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異常気象で涼しい夏に贈る、少し怖い話

 岩手県から帰ってきて地元の山形県鶴岡市にいますが、台風の影響で雨模様。
 さて、ここでちょっと自分が体験したちょっと怖い不気味な話を。

 話は今から遡り、7月後半の週あたり久々の連休だった日があって、その初日を千葉県の茂原にある「小湊鉄道」(こみなとてつどう)ってところに行ったんですよ。

 そこは古い引退した気動車(自走出来る客車)のキハ40って車両を日本では最多の5両をJRから買い取った私鉄で、実は自分は何回か来ているのですが今回久々いってみたんですよ。自分は鉄道マニアってほどじゃないんですが、昔の国鉄時代に生産された車両は好物なんですよね。

 そこの小湊鉄道の終点である「上総中野」(かずさなかの)って駅で、そこから乗り継ぐ別の路線の「いすみ鉄道」の列車に乗るまで1時間くらい待ち時間があったんですよ。

まぁこんな無人駅よ( ・ิω・ิ)

 その上総中野って駅は当然無人駅で、降りた人は自分ともう一人男の人がいて、年齢は35歳くらいかな?まぁ多分自分と一緒で列車好きでその「いすみ鉄道」の乗り換え待ちなのかな?と思っていたんですよ。そして数分経ったときだったかな?
なんか身なりが怪しい爺さんが来て、

「この先の大原駅(いすみ鉄道の終点の駅)まで車で乗っけていってやるよ、30分くらいだし」

・・・といきなり言ってきたんですよ。

いやいや、知らないおっさんの車なんかに普通は乗らないだろうと自分は即断ったんですが、なんともう一人の人は載せて行ってしまったんですよ・・マジかと。
まぁ女性とかだったらまだしも、男だから乱暴される心配は無いし、勝手にしてくださいよと・・・それを見守っていたんですよ。

 それからいくらかしてだったかな?待ち時間が次の時間が1時間くらいとかだとさっき言ったと思いますが、また同じ爺さんが現れて同じ事をいったんですよ

「この先の駅まで車で乗せてってやるよ」

・・・と。
何っ!!?・・・・と一瞬ビビりましたよね。 さっきの送って行った男はどうしたんだよ?・・・と。大原まで送って帰ってきたにしては早すぎないか?
当然自分はその爺さんに聞きましたよ

「いや自分は結構なんで、それよりさっき送っていった人はどうなったんです?」

・・・・と。そしたらその爺さんなんて答えたと思います?

 「え?そんな事はわからないし、知らない」・・・・と。

いやいやいやいや、あんた確かにさっき男を送って行ったじゃん!!?なんでそこで「知らない」って答えが帰ってくるんだと。実際そのあと色々さっき送った男の話を聞いても本人が知らないと言われたら話はそこで終わりになる・・・それしかない。
そこで考えられる可能性は3つ
 
1 さっきの爺さん(過去爺)と今の爺さん(現爺)は別物、いわば別爺で、この現爺は全く知らない

2 奴は実際嘘をついて自分を車に攫おうとしている

3 この爺さんが実は「軽い痴呆」で、さっきの自分のやっていた行動を全く覚えていない・・いや軽くないなその痴呆は。

・・・多分答えは現実的に考えて「3」なんですが、
いくら痴呆が進行していようが自分がさっき送って行った事をさっぱり綺麗に忘れるものだろうか?まさか過去爺と現爺が全く違う爺さんはありえない。明らかに顔も格好も全く同じ爺さんなのは確実。
しかし痴呆でさっき遅れて行ってたとしても帰ってくるのがあまりにも早すぎる。ちなみに調べてみたら

あ、確かにこの上総中野駅から大原駅まで片道車で30分掛かるな・・・爺さんの言ってる事は間違ってはいない。
しかしそれを考えても送って戻ってくるまで1時間は掛かるでしょ!!え?そんな時間掛かってないよね? 
いや最速で1時間か・・あり得なくもないが。いや多分一番考えられるのは完全に爺さんは男を送っていって戻ってきて記憶が飛んでるだけなのが一番現実的なんですが・・・自分はこの駅に1時間は居たっけか?・・・と。しかし痴呆ならさっきの自分の行動も覚えていないってのもありえなくはない・・・か。しかしそれなら痴呆の人の運転で山道とはいえ、きっちり1時間で帰ってこれるもんなのだろうか?

確かに自分が降りて待ち時間は1時間以上あったなら全てが繋がって線になるんですが・・・マジ怖いぜこの爺さん、自分がさっき送っていった事の記憶もないんか・・・何か痴呆の年寄りの恐ろしさを感じてしまいました。

そして列車時間になって自分がさっきの爺さんがいないかを見ると・・・・

あの爺さんがずっとこっちを見ていた・・・怖っ!!( ・ิω・ิ)

● 2024年8月12日 長尾 亮

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