IMG_6563_-_コピー

「Do Book」Vol.8 1989年9月号(日本出版販売)

 さらにもらってきた雑誌。「Do Book」Vol.8 1989年9月号。新刊本屋さんで配布していた新刊情報誌です。この手の配布本の類としては大きいB5版。
 
 
 特集「検証・戦後のベストセラー」。こちらも『サラダ記念日』(俵万智、河出書房)の情報あるかも? という期待があってぬきました。
 
 塩澤実信・富岡幸一郎対談がメイン記事で、あとは「私の思い出の一冊」というアンケートや年表類。
 総花的特集で新規の情報はないものの、対談中「三千出れば成功と考えられていた新人の短歌集がいきなり八千で刷り始めて二百五十万いっちゃった。こういうことはいままで日本の出版の流れの中にあり得なかったことです。」(p.16)という塩澤発言があって「おっ」と思う。短歌関係じゃない人がこういう認識だったというのはおもしろい。
 短歌関係者であれば第一歌集はサンケタのどこかって人が圧倒的(当時もです)というのはわかっていたことと思います。「三千出れば成功」ってどこ情報なんだろーか。
 
 対談中、三島由紀夫『豊穣の海』があげられていたので「え、あれ、ベストセラーだったの?」と思って「資料・戦後のベストセラー」のページへ移動すると昭和46年の「フィクション」で全巻あわせたかたちで3番目にあがってました。※

※各年「ベスト10」とあるが順位は明記されていない。

※三島は他には昭和32年『美徳のよろめき』、昭和34年『鏡子の家 上・下』が入っている。
 
 「資料・戦後のベストセラー」だと昭和42年の『日本の詩歌(1)』(中央公論社)が気になりました。このころは「詩歌」で訴求力があったってことです。うむむ。
 それを言ったら昭和27年ののトップにあがっている『新唐詩選』(岩波書店)も気になってくるところですが、このころは全集や教養つける系がわりと入っているのであまり違和感ないです。『日本の詩歌(1)』もこういう流れかと思いますが、複数巻ではなく、ピンで入っていることもあり、まじまじと眺めてしまいました。


いいなと思ったら応援しよう!