ニセななこ……っ!!!!!(大の字)
パンフレットの座談会にも書かれていましたが、もう最後はニセななこに惚れちゃいますよ。溶けていくシーンでボロッボロに泣いてしまった。強くたくましく優しいニセななこは文句なしのヒロインでしたよ。というか、皆のためにビワの皮をせっせと剥いているシーンでもう惚れかけていたのは私です。あんなに魅力的なヒロインそうそういないぞ…とまで打って思ったのは、しんちゃんにとってのななこおねいさんが本当に魅力的だから、ニセななこもとびきり素敵なヒロインだったのだろうなあ。
ブリーフはもうただ可愛かった。最後の全力で引っ張られるシーンは笑いながら泣いてしまったよ。あんなに気合いの入った泣き笑いどころは初めてだった。
そして、ぶりぶりざえもん。
何年ぶりだったかなと調べたら、21年ぶりだとか。ローンも可、が、キャッシュレスも可、になっていて時代を感じてしまった。けど、隙あらば裏切ったり手のひら返したりと、私が知っているぶりぶりざえもんが其処にいた。復活を決めてくれた公式様と引き継いでくれた神谷浩史さんには感謝しかない。ナンバーツーに甘んじない姿勢が「そうそうそうだよね!!」とめちゃくちゃ頷いた。水たまりになったぶりぶりざえもんと、しんちゃんが話すシーンの色彩が好き。車のエンジンで焼き豚になるのもお約束。でっかくなって尻に屋根が刺さるところも「らしく」って盛大に笑った。おかえりなさい、救いのヒーロー。
しんちゃんが大人たちに責め立てられるシーン。
みさえやひろしだけじゃ庇いきれない大人たちの怒りを受けても、しんちゃんは泣かなかった。それどころか、罪悪感を抱くユウマに「オラも母ちゃんを助けた」と声をかけた。きっとしんちゃんにとっては気遣いでもなんでもない。だけど、大人の私はぼろぼろに泣いた。自分がいくら責め立てられようが泣かなかったのに、仲間が消えたときに涙するしんちゃんがやっぱり眩しい。
やっちゃえば!やっちゃえば!と皆で思いっきり絵を描いていくシーンが、愛おしくて力強くて羨ましくて、スクリーンの中に飛び込んで混ざりたかった。今回監督をしてくださった京極さんが「戦いではなくのびのびとした気持ちで解決できた」と仰っていましたが、もう、本当にそれが素敵だった。最後、結局のところ春日部は壊れたままだし落書きだっていっぱい残っているけれど、建物は修復できるし落書きは消されていく。でも、しんちゃんとユウマくんはお互いが頑張ったことをずっと覚えている。ユウマくんにとっての勇者はしんちゃんとぶりぶりざえもん、ニセななこ、ブリーフだけど、しんちゃんにとっての勇者は仲間たちと、自分じゃなくてユウマくん。だから「ほぼ四人の勇者」──作中でハッキリと語られない、けれど、ピッタリなタイトルだと私も思った。
他にもラクガキングダムのデザインめっちゃ素敵だとか、宮廷画家のキャラが好きだとか、キャスト数半端ねえなとか。つらつらと語りたいことは山とあるけれど、今回の劇場版しんちゃんに関しては結局、この言葉が一番似合う。
楽しかった!!!!!!!!