アーマーモデリング2021年9月号作例におまけ

アーマーモデリング2021年9月号でのライド オン タンクス作例について、少々追加の説明をしておこうかと思う。それと言い訳。

画像2

キャプチャ1

最初に今回の作例で失敗したと感じている部分をゲロっておこう。

戦車帽ヘッドの顎の明度が高すぎて、ハプスブルグ家の血筋みたいになっている。オーバーオールの生地の質感がいまひとつ出ていない。戦車帽の頬当ての裏地の起毛の感じが出ていない。制帽ヘッドの髪の毛の塗装がおざなり。

自分で気付いたものだとこんなところか。大変申し訳ない。毎回ベストを尽くそうとは思っているんだが、なかなか上手くいかないもんだ。

他は上手く塗れたのか?と問われれば「今はこれが精一杯」と万国旗を繰り出すしかないんだが、まあ大凡狙った感じにはなったかと思ってはいる。

なお掲載されている実物の資料写真と作例のオーバーオールの色が合っていないのは自分が別の資料を参考にしたからなのだが、これも申し訳なかった。誌面的には同じ物のほうが説得力というかわかりやすかったよね。

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顎の明度はおそらくこのあたりの工程で色を乗せていれば解決する。制帽ヘッドも基本的に同じ工程で塗っているのに顎が出ている感じがしないのは、こういうちょっとした違いが仕上がりに影響を及ぼす例だといえるだろう。
や、納品前に気付いて調整しとけっていうことなんだけどね!ディテールの描き直しじゃないのでどの段階でも調整は可能。

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そういや顔の3分割塗装の時、エアブラシは実際にこのくらい近づけて吹いている。もっと近いかもしれない。希釈は薄くエア圧はやや低め。
エアブラシとワークの距離や塗料の希釈度はどんな塗膜を作るかで全く違ってしまうので単純に2倍だ3倍だ1センチだ20センチだとかいう話ではない。
このあたりはアーマーモデリングの来月号の特集に期待したいエヘヘ。

逆に「砂吹き」と呼んでいるやり方の時は物凄く遠くから吹いている。もしよかったら動画を見てほしいんだけど、画角にエアブラシがおさまらなかったよ! あ、それと便宜上「砂吹き」と言っているけど多分正しくない。なんかいい呼び名はありませんかねえ。

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で、その「砂吹き」が最も効果的なのは起毛表現だったりする。
今回オーバーオールでも試してみたけれどああいう綿布のような生地だと効果がわかりにくいが、ビロード製の制帽のように起毛した生地の表現はとてもやりやすい。
写真は上が暗色下塗りで下が明色上塗り。どちらも仕上がりのカーキから少しずつ色相をずらした色をチョイスしていて、其々を点描のようにランダムに並べた時に狙ったカーキに見えるようになっている。明度彩度のコントラストで表面のデコボコ感が演出されているのがわかってもらえるだろうか。あと、かなり濃い状態で吹いているため飛沫で実際にデコボコになっている。
ドイツ軍の野戦服のような毛織物の表現に最適な方法なんだが、色のチョイスにやや慣れが必要かもしれない。
加えて最後につや消しのクリヤーを吹いてやると、より毛織物っぽい質感になる。
これについてはもしチャンスがあれば誌面で詳しく解説したいと思ってはいるんだけどはたして。

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モールはファレホのバーミリオン。こういう極細部は明度高めで塗ったほうが自然な感じに見えると思う。星章は筆で描いた。これはまあ誌面上アップ撮影も可能なようにというのと、瞳にキャッチライトを入れているので、それと同等の大きさの物は描かないとおかしいからという理由で。
クラウン(帽体)に対してバンドやつばはツヤありにしてあるのは質感の違いを強調したいからで、ややデフォルメ有りという部分。

ということで、誌面では紹介しきれなかった部分の補足になれば。他に何か疑問などいただいたらその都度お答えしたいかなと。
乱文失礼。ではまた。

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