國谷忠伸

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    主に模型の話

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アーマーモデリング2021年9月号作例におまけ

アーマーモデリング2021年9月号でのライド オン タンクス作例について、少々追加の説明をしておこうかと思う。それと言い訳。 最初に今回の作例で失敗したと感じている部分をゲロっておこう。 戦車帽ヘッドの顎の明度が高すぎて、ハプスブルグ家の血筋みたいになっている。オーバーオールの生地の質感がいまひとつ出ていない。戦車帽の頬当ての裏地の起毛の感じが出ていない。制帽ヘッドの髪の毛の塗装がおざなり。 自分で気付いたものだとこんなところか。大変申し訳ない。毎回ベストを尽くそうとは

    • 鑑賞の手引き

      仕事の言い訳をこういうところでするのはイレギュラーというかよくないと思うんだけれども。 アーマーモデリングのフィギュア美女メイクに寄稿するテキストが「硬い」「偉そう」というのは書いてる本人も気にはしているんだごめんよ。 である調の文章は書きやすくて好きなんだけど、どうしても印象は悪くなるっつーかカドが立ちやすい。くだけた文章で何かを伝えるのは比較的苦手なのと文字数を食うから、なかなか上手く出来ないん。 で、今回はペインターが違えば同じフィギュアでもこんなに違いが出るんだよ

      • リアリティの在り処(6)

        陰影の呪縛から開放されたい。 で、だ。とかなんとか言っていたらいつのまにか3Dデジタルモデリングの時代になってたよ! いやま冗談はさておき、3Dデジタルモデリングの登場はエポックだった。そしてその普及速度は想像以上だった。 普及すれば当然(みんな切磋琢磨するから)クオリティは爆上がりして、いまや1/35でも造形の緻密さは凄いことになっている。 デジタルモデリングは実際の大きさの制約がないから、実寸の陰影の影響を受けにくい。つまりサイズレスでリアリティの追求ができる。 こう

        • interludo 1

          3Dスキャンフィギュア登場以前に自分がペイントを考えることになったきっかけとして絶対はずせないファクターがある。 林浩己さんだ。 所謂リアル系女性フィギュアというジャンルを確立した人、と言ってもいいだろう。 林さんの名前はもう随分前から知っていたけれども、意識して塗ったのは某SFオリジナル作品のモデルそっくりさんフィギュアから。 それだって知人のイベント土産に買ったものだった。 まあ、そんなだからあんまり大きな声で「熱烈なファンです」と言いにくいんだよ察してよ。 や、今は

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        • Stray dog ​​stupid
          8本

        記事

          リアリティの在り処(5)

          (承前) 話を戻そう。 造形に陰影の情報が含まれることで塗り方を制限される気がする、ってとこまで。 人間の目は輝度変化(明るさの変化)には敏感に反応するが、色調の変化には比較的鈍感なんだそうで。この特性はペイントでは結構重要な要素なんだけど、これはまたそのうちまとめよう。 つまり形状は明暗で把握しているって事で、そのコントラストの強弱が造形のメリハリに直結していることが多い。だからこのメリハリが極端なもの(つまり明暗の階調が少ないもの)は、ペイントで明暗の諧調を描きこむ事で

          リアリティの在り処(5)

          リアリティの在り処(4)

          (承前) それまでの造形が下手だといっているわけじゃあない。当時自分でも何度かフィギュアを造形してみたりもして、それがどれくらい難しいか痛感してもいるし。 で、何が問題なのかというと、大抵のフィギュアは陰影の情報が造形に含まれてしまうということなんだ。 この陰影のコントラストの強弱が彫りの深さであったり面構成にも大きく影響してくる。だから凄く塗りやすくて写真で見ると文句の無いフィギュアも、手にとって良く見たら人間の顔の形じゃない!なんてこともあったりする。サイズが小さいと気に

          リアリティの在り処(4)

          リアリティの在り処(3)

          3Dスキャンフィギュアのペイントでは一定の評価をいただけているようで本当にありがたいことだと思っている。 なので、厭きる前に (笑) 現時点でどんなことを考えて、また目指して塗っているかを残しておこうと思う。 じゃあまず、3Dスキャンフィギュアの何がいいのか、よかったのか。 個人的には「自分のやりたいことに集中できるフィギュアだった」ってことだと思っている。身も蓋も無いな。 自分が所謂リアル系フィギュアの塗装でやりたいのは「そこにその人がいるように見える」ことなんだけれど

          リアリティの在り処(3)

          褒めて伸ばせというけれど

          模型を褒めるっていうことが雑誌の特集になるくらいに褒めるっていうことが重要視される今日この頃。 でもそれ、ちゃんと褒めてますか?って思うことが多々ある。褒め言葉を並べてるだけで見当違いなことを言ってるなあ、ダメじゃんって。 ところがこれ、特大ブーメランだったのだ。 まあ、作り手が自覚していない美点を見つけ出して評価するっていうのは、まさに評論、批評の醍醐味というか面白みだと思うんだけど、いざやろうとするとかなり大変。某誌で人様の作品にコメント付けさせてもらったりしたけれど、

          褒めて伸ばせというけれど

          リアリティの在り処(2)

          製作する時には最初に自分の中でお約束を決める。 例えば1/100の飛行機は動翼以外にスジ彫りをしないとか、1/700の艦船には手摺はつけないとか、そういうお約束。マイルールというか、省略の閾値みたいなもの。 これがその人のスケールなりのリアリティの基準だと思っていて、この基準が部分部分でバラバラだとあまりよろしくない出来だよねって思う。 だからこの基準を決めておかないとその先に進めない。工作も塗装も基準がある作品のリアリティはわかりやすいと思う。 あえて一部だけより作りこむ事

          リアリティの在り処(2)

          リアリティの在り処(1)

          模型のリアリティは鑑賞する側の現実の理解度に依る。 ここにスーパーカブの模型があるとします。 とても精巧に出来ていて上手にウェザリングも施されて、一見本物のように見えます。 「とてもリアルだ」「本物みたいだ」 しかしよく見たらレッグシールドが錆びたように塗られています。 この瞬間、スーパーカブを知っている人にとってリアリティは失われて「ただの模型」でしかなくなる。 車やバイク、動物や人間の模型が難しいと感じるのは、身近にあってその対象をよく知っているからで、嘘が許される範

          リアリティの在り処(1)

          自己紹介的な

          模型誌の作例やメーカーの塗装見本などを生業にしている末端モデラーが忘備録的にその時々に考えていることをまとめておこうかと。 途中でころっと言う事が変わるかもしれないし考え方に偏りもあるでしょうが、まあ人間そんなもんです。 あとで読み返して苦笑いするのが目的みたいなもんだから、まあ適当に。

          自己紹介的な