花森安治「灯をともす言葉」(河出書房新社) review by ろっきー(SEVENTEEN AGAiN)
KKV Neighborhood #19 Book Review - 2020.06.17
こんにちは。SEVENTEEN AGAiNのろっきーです。
突然ですが、自分は介護福祉士の仕事を老人ホームでしているので、緊急事態宣言が出た時も仕事をやり、感染の危険にさらされやすい側で過ごしていました。
そんな自粛期間中に一番響いて、考えさせられた本を紹介します。
花森安治「灯をともす言葉」
この本の第二章 〈この国について〉からの引用です。
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「国をまもる」とか「国益」とかいいます、そのときの「国」という言葉には、ぼくらの暮らしやいのちはふくまれていないはずです。
国家とか日本というものは、ぼくたちのはるか上空にひらひらしているものではないのだ。
ぼくたちみんなが、こうして毎日必死になって、まともに暮らしている、そのより集りが日本だ。
それにこんなに迷惑をかけて、しかも知らん顔しているというのは、国民などなんでもないということなのか。
政治家よ あなたのこころのなかから失われていったものを 知っているかそれは「いたわり」だ
あなたは あなたといっしょに 生きて暮らしている人たちへの いたわりを忘れてしまった
じぶんだけの損得と 名聞にとらわれて
あなたと いっしょに生きて暮らしている人たちの
苦しみを 平気でふみにじっている
たしかに、ぼくら、すこし調子にのりすぎた。
もっと便利に、もっと精巧に、もっともうかるように、そんなことばかり目がけて、かんじんの 「人間」がどうなるか考えもしなかった。おかげでこのざまだ。
気がつくのがおそすぎたが、気がつかないよりはましだろう。
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自分の暮らしをより美しいものにしていけば、確かな未来があると思っていたけど、あまりに知らない事が多すぎたことを突きつけられたこの数ヶ月。
無知は良くない。けど、無知に気づいたことは大きな収穫だったから、まだ見ぬ映画や本や音楽に触れて、それについて友達と話して。そして、動いて行こうと思う。