[LTspice]雷サージ試験対策回路について③
こんにちは。
お仕事の都合などで電気回路の設計などをしているため、空いた時間にいろいろ回路について考えることが多いです。
今回は雷サージ試験の対策回路をLTspiceを使って考えていたのでその内容を個人的なメモとして書いておきます。
以前の記事では、雷サージ対策としてインダクタを使用したときの難しい点について確認しました。
今回はMOSFETを使用した電源スイッチ回路の効果について確認していきます。
過電圧が印可された場合に電流を遮断する回路、逆流防止回路を追加した場合、以下の結果になります。
MOSFETによる電流遮断回路を通過した後の電圧が水色のvout1、ダイオードを通過した後の電圧が緑のvout2になります。
vout2は雷サージが印可されている間もほぼ24.5V付近となっており、高い効果があることが分かります。
部品の選定にあたっては、電圧のピークに耐えられ、広い電圧範囲で動作できる部品選定が必要です。また、高速な応答速度が実現できるよう小型、低入力容量、応答速度にも考慮するとよいでしょう。
今回検討した対策回路はバイポーラトランジスタ、n-ch MOSFETは高速な応答性重視、p-ch MOSFETは高い耐電圧や広いゲート電圧範囲を重視した選定となっています。遮断時間は約1usであり、3us周期で電源スイッチ動作を繰り返すため、電位差が広いスイッチング動作にもかかわらずリプル電圧が小さな電圧安定性を実現可能としています。
内部の抵抗の定格電圧にはやや注意が必要なのと、これでもややコスト高めな構成になるため低コスト、動作安定性の改善にはもう少し検討が必要と思います。
コンデンサやTVSダイオードで悩んでいたのが嘘かと思うほどですが、広い電圧範囲で動作可能とするのはやや難しいです。効果的な入力コンデンサ、TVSダイオードの重要性ももう少し考えたいところです。