BOOKMAN 25
「BOOKMAN 25」(トパーズプレス 1989)ももらってきた1冊。「BOOKMAN」については説明不要な気がするけど、1980年代~1990年代アタマくらいまで発行されていた読書雑誌というかリトルプレスというかです。特集タイトルからわかるとおり、新刊だけでなく古本にも目くばりのきいた雑誌。
25号は「BM式必携文庫目録 絶版時代がやってくる」。各レーベルの絶版本と生きている本からの紹介。創刊年があるのがいい。限られたページ数で効率よく特色を紹介しようという意思が感じ取れる構成。
レーベルごとにリード文というかみだしというかがあり、創元推理文庫「ミステリ&SF三十年の伝統を誇る」、春陽文庫「大衆小説路線ひとすじ」といった順当な紹介っぽいのもあれば、角川文庫「<現代の文庫>ではなく<現在の文庫>なのだ」なんてちょっとおもしろいコピー的な見出しもあり。そうかと思うと、集英社文庫「定価は安いが読む意欲をそそらない」という「ひどいのでは?」というのもあったり。
各文庫のおすすめも講談社文庫「古本屋で300円以下なら買っておきたい海外物6作」、「中公文庫の楽しみ方 テーマを決めてまとめ買い例 (例)明治~戦後の東京を一望する」(9作)などとレーベルの特色にあわせてのコーナーがあるのがおもしろかった。ライター(無署名なのでおくづけにある2名のうちのどれかもしくは両方と思われる)のセンスや腕前が必要なところでかつてはこういう仕事ぶりはあたり前だった。もちろん今でもそういう方はいらっしゃるし、場はあるけれども商業仕事だとフォーマットどおりが求められがちなので、なかなか目にすることができなくなっているように思う。