セウォル号沈没事故から本日4月16日で6年――|映画『君の誕生日』特別映像
韓国全土が悲しみに包まれた2014年4月16日、修学旅行中の高校生ら300人以上が犠牲となったセウォル号沈没事故から本日で6年。6月5日に公開を予定している韓国映画『君の誕生日』は、セウォル号沈没事故を初めて正面から取り上げた作品となります。
本作の監督を務めたのは『シークレット・サンシャイン』『オアシス』『バーニング 劇場版』など世界の映画界を魅了し続ける巨匠イ・チャンドン監督のもとで経験を積んだ新鋭イ・ジョンオン。本作が長編デビュー作となります。監督自身がボランティア活動を通じ、長い期間遺族と接する中で生まれた本作は、セウォル号沈没事故で息子を亡くした主人公夫婦が、一年に一度近づいてくる息子の誕生日を共に記憶し、悲しみを分かち合い、それがどれだけ生きていく上での励みになるかを描き、忘れられない傷を持つすべての人々に寄り添う、温かな感動作として仕上げました。
また、息子を亡くした父ジョンイルを演じたのは2000年の『ペパーミント・キャンディー』で新人俳優賞を総なめにし、2002年の『オアシス』、そして2003年の『公共の敵』でも数多くの主演男優賞を受賞、近年もアルツハイマーの連続殺人鬼を演じた『殺人者の記憶法』や、『1987、ある闘いの真実』での民主運動家役が記憶に新しいソル・ギョング。
そして、2007年の『シークレット・サンシャイン』でカンヌ国際映画祭の主演女優賞を獲得し、2010年の『ハウスメイド』がカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出され、“カンヌの女王”と称されるチョン・ドヨン。韓国映画界を代表するトップ俳優二人が2001年の『私にも妻がいたらいいのに』以来、18年ぶりの共演を果たしたことで大きな話題を呼んだ本作。大事な子供を亡くした喪失感と、切ない愛を抱きながら生きる遺族の姿を名優にふさわしい渾身の演技と真心で熱演しております。
また、本日公開となる特別映像には、痛ましい事故で息子を失ったソル・ギョングとチョン・ドヨン演じる夫婦が、息子の誕生日を迎える様子が収められております。“あの日” から時が止まったままの息子、遺された写真たち、そして息子を悼むために集まった人々を収めてた本映像からは、本作で描かれる悲しみを受け止めながらも生きてゆく人々の前向きなメッセージが伝わるはずです。
■特別映像
映画『君の誕生日』は6月5日(金) シネマート新宿ほか全国ロードショー
■『君の誕生日』公式サイト
■あらすじ
2014年4月16日…この世を先に去った息子スホへの恋しさを抱きながら生きるジョンイル(ソル・ギョング)とスンナム(チョン・ドヨン)。やがて1年にたった1日だけのスホの誕生日が近づいてくる。母スンナムは主役不在の誕生日は息子がいない現実を認めるようで怖くてたまらない。一方、ある事情により息子が亡くなった日に父親としての役目を果たせなかった父ジョンイルは、家族に対して罪悪感を抱えたまま、あの日から2年後に韓国に戻ってくる。彼にとってすべてが見慣れない現実の中、家族と一緒にスホの誕生日を迎えるが...。
■キャスト
ソル・ギョング『ペパーミント・キャンディー』『オアシス』『1987、ある闘いの真実』
チョン・ドヨン『シークレット・サンシャイン』『ハウスメイド』『男と女』
キム・ボミン『ザ・ネゴシエーション』
ユン・チャニョン、キム・スジン『1987、ある闘いの真実』
イ・ボンリョン『EXIT イグジット』
■スタッフ
監督・脚本:イ・ジョンオン
撮影:チョ・ヨンギュ『シークレット・サンシャイン』
編集:シン・ミンギョン『ザ・キング』
音楽:イ・ジェジン『アシュラ』
2019年/韓国/120分/カラー/ビスタサイズ/5.1ch/日本語字幕:小西朋子/原題:생일/英題:BIRTHDAY/配給:クロックワークス