京阪バス 高槻営業所 7B:竹ノ内町→JR茨木
高槻市と枚方市は直線距離では近い位置にある・・・と聞いても、両側を連絡する鉄道も無いし、ピンとこない方も多いのではないでしょうか。実は、両市は淀川をはさんだ向かい側に位置しています。
両岸は戦前まで渡し船により細々と結ばれてきましたが、その後枚方大橋が開通、1970年頃に片側2車線の立派なコンクリート橋に拡幅され、両市は現在では一体的な文化圏を形成、路線バスも閑散時で12本/hほど運行されています。
そのうち、枚方市駅と阪急高槻市駅・JR高槻駅を直線状に結ぶのが約7割、残る約3割は枚方大橋を渡ったあと西へ進路を変え、竹ノ内町経由で阪急茨木市駅・JR茨木駅まで足を伸ばします(枚方茨木線)。今回は同線に複数存在する系統のうち、道中の竹ノ内町(高槻営業所前)始発、JR茨木行きの
7B号経路
に乗車します。
始発バスがまだ無い時間帯なので、徒歩で枚方大橋を渡り、始発地の竹ノ内町に向かいます。
枚方公園駅から2kmほど歩くと、ようやく目当てのバスの始発地、竹ノ内町(高槻営業所前)に到着。すぐさま6時18分発の7B号経路(枚方市駅発着7号経路の出入庫系統)が出庫してきました。この7B号経路、往路は土曜2本、日曜1本のみの運行です。
車両はいすゞ・エルガの最新ロット(2PG-LV290N3)。厳しい排ガス規制をクリアするため、ダウンサイジングされたエンジンが非力なことで有名です。このモデルは2016年にもいちど高槻営業所に配置されましたが、常に多客で混雑する高槻管内の路線ではパワー不足だったようで、ものの数週間で他営業所へ転属していったという黒歴史があります。が、古参車両の陳腐化には耐えられず、やむを得ず2021年に再導入となりました。
そんなバスで竹ノ内町を発車。田んぼと工場が散在する低湿地帯を数分ほど走行したのち、茨木市に入り、周辺は一面の住宅地となります。鉄道空白地帯のこの地はバスだけが頼りで、土曜の朝にもかかわらず客が多数乗車してきます。
客を各停留所で拾い、6時27分、この枚方茨木線の系統を複雑化している元凶である
玉川橋団地・白川界隈
に突入します。まずは地図を見てみましょう。
直進経路上にある「玉川橋団地」停留所から外れた場所に、「白川二丁目」・「白川三丁目」停留所が存在しています。これら3つの停留所をそれぞれ経由するか否かで厳密に区別した結果、系統が一見さんお断りなほど複雑化しています。玉川橋団地のみ通る3・3B号経路、白川三丁目止まりの6号経路などなど・・・。今乗っている7B号経路(と、母系統の7号経路)はすべてを経由するオールマイティーな経路です。
が、往路(茨木方面)と復路(枚方方面)では停車順序が異なっており、どちらも玉川橋団地を先に経由します。
つまり、往復ともまず直進して玉川橋団地へ、そこでUターンして少し戻り、白川地区の2停留所を方向通りの順序で経由する、ということです。これは、玉川橋団地の東側にある白川三丁目へつながる交差点が、地形の関係で「玉川橋団地方面からの左折」、もしくは「枚方方面への左折」に限られていることによります(天井川を越える必要があり、スロープがあるからですね)。仮に往復でまったく逆の進路を辿ると、この交差点で(バスのような大型車にしては)無理な右左折をすることになる、ということです。
さて、このように7B号経路は難解な経路取りをするわけですが、運転手は手慣れた様子で玉川橋団地でのUターンをこなし、白川三丁目、そして二丁目を経由して元の道路に戻りました。ここから本格的に茨木の市街地エリアになり、お店の数も増えてきます。
途中の鮎川から、一本南の道路を走る
近鉄バス
との少し離れた並行が始まると、まもなく阪急京都線の高架線が見え、
阪急茨木
に到着(阪急茨木市駅ではなく、正式に阪急茨木)です。ここで大阪方面へ急ぐ客が多数下車しました。近鉄電車のエリアとは程遠いこの茨木の地ですが、旧・茨木バス(株)を買収したことにより近鉄バスが進出しており、阪大方面、万博記念公園方面、南摂津方面などの路線を有しています。
身軽になったバスは市役所前のメインストリートを経由し、約1km離れたJR茨木を目指します。途中からアーケードが現れ、快速停車駅らしい駅前の風格です。
アンダーパスでJR京都線の複々線をくぐると、ようやく終点の
JR茨木
です。竹ノ内町から約30分の道のりでした。
JR茨木駅前の街並みは少し古く、昭和40年代の灰色のビルに囲まれていて、少し薄暗い雰囲気です。再開発が期待されますね。
以上、京阪バス高槻営業所、7B号経路(往路)の乗車記でした。地域に根づいたバスの旅も良いものです。みなさんもぜひ、最寄り駅でよく見かける「あの路線」に乗ってみてはいかがでしょうか?意外な新発見があるかもしれませんよ。
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