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名古屋発レーベル=galaxy train、レーベル発足25周年記念インタビュー!

KKV Neighborhood #196 Interview - 2023.11.29
インタビュー、構成 by 小野肇久

今でこそカセット作品は定番となっているけれど、25年前からカセットや7インチでのリリースに特化して名古屋を拠点に活動してきたレーベル、galaxy train。そう、パンクの登場以降、DIYなスピリットのもと世界各地でインディ・レーベルが誕生するのだが、galaxy trainはとりわけ80~90年代に隆盛だったインディ・ポップやローファイなどのレーベルやアーティストから多大な影響を受け、手作り感満載なジャケットやインサート、ステッカーなどが封入された作品を現在までに100タイトル以上も制作してきた。
 
また、国内/外のインディペンデントなアーティストのリリースが多数を占めるのだが、「自分たちが好きなバンドしかリリースしない」というポリシーがその所以となっている。galaxy trainは、レーベルの商業的な成功よりもアーティストのことを第一に考えている生粋のインディ・レーベルなのだ。
 
そこで、今年でレーベル発足25周年を迎えるgalaxy trainのオーナー=梅木さんに、レーベルを始める前の話からその成り立ち、そして年代ごとに作品を振り返ってもらいながら、その25年の足跡を辿ってみようと思う。

ー レーベル25周年、おめでとうございます。改めて今、どんなお気持ちですか?
不思議な感じですね。よくずっとやってこれたなぁと(笑)。レーベルを始めた頃はここまで続けるつもりはなかったですから。 

ー 今日は、ざっくりとですが25年の歩みを振り返ってもらいたいと思います。そもそもレーベルを始めたきっかけは何だったんですか?
実は、galaxy trainと名乗って一番最初におこなったのはライヴ・イベントだったんです。レーベルを始動させる前なので、1997年ですね。その第一回目は、名古屋の藤が丘にあったwest darts clubで開催しました。それでも、裏ではレーベルのことをぼんやりと考えながらイベントをやってましたね。 

ー 開催ごとに会場を変えたりしていたんですか?
当時、藤が丘にあったwest darts clubで数回やったあと、新栄のライヴ・ハウスで2回開催したんですけど、やっぱりイベントとバンドのスタイル的にwest darts clubの方が合うなぁと思って、それ以降はそこを拠点にしていました。

ー galaxy trainのウェブの<photoページ>に、west darts clubで開催されていた当時の写真が載ってますね。
はい、ダーツができるお店でしたね。繁華街の栄からは少し離れた場所でしたが、なんとなく僕らのイベントは「ライヴ・ハウス特有なあの雰囲気とは合わないかな?」って感じてしまって。今では、鶴舞にあるK.Dハポンのようなgalaxy trainと相性のよいハコがあるので、とても重宝しています。

『galaxy train vol.11』@west darts club

ー K.Dハポンのようにライヴ・ハウス然としておらず、もっとフランクな雰囲気のところで開催したくなったと。
そうですね。当時は、他のイベントもカフェとかいろんな場所でやり始めていましたし。 

ー そもそも、なぜライヴ・イベントを始めようと思ったのですか?
大須にあるレコード店のfile-underの山田さんが当時開催していたイベントやアフター・パーティによく行っていて、あるとき、SUNNYCHARが出演したイベントがライヴとDJという組み合わせでやっていて、それがすごく楽しかったから真似しちゃいました(笑)。でも、その前からDJイベントはやっていたので、それをもとに「ライヴも絡めてやってみようかな」っていう感じで始めました。 

ー その前身にあたるDJイベントも、インディ・ポップ系のイベントだったんですか?
その周辺の音楽が流れるDJイベントでしたね。当時人気だったOasisやThe Stone Rosesとか、Sarah Recordsらのインディ・レーベル系などなど。たしか、DJイベント自体は1995年くらいから始めていたと思います。 

ー そのDJイベント名は?
そのままというか、『galaxy train 999』というイベント名でした。他にも違うDJイベントを開催していましたから、当時は結構たくさんやってましたね。 

ー 『galaxy train 999』はどこで開催してましたか?
ほとんど、新栄にあるclub buddhaでした。 

ー DJイベントからライヴ・イベントへと移行していって、1998年6月にレーベル第一弾となるred go-cartの7インチ「sunbeam with tone note」をリリースします。
確か、1996年かそのあとくらいだったか…上前津にあったrailというレコード店にカセット商品が入荷していたんです。「珍しいな」と思って買ってみたんですけど、それがClover Recordsからリリースされていたred go-cartの1st EP『sweets consists of red go-cart』だったんです。

ー Clover Recordsといえば、のちにgalaxy trainやKiliKiliVillaからリリースするpervencheのメンバーが運営しているレーベルですね。
(10月にはkilikilivillaから<CLOVER RECORDS ARCHIVE>と題したカセットが再発され、その第二弾は12/15に発売予定)
そのred go-cartのカセット作品がすごくよくて、すぐ東京までライヴを観に行ったんです。そのライヴは、『SPACE』っていうジンのイベントだったと思うんですけど、その会場でメンバーと初めてお話しして、もうそのときに「作品をリリースしたい」と直談判しちゃいました(笑)。

ー (笑)すばらしい行動力ですね。
でもレーベルとしては、2作品目にリリースすることになってしまった800 cherriesの方を先に動いていたんです。

ー 800 cherriesも、KiliKiliVillaからリマスターされたリイシュー作品が配信リリースされたり、12/15にはその作品の中から『romantico』がレコードで再発されますね。
1996年、札幌のインディ・レーベルのComp@ss! Recordsから彼らの1stアルバム『800 cherries』がリリースされていて、たぶんほぼ同時期くらいにClover Recordsからカセット作品『piccolo』も発表されていたと思います。その1stアルバムをrailの店長に薦められて聴いたのが最初の出会いでした。そのあと、『pop jingu volume1』っていう、Sonorama RecordsとClover Recordsが共同でリリースしたコンピ盤にも彼らが参加していて、1997年くらいかな。それでもうずっと800 cherriesのことが気になっていたんです。当時の僕は、まだ日本のバンドをあんまり聴いてなかった時期だったんですけど、800 cherriesは今まで聴いた日本バンドのなかで一番衝撃を受けましたね。「日本のバンドでもこんな音が出せるんだ」って。この頃くらいから、「海外に通用する日本のバンドがこれからたくさん出てくるんじゃないか」って思っていました。

ー 800 cherriesは、海外のインディ・ポップ・マニアのあいだでも人気ですからね。
配信のおかげもあってサブスクでよく聴かれてますよね。実は、galaxy trainから発表した彼らの7インチ「La Pa Ti Ta」のB面曲「Do Di Do Di」だけは配信されていないんです。

800 cherriesの7インチ「La Pa Ti Ta」 (gal-002)

ー 少し脱線しますが、先ほど「日本のバンドをあまり聴いてこなかった」とおっしゃっていました。梅木さんはずっと洋楽趣向だったんですか?
基本的にはそうですね。小学生の頃、下校時のBGMに使われていたイージーリスニングの曲を「何かいいなぁ」って思っていたんですけど、ある日それがSimon & Garfunkelの「Boxer」であることを知って興奮した覚えがあります。あとはThe Beach Boysの「Good Vibration」をラジオで聴いて衝撃を受けたり。といっても小学生だったのでわけもわからず聴いていた感じです。あとはユーミンや山下達郎の流れからCarpentersとかをラジオでよく聴いてました。 

ー 本格的に洋楽にハマりだしたのは?
中学生かな。当時流行っていたMichael JacksonやWham!とかを聴きつつ、60年代のロックを聴いてました。レンタル・レコードとラジオのエアチェックですね(笑)。高校生の頃はU2が大好きでした。『ベストヒットUSA』やMTV、雑誌などで情報を追っていた時代ですね。 

ー インディ・ポップやアノラック周辺はいつ頃から聴いていたんですか?
Strawberry Switchbladeが大好きだったんですけど、今思えばそれがgalaxy trainのインディ・ポップ的な礎だったのかもしれません。あとはThe Banglesも好きでした。実はその頃、彼女たちはBig Starのカヴァーをしていて、当時は誰のカヴァーなのかわからなくて近所のレコード屋さんに聞いても「知らない」って言われて。どれも当時の自分の中では繋がっていなかったんですけど、インディ・ポップを聴くようになってから色々と気づいたというか。裏では『C86』だったりとか。 

ー インディのバンドやレーベルを意識し始めたのは?
railで情報収集しながら、たぶんTeenage Fanclub以降だったと思います。それこそ90年代初頭のCreationや、ティーンエイジの前身バンドのThe Boy Hairdressersを追いかけたり、Sarah Records周辺を掘ったりしていましたね。でもSarahのリアルタイムは後期だったので、どちらかというとそこから派生していったHeaven RecordsやSunday Recordsとかの影響の方が強いですね。東京や大阪にもよく行くようになって、そこでレコードを買いまくってました(笑)。 

ー 東京のレコ屋はどの辺りへ行ってたんですか?
やっぱり西新宿ですね。当時はRough Tradeのお店がそこにありましたから。 

ー DJイベントを始めた頃、当時の名古屋では梅木さんと同じような趣向の人はどれくらいいたんですか?
やっぱりそこまで多くはなかったですよ。ティーンエイジの名古屋公演で名古屋CLUB QUATTROが満員になるくらいだったと思いますし。Heavenlyだと7割くらいかな。それクラス以下だと厳しい感じではありましたね。 

ー それではレーベルのお話しに戻りますね。カタログ番号1~3のred go-cart、800 cherries、tricorollarは7インチ、4番目のsoda-popでカセットをリリースします。この頃、1999年はCD全盛期でしたが、なぜCD以外のフォーマットでリリースしようと思ったんですか?
単純に7インチやカセットが好きだったからですね。先ほど話にも挙がったHeaven Recordsからかなり影響を受けていて、彼らの7インチには手作り感満載なポストカードやジンなどが封入されているんですけど、その感じがほぼgalaxy trainの基本になっているんです。ジンも、ほぼスペースがないくらい自由に書かれていたりするんですけど、そういったのが好きなんですよね。 

ー 当時のジンって、びっしりと手書きや切り貼りでレイアウトされていて、その初期衝動っぽさがよかったですよね。
でも、galaxy trainからリリースする最近のバンドからは「もう少し見やすくしてほしいです」って言われちゃいますけどね(笑)。 

ー galaxy trainの作品は、リリースするアーティストのチョイスだけでなく、そういった手作り感のある付属品が封入されていることも魅力のひとつだと思います。
1999年にtricorollars「fairy daily e.p.」(gal-003)という7インチをリリースしたんですけど、これは、Heaven Recordsが1991年に発表したFat Tulips「Ferensway EP」と同じようなデザインと仕様で制作したんです。ポストカードやシールとかも封入して、まさにオマージュですね。今でもそういったスタイルでずっと続けています。

tricorollars「fairy daily e.p.」(gal-003)

ー CDでのリリースはまったく興味がなかったのですか?
そうですね。自分がレコードやカセットを買うことが多かったので。

ー レーベルの初期を振り返るとどんな感じでしたか?
カタログ番号でいうとgal-001から005までがレーベルの第一期ですね、1998年から1999年の夏くらいまで。というのも、メインでライヴ・イベントに出演してくれていたtricorollarsとflower bellcowが解散してしまうんです、リリースとともに。そして、第二期が1999年12月に発表した初コンピ・カセット『galaxy Xmas』(gal-006)から、2000年11月のsnow ball「a cup of american」(gal-011)になりますね。

ー 一期と二期はどのように線引きしているんですか?
メインのバンドが解散してしまったのでバンドが入れ替わっているところと、第二期からは海外バンドが参加し始めています。実は第二期は始まらなかったかもしれなくて、レーベルの活動終了も考えていたんです。でも、Apartment StarやChiaki Nishimoriさんとの偶然の出会いから制作することにした『galaxy Xmas』の評判がよかったので、活動を続けることにしました。このコンピの収録曲の半分は海外勢で、アメリカやフランスのバンドらが収録されていて、レーベル活動の“今”にも通じる国内海外の境界をなくすような作品でした。その勢いでGWにおこなった名古屋、大阪、奈良の3デイズ・ツアーはレーベル初期の活動のハイライトのひとつになりました。

V.A『galaxy Xmas』(gal-006)

ー 海外のバンドはどのように発見していたのですか?
普通に作品を買って聴いて、よかったらメールしてって感じです。あとは、バンドからオファーがあったりとか。 

ー 三期が始まる2001年以降はどうでしたか?
わりと名古屋とか地元のバンドが増えてきましたね。 

ー それはライヴを観たり音源を聴いて声をかけていったんですか?
実は、最初の頃のgalaxy trainのイベントへ遊びに来てくれていた子たちがバンドを始めるんですけど、そういったバンドもなかにはいましたよ。 

ー それ、めちゃくちゃいい話じゃないですか!
最初の頃のgalaxy trainのイベントではアンケートをとっていたんです。当時まだ高校生だったと思うんですけど「わたしもこのイベントに出たいです」って書いてくれた子が、カタログ番号gal-012のmushroom cloudっていうシンガー・ソングライターなんです。

mushroom cloud『shiroi nanilla』(gal-012)

ー すばらしいことです。理想の循環ですね。
彼女はのちに現在でもgalaxy trainの中心アーティストとして活動してくれているkotolisのメンバーでもありました。この頃は彼女やkotolisを中心にレーベルが回っていましたから。 

ー 当時、レーベル作品は流通会社を通さずに直接お店へ発送していたんですか?
基本的にはそうですね。2000年以降のある時期は流通会社を経由させていましたけど、今は自分たちで発送しています。新規のお店にもコンタクトを取って営業して。 

ー やっぱり関東のお店からのオーダーが多かったですか?
初期の頃は地元名古屋のrailさんとarch recordsさん、大阪ではTime Bombさんを中心にJelly Beansさんとかvelvet moonさん。奈良のDjangoさんでもよく売れていました。すぐに東京のMaximum JoyさんやVinyl Japanさんなどでも取り扱いが始まって、関東でも販売数が伸びていきました。 

ー しかし、2004年にmushroom cloud『aoikuuki』(gal-023)を発表したあと、2013年まで約9年ほどリリースがありませんでした。それはなぜでしょうか?
たぶん、だんだんとモチベーションがなくなってしまったんだと思います。バンドのメンバーも結婚したり、周りの人たちの生活環境の変化などもありましたね。それに、2010年頃ってDIYなインディ・バンドがあまり出てこなかった印象があって、まだCDの時代だったから「ある程度完成されたものしか市場に並ばなくなってしまったなぁ」と個人的には思っていました。だからどんどん面白くなくなってしまって。もちろん知らなかっただけかもしれないんですけど。あと今思うと、リリースすることに少し飽きてしまっていたところがあったのかもしれませんね。 

ー レーベルの方向性が世の中の流れとマッチしなくなってきたのでしょうか?
というか、その頃は所属バンドや作品を「もっとたくさんの人へ広めたい」と思って活動していたんです。だからCDでリリースしてみたり、ディストリビューターへ全国流通をお願いしたりと色々とやっていたんですけど、自分がやりたいこととは違う方向へ進んでいってしまって…。それで何か疲れちゃって、一旦レーベル活動を止めることにしたんです。 

ー やりたくない方向性というのは?
大手のCDショップの店頭に並んでもうれしく感じないとか…たくさんオーダーはしてくれたんですけどね。当時の担当の方、すみません(笑)。 

ー 商業的な感じになっていってしまったと。
「何か違うなぁ」って思ってしまいましたね。

「Bandcampが登場しなかったら、もうレーベル活動はやってなかったかもしれないですね」


ー このレーベル休止期間、ライヴ・イベントは開催していたんですか?
それもやってないですね。だけど、レーベル自体は閉めずに動かしてはいたんですよ、フィジカルではなくてデジタル音源のリリースの方で。世界的にもデジタル販売へシフトし出した頃で、CDも徐々に売れなくなってきたときですね。iPodが登場したり、大物アーティストがレコード会社と契約せずに自分たちで作品をリリースしたりと。 

ー それでも9年ってかなり長い期間ですよね。周りからは何か言われたりしなかったですか?
もちろん言われましたけど、生活環境の変化は自分にもあって、ちょうど結婚したときでもありましたから。

ー 2013年にフィジカル・リリースが再開されますが、そのきっかけは何だったのですか?
たしか2010年頃だと思うんですけど、Bandcampの存在を知ったんです。そこに、僕の大好きなR.stevie mooreの作品が100タイトルくらい取り扱いがあってビックリして(笑)。それで彼の他の作品をBandcampで買いまくっていたら、最近のインディ・レーベルからカセットが再発されているのを発見したんです。それがアメリカの西海岸にあるGnar Tapesというレーベルで、もう本当に、そのレーベルが取り扱う作品には自分の好きな要素しかなかったですね(笑)。

ー Gnar Tapesのどういったところに惹かれたんですか?
看板バンドにThe Memoriesというのがいて、そもそも彼らが運営しているレーベルなのですが、ありえない時代錯誤のローファイな音なんだけどとても活き活きしていて。それで他の作品をチェックしていたらそこに日本人のアーティストがいたんです。それがBoys Ageでした。
 
ー なるほど、Boys Ageとの出会いはそこからなんですね。
そうなんです。でも再開後は地元のバンドのリリースが続くんですけど、当時はBandcampで「カセット限定15本」と銘打ってリリースしている作品がたくさんあったじゃないですか。だから自分もそういう方法でやってみようと思って、限定30~40本とかでリリースしていきました。
 
ー リリース後の反応はどうでしたか?
10年くらい空いてて実質ゼロからのスタートでしたから、「日本では売れるかなぁ」と不安に思っていました。それでも海外のリスナーへ向けてBandcampで限定販売していけば何とかなるかなと。そんなあまい考えでしたけど、かつてのお客さんにも支えられて何とか再始動できたのですが、国内も海外も含めて新しいお客さんにはまだあまり届いてなかった気がします。
 
ー よくなっていった兆しが見えてきたのはいつ頃ですか?
先ほど名前の挙がった、The Memoriesのカセット作品「after midnight」(gal-029)を2014年にリリースして、そこから海外の現行インディ・バンドと接点ができたのが大きかったですね。ニューヨークのレーベル=OSR Tapesとかとも交流ができたりして、レーベルとしては第四期になります。

The Memories「after midnight」(gal-029)

ー 2015年の最初のリリースとして、ここでred go-cartが再登場してきますね。
たぶん、red go-cartも年に1回とかイベントに呼ばれてライヴするくらいのペースだったと思うので、galaxy trainと同じように開店休業みたいな感じでしたし、Clover Recordsもそうだったと思います。なので、このタイミングで一緒にやろうと。
 
ー それに続いて、Boys Ageのカセット作品『epstein orkestar』(gal-031)をリリースします。
一番の転機になったのがこの作品かもしれませんね。もちろん、red go-cartは昔からのファンの方々が買ってくれるのでそこそこ予測はできていたんですけど、Boys Ageに関してはあまり読めませんでした。でも、file-underさんで売り切れては少しずつ追加してっていうのを繰り返して、徐々に現行の国内インディ・ファンにも広まっていった感じです。

Boys Age『epstein orkestar』(gal-031)

ー この作品も限定40本とかでリリースしたんですか?
そうですね。file-underさんでひたすら追加オーダーを繰り返して、結局再プレスしてトータルで100本くらいの販売だったと思います。
 
ー 2015年の最後の作品は、浜松出身のレンゲのカセット作品『雲行きをあやつる少女』(gal-038)を発表します。
はい、今もgalaxy trainの中心的なアーティストです。国内の現行インディ・シーンと深く繋がっていくきっかけにもなったこの年は、本当にターニング・ポイントになりましたね。

レンゲ『雲行きをあやつる少女』(gal-038)

ー これ以降は、レーベルの運営的にもよい方向へ向かっていった感じですか?
それでも、この頃は国内よりも海外からの通販が多かったですし、初回のプレス数はまだ少なかったですね。それに2016年はリリース・タイトル自体も少なかったので、それもあって2017年は縮小ではなくてあえて拡大路線にして、とにかくタイトル数を増やそうと思って活動していました。「ありえないリリース量っておもしろいな」って、弱小レーベルなのに(笑)。
 
ー 確かに、2017年は10作品もリリースしています。
海外のバンドもリリースしていて、gal-046と047のTJ Siciliaとgal-051のHigh Sunnがそれですね。High Sunnは、当時Bandcampの申し子的な感じで注目されていて、まだ10代の若手アーティストでした。ベッドルーム・ミュージックやローファイな音楽性ですごくいいんですよね (High Sunn初来日公演を2023年12月7日恵比須BATICA、12月8日新宿MARZ、12月10日名古屋KD JAPON、12月13日京都NANO、12月14日新宿SPACEで開催!)。ちなみにTJ Siciliaは、アメリカのカセット・レーベル=Plastic Responceの主催者でもあります。

High Sunn『Hopeless Romantic』gal-051

ー この頃は、どんな方法で海外バンドとやり取りをしていましたか?
Bandcampでかなりの数のカセットを買っていたんですけど、作品を聴いたあとにBandcamp経由で連絡することが多かったです。
 
ー Bandcampって膨大なアーティストが参加しているので、好みのバンドを探すのって大変だったりしませんか?
やっぱり、レーベル繋がりや作品のクレジットを頼りに探していく感じですね。
 
ー この年は、Smokebeesやdronjo kept by 4もリリースしています。
これ以降、SmokebeesのMikiさんとgalaxy trainは近しい関係性になっていきます(笑)。
 
ー そして2018年のリリース作品ですが、7インチがまた増えています。
それは、レーベル20周年を記念した7インチ・シリーズですね。レンゲを2タイトル、red go-cartを1タイトル制作しました。このred go-cartの7インチ「sprites gave」から、SmokebeesのMikiさんがメンバーとして参加するんです。
 
ー Mikiちゃんの別バンド、Girl Presidentのカセット作品「Found You!」(gal-062)もこの年にリリースされていますね。
ホントに、このあとも含めてMikiさん大活躍です(笑)。
 
ー この頃から、国内でもまた新しい横の繋がりが増えていった印象を受けます。地元のバンドあり、海外のバンドありとバランスもよいですよね。
それはありますね。
 
ー 2019年は10タイトルのリリースがありました。トピックを挙げるとすると?
本来はリイシューというのはあまりやらないんですけど、R. Stevie Mooreのカセット作品をリリースしたことですかね。

R. Stevie Moore『Piano Lessons』(gal-066)

ー やっぱりそれは念願のリリースでもあったんですか?
実はこれ、本人から「何かリリースしてほしい」って連絡があったんですよ。もうビックリしちゃいました(笑)。ビビりましたね。最初はベスト盤みたいなのがいいかなと思って選曲していたんですけど、「まだ誰も手をつけていない作品の方がいいかなぁ」と思いこれにしました。R.Stevie Mooreのファン心理としては「誰にも教えたくなかった自分だけが知っている作品」にしておきたかったんですけどね。彼の最高作品ですので。
 
ー 以前から繋がりはあったんですか?
彼の音源を本人から大量に買っていた時期に、「お前は何者なんだ?」って本人からメールが届いたことはありましたけど(笑)。そのことを覚えてくれていたのかどうかはわかりません。
 
ー 他の作品を見てみても、地元からsitaqが、海外はドリーム・ポップのSoft Blue Shimmerもありますね。
地元バンドはsitaqだけになってしまったんですけど、それはgalaxy trainの中心的な存在だったレンゲさんが結婚したこともあり、2019年のラインナップは前年に比べてちょっとずつ変わっていったんです。この頃から頻繁に海外のアーティストから連絡があって、Julian WaやSoft Blue Shimmerとか。Soft Blue Shimmerは「とりあえずgalaxy trainからリリースしたい!」って言われて。たぶんバンドの音楽性よりも「DIYなスタイルが大好き」っていうところがお互いにマッチしたんだと思います。彼らの『Nothing Happens Here』のカセット作品はおかげさまでヒットしました。

Soft Blue Shimmer『Nothing Happens Here』(gal-067)

ー 2020年もそういった変化はありましたか?
「地元のバンドを増やしたい」っていう気持ちがありました。出会ったのはsitaqよりも前でしたけど、名古屋で活動するophillのアルバムをカセットとCDでリリースしたり、Apple Lightやsoftsurf、mishca、sitaqなど名古屋に所縁のあるバンドのメンバーで結成されたI Like Birdsもそうですね。あとは、Boys AgeやCAUCUSなど関東のバンドもあって、Boys Age「星の界 (Hoshi no Yo )」(gal-082)は全部日本語の曲が収録されています。

sitaq『persons』(gal-071)
ophill『UFO4U』(gal-073)
I Like Birds『あめいろ』(gal-076)

ー 前年にヒットしたSoft Blue Shimmerのアルバムもありますね。
はい、カセットとCDでリリースしました。彼らのおかげで、この年はコロナ前でしたけど海外からの購入が一気に増えて、海外通販が一番多かったんです。あと、うれしいことに海外のお客さんが日本のアーティストの作品も一緒に買ってくれることが増えましたね。当時は送料も安くて、カセット1本240円で送れましたから。今はコロナの影響もあってアメリカまでだと3900円くらいです(笑)。
 
ー 2020年ってレーベル的に何期くらいになるんですか?
もうよくわからないですね(笑)。
 
ー もうこの頃は最近のリリースですからね(笑)。では2021年に移りましょう。
この年はフィリピンの女の子のソロ・プロジェクト、Noa Malに尽きます。galaxy trainのSNSのフォロアーさんが彼女のBandcampで新作を紹介していて、それを聴いてしまったんですよね(笑)。
 
ー (笑) きっとそのときに聴く運命だったんでしょうね。
その曲が「Heart of Gold」っていうタイトルで、Neil Youngのカヴァー曲かと思って聴いちゃったんですよね(笑)。聴いたらオリジナル曲だったんですけど、アルバム全体を通して夢を捨てたようなドリーミーなポップさがあり、Neil YoungだったりBeatles解散直後のJohn Lennonを感じて、「これはただ者ではない」とすぐに思って、それで僕からコンタクトしました。実はその前から彼女のことは知ってはいたんですよ。インドネシアのカセット・レーベル=Gerpfast Recordから発表した作品があって、そのときはそこまでピンときていたわけではなかったんですけど、どこかに気になる記憶が残っていたのかもしれませんね。
 
ー ここからNoa Malの快進撃が始まるんですね。
正直なところ、こんなに売れるとは思ってなかったです(笑)。
 
ー 一番最初にリリースしたカセット『Hypocrisy Runs Deep But I Am Shallow』(gal-086)は、最初はどこのショップで売れ始めたんですか?
それが、自分たちのSNSにプレオーダーの情報を流したら一気に注文が入ってしまって、予約の時点で売り切れになってしまったんです。

Noa Mal『Hypocrisy Runs Deep But I Am Shallow』(gal-086)

ー それは海外のお客さんも含めてですか?
いえ、日本のお客さんがほとんどでした。
 
ー どうしてそうなったと思いますか?
普段は「リリースしますよ」ってつぶやいても「30いいね」くらいで、それだけでもうれしいのに「200いいね」くらいになって「えっ!?」っていう感じに(笑)。今でも理由はわかりません。先ほども言いましたけど、フォロワーさんがNoa Malを見つけたってことですね。
 
ー 店頭には並ばなかったんですか?
いえ、そのあと追加生産したら、file-underさんから信じられないような数の注文が入り、松本のMarking Recordsさん、東京のディスクブルーベリーさん(編集者注:現在は鎌倉へ移転)や、千葉のゴヰチカさん、浜松のsone recordsさん、奈良のDjangoさんでもたくさん売れていきました。ディストロのRodentia Collectiveさんは取り扱いはもちろんなのですがSNSなどで大プッシュしてくれましたね。そして、彼女の次のカセット『Impostor Syndrome』(gal-087)からHoliday! Recordsさんで取り扱いが始まるんですけど、販売推移が一段階上がるんです。この2作品のリリース・スパンは1ヵ月空いてなかったはずです。
 
ー ここまでNoa Malが売れた要因って何だと思いますか?
う~ん、わからないですね(笑)。マスター音源の音もひどかったし、サウンド自体もラフな感じでノイズも入ってたり……だけどそんなことより曲の良さとかセンスがキラキラしてて。あとは彼女の雰囲気とのギャップというか。Holiday!さんがいっぱいツイートしくれてバズったりしたことも大きいと思いますし、なにより個人経営のお店の方々や、聴いてくれた方がSNSへたくさん投稿してくれて広めてくれたおかげだと思います。
 
ー 普段は洋楽をあまり聴かない人たちにも広がっていったんでしょうね。
当時、file-underの山田さんが「Noa Mal目的で来る新規のお客さんが増えた」って言ってました。
 
ー Noa Malはこの年だけで3作目となる『You And Your False Religions』をリリースします。
カセットと一緒に10インチもリリースしたんですけど、結局はオーダー数に対してショートしてしまうほど盛況でした。

Noa Mal『You And Your False Religions』(gal-092)

ー 翌年の2021年は他の作品も充実していますね。
そうですね、この年はかなり強力なアイテムが多くなりました。さかなの西脇さんとMikiさんのデュオ、h-shallows + kazuhiro nishiwaki『we never sing the same song』(gal-088)や、red go-cartによるフレキシ「jellyfish」(gal-089)、pervencheとh-shallowsとred go-cartのメンバーで結成されたThe Moment of Nightfall「Light Is Beyond The Nostalgia」(gal-091)、そしてpervenche『quite small happiness』(gal-095)もリリースしています。
 
ー pervencheはどういった経緯でリリースすることになったんですか?
800 cherriesのタカハシさんが加入して再始動し、東京でやるgalaxy trainのイベントにも結構出演してもらっていて、ずっと2作目のアルバムのオファーをしていたんです。当時、再始動する前の頃に「幻の2ndアルバムがある」って言っていたんですけど、結局は新しい曲を録音して20年振りとなるアルバムをリリースすることができました。
 
ー リリースできたときはどんな気持ちでしたか?
前身バンドのPeatmosの頃からのファンなんですけど、そもそも、galaxy trainが誕生するきかっけにもなったClover Recordsの中心人物がメンバーにいるpervencheの新作を「cloverじゃなくてうちからリリースしてもいいのかな?」って思いましたよ。この作品はとてもすばらしいのでリリースできてよかったですし、本当にうれしかったです。

pervenche『quite small happiness』(gal-095)

ー そう考えると本当に2021年は重要な年ですよね。続いて2022年はいかがですか?
コロナ禍でしたがリリースがむちゃくちゃ増えました(笑)。ライヴができなくなってしまったので、バンドが音源を完成させるペースが早まったからでしょうね。
 
ー galaxy trainの所属バンドはベッドルーム・ミュージック系が多いっていうのもありますよね。
そうですね。そしてちょうどリリース100タイトル目に、Noa MalのLP『dead girl』を意図的に選びました。このLPのカタログ番号はgal-101なんですけど、最初の頃に1つ番号がぬけてしまっているので(笑)。
 
ー 100タイトルという節目の作品をNoa Malにしたのは、近年のレーベルを牽引してくれたからでしょうか?
あとは、galaxy trainで初めて12インチのLPを制作することになったのも理由のひとつですね。

Noa MalのLP『dead girl』(gal-101)

ー この年はフレキシのリリースが多いですね?
はい、名古屋のドリーム・ポップ・バンドのmishca、浜松在住SSWのryohadano、オースティンで活動するベッドルーム・ポップ・プロジェクトのfuvkと、3タイトルをリリースしました。2022年の半ばまではまだフレキシのプレス代が安かったんですよ。そのあとに1万円ほど値上げになって、こちらの予算のはるか上をいく高騰となってしまい、今は厳しいですね。

mishcaのフレキシ・シングル「baskets」(gal-096)

ー アナログ盤のプレス代が高騰していったから、フレキシへ移行していったんですか?
カセットだと最低でも4曲以上は収録しないとって感じだと思うんですけど、フレキシの場合は基本的に1曲でいいのでそれも大きかったですね。あと、他にもうひとつ新しいフォーマットで制作したかったというのと、フレキシは昔に比べて音質がすごく良くなったんですよ。初めてフレキシでリリースしたのがred go-cartだったんですけど、たぶんそういった節目にはred go-cartが抜擢されています。音がフレキシに合うし良さをわかってくれる人たちですからね。
 
ー 梅木さんのなかでは、そういった何か新しいことを始めようとする場合は思い入れの強いバンドでリリースすることが多いんですか?
そうしないと、最初の作品は不安が大きいので。気がついたらいつもred go-cartです(笑)。
 
ー この年に、ミレーの枕子バンド「FIRST AID」(gal-107)とEri Nagami『ど ち ら か と い う と そ う 思 う』(gal-110)をリリースします。
2人とも名古屋で活動するSSWで、Eri Nagamiは名古屋の覚王山にあるOFF THE RECORDさんが主催するカセット・フェアでライヴを観たのがきっかけです。ミレーの枕子は、2021年にリリースしているnagoya tenguのメンバー絡みで知り合いました。彼女はこれまでのgalaxy trainにはいなかった新しいタイプで、当時はInstagramとYouTubeを中心に活動していたから、その頃はライヴ・ハウスでライヴをしたことがなかったそうです。でもYouTubeのフォロワーがたくさんいたんですよ。新しい世代だと思いました。

ミレーの枕子バンド「FIRST AID」(gal-107)
Eri Nagami『ど​ち​ら​か​と​い​う​と​そ​う​思​う』(gal-110)

ー そしてやっと2023年にたどり着きました(笑)。今年はNoa MalのLP『Everything Is Science, Baby』(gal-111)のリリースから始まりますが、基本的には新作ができたらgalaxy trainからリリースする流れなんですか?
いえ、それはもう無理です(笑)。彼女のアルバムを作るペースがめちゃくちゃ早いので、もう追いつけないんです。
 
ー この Noa MalのLPは近年発表された作品から厳選してリリースしたんですか?
実はこのアルバムは結構前の作品なんです。ここ数年、アナログ盤のリリースが盛んになってしまったからプレス工場も激混みで、すごく時間がかかってしまうんですよね。かなりラフな状態のマスター・テープが彼女から送られてくるから、それをALL OF THE WORLDの大島君にマスタリングしてもらって、そのあとプレス工場へ発注ってなるんですけど、それで10ヵ月ほどかかってしまうんです。
 
ー そしてSKYTONE、mishca、ミレーの枕子と続いて、レンゲを久し振りにリリースします。
そうなんです、かつてのgalaxy trainの顔役でもあったレンゲさんが活動を再開してくれました。

レンゲ『灯​り​た​ち (Lights)』(gal-116)

ー 5月の時点で6作品を発表し、7月にはNoa Mal『HOLY HOUR』(gal-119)とBoys Age『ring world』(gal-120)をリリースします。11月には初来日公演を記念したHigh Sunn『FABRIC』(gal-125)も発表しました。
だいたい1ヵ月に1作品のペース。ヤバいですね(笑)。

Noa Mal『HOLY HOUR』(gal-119)
Boys Age『ring world』(gal-120)
High Sunn『FABRIC』(gal-125)

ー 次に、梅木さんが思う音楽シーンについても教えてください。レーベル初期の頃とコロナ以降とでは何か変わった印象はありますか?
レーベルを始めた頃はお店で売っているレコードも安くて、たくさん売れて、インディ・ポップ・バブルな世界でした。インターネットで音楽を聴くのも大変な時代でしたからね。コロナ以降では音楽メディアの高騰が気になりますね。あとは、自宅や移動中などひとりで音楽を聴くことが多くなって、ライヴにもひとりで来る方がすごく増えたと思います。
 
ー galaxy trainからリリースするアーティストの基準というのは昔から変わってないですか?
そうですね、変わってないですね。
 
ー そのラインって梅木さんのなかに明確にあったりするんでしょうか?
どうでしょうね(笑)。そのときの自分の感度にもよりますからね。もう今ではたくさんのアーティストがいろんなジャンルの作品を発表してますし。僕たちもレーベルの初期はかなりギター・ポップ寄りだったと思いますけど、今ではだいぶ変わってきています。それでも、明らかに違うジャンルの作品でも必ず買ってくれるお客さんが結構いるんですけど、それはすごくうれしいですね。
 
ー いわゆるレーベル買いですね。インターネット時代より前は、そういう買い方の音楽ファンって多かったですよね。
そうですね、レーベル冥利に尽きますね。まぁ、なんとか販売価格も抑えてやってはいます。
 
ー カセットのラベルの印刷や貼付、ジャケットやステッカーなどのアセンブリもすべて自分たちでやられてますからね。
それがコストを抑える最終手段ですので(笑)。
 
ー リリースするタイトルも多くなっていますから、ひとつずつセットしていくのって大変だと思うんですけど、途中で心が折れたりしないですか?
つねに折れてます(笑)。奥さんもすごく手伝ってくれていますけど、休日が潰れてしまうこともあるのでそれは悪いなぁと。
 
ー 100タイトル以上リリースしてきて、印象に残っている作品ってありますか?
どうでしょう……やっぱりレーベルから初めてリリースしたred go-cartの7インチは思い入れがありますね。僕はバンドもレコ屋店員もまったく経験してこなかった素人でしたので、その頃は、制作中から発売したあとまでずっとドキドキしてました(笑)。
 
ー そういえば、ジンを制作していた時期があったと思いますが、そのきっかけは何だったんですか?
2018年くらい、最初はイベントで配布するために作ったと思うんですけど、そのうち通販で100円とかで売っていたのかな。手作りで、印刷もコピー機でやってましたね。大変だった思い出が薄まった頃に、また作るかも知れないです。

手作りのジン『Paper Train (仮) Vol.1』

ー レーベル始動から25年、ブレずに活動されていますがそのコツって何だと思いますか?
好きだからじゃないですかね(笑)。それしかないかな。自分の音楽指向は当時に比べて変わっているようで変わってないような。それで、リリースさせてもらった作品は全部大好きなものばかりなので、発売できたときのうれしさは今でも変わりません。

ー リリースするからにはいろんな人に聴いてほしいとか、やっぱり欲が出てしまうと思うのですが。
さっきも話しましたけど、それはもうやめたんですよね。レーベル休止前にそうとう悩みましたから、今でもその考えは変わりません。もしバンドが大手ショップで展開したいとか、そういうのを目指している場合は他のレーベルから出してもらった方がいいですからね。もちろん、作品を作ってますので最低限のことはしていますけど。やっぱりその辺りのことは、Bamdcampを知ってからそう思うようになりました。だから、Bandcampが登場しなかったら今はもうレーベル活動はやってなかったかもしれないですね。

ー 今後の目標はありますか?
現状維持が一番です(笑)。今年はレーベル発足25周年なので、名古屋以外でも東京や浜松とか、イベントをたくさんやっていきたいですね。



<25周年記念イベント>
今年最後のレーベル25周年記念ライヴ・イベントはこちらの2公演!

2023年12月3日 (日)
はままつギャラクシー vol.45

@浜松TEHOM
開場16:00 / 開演16:30
予約¥2,500 / 当日¥3,000 ※ドリンク別

出演:
レンゲ (滋賀)
ryohadano (浜松)
ミレーの枕子 (名古屋)
red go-cart (仙台)
ophill (愛知・三重)

DJ:shiho
and hirano

予約:galtrainevent@gmail.com

ophillのレコ発浜松編として開催!

2023年12月10日 (日)
なごやギャラクシー vol.46

@名古屋 K.Dハポン
開場12:00 / 開演12:30
予約¥2,900 / 当日¥3,400 ※ドリンク別

出演:
レンゲ (滋賀)
ophill (愛知・三重)
high sunn (サンフランシスコ)

予約:galtrainevent@gmail.com

High Sunn来日公演 & ophillレコ発のダブル・ヘッドライナー!

<galaxy trainリリース情報>

2023年12月1日発売予定
Misophone『A floodplain mind - volume 1』(TAPE / gal-123) 

Misophone『A floodplain mind - volume 2』(TAPE / gal124)

UKのカルト宅録ユニット、10年の歳月をかけた新作がついに完成。繊細な音の積み重ねと涙腺崩壊のメロディが同居した大作!

2023年12月3日発売予定
ophill『sono mizu wa asa no oyu』 (CD / gal-121)
ophill『sono mizu wa asa no oyu』 (12” VINYL / gal-122)

名古屋オルタナ・バンドの新作はキャリア初のレコードでもリリース。CDとLPは一曲違いでそれぞれ収録されてます!


galaxy train
Base Shop / Bandcamp
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