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共感力あるリーダーの苦悩

「期末評価のあとはみんなの笑顔が消える」

かくいう私も社員時代は上司の受けがすごぶる悪く、後輩にも抜き去られて涙に泣きぬれることもシバシバでした。

自分が評価する立場になると、それはそれで、厳しい現実を示さねばならないときは前日から憂鬱で仕方ありませんでした。自身満々で自己評価H(上から2番目)をつけてきた部下にA(アベレージ:期待どおり)をつけてフィードバック。瞬間走る、部下の不快感あらわな態度。その日は夜道で刺されるんじゃないかなんて思ったりして、翌日からも心穏やかでない日々が続いたたりします。

それは何でかなと思ったら、シンプルに「共感度の違い」だったということに気づかされた記事です。

・共感度の高いリーダーは相手にとっては有効なフィードバックを与えることができる

・しかし一方で、そういうリーダーはフィードバック後に心苦しさを感じ、注意力が低下、業務の効率性が低下し、部下を鼓舞する能力が衰える

※共感力の低いリーダーは全くこの逆。どんなにダメ出しを連発して部下をボロボロにしても自分自身のパフォーマンスは落ちない

これは脳科学的によく言われているのですが、そもそもヒトの脳は主語が認識できないため、マイナスコトバの形容詞的な部分が自分のこととしてとらえられてしまうからのようです。

例えば、

・あいつは人間性が低い

・あいつは戦力にならない

なんて、いまや絶対に相手に言ってはいけないNGワードですが、このことを口に出して言うと、「あいつは」には心の動揺がありませんが、「人間性が低い」とか、「使えない」、とかいうマイナスイメージだけが、自分の心にズドンと来ます。なので主語とか関係なく、この形容詞だけが脳に刻まれ、「それってオレのことじゃね?」と脳が勘違いする。以上はいろいろな本に書いてあることから導きだした私の仮説。趣旨からはずれますが、ヒトの悪口ばかりいう人は実はドンドン自己肯定感が低くなるともいわれますが、この理屈からのようです。

共感性の高い上司は、部下の改善点をしっかり指摘してあげているんですが、その一方で、脳のなせる技で、自分自身も傷ついているかもしれません。

鈍感な人は何にも考えずにガンガンダメ出しても、本人はもう覚えていないので自分の脳に刻まれることもない。

乱暴な道理ですが、記事を深読みしながら、そんなことを考えてみました。

じゃあ、鈍感上司はともかく、心ある共感度の高い上司はどうしたらいいのでしょうか?

記事では「気持ちの切り替えの時間をつくる」ことをあげられています。

これまでフィードバックで疲れ切ってしまう傾向のあるリーダーは、面談が終わった翌日は積極的にお休みをとり、好きな映画を見る、大自然に触れる、温泉につかって美味しいものを食べる。

潜在意識に対し、主語が誤った情報がインプットされて自己肯定感に傷がつくまえに、いったんリセットする時間をつくるのも管理職のメンタル戦略として有効なのかもしれませんね。