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『世界でいちばんNGな恋』プレイ日記③ 麻実√・姫緒√


続きです。

えー・・・ 最初に言っておきますが、この作品のシナリオ構造上、「ふつう」の推奨されている√攻略順は、夏夜の次に姫緒→麻実ですが、分岐を間違えて姫緒√に入るのに失敗してしまい、先に麻実√から回収してしまいました。

そのため、以下のプレイ日記では、途中までは姫緒√に入る(入っている)つもりで感想メモを書いており、しかししばらくして「あれっ これ姫緒√じゃなくて麻実√じゃん!」と気付いて、仕方なくそのままシナリオを進めた次第です。

姫緒シナリオの感想だけを追いたい方は、お手数ですが、「姫緒編」のあと「姫緒√」に飛んでお読みください。




第6話

第6話の途中
道浜商事をクビになった台風の日に電話をかける相手の選択肢。ここで夏夜にかけて一線を越えない場合
……あれ? これ、美都子√に行ってしまうのでは?? どうしよう。

枯れかけていた僕のプライドを喚起する、『守るべき彼女』の、あるべき姿。

やっぱりそうなんだよな。理が美都子の保護者になろうとするのは根本的にはじぶんのプライド(自尊心)を再興して養育するためである。美都子その人ではなく、けっきょく自分自身を養育しているに過ぎない。

僕は、彼女の保護者だから。スキンシップをしてもいい、する必要のある、大人なんだから。

いやあ・・・きついっす・・・・  最近では、親であっても不必要に子どものプライベートゾーンを見たり触ったりしてはいけない、という子育て上の常識が普及してきたというのに。
この感じだと、おそらく自分は美都子√を、理と美都子の恋愛関係をまったく受け入れられない気がする……
~1時間後~

僕の方はと言えば、そろそろ、ただ保護欲だけで抱いているのは、ちょっとばかりか生理的に苦しくなってくる頃合いで。

いやいやキモいキモい……

理「だからその… ちゃんと真面目に考えて、怒ってほしいんだ。いつもみたいに、引っぱたいてくれても構わない」

「実家のお母さんに会いに行く」という嘘を、あろうことか母に見捨てられた美都子に対してついてしまったことを謝り、「怒ってほしい」という理。こういうところだよなぁ。自罰感情が転じて、他者にまで自分を罰することを要求する独りよがりさ。これもまた傲慢なんだよな。けっきょく自分のなかのプライドと納得しか考えていない自分勝手さ。実に丸戸史明キャラらしいんだけど、これは駄目だろう。こんな理を素直に受け入れることはできない。

1人でいるときに母(穂香)を罵ってしまったことに罪の意識を抱える美都子。いや、それは罪じゃなくて真っ当な反応だろ! ここは理のモノローグに完全に同意。……それをちゃんと口に出して美都子に言えよ! 彼女の感情と行動を肯定してやれよ! 自称「保護者」だったらよぉ!! なのに、また話を自分が美都子に罰してもらうほうに戻してしまう……はぁ~~~ほんっとお前ってやつは……。

美都子「実はさっき、カナヅチで打っちゃってて…」

お~~ この展開はうまい。理の身勝手な要求通りに、美都子が理にビンタという「罰を与える」も、「痛い」のは理ではなく美都子のほうだった。(カナヅチで手を怪我していたから) 理の、美都子じしんのことは何も考えていない自分勝手な自罰感情の傲慢さと暴力性を鮮やかに示しているといえよう。

「リストラさん」→「理くん」  理がクビになったことを告げても、美都子はさほど動揺も心配もしない。この嵐の一夜で、理と美都子の仲は一層深まり、彼女の理への信頼も跳ね上がったため。

ゆえに美都子は「進学したい」と告げる。自分のため以上に、理のために。理のしょうもない「プライド」のために、美都子は自分の人生を決めようとしている。作中でこうしてそのプライドの愚かしさが自己言及されながらも、それが否定も相対化もされずに、「ヒロイン」から認められて甘やかされる。

たしかに美都子が進学の意志を固めるのは彼女の現在と将来にとって良いことだけれど、それすらもこうして究極的には「理のため」という動機に吸収されていくのが、とてもグロテスクというか、可哀想というか…… 理と美都子のカンケー、認められなすぎる。

これで夏夜は美都子に負けたことを認めて、理を諦める、のか……?? このまま美都子√に行くのか、それとも夏夜BAD ENDとかに行くのだろうか。


姫緒編

第7話

第7話「愛と憎しみの再々就職」
台風の夜以来グッと仲睦まじくなった美都子と理の仲を監視/引き裂くために、姫緒が無理やりテラスハウス陽の坂の美都子の部屋に転がり込んでくる。彼女のお付きの男・佐々木は男3人衆と酒盛りで仲良くなっている。

まさかこっから姫緒√ではないよね? どうなるんだ、読めない。

ネットで使い勝手が良さそうな台詞

そういや夏夜さんはすでに転がり込んでいたな。住人がどんどん増える
あ~そうか、美都子を(男の魔の手から)守りたい姫緒にとって、理を狙って夏夜がテラスハウス陽の坂に引っ越してきたのは歓迎すべきことなのか。だからこそ、夏夜が美都子に対する敗北を認めて理を諦めてしまったことに姫緒は憤る、と。っていうか、夏夜と姫緒の絡みがおそらく初めてだから新鮮だな。現時点ではさすがに姫緒は理に惚れていないだろうから、同じ男を好きなライバル同士というわけでもなく、このふたりの妙な間合いがおもしろい。

あれ? 姫緒の目的である、美都子から理を引き離すいちばん良い方法があるじゃないか。姫緒が理を奪えばいい。その代わり、そうすると彼女と美都子の関係がかな~り複雑で険悪なことになるだろうけど…… 姫緒√はこんな感じかなぁ。たのしみ

熊崎さんの自室初めて登場した。すごいな  各作品の元ネタが分からん
「案5」って道浜商事が三丸不動産との癒着を切って澤嶋不動産の傘下に入ることだったんだ。
・・・これ姫緒√っぽいな?! 

おもしろい選択肢

>作りたてでとっても美味しそうなレバニラ

え、仮に、すでに現時点で姫緒が理に好意を持っているとするならば、彼女が転がり込んできたのが「理と美都子の仲を邪魔するため」なのは変わらずに、なかでもその重心が美都子(のため)ではなく理(のため)という線もあり得るのか? 「理に美都子を取られるのが嫌だから」ではなく「美都子に理を取られるのが嫌だから」と。実際はどちらもありそうだが。

いや……やっぱり美都子ラブなのかな姫緒は……。。 この庇護欲のなかにどれほど恋愛(同性愛)が含まれているのか定かではない。でも、「庇護欲と恋愛欲」の関係というのは理の美都子への感情と同じだ。なるほど、姫緒と理は、美都子への愛情という点で似た者同士でもあるのか。

今のところ、美都子を介した理と姫緒の三角関係……ってところか? 夏夜さんが完全に"蚊帳"の外になっており、さらに(「家庭」の)外側に麻実さんがいる構図・・・。

かわいい  アイキャッチにも使われてるデフォルメ絵柄かわいいんだよな

河合塾の講師ネタ  岐阜名古屋ネタ

草  「子はかすがい」なんてよく言ったものだ。まさに美都子という「子」をかすがいにして、理と姫緒がまるで夫婦あるいは恋人のように親しくなっている。

「美都子のことが大事」な似た者同士で当人置いてけぼりで喧嘩をしてしまい、当人に叱られるふたり。美都子によって、強制的に理と姫緒は名前呼びに……
なるほど、こうして理と姫緒の仲があれよあれよと深まることで、美都子が自分のしたことを後悔するパターンだな?

あぁ^~~いいスチル!!  これで理を放り出して美都子と姫緒が結ばれる百合√あったら神

よく考えたら、姫緒と美都子って「幼馴染」なんだよな。つまり、幼馴染百合に、あとから男(主人公)が割り込んでくる話…… こうしてみるといちばん好きなやつだな。

幼馴染百合、ヘテロ百合

理が美都子の「父親」に、姫緒が美都子の「母親」にそれぞれなって、ふたりで「保護者」として彼女を養育すればいいのでは? それで結果的に理と姫緒が「両親=夫婦」として結ばれる。子はかすがいシナリオ。いいじゃん。それなら姫緒√かなり好きだと思う。てか実際すでにここまでの展開が好みだし。

うわぁ・・・・ 姫緒さん・・・・・・
彼女は美都子にとって幼馴染であり「友達」であるからこそ、理のように美都子を養う立場にはなれない。本人から拒絶される。

これめっちゃ悲しいし味わい深いな・・・ まさか姫緒というキャラは、男主人公に恋して失恋するのではなく、別ヒロイン(美都子)に対して"失恋"するのか・・・ こういう三角関係のやり方あるんだ・・・・・ すごすぎる。別√では、ヘテロ男性向けエロゲとして典型的な、男主人公を2人のヒロインが取り合う三角関係をやっておいて、同じゲームで、こうして1人の「ヒロイン」を男主人公と別ヒロインが取り合う三角関係を展開する………  三角関係モノの神、丸戸史明。

このシーンのなにが良い(哀しい)かってさぁ、はじめ自分は、美都子にとって理と姫緒が「同列」ではないワケ、保護者として理はよくて姫緒はダメな理由は、てっきり「美都子にとって理は男(異性)で、姫緒は女(同性)だから」なのかと推測していた。美都子は異性愛者であるぶん、どうしても理に対しては「恋愛」の好きも乗っかるので、それがない姫緒よりも理のほうに親愛の情を覚えているのだと。この解釈では、(同性愛者である)姫緒は異性愛主義の前に「敗北=失恋」することになる。

しかしそれは違った。美都子は、理と姫緒を、そのジェンダーによって差別化しているのではなかった。自分との付き合いの長さによって、そもそもふたりはまったく異なる枠なのだった。具体的には、姫緒は美都子にとって本当に大切な、幼い頃から親しくしている「友達」だから、理のように自分の「保護者」にはなってほしくなかったのである。

つまり、姫緒にとってみれば、自分は好きな人(美都子)の「幼馴染」であり「友達」であったがゆえに、理に敗北し、「幼馴染」からフラれてしまったということだ。「幼馴染負けヒロイン」の完璧な一例かもしれない。それも「幼馴染百合負けヒロイン」。(でもこういうパターンって割とありそうだな。『たまこまーけっと』の常盤みどりさんとか、かなり同じ構図では。ヘテロ物語の中で人知れず失恋していく幼馴染百合……)


理と美都子は、まぁ一応「大人と子ども」といえる関係だからこそ「保護者と被保護者」にもなれる。でも、姫緒と美都子の関係は「大人と子ども」ではないのだ。少なくとも美都子にとっては。年齢差の問題ではない。ふたりは、まだ姫緒だって「子ども」だった頃からの付き合いなのだ。美都子にとっては、姫緒がどんなに「大人」になったとしても、「子どもと子ども」の関係である。だからこそ、美都子は姫緒に金銭面/養育面で頼れない。幼馴染だから。

自分たちがどんなに大人になっても「子どもと子ども」の関係が根っこにあること。それが「幼馴染」のひとつの簡潔な定義といってもいい。「幼い頃から一緒にいる関係」だけなら、それこそ親子関係とかも当てはまってしまう。「子どもと子ども」の "友達" 関係を一生引きずるような間柄を幼馴染の定義とすれば、親子やきょうだいなどの家族・親族関係を除外できる。

姫緒は「女だから」「同性だから」失恋したのではない。「幼馴染」だから失恋したのだ。あなたのことを「友達」として本当に大切に思っている、という愛の言葉によってフラれたのだ。だから、ここでの姫緒の気持ちを考えると、とても哀しく、やるせなく、味わい深い。

やばい、今年度のヘテロ百合大賞は『キズナイーバー』第7話に進呈したつもりだったけど、ここにきて強力な対抗馬が現れた……… 嬉しい悲鳴  あっちは死別による三角関係(ジョイス「死せるものたち」的な)だったが、こちらは現在進行形でバチバチに三角関係をやっているからなぁ。。


女2男1のヘテロ百合にも2種類ある。
女がどちらも異性愛者で、女→男←女という同じ男を取り合う恋のライバル同士の女女関係が「百合」といっていいほど魅力的であるパターン。それから、女→女→男と、片方の女が同性愛者で、異性愛者の女に恋をしていて、両想いヘテロカップルの前に失恋するパターン。

『キズナイーバー』第7話やこの『NG恋』の夏夜√なんかは前者だけど、『たまこまーけっと』やこの姫緒√は後者。映画『ソウルメイト/七月と安生』は一見すると前者だが、後者の(同性愛者とみる)解釈もおそらく可能な、両義的パターン。


姫緒「もしかしてさ… 彼に『お父さん』っていう意味を、重ねてる?」
美都子「わかんない… だって、あたしの記憶に、お父さんはいないから」

え~美都子の父(穂香の夫)って美都子の出生前に亡くなってるんだ。離婚や失踪ではなく。なるほど~・・・

もしかして美都子が理をじぶんの「保護者」として何やかんやで認めてしまっているのは、彼女のなかで「父」の欠落を埋めたいという無意識がはたらいているからなのかもなぁ。。

母親には見捨てられたので、「母」には幻滅してトラウマになっている。だから「お母さんの代わり」は要らない。でも「お父さん」という理想はまだ潰えておらず、一度も現実化していないがゆえに彼女のなかでその幻想は無制限に大きくなっており、それゆえに、いきなり現れた、どこの馬の骨とも知れない無職のアラサー男性にコロッと堕ちてしまった…………。

実際の「お父さん」は背が低く小太り気味。露骨に理とは対照的にしている。

美都子「でも、家族じゃないかもしれないけど、それに近い人たちなら、きっと、他の人たちより沢山いるもん」
姫緒「家族に…近い人たち」
美都子「まずは姫緒さん」

うっ…… うわ~~~~~ 姫緒さん・・・・・・・・
美都子の「家族に近い人たち」として、姫緒の名が最初に挙げられる。そりゃ目の前にいて本人と話している状況だから、というのもあるだろうけど、それを置いても、美都子のなかで姫緒は「いちばん」最初に挙げるべき人なのだろう。それほど大切な、人生の初めのほうから共にしている幼馴染なのだろう。

一方で、理は美都子にとって「いちばん」最後に挙げる存在である。いや、名を挙げることが(なぜか)憚られるほどに、声には出されないほどに末尾を飾る人物なのだ。

美都子にとって「家族に近い人」として "いちばん" 最初に挙がる人と、"いちばん" 最後に挙がる人。そのどちらが美都子にとってより大切な存在なのかは、比べられないのかもしれないが、ここでは不問とされている。

でも、こうして美都子と至近距離で顔を近づけて聴いている姫緒にとっては…… フラれたような、「負け」を再認識させられるような、とても残酷な語りだったに違いない。

美都子は理に「お父さん」を重ねているわけじゃあないんだよな。だって彼女のなかに「お父さん」像がないから。欠落しているがゆえに、ここで美都子は逆に、虚像の「お父さん」を現実の理に重ねている。理と出会って好きになったことで、自分のなかで虚ろだった「お父さん」への思慕が搔き立てられているといっていい。


いやぁ~……… この一連のシーン最初から読み返してるけど、マジで素晴らしいな…………

理が美都子にとって「どんな存在なのか、実はまだ、よくわかってない」と言ったすぐ後に、「お父さん」が「今でも生きてたら、きっと大好きになってたと思う」と素直な気持ちを吐露する…… こんなん、本人は無自覚だけど理が好きだと言ってるのと同じじゃないか。それをこの至近距離で聴かされる姫緒さん………… マジでつらい。
この「修学旅行」のシーン、完璧だわほんと。

「女→女→男」タイプのヘテロ百合として本当に大好きなんだけど、これは「エロゲ」なので、そして姫緒さんは(たぶん)このゲームの「攻略対象」の「ヒロイン」なので、姫緒が理を好きになって付き合う展開がこれから待ち受けているのだろう。つまり、わたしはここまで、姫緒を美都子のことが好きな同性愛者(レズビアン)だと見なしてきたわけだが、この解釈はこのあとしばらくしたら「間違い」になるのだろう。姫緒を同性愛者と読むのは「誤読」であり、彼女は異性愛者に「矯正」される。「女→女→男」ではなく、「女→男←女」のヘテロ百合に組み替えられる。それが初めから正しい構図であったかのように。

むろん、姫緒にとって美都子が大切な存在であることには変わりない(美都子にとって姫緒もそうだ)けれど、それは同性の「友達」としてであって、「恋人」としてではない。友情であって恋愛ではない。こういう風になる。
それは(ヘテロ男性向けの/男主人公がヒロインと恋愛する)「エロゲ」である以上、仕方のないことだ。むしろ、そういう「エロゲ」のなかに、こうした、いっときでも同性愛者だと「誤読」できる「ヒロイン」のシナリオが展開されたことを大いに喜ぶべきだろう。有難く思うべきだろう。

ただ、願わくば、これから姫緒と理のヘテロロマンスが紡がれたあとでも、この「修学旅行」の夜の対話シーンが、ここでの姫緒と美都子の関係が、変わらない魅力を持ち続けてほしい。こういう解釈/楽しみ方も許されるようであってほしい。


理が道浜商事に再就職し、夏夜もいつの間にか叔父さんのところに再就職している。これで夏夜はこの√では完全に理から手を引いたといっていいかな。

お~~ ここでまた分岐か~ わかりやすい
>姫緒を捜す

草  ノベルゲームのスチルで、こうして男主人公がカメラのこちら側を向いて奥に描かれることって珍しい。(カメラ視点=男主人公のことが多いので) それも踏まえてのネタ

姫緒が道浜商事の経営を左右する社外取締役に就き、理はその秘書に任命される。これはさすがに姫緒√入っただろう。ここから同僚(?)として、仕事上のパートナーとして姫緒と仲を深めていって……なのかな。佐々木がいるのでまたもや二者関係にはなりにくいのがミソ。


第8話

第8話「取締役・澤嶋姫緒」
美都子から遠ざけるために、姫緒の下で理不尽な仕事を押し付けられるも、それらをことごとく捌き切って、ついでに姫緒自身も助けて、理が認められる展開? 有能さで落とすのは夏夜さんのときと同じになっちゃうけど。
「女子大生」あがりの姫緒に対して「社会人」経験の豊富な理が社会常識でマウントを取る。姫緒はホントに単なる学生で社会人としては素人なのね。こういう鼻を明かされる展開しか用意されてなかったらキツいが、さすがにそれはないと信じる。


男の同性愛をネタにするゲイフォビア  この頃のエロゲではありふれている

やはり、美都子を守りたいと心底思って行動している点で、理と姫緒は分かり合えるハズだと佐々木から言われる。

姫緒は恵まれすぎている家庭環境から、自分のやりがいのある奉仕活動よりも、父からの「お小遣い」の寄付のほうが社会的には遥かに感謝される価値があることを知った。これが彼女の歪んだ意識の原体験といえる。

>気づかせる


理「だから、今の姫緒さんに、簡単に助けてもらうのは、少しだけ『刺さる』んですよ」

姫緒「私がお金を持ってるのは、私のせいじゃないのに……」

そうやって父の財産に頼って世間をなめているから美都子に頼られないんだよ、と理が姫緒を突き刺す。汗水垂らして働いて得たお金なら美都子は受け取ってくれるはず。つまり、姫緒もちゃんと頑張ってはたらいて「社会人」になれば、理のように美都子の「保護者」になれる、と諭す。

……うーむ・・たしかに美都子はそういう性格だ。それはそうなんだけど、流石に扱われている価値観が説教臭いというか……カトリシズムか?ってくらい清廉潔白で保守的だ。「仕事」ってもっと、綺麗事が通用しないシビアで現実的なものではないのか。そこではお金を自由にたくさん使えることはそれだけで大きなアドバンテージのはずだ。

いやまぁ、そういう話じゃないのはわかってる。あくまで「(まだ"子ども"である)美都子に」どう思われるか、という、美都子を大切に思って援助したいと本気で思っている理と姫緒の間柄だからこそ行われているコミュニケーションである、というのが肝心なのだろう。

これで、理の助言を素直にきいて頑張ってはたらいたことで美都子のなかでの姫緒の評価が上がり、姫緒は理に感謝し、惚れるのかな。

ひとりで泣くやつ~~~! 失恋とかではなくて、これまでの自分の生き方を根本的に否定され、それでもなお「美都子のためになりたい」という崇高で純粋な想いのために前を向こうとするときの涙だ。美しい。姫緒さんのこういうところ好きだ。

・・・いや、労基違反して会社のために身を粉にして働くのをこうして称揚するのは違うだろ!! ここも、00年代の空気感だなぁと思う。今ならまずこうは書かない。でも丸戸のワーホリフェチみたいなのは確かにあるんだよな。

取締役であり上司であるはずの姫緒を、理は新社会人とみなして徹底的に「教育」する。いや~まぁ、やってることは分かるけど、引いてみればこれも、「ヒロイン」に対して男主人公が優位に経ってマウント/調教する、実にエロゲらしい気持ち悪い構造ではある。しかも、そうして「調教」されたヒロインは必ず調教者=主人=男主人公に堕ちる。

ここでは、このままだと立場が偉いだけのアホとして社員から疎まれてしまう姫緒を、道浜商事に受け入れられるよう救っているし、そうして姫緒が他の社員たちとも仲を深めて社会人として成長していくさまを見るのは温かい気持ちになる。そういう風に、実質は調教プレイなのを周到に粉飾して「見易く」している。こういうところが上手い。でも本質はマジでエロゲそのもの。

姫緒はもともとボランティア大好き人間なので、理が課してくるような下っ端の泥臭い業務はむしろ性に合う。仕事を楽しんでいる。(≒もともと素質があったので、調教されてもすぐに受け入れられて、自らそれを楽しんでいるヒロイン)

こうして2人が仲を深める反動として、美都子は家にひとりきりで寂しく過ごす時間が増えていく。両親共働き家庭の子どものような。かわいそう。だってこのあとさらに、姫緒と理が付き合い始めてより一層トコちゃんは疎外されるわけでしょ? かわいそ~~ 親に見捨てられるのを何度経験させられればいいんだ。しかも今度は自分の失恋付きで!


好感、持てるな。

いやぁそうなんだよなぁ…… 傲慢さが鳴りを潜めて、自分が下駄を履かされていることも自覚して、それでも誰かのために働くことにやりがいを感じて前向きに楽しんでいる姫緒さん、好感持てるんだよなぁ…… すごく魅力的だ。応援したくなる。これは理が美都子や夏夜から乗り換えて惚れるのもわかる。

新入社員の初任給ぶんだけのお金を姫緒に「自分のために使ってみませんか」と渡す理。これでようやく美都子に姫緒は「プレゼント」することができる。ここだけ見ると、まるで美都子は姫緒の「親」のようだし、姫緒は理の「子ども」のようだ。

この三人の関係もなかなか面白いよなぁ。美都子に対する気持ちでいえば理と姫緒は酷似しているが、社会的地位は姫緒のほうが遥かに上、しかし社会経験は理のほうが上、という面白い倒錯的な関係にある。

あ~めっちゃ泣ける。。 本当に姫緒は美都子のことを大切に思っているんだなぁって・・・・ トコちゃんに自分の気持ちがやっと伝わって良かったねぇ姫緒さん……!!

理、お前こんなん……百合の間に挟まって上手く橋渡しする男や! でかした!!

理は岐阜の美濃出身と。
え~これどっちだろ。ふつうに分からん。これで分岐するのかな ここは直感で
>美都子と父親?

まじか~~~~!!!!?! 姫緒と美都子は、腹違いの姉妹だったのか……… 姉妹百合ってことか………… じゃあ「幼馴染」とは厳密には違うじゃん!! でも美都子は姫緒を姉だとは知らないようだから、姫緒→美都子は「妹への愛」で、美都子→姫緒は「幼馴染の友達」ってこと? それはそれでめちゃくちゃエモいな

親世代がめちゃくちゃドロドロしてて草  不倫ってことだよな。……不倫!!!! どこまで自分好みの要素を詰め込めば気が済むんだこのゲームは!!!

じゃあ美都子の父親は生きてるってことだよな、澤嶋の社長であり姫緒の「父」として。美都子が父だと思っている、穂香の亡き夫は、子どもを作る前に亡くなったってことか……
てか、ますます穂香さんがヤバくないか? なんなのあの人、ラスボスなの??姫緒が「父」の実の娘なのかどうかも怪しい。腹違いですらない可能性がある。もし姫緒が澤嶋家の養子とかなら、血も繋がっていないし、これはほぼ「姉妹」とは言えないだろう。

あー姫緒も実の娘ではあるんだ。姫緒と美都子は父親が同じで母親が異なるきょうだい関係。姫緒が美都子の血縁であると知った理は、自分ではなく姫緒が美都子を引き取って養うことに一転して賛成する。美都子に真実をすべて話して、ショックを受けるだろうけれども、それでも姫緒が自分の実の姉である、という事実によって乗り越えてほしいという想いを込めて。
血縁さえあればすべてが優先される。法律的にはそりゃそうなんだろうけど、ちょっと保守的すぎるよなぁ。
これもまた「ホームコメディ」か………


えっ!? ええぇぇええっ!?!?!?  また嘘!?!? 「33歳」と同じパターン???? 何なんだよ~~~~~もう~~~~

えーーっ・・・・ 姉妹でもなんでもないとすれば………… あの会話は、理の「姫緒に幸せになってほしい」という想いを深めて、そして姫緒が理への好感度をさらに高めるためだけのシーンだったってこと?? こうして2人の「保護者」は恋愛関係になり…… 従来の予想通りってことになる。まぁそれがいちばん丸く綺麗に収まるとは思う。


第9話

第9話「知らぬは素面ばかりなり」

予想通り、姫緒と理はビジネスパートナーとして仲を深めて急接近。美都子はそれを目撃し、早くも姫緒が理に惹かれていることに気付く。同僚の女性社員との会話で、姫緒も自身の恋愛感情に気付き、戸惑う。

ほんとSD絵かわいいな

>僕も一緒に行ってあげますから

「サッカー部引退したんじゃなかったっけ」→「そっちこそ帰宅部引退したのかよ」から「たまにはサボりたくなる日もある」と返すの粋だなぁ

夏夜さんの、仕事面での理の評価が相変わらず青天井 信奉しているといってもいい
要するにこの2人はともに、理があまりに「しごでき」だから好きになった者同士ってことか。夏夜はほぼ傍から見ていた&協力していただけで、姫緒はガッツリ自分に新人教育を施してもらっている関係だからだいぶ違うけど。
この、理のビジネスマンとしての有能さをひたすら神格化しまくるプロットはほんと乗れないなぁ。こそばゆい。はがゆい

えぇ…… ほんと姫緒は鈍感でポンコツだなぁ。美都子が理に本気で惚れていると気付いていない。自分が理に惚れていることもあんまり気付いておらず、なぜか逆に理が自分に惚れているのだと思い込んで赤面している。なんじゃそりゃ 恋愛経験皆無そうだもんなぁ

姫緒と理が列席する会社の立食パーティーの夜。これ、夏夜√でいうところの台風の夜に相当するやつだ。家でひとり寂しく待っている美都子ちゃんのもとへ帰るか、姫緒とふたりでそのまま……するか。

お~美都子ちゃんがクラスメイトの尾関剛志くんと休日デートに出かけてる! これは……姫緒と理の仲にショックを受けて、逃避するため? しかし気づけば理のことを考えてしまい上の空に。剛志くんかわいそう……
学生の野球場デートと、社会人の財閥立食パーティーの場がこれでもかと対比的にクロスカッティングされる

※ここで姫緒√から逸れる

(逸れていることにはまだ気づいていない)

お~そうなるのか。姫緒はアルコール一口で酔ってしまったが、そのままホテルのベッドで押し倒さずに、しっかり家まで連れて帰ってきた。しかし、剛志と出かけた美都子のほうが22時を回っているのにまだ帰宅していなかった。

これは……年相応の家出だなぁ。"親" に構ってもらいたくて不良行為をはたらく子ども。そっかぁ……理の喩え話が、美都子が剛志とデートしたきっかけだったのか。

叱ってほしいんだ…… 美都子ちゃん……
これはあれだな、この姫緒√ではやっぱり理と姫緒が美都子のふたりの「保護者」であり「両親(夫婦)」として位置付けられるために、このように美都子の側も「子ども」らしくなる/なろうとする、ってことかぁ。

美都子自身の主観としては、理を姫緒に取られたくなくて、子どもの自分にできる精いっぱいの方法としてこうした「心配させて気を引く」のをやっているのか、それとも、姫緒に理を譲って自分は身を引くためにわざと「子ども」になろうとしているのか。

前者だとしたら、確かに理の「いちばん」にはなれるけど、それは美都子が望む恋人ポジションではなく、保護者と子どもの関係がますます確立されてしまう悪手である。そうなんだけど、ここで美都子にできることはそれしかないからやっている……というところまで含めて、なかなかに残酷な展開だ。

※後付け注:ここで私は姫緒√に入った(≒美都子の失恋が確定した)と思い込んで感想を書いてますが、実際にはむしろ姫緒√に入れなかったため、姫緒の失恋が確定し、美都子にはまだチャンスがあります。つまり、ここら辺のメモは全て的外れです。
ヒロインとの逢瀬(個別√入り)を逃した直後に、美都子と理が接近するイベントが用意されている構成は、夏夜編も姫緒編も同じですね。今考えると。

なお、こういう、√ヒロインと美都子を理のなかの天秤にかけて、後者を「いちばん」に取るけれども、前者と恋愛的にくっつく、というのは夏夜√と同じだ。ただし、夏夜√では夏夜も美都子も互いに嫉妬して思い悩んで迷走していたが、こっちでは今のところ姫緒は嫉妬などに至っておらず、美都子だけが三角関係に苦しんでいる。

はぁーー・・・なるほどねぇ。 もう美都子は割り切っているわけね。自分が「いちばん」望んでいること(=理の恋人になること)を諦める代わりに、自分が理の「いちばん」になることを選んだ。つまり、美都子は理を(恋愛的な意味で)諦めた。失恋した。そして、親子関係に甘んじることを受け入れた。じぶんが「子ども」であることを受け入れた。

こぉれは・・・なかなかに、すごいなぁ。三角関係モノってこんなこともできるんだなぁ。「大人/子ども」の二項対立が重要なファクターとなる三角関係のひとつの着地点。

親子関係と恋愛関係

夏夜√でも、美都子が「大人と子ども」の両面を持っていることに悩むさまが描かれていたが、ここでは美都子はキッパリと、「大人」(=恋人関係)を諦めて「子ども」(=親子関係)を取った。彼女はもう負けるしかなかった。恋を諦めることしか。あぁ……


美都子「もういいよあたし… もう、理くんの娘でいいよ…」

異性愛関係と親子関係をどちらも遡上に乗せて三角関係をやりたがる作家に、岡田麿里がいる。しかし岡田麿里は、最終的に親子愛よりも恋愛を優先する。(『まぼろし工場』)

それに対して本作を読む限り丸戸史明は、恋愛よりも親子愛を優先する。恋人よりも自分のこどもが「いちばん」だと。恋人の絆よりも親子の絆のほうが永続的で強固だと。

だから、たしかに三角関係において美都子は「負ける」んだけれど、しかし同時に「勝って」もいて、恋愛を大前提とするエロゲの構造のなかでも、あえて恋愛よりも親子愛を優越させることでしか描けないことをやっている。三角関係の「勝ち/負け」なんて、どんな「愛」のもとで見るかに依るものだ。

美都子に対して恋愛的に「勝つ」夏夜や姫緒は、同時にじぶんの恋人(理)が、じぶんよりも大切な人を持つことを赦して受け入れなければならない。夏夜が勝てたのは、そうして部分的に「負け」を認めて妥協できたからこそである。
この三角関係に真の勝者はいない。──いや、理その人だけである。


麻実編

麻実先生が同僚の歳下男性教師(モブ)にプロポーズされる。初めてプロポーズされたってことは、理との婚約は彼女からだったのか、成り行きだったのか


第10話

第10話「焼けぼっくいで餅が焼け」←焼きもち展開わんさかであることが確定している神サブタイトル

てか、あれ? 姫緒√じゃないの? こっから麻実がメインになることある?
麻実さん数学教師なんだ

倫子「男子を好きになったことがないからに決まってるでしょ」

え、倫子さん美都子のことが「好き」なんだ…… 

麻実さんは「四捨五入したら30」って、最低25歳の可能性あるのか。理と同い年(29)じゃないの? 大学で付き合っていたってことはそれほど歳離れてないと思うし、卒業してから結婚した、という言い回しからも同い年がいちばんしっくりくる。

え~姫緒さんじぶんちに戻っちゃったんだ。マジでこれ姫緒√じゃなくなってるな。じゃあなに? 麻実√なのか、美都子√なのか、まだ判別がつかない。

トコちゃんほんとに中学生っぽいなぁ。「社会」教科の勉強してるし。15歳か……
>いくらなんでも話せない

"自分の非を認めて、それでも引き下がらない。" ←丸戸キャラの本質


えぇ…… なんだそれ   「麻実の卒業式の日に」ってことは理と同学年ではなくて、幾らか理より歳下っぽいな。

麻実『大丈夫、結婚なんて怖くない! わたしが理を幸せにしてあげるから!』

やっぱり麻実からプロポーズしていた。かっこよすぎる。麻実の好感度が爆上がり
テニサーの合宿で出会ったんかよw
麻実はプロポーズしてきた歳下男性教師と3歳差。こいつ何歳だっけか……登場序盤に言及されてたような。23とか?

うわ~~2歳差だ!!(浪人留年などを考慮しなければ)  じゃあいま27か~~

うお~~~~ やっぱりここで誘いに乗ったら麻実√一直線やんけ~~~~~ どこで姫緒√から間違えた?
てかこれ断ったらどうなるんだ。美都子√か?
>やっぱり帰る

ええ……w

夏夜さんの冬服!! そういやまだテラスハウス陽の坂に居たんだな。もうほとんどモブと化している。


第11話

第11話「辛く切ない嫁姑戦争」 これ麻実√だよな~~~ まじか~~~まずは姫緒√から読む気満々だったんだけど…… 思う通りに行かないのが分岐制ノベルゲームだとはいえ……

もしかしてこのゲーム、ヒロイン途中下車方式なのか? 夏夜→姫緒→麻実→美都子の順に、それぞれの個別√に入ることのできるパートが並んでいて、入らなかったら次のヒロインのパートへ行くシナリオ構成。『ユースティア』や『車輪の国』のような。


家が全焼したから今度は麻実が引っ越してくる。しかも、自分を助けるために大怪我を負った理の看護をするために彼の部屋につきっきりで寝泊まりして…… なんという都合の良い展開(麻実にとって? 理にとって?)

ヒロインの命を救うために無茶したので、自責の念がある彼女自身に介抱してもらう、というザ・エロゲ的なアレ。しかも、麻実にとっても「私のせい」という名目で理とまた一緒にいられるひじょーに「好都合な真実」になっているのが丸戸シナリオ。

麻実のひとり暮らしの家具は、理との結婚生活で使っていたものばかりだった……(のを、理は火事のなか一瞬だけ目に焼き付けて、失われた) 
麻実と理の再急接近に対して危機感を覚えた美都子が、「腹痛」で理の気を引く。「医療行為」と称して理は美都子のお腹を直接撫でさせられる。


あの頃の僕らは、一緒にいたら成長できなかった。

「成長」するために結婚するのか? 恋愛するのか? 一緒にいるのか? 互いが心地よかったらそれでいいのでは…… むろん、ふたりで堕落していくようならあんまり良くないかもしれないが(それもまた恋愛のひとつの形)

美都子といれば理は「成長」できる。前向きに生きられる。それはそうかもしれないけど…… 職が無いことを悪い状態だと自明視・絶対視して、そこから抜け出すドラマをやっているところとか、この物語の根底にある意識の高さが、この「成長」の一語に表れているように思う。それがちょっと受け入れられない。


剛志「また来いよ! 俺がいない時だっていい。母さんに会いに来るだけでもいいから、遠慮すんなよ!」

やだ剛志いいやつじゃん…… ふつうにこいつらの恋を応援したくなってきた。やっぱり学生は学生と、特に同級生と付き合うべきだと思うの!(同い年原理主義者) 吉田秋生『海街diary』の風太とすずみたいだ……


うおおおなんかもう夫婦時代に戻ったようにイチャイチャしとる!!
麻実は理の2個下で確定 27か

麻実「ずっと一緒にいなくちゃ心配だったから、結婚するしかないって思ったのよね…」

麻実は、僕に、人が人を育てる現実を与えたかったんだろう。
なぜなら僕は、自分が育つ過程で、そういうものを見てこなかったから。
人の痛みを知らない人間が暴力を振るうように、命の大切さを知らない人間が自分の命を断つように。
僕が、歪であることに気がついて、お節介にも、なんとか矯正し、僕を幸せにしてやろうだなんて、思ってたんだろう。
でもそんな高すぎた志は、自身の重さに耐えきれず、そして一度折れた心は、二度とは力を取り戻せなかった。

なるほど・・・ 結婚と離婚の理由 そういうことか。すべては理の幼少期の家庭環境不全にある。親との関係が悪い男主人公って北原春希もそうだよね。フロイトさん大喜び

理が美都子の「保護者」になろうとするのも、「成長」を無意識にでも追い求めるのも、根本的にはそれが原因。そして、麻実はそんな理を「矯正」しようと、すなわち彼自身の「親」になろうとして、折れた。逃げ出した。

つまり、理も麻実も、根底には「自身が親になることへの恐れ」というか「自身がまともな親にはなれないことへの恐れ」がある?

ちなみに、子作りはしようと励んでいたけど出来なかった、ってことでいいのか。それとも、挑戦すら出来ていなかったのか。


倫子「あたしは、先生×旦那のカップリングに乗る。みんなはどう?」
真鶴「ええっ? 先生の方が先なの!?」
倫子「前後の違いに何か問題があるんだっけ?」

倫子さん…… 真鶴さん……

ドラマ『高校教師』(1993)ネタ 野島伸司脚本

途中下車方式に作中で言及していく

露骨な四択がきた  でも今さら夏夜や姫緒を選んでも意味ないだろうな
>夏夜を誘う

わろた  そうだよな、「この期に及んで四択はない」よな……w
ここで美都子を選んだら美都子√(TURE END)なのだろうか。それとも……? だって、すでに美都子と剛志がいい感じなのに、こっから剛志がまたフラれるのは流石に可哀想だ
>麻実を誘う

麻実なにベラベラと喋ってるんだ・・・酒って本当にこういうドラマに好都合だ  ウブな姫緒さんすき

男に尽くすタイプの夏夜は、自分から離婚しておいて元夫の思い出を美化して語る麻実に憤る。そりゃそうだ。でも、個人的には「尽くす」夏夜よりも、自らの意志で傲慢に男を振り回す(そして後悔してずっと引きずっている)麻実のほうが好きだ。


こういう会話劇ですよ

うまいこと考えたなぁ 丸戸キャラはだいたいこういう精神性を持っているよね 「遠慮したがるが、自分が引いたことで相手に不利益が行くなら引けなくなる」人間


第12話


第12話「決別のイブ、復縁のイブ」

ヒロイン3人でのコメディ  麻実さん、自分の√に入ってからポンコツ化・ギャグキャラ化が止まらないのすごいな これは夏夜さんが「常識人」のツッコミ役になる空間だわ
黒レースの勝負下着たのしみ~


美都子「男の子は、お母さんをお嫁さんにするって… 女の子は、お父さんのお嫁さんになるって… そういうこと、考えるんだって」

美都子「あたしね…ほんのちょっとだけ、思っちゃったことあるの。理くんの、お嫁さんになりたいなって…」

美都子「でもね、これは普通のことだったんだ… お父さんに愛されて育った娘にとっては、当たり前に通る道だったんだよ」

美都子「だから封印する。あたしは、普通の女の子になる」

うわ~~~ そうゆことか・・・
「幼い子どもは異性の親と「結婚」したがる(そしてやがて恥ずかしくなる)のが健全に育っていくための通過儀礼」というエディプス的な俗説を「言い訳」として、美都子は理への恋を諦める。封印する。自分で、本人に告白しながら失恋する。

理だけでなく、美都子も「父」不在で育ったので、「普通」ではない歪な精神のかたちをしている(ということになっている)。

半分くらいは正しいし、もう半分は好都合な言い訳として、自らの失恋の口実に「利用」している、ってのがまたなかなかに心にくる。

麻実√では、美都子は麻実とバチバチにやり合うのではなくて、1人で、理への歪な感情を消化して、「年相応」の「普通の女の子」になっていくんだな。正確には、自分のことが好きな同級生男子・剛志くんなどの存在に助けられているとはいえ、剛志だって美都子は「利用」しているといえばその通りだから。

ついでに、ここで「世界でいちばん」というタイトル回収(乗り越え)までしている。名シーンにもほどがある


>好きだよ



冬にこういう噴水広場でヒロインと待ち合わせるシチュエーション、『パルフェ』の里伽子との例のシーンを思い出す……ウッ胸が……。

麻実、このゲームのヒロインのなかでいちばんチョロい可能性あるな 一度結婚までしてるんだし当然と言えば当然だが

お~ 美都子、剛志ともう付き合うのか

うわ~~~そういうことか。理やるなぁ憎いぜこの野郎。美都子に渡したお守りの中に指輪を隠し入れていたとは。これで、美都子は、今この時に理がこれと同じ「指輪」を別の女性に渡しているであろうこと、その決意を目の当たりにして、理への失恋を初めてちゃんと受け止めてしまって、いま「彼氏」になった剛志の前で泣くわけか……ようできとる脚本だ。

ファーーwww 別れた夫の婚約指輪と結婚指輪を未だに肌身離さず持ってるのヤバすぎるって!!!ww 最高
(さすがに今日本人とデートだから持ってきただけだよな・・・?)

ぎゃあ~~~~~wwwww ヤバすぎる・・・・最高だ・・・・

しかも復縁に向けてグイグイ行くんじゃなくて、なんかひとりで満足して自己完結してるし!!! なんやねんコイツ。


だから今夜、ずっと麻実と二人きりの時間を過ごしていながら…
ずっと、トコのことばかり、考えていたんだ…

うお~~ 理もまた、美都子が「失恋」したこと、自分への恋を諦めてしまったことで、「被保護者」だと思っていた相手に対して失恋していた……。で、でた~~ww 丸戸三角関係お得意の、"両失恋" 展開だぁ~~~っ!! 

その失恋の痛みを紛らわそうとするために、目の前の元妻の身体を求めるサイテーな理のムーブが清々しい。

しかもそれだけでなく、自分ではない存在に心を悩ませていることに気付いていながら、それすらも好都合として、まだ諦められない愛する元夫に頼られようとする麻実もまた、えげつないほどに利己的で、素晴らしい。最高の三角関係。どいつもこいつもサイテーで最高だから。(いや、美都子ちゃんは極めて健全に真っ当な決断をして、その痛みを清算しようとしているから大人連中とは比べるべくもないです)

「失恋」してはじめて自分の「恋」に気付く。三角関係がつねに恋愛感情に先立つ。そのお手本のようなシナリオ


お守りがあるのは1234段の神社w そこを理が松葉杖ついてまで登ってきてくれたことに「感動」する美都子 こういう丸戸的男主人公SUGEE展開はつくづくくすぐったい

失恋した「ヒロイン」が決壊して号泣する隣にいる役、夏夜√ではご隠居だったけど麻実√では剛志だった。姫緒√では誰なんだろう。

美都子の号泣ボイスを、麻実と理の野外での情熱的なキスCGに乗っけるLカット演出  とにかくこういう三角関係モノがやりたいんだ!!という執念を感じる。受け取ったぜ、お前の熱い "想い" ……!

>今夜は、眠れそうにない

台詞を選択肢で選ばせておいて、それを「言わない」の草 でもこれはプレーヤーと理を切り離しているともいえる

行為シーン、理が腰を振っている姿までガッツリmotionで描いているので、盛りの付いたいいオトナふたりが動物的にやっているのを傍観者として見ているようで良いな。エロゲーマーの多くはこういうとき男主人公に没入したい(=他の男の存在は見たくない)派なのだろうけど。

不倫でもなんでもないのに不倫みたいな雰囲気で情熱的にやってんのが馬鹿馬鹿しくておもろいんだよな。まぁ理の主観的には、美都子との失恋の憂さ晴らしでもあるので背徳的だろうが。


第13話

第13話「二度目の恋、初めての男(ひと)」
まだ最終話じゃないのか!? どんだけ続くんだ

受験一週間前、理への恋心を認めて、美都子は剛志を振る。理も、美都子の気持ちに薄々気付いているが見ないふりをしている。

美都子をビンタする倫子。いやぁ……もともとあなたが他人の色恋沙汰に首ツッコんでけしかけたのに、なにが「尾関がかわいそう」だよ。まぁ倫子→美都子の想いもまた「恋」なのだとすれば、倫子も四角関係?の当事者としてそうする資格はあるかぁ

うわ~~ この三角関係、三者ともにかなりどうしようもなくなっていて最高ですね 美都子の禁断の恋を応援することはできないけど、三角関係の1要素(失恋要員)としてなら許容できるかな。

>少なくとも、ここに一人…
これで麻実とのHシーンすべて出し尽くすのか? 大盤振る舞い
ふたりが愛欲に逃避した行為を見せてくれるが、このシーンの本懐は、ここから疎外されているもう1人の人物──美都子に想いを馳せて憐れむことだろう。

散々やってホテルを出た帰路で、「現実」に還って「保護者」であり「生徒」である美都子の模試の結果について話すの、大人って感じでいいですね。

うお~こわっ! ヤンデレみたいになってる  圧倒的に劣勢で、叶わぬ恋と知っていてもなお、諦めないと覚悟を決めた者の眼

えぐいえぐいえぐい・・・・・
「好き」と迫られることは、都合が良いことではなくて、怖いこと、恐ろしいことなのだと、示してくれる「ヒロイン」が好きだ。

夏夜さんと姫緒さんは「前座」だって、すげー明け透けに言うじゃん。まだ姫緒√やってないんですけど~?!
つまり美都子にとって麻実が「ラスボス」なんだな。麻実√→美都子√という順番なのではなく、最後は麻実と美都子の一騎打ち、ラスボス戦なんだ。そして理にとってのラスボスは美都子……


今のトコは、今の僕と同じ。
自分の胸を突き動かす感情を持て余し、自分が一番安らげる相手にとことん頼ろうとしている。
いや、そうじゃない… トコの方が、よっぽど純粋で、正しくて、まっすぐで。
僕に対しての感情を持て余し、僕に安らぎを求めるトコ。
トコに対しての感情を持て余し、麻美に安らぎを求める僕。

たしかにそうだ。今の美都子は理とかなり似た状況にある。しかし、思い悩んでいるその人自身にぶつかるのではなく、逃避している理のほうが「最低」で「ずるい」。よく出来た脚本だ……

ふたりの年齢差を象徴する「身長差」要素を回収する一大シーンだけど、生まれたての小鹿みたいな「脚」のカットインでちょっと笑っちゃった。

うおおお いくぞおおおお(麻実√に)
>額にくちづける

麻美√

※後付け注:どこで明確に√分岐するのか正直まだよく分かってません

恋愛感情よりも子どもへの愛情を優先する。
理、それでこそ「大人」や・・・ 

自分の矜持に従えば従うほど、トコを追いつめていく。

ここの会話、丸戸作品の ""本質"" です。みんな自分の「相手を想う」気持ちを絶対に曲げないがゆえに更に相手を傷つけて糾弾されて、そのことにまた自責の念を覚えるも、それでも決して曲げない。そういうしょーもない奴らのしょーもない三角関係恋愛劇が……好きだ!

てか、あの選択肢で口にキスしてたら多分美都子√に入るのだろうけど、つまり美都子√に入る理はすでに麻実と何度も身体を重ねている、ってことになる。この点だけでも麻実が他のヒロイン(夏夜・姫緒)とは一段も二段も位置付けが異なるとわかる。

まぁそもそも元妻なんだから、2年前までは日常的に身体を重ねていた関係なんだけど。でも作中で「シーン」としてあれだけガッツリ描いたあとで別のヒロイン(美都子)に "乗り換える" 構造はなかなかに本気さを感じる。WA2めいた、三角関係ドラマへの本気さを。美都子と結ばれるまでに絶対に別ヒロインとのシーンを通過する必要があり、美都子はそういう理しか手に入れられないってことだから。


美都子「約束、して。あたしを、先生の反対側の天秤に載せて?」

ずいぶんとあっさり美都子は引き下がった。やっぱりちゃんと告白して玉砕するのは大事だねぇ~~

美都子の希望は、理の恋愛対象の天秤に、自分も(麻実のように)乗せてもらうこと。しかし理の美都子への「愛」は、そうしてその天秤に乗せられない、他の誰かと比べることなどできないかたちの愛。それでも、恋愛もそれも「愛」には変わりないから、このレトリックを言い訳にして、理は美都子を天秤に乗せると約束する。そのようにして、しっかり振る。

えぇ…… こうして客観的に書くと、理マジでクズすぎる。穂香さんと並ぶレベル


草  三角形ジョーーーク!△△△


おおまじか…… なるほど? 美都子との三角関係パートは終わり、あとは麻実√のエンディングまでに、この要素でもう一山作るってわけね。じゃあもっかいシーンありそうだな

作ろうと努力してたけど2年間の結婚生活のあいだで出来ず。え? もしかして離婚の原因ってそれもある?

麻実は理を「矯正」してあげようと、彼に「家族」を与えてあげようとして結婚したが、子どもを作れないと分かり、自分では理を救ってあげられないと思って一方的に別れたのか? つくづく自分勝手な人だ。

じっさい理にとって、麻実との間に子どもを作ることがどれだけ重要だったのか。子ども作れなくても美都子がいるじゃんオチかなぁ


うっそだろコイツ・・・・ (顔こわすぎる)
ここにきて、こんな明確な「悪意」で造形された嫌なキャラクターを登場させるんかい!!
そりゃあ理もブチ切れて殴り掛かりますわ

今すぐ教員解雇しろこんなやつ
あまりに酷すぎて、露骨な「悪役」すぎてドン引きを通り越して笑っちゃうけど、でも現実にもこういう人はひと昔前まではそこそこいたし、今でもゼロではない、というのが笑えない。

この、物語開始前に男主人公をヒロインが一度振っていて、その真の理由が個別√終盤になって明らかになって男主人公が愕然とするやつ、まんま『パルフェ』の里伽子だな。

エロゲの「不妊ヒロイン」

いやぁ~~それにしても、そっか~~~ 「不妊」かぁ~~~  反生殖主義者なので、自分はむしろ「好ましい」と思ってしまうんだけど、そう簡単にヘラヘラと他人事でコメントしていられないほどに重いテーマではあるんだよな。

エロゲにおいて「不妊」に悩むヒロインって一定数いると思う。
だいたい、何やかんやあって妊娠できるようになりましたパターンか、子どもが作れなくたって構わない!オレはお前とふたりで一生幸せに生きていきたい!幸せにしてやる!と受け入れてゴールインするパターンのいずれかだろう。

このゲームも現時点では後者になりそうなんだけど、しかしそうであったとしても、美都子の存在があるので特殊だ。実の子は作れなくても、美都子をふたりの「子ども」として大人になるまで面倒を見てあげることで、その代替となる節があるのだから。

だから、三角関係モノとして見たときに、寄りによってしっかり美都子を振ったこのタイミングで麻実の「不妊」を明かすのは、むしろ3人でこれから過ごしていくうえで好都合な面がある。ちょっとズルい気もする。(姫緒√でも、姫緒と理が美都子の「両親」であるかのような展開があったけど、あれはまた全然違うだろう)


ただ、セックスが重要であるエロゲという媒体のなかで不妊を扱うのは、じぶんは「これぞエロゲ!」って感じで好きなんだよな。

性行為(正確には性器結合行為)って単なるポルノじゃなくて、つねにそこには生殖リスクが潜在している重大でシリアスな行為である。なにより、新たな命を、新たな人間、「キャラクター」を生み出す可能性があるというのは、フィクションとして見ても無視できない側面だろう。

だからこそ、エロゲで不妊に向き合って扱う作品には好感が持てる。不妊に限らず「妊娠」や「生殖」一般だけど、愛し合うふたりのあいだに新しい子供ができてハッピーエンド!……という記号的な扱いではなく、ちゃんと新たな命に向き合ってほしい。(クラナド?)

「妊娠」発覚にしろ「不妊」発覚にしろ、女性がそれを付き合っている男性(彼氏/夫)に告げようとせずに一人で背負い込んでしまう展開はしばしばフィクションで描かれる。(ちょうどさっき読み終えた『海街diary』でもあった)

非当事者の冷静にして無理解に基づく意見としては「本当に愛しているんなら相手にちゃんと真っ先にそれを伝えてやれよ。伝えられなかったら、それこそが相手を最も傷つけることになるんじゃないのか」というような「正論」なのだけど、じっさい妊娠/不妊という事実に晒された女性にのしかかるプレッシャーは私なんぞには計り知れないものなので、あんまり大きな声では言いにくい。

それから、これがエロゲであることで、話は少し変わってくる。男女の(非)対称性、女性差別的な意味で、エロゲにおいて「不妊ヒロイン」がしばしば登場する意味

不妊原因の男女比とか、詳しいことは知らないけど、一般常識として、「不妊」の原因は女性だけではなく、男性にもあることがしばしばある、ということくらいは知っている。だけど、エロゲにおいて、「不妊症のヒロイン」の数に比べて「不妊症の男主人公」の数はどうだろうか。

もちろん、そもそも男主人公よりも「ヒロイン」の絶対数のほうが大きいなどの事情はあるが、しかしこの統計的事実に、「不妊ヒロイン」だけを配置して、女性キャラに思い悩ませて、そんな「ヒロイン」ごと男主人公が救済するようにして所有する構造を透かし見てしまう。

エロゲにおいても、もっと男性(キャラ)は、自身の生殖能力や不妊可能性に自覚的になるべきだ。(ただ、今チラッと思ったけど、男性不妊症のキャラがいたらいたで、それはむしろ、面倒な生殖リスクとかを考えずにとにかくヤリまくる系のエロゲ的には都合が良いよなぁ。それでいったら凌辱モノの不妊ヒロインとかもそう。エロゲと生殖(妊娠/不妊)というテーマはちゃんと考えていく必要がありそうだ。)


第14話

第14話「夫と父と男の決断」

うわー…… そうか…… 理は母が、自分を生んだことを後悔しているさまを感じとりながら育てられた。ひどい家庭環境だ。(もちろんここで一番悪いのは母ではなくである) ほぼ被虐待児といってもいい。

つまり理は、自分が両親から望まれて生まれてこなかった、という根源的なトラウマを克服して、自分を救済するためにも、結婚して子どもを作って育てたかったのか。立派な親に恵まれなかった自分が、せめて立派な親になることで、幼い頃の自分を救おうと、肯定してあげようと。

反生殖主義者 vs エロゲ(出生主義)

……反生殖主義的には、そんな自分勝手な理由で非存在の子どもを暴力的に出生させるな!!と思うけれど、でも、とても気の毒ではある・・・。

そのトラウマって、親にならないと、子どもを生み育てないと解消できないのかなぁ。そうすれば解消できるものなのかなぁ。麻実とともに「家族」を作って幸せになるだけじゃあダメなのかなぁ。「ダメ」だったからこその、離婚、なのかなぁ。

一般に「子どもがほしい。自分の子どもを育てたい」という欲望はエゴイスティックで暴力的なものである。理のような被虐待児だった人間に限らず、あらゆる自発的な生殖は、そうである。

そして今作では美都子という血のつながりのない、養子ですらない子どもを勝手に被-保護者として位置付けて育てようとしているが、これもまたありふれた暴力的な欲望である。

じぶんで生殖したいか、生殖行為の責任は逃れて、ある程度成長している「子ども」を貰って育てたいか、という違いはあり、どちらがより邪悪なのかは判断が難しいところだが、いずれも非倫理的な危うさを孕んでいることは間違いない。もしもこの麻実√が、前者の欲望を諦めて後者の欲望で妥協/満足する、というシナリオだったら、なんだかなぁ、という感じである。


これはマジでその通りだなぁ 妊活をしている妻に「できてなかった」と伝えられたとき、夫がまずすべきことは、失望を隠すことよりもまず、妻の心のケアだろう。どこまでも自分本位なんだよな理。まぁ麻実もだけど……

そんな理だからこそ、子供が必要だって思ったんだもの。

「必要」だから子供を作ろうとする、という発想が、子供じしんの尊厳をまったく考えておらず、恐ろしい。

人生を賭けて、僕を導いてくれるはずだった麻実は…
僕のための、一番大切な教材が自分に欠けていることに気づいたとき、その役目を降りた。

「教材」て・・・・・・ やっぱり子供をそういう風に道具として、自分たちの欲求を叶えるための手段として認識しているのが怖いよ。完全に、「反生殖主義者 vs エロゲ」になっている。

そもそも、その前の「人生を賭けて僕を導いてくれるはずだった」ところからしておかしいんだけどね。麻実と理の関係は、結婚を決めた時点ですでに不健全というか、歪だった。歪な理を麻実が救ってあげようとする関係で、結婚生活が上手くいく可能性はきわめて低い。確かに子供が生まれていれば「普通」の健全な家族になれたのかもしれないけれど、マジで子供が出来なくて良かったよ、こんな不純な動機の歪な夫婦のもとに。

でも人は、そもそもみんな歪なもので、恋愛とは不健全なもので、子供がほしいという気持ちは暴力的なもので、人間はみんな自分本位にしか生きられない。丸戸作品はそういう人間観をしていて、そういう奴らがそれでも彼/女らなりに幸せを手に入れようともがいているさまが面白いんだよなぁ

夏夜さんはまたすげーなこの人・・・・・

夏夜さんや姫緒さんの価値観(恋愛観)のおさらいパートになっている  なるほど、こうして麻実や美都子を相対化するためにもこの2人はこの物語に必要なんだなぁ


いやぁ理これじゃあ仕事でも「有能」ではないだろ、間違っている

完全に正論 姫緒さんの成長がすごい
丸戸作品のワーホリ描写、男主人公ageとしてはあまりにもキツイけど、最終的にはプライベート(恋愛、家庭)の問題に向き合いたくなくて仕事に「逃避」しているだけだと、こうして作中で明確に良くないこととして否定してくれるので信頼できる
姫緒ほんといいキャラになったな~~ はやく姫緒√がやりたいんだよこっちは!

ここにきて、夏夜√での夏夜が理に惚れた仕事描写まで掘り返して評価をひっくり返してくる。思い返せばその通りでしかないのがまた。

Q. なぜ丸戸作品の男主人公はワーカホリックが多いのか?
A .プライベートの人間関係の問題から顔を背けて仕事に逃避するダメ男の葛藤をこれでもかと描きたいから。

でもいいな~~ ここにきて、夏夜と姫緒が理と酒を吞み交わして励ます。テラスハウス陽の坂の「みんな」の存在が、別ヒロインの√終盤になって重要になる開かれた展開が実に丸戸節ですばらしい。
……まぁ、別の見方をすれば、とことんダメダメなクズ男が、それでも多くの女性に愛されて、落ち込んだときにこうして慰められている、醜悪な夢物語の構図なんだけど。

えっ!? まだ美都子√の可能性もあるの? どこまで「二択」を保ち続けるんだ。
これ、麻実√に行くには下……と見せかけて上の可能性も十分に考えられるな。迷う
>麻実はもう、僕のところに戻っては来ない


麻実「たとえ一緒に歩かなくても、ずっと見ていたらいけないの? 彼のこと、もう考えてもいけないって言うの?」

麻実「あなたがどれだけ理に思いを伝えても、わたしは何度でも止めてみせるから。身体でも、なんでも使って、ね」

信じられるか……? これ、勤務先の学校の教室で、教え子に対して言ってる台詞なんだぜ………

麻実「いつか理に、本当に相応しい相手が見つかるまで、ずっと理の、都合の良い女でい続ける」

麻実「どうせ、何したって子供できないんだもの… こういう役目ならお手のものよね」

重すぎる・・・・・・ 要は、実質セフレ(?)として、一生理に付きまとうことを考えてるってこと? 麻実マジでやばい

5年後ならセーフってことは……やっぱり美都子ちゃんは15歳?

うおおおヤバすぎる  超絶に諦めの悪い重い女同士の、倫理もへったくれもないバトルだ……

ほんとうにそう


草  前言撤回  「有能」ワーホリ描写、キツ過ぎてNGです


麻実さんホント面白い人だな。ダメ女とダメ男。お似合いじゃないか
夏夜が麻実を、姫緒が理を、それぞれ励ましてけしかけている。

姫緒「今、あなたがしようとしてる決断は、一人の人を切り捨てるだけじゃなくて、一人の人を抱きしめるためのものでしょう?」

うお~~ 姫緒さんの名言ラッシュだ。好きになっちゃう


あっこれは・・・

やばい・・・
うおおおおお 美都子ちゃん…………  そっか………… この展開はずるいよ~~~

麻実と理の「子供」に美都子が収まれば、少なくとも麻実の不妊問題は解消される(実際はそうはいかないだろうけど)。でも、三角関係でその落としどころは安易な逃げなのではないか、と思っていた。そしてじっさい、その通りになった。

ただし、美都子じしんから、「娘になる」と、理に対して告げるとは……。自分がフラれる前に、失恋を決定付けて、諦めるとは。だから、この3人の親子関係は、この3人の恋愛三角関係が「解消」されて出来上がった、いわば失恋という墓標の上にたつ〈家〉である。決して安易でも好都合でもない。

やっぱり『まぼろし工場』じゃねぇか!!! 五実≒美都子
三角関係を突き詰めた作家はみんなここに辿り着くのか。じぶんがそういう三角関係を好きなだけか。

みんなでグルになって麻実と理をくっつける作戦 コメディだなぁとことん。

お~ テキストとボイスで違うこと言ってる演出だ 本音と建前


最終話

最終話「✕1回目のプロポーズ」 長かったぁ~~ここまで。
卒業式で親バカを発揮する姫緒と理
倫子と剛志くっついたの!? 真鶴さん可哀想でワロタ
卒業式からプロポーズ会場へ


最後は、初対面で食らったビンタで締め!! めちゃくちゃまとまってる~~ 大団円じゃないか


お~ これを言ってくれてよかった。そうだよなぁ。麻実と理をくっつけるためだけに、美都子がふたりの「子供」である必要なんかどこにもないんだ。

岡田麿里シナリオならこれがTRUE ENDだな。メインヒロインの美都子は失恋することで自立して生きていけるようになる。メインヒロインをとにかく失恋させまくるためのお話。

うお~~ これだけ大団円っぽいことやって、最後におまけ的に「本番」のエロシーンぶっこむの最高だな。エロゲはこうでなくっちゃ!!
理、襲いながら再プロポーズしまくるの草  エロシーンだからボイスねぇんだよ!! あってくれよ!!!
そうか……タイトル『NG恋』の「ダメ」って、エッチのときに思わず口をついて出る「ダメ」って言葉のことだったんだな……

こうして、矯正を上げてのたうち回ってたっけ。

「嬌声」の誤字と見せかけて、麻実が理を「矯正」するのを諦めた(=音を上げた)こととのダブルミーニング?

じっさい麻実はなんでこんなに再婚を素直にOKしないのかよく分からない。意地を張っている、ということだけど…… どう考えても断る理由がない。これまで、学生時代から、理を導いてあげようと、自分をそういう存在として定義してきたのを今さら変えられなくなって、理に導かれる自分、理が大好きで甘えたい自分を素直に曝け出せなくなっているだけ? それが分かっているから理はプロポーズの続きをベッドに持ち込んだと。

今さら元鞘に戻ったら自分のこの2年間が無駄だったことになってしまうから、断っている? そんな損切りが下手なギャンブラーみたいな。でも、とことん自分本位な麻実だったら納得できはするか。

この作戦の発案者、夏夜さんかよぉ!!!ww

麻実√まとめ

麻実√おわり!!!
最後は再婚した父の連れ子と妻がいがみ合いながら仲良くするホームコメディハッピーエンド。

かなり長くて疲れた・・・・・・ けど、とても良かったのではないでしょうか。三角関係モノとして、理想的なシナリオともいえる。

夏夜√と同様に、攻略中ヒロインをテラスハウス陽の坂のみんなで騙して罠に嵌めて、なんとか理とくっ付けて大団円に持っていく展開だった。美都子ちゃんの「負けヒロイン」成分たっぷりだった。

姫緒√を早くやりたい。てか、こういう構成なら、ルートロックとか付けておいてほしかった。夏夜→姫緒→麻実→美都子の完全順番固定制とか。
これが美都子√とどこまで被っているのかも謎。どこで真に分岐するんだろう。





姫緒√に行くため、ここからやり直してみる
>姫緒と父親?

>いい加減にしてください

以前はなかった分岐キターーーー!
>ここで姫緒を介抱する

姫緒√

こないだ家で夏夜とふたりで吞んだときに酔って吐いた「本音」のボイスレコードを、あろうことか理本人に聞かれてしまう姫緒。意図せぬかたちでの好きバレ
一度は姫緒が「嘘」だと否定して理はホテルを離れるも、美都子が電話で後押ししたことで再び姫緒のもとへ戻る→ゴールイン

美都子ちゃん、この時点でもう理と姫緒の仲を応援するんだ
ボイスレコーダーでの姫緒のノロケを垂れ流しながらの初キス
行為中に別の女(元妻)とのことを思い出してる理……

姫緒のお付きの佐々木、退場。この佐々木→理の描写はネタなのか、本気なのか。姫緒と理の関係を応援するために嘘をついて自分は身を引いた?


第10話

第10話「初めての姉妹喧嘩」
姫緒√に入ってここから美都子との三角関係が本格化するっぽい

姫緒は20代……二十歳ちょうどってところか。でもそろそろ大学卒業するんなら21~22の可能性もある。

あくまで歳の差がある関係だということを強調してくる

えぇ…… 穂香さんホントなにやってるんだ。どれだけ迷惑かければ気が済むんだ
てか、この西川とかいう男、やろうとしてること(土地買い取り交渉)の是非を置いても、登校中の学生にいきなり声をかけて車で連れ去り、保護者や学校に連絡せず一時的に行方不明にさせた時点でもうアウトでは。社会常識がなってない。

でもそうか~ 姫緒√での美都子との三角関係シナリオは、こうしてテラスハウス陽の坂の土地自体を巡る大きな話になるのか。姫緒が社長令嬢だから……

義理堅い美都子ちゃんは、ママが小さい頃の自分のためにした借金の返済を意地でもしようとする。そのために家を手放そうとする。でも、気持ちの奥底には、目の前で姫緒と理がイチャイチャしている現在の環境から抜け出したい、という魂胆がある。


たぶん見るのは3回目の、三角関係で「仲間外れ」にされた美都子ちゃんの激情吐露パート。今回は張本人の「ふたり」の前で。

あ~夜遅くまで勉強頑張ってたのは、成績が落ちると2人が家庭教師として寄ってきちゃうからなのか。麻実√では勉強手に付かなくなって成績ガタ落ちしてたのに、今回は落ちない理由はそういうことか~

姫緒って夏夜とかなり正反対だな。理を囲ってヒモにしようとするほどの夏夜さんと、生活能力が皆無な姫緒さん。理を誘惑しまくる夏夜さんと、めちゃくちゃウブな姫緒さん。理に惚れていてめちゃくちゃチョロいところだけ共通している。

なるほど! 15年前に穂香さんにお金を貸した神子島順一郎って、姫緒の父親か! 父との対決ってことかぁ~~王道だ

すげ~イカツいオッサンだ・・・
国会図書館!
「スーパーハカー」ってシュタゲのダルかと思ったけど、まだ発売してないよな。そもそもそういうネットスラングがあったのね

ヒロインの父親との全面対決で、ヒロインをうまく導いて手助けしながら勝利する。典型的な美少女ゲームシナリオ。でも、澤嶋順平のような明確な「敵」を設定すると、当事者だけの泥沼の三角関係シナリオとは別物になっちゃうんだよな。もっと少年マンガ的な爽やかなものになってしまう。……まぁ本作だけでも三角関係シナリオが大量にあるので、そのうち一個くらいはこういう「逃げ」があってもいいと思うけど。



最終話

最終話「僕らの親子喧嘩(お家騒動)」 各話サブタイトルの読み仮名毎回凝ってるなぁ

課長!……じゃなかった。副部長!久しぶり~ この人、東京03の角田さんみたいで名脇役だよな

夏夜「あたし…姫様をけしかけた。大家さんの気持ち知ってながら…ごめん」

夏夜「でもね… あんたがいいコだからこそ、あたしは、あんたの恋を応援するわけにはいかないの」

夏夜さんが深夜に鍋うどんを振る舞いながら美都子ちゃんに話をする。こういう、√に入っていない、三角関係からも一旦は抜けているヒロインの見せ場をちゃんと用意するところが好感持てる。このゲームの美点の一つだと思う。

そして美都子ちゃんはさっきぶりに、うどん啜りながら夏夜さんの前で慟哭する。何回この子を泣かせるねんこのゲームは……

姫緒が父と対決するのに理が協力しているというよりも、理が恋人の父親と対決(男と男の勝負)してるだけだなこりゃ。「お義父さん、娘さんをボクに下さい!」ってやつ。

かわいい

電気水道ガスが止まった隣の豪邸から、病人を連れてきて看病するトコちゃん。姫緒はまるで美都子の「娘」のよう。

いいなぁこの関係も。これまで姫緒と美都子は仲の良い姉妹って感じで、美都子が「姉」に厳しく当たることはなかった。でも、理を入れての三角関係が発生したことで、結果的にこのように、これまでよりも打ち解けた、気の置けない仲になれている。シンプルにこのふたりの関係が……好きだ!! ヘテロ百合三角関係サイコー!!!

あ~好き・・・ めっちゃ好きな百合…… 幼馴染百合………… エロゲの攻略ヒロイン同士の百合でしか得られないアレがある

うわぁ~~ズルいって! このCGの差分は!! 泣いちゃう!! だいすき!!!

美都子は、自分の理への気持ちよりも、姫緒の理への気持ちを……いや、自分の姫緒への気持ちを優先することにしたんだな…… 幼馴染の、お隣に住んでる、少し年上の「お姉さん」が大好きだから………… こんなん百合ですやん……… 愛ですやん…………

精神的には姫緒より美都子のほうがずっと上で、でもこれまではそんな関係性を築いてはこなかった。こうなって初めて、美都子は姫緒を包み込むように接することができるようになった。

姫様「トコちゃんみたいなお嫁さんが欲しいなって、思ってた」

!?!?!?  なあ・・・・今からでも・・・・姫緒と美都子の、濃厚Hシーンを・・・見せてくれないか?? これは「エロゲ」なんだから、出来るはずだ。あっていいはずだ。理とかいう男は置いておいて、「姉妹」のような幼馴染百合の濃厚浮気初エッチを………… ヘテロ百合三角関係エロゲなら、そういうのがあってしかるべきなんだよな。丸戸史明そういうの書いてくれないかな、これからでも。

姫様「私と二人… 一緒に、理さんのお嫁さんになろう?」

草wwwww そういうことか~~

姫緒「だって私、誰も諦めたくない。トコちゃんも、理さんも… みんな、私のものにしたい…っ」

あれだ、icやCoda雪菜√の雪菜みたいなこと言ってる。これ、言われてるほう(美都子)からすれば、嬉しくもあるけどかなり酷だぞ。

でも、美都子が姫緒への想いを優先したように、姫緒も、自分の理への独占欲よりも、自分の美都子への愛を優先したからこその言葉だから…………やっぱり感動してしまう。そんな「三人」なんて、夢みたいなものかもしれないけれど、自分もその夢を見てみたい。見られると信じている。

なるほど、百合セックスの代わりに、百合セックスの暗喩として、「風邪を移す」行為をやったわけですね。一晩中隣にベッタリいて見つめていて風邪を移されるなんて、そんなんめちゃくちゃエッチな(=愛に溢れた)ことですからね。間違いない。

草  ここでも麻実との新婚生活時代のことを擦られるの、ほんと「五角関係」モノとして秀逸だよ

やっぱりこの「三人」の空気感も好きだなぁ  ほんと今年度のヘテロ百合大賞受賞です。

ハクサイ検定合格

なるほどw こんなん、平木副部長と理と姫緒の三角関係じゃん…… ヘテロ百合ならぬヘテロBL三角関係。ひとつの会社の上司部下のカンケーで・・・

kawaii


「ヒラ取締役」ってなんだよ


お~勝利のVサインならぬ ”3” サイン。泣ける…… 姫緒さん、立派になって…………

やっぱり澤嶋順平は単にあくどいんじゃなくて、こういうハートフルな動機を持ってるよね~~

なるほど~~ 順平と姫緒、表面上「悪どい」やり口がまんま親子そっくりだったってことか。ようできたハナシだ!

ってことは、姫緒の家に理と2人で住むのかな しょっちゅうお隣さんと行き来して

なるほど~~ すげぇ……多重解決ミステリのようだ。隠された真相、動機が何重にも存在する。
(穂香さんの借用書→姫緒の父の冷徹なビジネス→美都子を救い出すため、という娘と全く同じ目的と手段→娘とバツイチ30男の仲をぶっ壊したい親バカ)

最後の最後に、こうして「親子愛」を提示して、「強大な敵」キャラを、娘が可愛くてしょうがない親バカな親父という、可愛げのあるキャラにひっくり返す。なんという後味の良さ!! マジで脚本が上手すぎる。本当に、文字通り「お義父さん、娘さんをボクに下さい!」な話だったんだな。

姫緒にとって「妹」のような、「子供」のような、「被保護者」のような存在の美都子ちゃんに、恋人との外泊許可を貰う。どんな関係だよw

草  デレデレのオッサン

ああなるほど!? すげぇな…… 父→娘の愛情だけでなく、娘→父の愛情までをも描くとは…… マジで完璧だ

美都子「だって…おじさんのお金で… あたしは今、こうして楽しく生きてるから」

姫緒「私が今までしてきたボランティア… こんなに心から感謝されたことなんてない」

うわ~~~なるほど!?!? 有り余るお金にモノを言わせて冷徹にすべてを解決してきた澤嶋順平のこれまでの後悔多き人生そのものまでをも、肯定しようとしているのか…… 姫緒と美都子が、このおじさん(お父さん)を「救済」してるじゃん……

しかも、そうした父の下で葛藤しながら育ち、ボランティアに打ちこんできた姫緒というキャラクターをもここで救済し、ねじれた親子関係を清算・昇華している………… すげぇ、完成度が高すぎて感心で感動してしまう。

うおおお 聖夜の奇跡! これ以上ないくらいの大団円!!!
なんで最終的に救われて号泣する「ヒロイン」が、強面のオジサンになってるんだよwwwww 「三人」ですらない、もっと外へ、親子関係へと、大切な人へと、開いていく愛の物語………… お見事!!!

姫緒√まとめ

姫緒√おわり!!!
めちゃくちゃ良かった!!!!! センターヒロインでない個別√としても、こんなによく出来たお話は見たことないかもしれない。

姫緒さん、序盤での印象はいちばん薄くて興味が持てない、「ハズレ」枠のヒロインかと思っていたけど、とんでもない。個別√に入っていくごとにどんどん魅力的になっていき、恋人になる頃には本当に可愛いキャラだと思えるようになった。かなり特殊で訳ありな上司と部下の関係で、ビジネスパートナーとして一緒に仕事をする中で仲を深めていくの良いよね。『ユースティア』のフィオネ編みたいな。

しかも、この√最大の見どころは、なんといっても姫緒と美都子の幼馴染百合である。幼い頃からのお隣さんで、5歳?くらい歳の差はあって、姉妹のような友達のような家族のような隣人のような、そんなふたりの関係が好き。姫緒が美都子へ抱いている、同性愛といっても差し支えないほどの大きな愛情が本当に好き。

そして、百合のあいだに男が割り込んできて、2人ともその同じ男を好きになる、いわゆる「女→男←女」型のヘテロ百合三角関係であり、これがまためっちゃくちゃ良かった。今年度のヘテロ百合大賞を贈呈いたします。

男主人公がいろんなヒロインと恋愛していくいわゆる普通の「エロゲ/美少女ゲーム」において、その攻略対象ヒロイン同士の濃厚な関係が描かれることはしばしばある(『ユースティア』の聖女イレーヌと従者ラヴィアとか)。そんな「ヘテロエロゲ百合」で個人的なベストを更新した。「三人」でいることを諦めないこと。どんなに互いに相手を傷つけあっても、それでも最後に愛は勝つと信じ抜くこと。

願わくば、姫緒と美都子のそういうシーンがあってほしかった。理を含む3Pシーンで妥協してもいいが……(初めは2人が理に「奉仕」していても、そのうちに理をほっぽり出してヒロインふたりでイチャイチャし出してくれるのがヘテロ百合厨的には最高)


また、ヘテロ百合三角関係好きというのを抜きにしても、√終盤の問題解決シナリオの出来は素晴らしかった。これはいわば、理と美都子の歪な「親子関係」というメインテーマを照射するような、澤嶋順平と姫緒の歪な親子関係を扱ったプロットであり、そして順平と美都子の、単なる「お隣さん」に向けた、大人から子供への不器用な愛情についての話でもあった。救済して号泣させる(=落とす)べき真の攻略対象ヒロインは、中年の強面のオジサンだった。順平かわいい♡

テラスハウス陽の坂の土地が買収されてしまうかもしれない、という、序盤のリフレインのような喫緊の課題が発生し、それを深掘りしていくと、二重三重四重もの「真相」が徐々に明らかになっていく……という構成は、簡易的なミステリとしても高い完成度を誇っていた。シンプルにエンタメとして面白い。

この「父」を倒すために、理と姫緒がどちらも互いの能力を活かしてビジネスに邁進するくだりなんかも、それまでの姫緒の新人教育パートを踏まえているために激アツで、あんなによちよち歩きだった子が、こんなに立派になって……(涙)と感動する。『ユースティア』のリシア編のような(←さっきからなんで同じ作品ばかり例に出すんだこいつは?)

総じて、全方位に隙のない、完璧なシナリオだった。





さて、いよいよ美都子√だ~~~

つづき→




まえ


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