見出し画像

『穢翼のユースティア』(2011)プレイ感想



1年以上前にクリアして書いた感想メモを自分で読み返していたら、われながら「こいつめっちゃ真剣にエロゲやってんな……」と感動しておもしろかったので、コピペしてnoteでも公開することにしました。





全クリア月日:2021年11月6日
総プレイ時間:57時間40分
実プレイ日数:11日


!!!!!!!!!!ネタバレ注意!!!!!!!!!!



《総評》

※詳しい感想は下の「プレイ中のメモ」に書かれています。


"地に足がついた傑作ファンタジー"

まぎれもない傑作だった。
学園モノが一般的であるエロゲというジャンルで、正直こんなにも重厚なファンタジーを作ることができるなんて思っていなかった。同様に、エロゲでこんなにも「社会」や「政治」を描けるなんて思っていなかった。(『車輪の国』の100倍は社会をちゃんと描いていると思う)

本作の何よりの魅力は、「そこに確かに存在している」というリアリティを持ったファンタジー世界と社会と人間たちを描けている点だと思う。
過不足ない文章、機知に富んだ会話、読み応えのあるシナリオ、流麗なBGM、美麗な背景美術、可愛らしいイラスト、素晴らしいCV、そうした全てが『穢翼のユースティア』という1つの世界/社会を作り上げていた。

これは「大人」の物語であると思う。主人公カイムも、彼が日常的に関わる人達も基本的には手に職のついた大人たちだ。
本作がファンタジーである理由の1つは、「大人」の物語を描くため、だと思っている。というのも、リアリズムのエロゲだと十中八九、舞台は学園モノになってしまい、主な登場人物たちも学生になるだろうから。「社会人モノ」が学生モノよりも圧倒的に少ないエロゲにおいては、大人の物語を違和感なく成立させるため、という一見婉曲的な動機でファンタジーを選ぶことも十分に有り得るだろうと思う。

そんな大人な主人公カイムが、わたしはこれまでやったエロゲ主人公のなかでもトップクラスに好きになれた。
わたしは主人公がイキったり、主人公ageのためにシナリオが組まれているような作品は好みではない。
カイムは基本的にとても優秀で有能な人間だ。しかし、まったく嫌味がなく、彼が活躍するのも失敗するのも、すべてを受け入れることができた。
この理由の多くは、やはり彼が大人であるからだと思う。過酷な環境で生き抜いてきたので、酸いも甘いも噛み分けているし、人間関係などで「わきまえている」さまが言動の端々から伝わってくるのだ。
また、この主人公にCVが付いているのも大きい。わたしは「プレイヤー≠主人公」派の人間なので、彼を客体化するために主人公にCVはあってほしいと思っている。
しかもカイムのCVは、よくあるナヨナヨした声質ではなく、やはり「大人」な、かなりダンディというか格好いい寄りの声なのが良い。
元殺し屋という彼の経歴を考えても納得がいくような、それでいて攻略ヒロインたちと付き合っていけるような優しさも持ち合わせた素晴らしいCVだった。


各章シナリオとヒロインについて。
本作ではメインヒロインのティア編まで続くtrueルートの一本道から、各章でヒロインたちとの恋愛へと分岐するいわゆる「途中下車」式のシナリオ構造になっている。(各章でヒロインと付き合わないのがtrueルート)

2章(フィオネ編)でまず、「大人同士の物語」であることを思い知らされた。恋愛に発展しない、仕事をともにこなす「同僚」関係をエロゲでここまで魅力的に書けるのか……と衝撃を受けた。trueルートがほんとうに好き。お酒を飲むシーンに印象的なものが多いのも「大人」の物語ならではだった。

3章(エリス編)は本作の白眉だと思う。エリスがいちばん好きだ。ヒロインと恋愛関係になるということは、ヒロインを「所有」することであり、彼女を「消費」するということだ。そんな「恋愛=所有してしまうことの暴力性」に向き合ったうえで、それでもヒロイン側から「わたしを所有して」と求められたらどうするのか、という非常に複雑で難しい問いを扱っていた。直接的に所有しなければ暴力性は存在しないのか、というとそんなことはない。それをヒロイン側から徹底的に糾弾されるプロットに絶頂しまくっていた。ただし、問題提起と展開の仕方は完璧だったものの、trueルートでのたたみ方には正直肩透かしで、まったく納得がいっていない。この章だけ唯一恋愛ルートのほうが妥当であると思っている。

4章(コレット&ラヴィリア編)は、ダブルヒロイン制であることでシナリオがとっ散らかっている印象を受けた。「主人公とヒロイン」の関係を描きたいのか、「2人のヒロイン同士」の関係を描きたいのかがどっち付かずになっていた。ただし、ヒロインとの交流シナリオは微妙だったものの、この章で明かされる<真実>(と、その後の扱い方)にはめちゃくちゃ衝撃を受けた。本作を「大人と社会を克明に描いたリアルなファンタジー」だと捉えていた自分にとって、そして「プレイヤー≠主人公」派の自分にとって、最高にテンションが上がる展開だった。この章に関しては正直そこだけでもお釣りがくると思っている。

5章(リシア編)もまた、ヒロインとの交流を描いた本筋自体はあまり惹き込まれなかった。というのも、それまでの章ではずっとヒロインとの「異文化交流」──はじめはヒロインの考え方や生き方が間違っていると思っていたカイムが、交流を深めるにつれ、次第に彼女たちなりの矜持を認め、自分の考えを相対化していく──を描いてきたが、この章では最後までカイムはリシアに教え諭す立場だったのである。ただし、次の章でのリシアの成長ぶりを見ることで全てを許せる節はある。

6章(ティア編)は、めちゃくちゃ古典的な「ヒロインか世界か」というエロゲによくある問題系を反復すると見せかけて、これまで本作が丁寧に描いてきた「社会」の視点を捨てずに描ききる……と見せかけてやっぱり反復する……というように、陳腐な部分とそうでない部分が交互に展開され、その意味で非常にスリリングな内容だった。これまでの章で交流してきたヒロインたち、キャラクターたちが集結してクライマックスへと収束していく物語構成は非常に優れていると思う。

そしてラストに関しては──大きなネタバレになるのでここでは言及しない。以下の「プレイ中のメモ」に譲ろう。
ただひとつ言わせてもらうと、こんなにも「ファンタジーとは何か」という問いをわたしに投げかけて考えさせてくれた作品はなかった。

現代日本が舞台のリアリズムものが好みだと公言している自分にとって、『穢翼のユースティア』は、リアリズムとファンタジーの関係、あるいはフィクションと現実の関係を問い直させてくれた、とても大切なファンタジー作品になった。まぎれもない傑作エロゲである。

上の章ごとの感想でだいたい分かると思うが、ヒロインの好みは

エリス >> フィオネ > ティア >> その他

でも本当はメルトがいちばん好き




《プレイ中のメモ》

10/27

コンフィグのショートカットキー設定機能が充実しすぎている。優勝

ファンタジー調のBGMをすべてドラクエっぽいと思ってしまうやつ

すげぇ〜骨太のファンタジーっぽくてワクワクする。かなり世界観がエグい。暴力的

進撃とファタモルと灰羽連盟あたりを連想する

メルトさんかわいい・・・

まだ30分くらいだけど、今のところ、世界観・テキスト・キャラデザ・背景・BGM・環境音・演技・UI・システムぜんぶクオリティが高い。これは期待できる
やっていて心地よい

CGや立ち絵での軽いアニメーション演出もすごい

カイム・エリス・ジーク・メルトの気心の知れた大人の付き合いって感じすき

物理的に最下層が生まれるってすごいな
社会構造と地理構造が直結している

カイムはエリスを10年前に身請けした関係
単純な幼馴染ではないのね。期待

クローディアえっちすぎる・・・・・
えっ!!!?やべぇ人なの!?
ドSなのか・・・・・ごくり

かわいいキャラデザで娼館とか凄惨な事件とかスラム街とかを扱ってるのに、しっかり扱いこなしてるのがすごい
文章の力と、音響その他いろんな雰囲気作りのおかげかな

主人公カイムは立ち絵が出てきておらず、まだいっさい外見がわからない

ギャルゲとして総合的に面白い作品……ということで、いまのところ「ぬきたし」と似た立ち位置かな。
両作の表面的なルックは真逆なんだけど、非の打ち所がなく、丁寧に作られたエロゲだという共通点がある。

10/28

言ってみれば、エロゲそのものが娼館みたいなものではあるか
エロゲのヒロインは娼婦・・・

アイキャッチが挟まってヒロイン視点に一瞬なる

>機嫌を取る

>戦う

ティア表情がころころ変わってかわいい。目を閉じて楽しげにしている差分が特にすき。口の形も記号的なものが合っていてかわいい

エリスこわい
医者としてティアを患者だとして接していたときはあれだけ優しかったのに、カイムを盗られるかもしれないライバルの女性としてティアを認識したときの縄張り意識がすごい。とても良い

「女の本質」のような危うい言い回し・思想が随所にみられるが、娼館を大きく取り上げたこの作品においてはむしろその危うさも批判する気にはならない。
ちゃんと社会構造の上にそうしたジェンダー的役割や思想が現実として存在している、というのを描いているから。

台詞回しがいちいち気が利いていて良いんだよな〜〜
それも、基本的に登場人物が厳しい世界で生きている大人たちだから、背伸びしたウザさも感じずに、彼らの性格や関係、辿ってきた人生を透かし見てしまう。

>だが、ティアは嘘をついていないのだろう

基本はカイムの一人称視点だけど、彼が家から出ていったあとに残されたエリスの独白を拾うなど、一人称からときどき一瞬だけ三人称へと遊離することがある。本作に限らず、ノベルゲームではしばしば見る手法。

死別を悲壮に感情的に捉えようとはせず、「いずれこいつのことは忘れる」とか「少し寂しい」だとかいった、冷めた目線を失わずに向き合っているのが良い
だからこそ蘇生することでこちらが冷めたりしない

たった4日間の出来事だったんかい

いいオープニングの入り!!! ファンタジーだから三拍子という王道で安直なやつ
えっ!?!? メルトさんメインヒロインに入ってないの!? ショック・・・・・・

今のところ名作の風格があるとしか言いようがない。

フィオネとの黒羽追いの仕事
やっぱり会話で人物像を繊細に描くのがすげぇ上手い。
たしかにフィオネは堅物なんだけど、それをカイムが一方的に指摘するんじゃなくて、羽狩りの仕事の良い側面を彼が目の辺りにすることで逆に学ばされ、それによってフィオネ自身が自身の固い矜持を柔和にして彼に歩み寄ろうとする。いいプロット

黒羽の正体、ラング副隊長か、ジークの側近のオズの可能性をいちおう警戒しておく。

>この場でフィオネに見せるべきだ
これでフィオネ√行くか?

ティアと同じく、フィオネもまた自身の「運命」を信じている。
運命を信じるヒロインたちと、信じないカイム──という関係が焦点になってくるのかな

やっぱり会話劇が理知的で面白いな〜〜〜
べつにめちゃくちゃ高度な頭脳バトルとかをしているわけではなく、もっと日常的な部分で知性を感じる。
仕事の進め方だとか、それぞれの譲れない矜持だとか。そういうものを擦り合わせて他人とやっていく営みが生き生きと書かれている。
「同僚」っていいな〜と思う。大人同士の男女が、色恋沙汰を挟まずに(お決まりの着替えハプニングはあったが)仕事のみで対等に繋がろうとする関係が心地よい

街中にデカい穴があるって思いきしメイドインアビスじゃん
あっちとは街と穴の成立順序が逆だけど

"趣味" という単語をカイムはよく使う。
個人的な関心・信念の問題であって、他者が干渉しても意味はないもの。それを仕事など公的なところに持ち込んでは話がこじれるもの。

目の前で自害しようとしている容疑者に対して「止めるほどのこともないだろう」とあそこで思って平然としていられる主人公すげえな……さすがに元暗殺者だけある

「俺のほうがやっぱり正しかった」と相手の間違いを糾弾するのではなく、あくまで同僚として寄り添って慰めるこの関係がめちゃくちゃいい……
あくまで「水」として無言のうちに理解し合い酌み交わす……素晴らしい
べつにカイムが常に正しいわけじゃなくて、今回の件に関しては、牢獄の住民として少しだけ経験豊富だった、というだけ。
だからこそ、頭を撫でてはほしくなかったかな……今後、カイムにとって「頭を撫でる/撫でられる」という行為の意味合いが、昔の家族回想などによって付与されるのなら話は変わってくるが。
・・・カイムじゃなくてフィオネ側だった、家族エピあるの。そっちじゃないんだよな〜〜

初めて酒を飲む、という展開で、記号的な悪酔いをさせずに少しばかり饒舌になってふらっと立ちくらみをする程度なのが良い。
本作の上品なトーンを象徴している。

10/29

>フィオネとやってる仕事だ。このまま二人で行けばいい。

>きっぱり違うと言っておこう

各組織の代表としての同僚関係から、各組織に背く共犯関係への移行・・・・・・いやぁ、おもしろい!!!

>フィオネが決着を着けるべきだ

戦闘CGが豊富で臨場感と迫力がすごい

手を貸して立たせるのではなく、頬を張って奮い立たせる。
それは、頭を撫でる/撫でられる という兄妹関係からの解放であり、同時にカイムとフィオネの関係が真に対等になった象徴でもある。
以前に酒場で頭を撫でたのはこのための布石だと捉えればセーフかな

フィオネ√おわり!!!
めっちゃ良かった。王道ながら、決して陳腐ではないと言い切れるのは、文章の上手さによるところが大きいだろう。
フィオネとカイム、大人の仕事仲間としての関係を生き生きと描いていた。
「運命」や規律といったフィオネのアイデンティティを巡る話で、それがこの空に浮かぶ国の大きな闇へと繋がる落とし所も見事。

カイムがめちゃくちゃいいやつなんだよな。これまでやったエロゲの男主人公のなかでもいちばん好感が持てるかもしれない。
作中キャラの誰かにも言われていたが、カイムの周りには女性が多く、モテモテだ。なのにまったく嫌味ったらしく感じない。
ちゃんとわきまえた "大人" だから安心感がある。フィオネにも決して自覚なく高圧的にはならず、未知の他者としての配慮が行き届いていた。
そうした彼の人格は、これまでの牢獄での生活によって培われてきたのだ、というリアリティがしっかり感じられて、彼を好きになることと、牢獄の人々を好きになることが併行している。本当に丁寧で地に足がついた良い物語だと思う。国は空に浮かんでるんだけどね。

別の選択肢を選んだらフィオネと恋仲になったりするのだろうか?

18:55
>フィオネの手を、家族の血で濡らすわけにはいかない

なるほど。フィオネに兄を殺させずカイムが葬ってしまうと、フィオネはひとり立ちできず、羽狩りを辞めると言い、そしてカイムと恋愛関係になるのか
バッドエンドっぽいが、それはそれで筋が通っているな……。そうだとすれば、逆説的に、trueルートでは最後まで2人のあいだに恋愛感情は無いまま、ということになる。個人的にはそのほうが好きだから、それを裏付けてくれるこのバッドエンドも好きだ。

なるほど。フィオネに対する責任までちゃんと負うつもりでクーガーを切ったから、それがそのまま告白へと繋がるのか。自然な流れだ。よく出来ている。

カイムとフィオネ。2人が対等な関係として互いを尊重し合うときには決して恋愛関係にはならず、カイムがフィオネを守るという非対称な関係でしか結ばれない。
このプロットは「恋愛に対等な関係はありえない」という確固たる思想を感じる。個人的には結構賛同できる思想だし、それを分岐によって押し付けがましくなく、上品な仕方で表現する構造がすばらしい。
「攻略ヒロイン」とは、救ってあげて守ってあげる庇護対象である。
それはそれで1つの「趣味」としてはいいんだけど、わたしの趣味は、庇護対象として消費できるヒロインではなく、自分のものにはならないが、自立して強く生きている人間としてのヒロインのほうが好みだ。だから、フィオネがクーガーを切ったルートでの、カイムの演技による侮辱によって2人の関係が遠ざかって終わるという展開も非常に好感が持てる。

お〜〜やっぱり「頭をぽんぽんと叩く」という動作が、2人の関係を象徴するものとしてCGで表現されている。

Hシーンのときだけ男性主人公の声が消えるやつだ!!!エロゲだ!!!!!

羽狩りを辞めないと男に身を曝け出すことはできない。でもエロゲとして隊の制服えっちはしたい。・・・そんな葛藤の唯一の落とし所が「脱退当日の夜」というわけか。

・・・「仕事を辞めないと恋愛も性行為もできない」とだけ切り出すと、夫婦の共働きを認めないヤベー保守思想みたいになってしまうが。

社会的な仕事にまつわるメインシナリオと、ヒロインとの恋愛シナリオの関係について
仕事のシナリオは章立てで一本通っていて、各章で深く関わるヒロインと恋愛関係になるか否かで分岐がある……という構成は『車輪の国、向日葵の少女』を連想する。
あれは、ヒロインと付き合っても付き合わなくても関係なしに仕事についての社会派メインシナリオは進む……という構造で、仕事と恋愛を完全に独立させていた。
いっぽうで本作は、ヒロインと結ばれることでメインシナリオから脱落し行き止まりになるという構造で、仕事と恋愛が排他的な関係にある。

社会派の本筋とヒロインとの恋愛が逆に密接に結びついている例は『ぬきたし』だろう。
いろんなエロゲを分類してみたい。

うおおおおおお初めてがメルトやっぱり!!!!!!!!!最高!!!!!!!

フィオネにとってエリスが姑みたいになってて草

どう考えても邪魔なティアをそうやって別居させるのか・・・・・・すげぇ自然で驚く
展開に無理がないんだよな〜〜〜

え、治癒院の件はあっさり片付いちゃうんかい 週刊連載の最終話のようなトントン拍子ハッピーエンド

結婚式の日取りを周りから勝手に決められて、しかも「明日」とか……異国って感じでいいな

うおおおおロマンティック・ラヴ・イデオロギー最高!!!!!!!!!!
(純愛和姦では抜けないことがまた1つ確かめられてしまった……フィオネかわいいんだけどな・・・・・・)

骨太シナリオ的にはメインルートで、イチャラブえっち的には分岐ルートと、うま〜く差別化が出来ている。完璧かよ

えっ!?!? フィオネの回想シーンあと2つもあるの!? これまでの未読選択肢なのか?それともメインシナリオを進めていった先でまたあるのか??

おまけのサブシナリオも解放されとる。

21:50 フィオネの未読選択肢を

拾った黒羽
>先にジークに見せるため持ち帰るべきだ

>エリスの部屋には先に一人で行った方が良さそうだ

ティアは恋人?
>似たようなものだと言った方が話は早いだろう
あれ?? 黒羽を自分で切る選択肢が出ず、そのままtrueに直行した!!!
なるほど、ティアのことを恋人だとフィオネに説明した時点で、フィオネと結ばれる√には行けなくなるのか。
そういう感じで影響してくるのか〜〜〜だいたいわかった。
・・・・・・ってことは、ここまでで残り2つの回想シーンへ分岐は無さそうだから、これから先にあるってことかな。
それとも、サブシナリオにあるのかな

・第3章?

次はエリス編か!!!

下縁眼鏡かわいい! その格好で医者は無理でしょ

幼馴染というより親代わりだったのか。養子みたいなもんか
7年前に身請け、3年前に家から出したと。人形が絶対に話に絡んでくる。今はもう持っていないようだから、過去回想で。

なるほど。不蝕金鎖の先代が麻薬の扱いを禁じていたのは、単なる正義感や道徳心じゃなくて、牢獄という自分たちの社会を客観視した上での合理的な禁則だったんだな

ジークって普通の学園エロゲでいう男の親友ポジションだろうけれど、雇用関係にあるし、気心が知れた上でかつ大人の付き合いをしてる、その絶妙な距離感がたまらない。もしカイムが不蝕金鎖を裏切ったら容赦なく殺すだろうし、でも「あの世でもう一度友人になる」とか最高なんだよな

そもそも身請けというものをよく知らないので「身請けしたのに自分の元にいさせない」のがどれだけ異常なことなのかピンとこない

どういう流れになるんだろう。
エリスがカイムへの依存を解消して自由になるのか、それともカイム側がエリスを遠ざけておく理由を清算して和解するのか

ヤク中娼婦のメルトへの罵倒、刺さるなぁ……娼婦にも色々いるってことは、彼女らのなかでも絶対に分かり合えない断層があるということ。
自身の恵まれている境遇を非難されるのが性癖だから、自分の性癖のキャラクターが恵まれている境遇を非難されるのもめちゃくちゃ性癖

「男の劣等感ってのは面倒なもんさ」
男と女それぞれのどうしようもない性質がテーマになってきそう。雑な男女二元論はやめてほしいけど、今のところ期待をしている

てか言われてみればそうだよな。この主人公、人殺しまくってるんだよな。昔のことだしあんまり気にしてなかったけど。
それをあんまり気にせずに主人公として受け入れられてるのも、すごいイメージコントロール術だと思う。

フィオネ編が牢獄の外部からやってきた人間(たち)との異文化交流の話だったのに対して、このエリス編では気のおけない古くからの身内である牢獄民のなかの話っぽいな。ちゃんと章ごとに飽きさせないように物語の方向性を変えるのえらい。カイムがエリスを身請けした理由とか、先代の死についてとか、序盤から気になっていたことが明かされるタイミングとしても丁度いい案配だし。本当にバランス感覚が良い作品だと思う。

ティアちゃんは癒やし

というかフィオネ√でも思ったけど、ひどい環境の牢獄でも普通に結婚という概念はあるのね。まぁさすがにあるか。

メルトとエリスの関係、最オブ高

まじで「女みたいなこと言いやがって」とか「まるで少女のよう」とか「男ってのはそういうものよ」とか、男女に関する描写が露骨に増えている。
次の章で男と女の差異の話をするにあたって、敢えて前の章で男女の色恋沙汰一切なしの同僚関係をガッツリ描いてしまうのが素晴らしい

カイムが殺していた人ってのは牢獄民ではないのだろうか?

男娼も客は男なんだ

カイムといちばん付き合いが長いのって誰だろう。ジークじゃなくてメルト?

おお……前章の最後でやっと対面したルキウス卿とシスティナだが、今回はこいつらとガッツリ手を組む展開か。それに、焼け落ちた実験施設の薬の件が事の発端となっている。話の構成がうまいな〜〜。徐々に有力貴族という国の暗部へと近づいている感覚がたまらない。
今のルキウス卿は羽狩りの隊長でもあるから、結局2章続けて羽狩りと不蝕金鎖が手を組む展開ではある。フィオネ再登場したら嬉しいけどどうかな〜〜〜

そうか〜〜牢獄って言わば政治家から見捨てられた被災地のようなものだもんな
「復興」の話でもあるか

システィナ良いキャラしてるわ〜〜〜 それをごくわずかな会話で表現するのがすごい

貴族の世襲制をシスティナが批判したが、不蝕金鎖のジークだって世襲制・・・・・・こういうところが上手い

うお〜〜〜〜 わりとキャラから引き気味の珍しいスチルだ!!!
エリス見返り美人・・・・・・

近くにいるのに離れ離れだった3年間……どこかの雪菜さんと春希くんみたいだ

「捨てるんじゃない/ただ、お互い一人の人間として生きるだけだ」
フィオネとはまさに「お互い一人の人間として生きる」ことを貫き通して別れた。それを踏まえてのエリス編でのこの台詞である。

前章のテーマが「運命」だとしたら、本章のテーマは「自由」ですか。進撃の巨人か?

エリスのことをヤンデレとは呼びたくないなぁ。なんでかなぁ
小木曽雪菜のことをヤンデレとは絶対に呼びたくないのと近いかもしれない(雪菜とエリスが似ているということではなく)
これからどうなるんだ……カイムとまったく同じような想いを、あくまで傍観者の立場から抱いている。
エリスを身請けした理由、「鬼畜」とまでなじられるその真相が今のところまったく予想もつかない。

・ファンタジー作品である利点
本作ってファンタジーの割には魔法とかモンスターとか基本的に出てこないし、今のところ超常現象といえば空に国が浮いてることと羽化病くらいだろう(黒羽は人体実験という科学的根拠があった)。
ではファンタジーでなくても成立するかといえば難しくて、それは主人公たち登場人物の多くが「大人」である点にあると思う。
現代日本で主人公たちを大人に設定すると、ほぼ必然的に会社員や自営業といった社会人になってしまう。それでは本作のようなダークで退廃的な社会の息遣いは描けない。その意味では、ヤクザ・任侠モノがもっとも近いのかもしれない。『大悪司』のような?
不蝕金鎖が実質的に政府から認められた自治組織であるというのが特徴的で、現代のヤクザものでは非合法組織になってしまう気がする。
とにかく、大人同士の物語を過不足なく描くためにファンタジーにした、という側面が大きいように思える。そう考えると、かなり子供らしいティアがメインヒロインというのをどう捉えればいいのだろうか。

10/30

エリスがカイムに強く依存してしまっているのはよろしくないと思うけれど、依存させてしまったのはカイムの責任である。この責任をどう取るのか、というのが物語の要になってくるだろう。なんとなくeuphoriaの梨香ルートを思い出す関係

"身請けして以来、何年もかけてエリスを人並みにしたのだ。"
「人並みにする」ことの暴力性。子育てのそれに通ずるものがある。

"「だが、俺があいつを物扱いできるわけがない」"
娼婦のままでいさせるにしろ身請けするにしろ、客体の消費=物扱い であることには変わりない。
カイムはそこから脱却したくてエリスを遠ざけているが、当人の意志と真っ向から反しているジレンマ

フィオネが共に仕事をする同僚であり"運命共同体"だったのに対して、エリスは仕事に付いてきたがるが連れて行くことはできない、仕事(メインプロット)と家庭(恋愛シナリオ)の分離自体が話の中心になっている。それでいて、ストーリー上では見事にエリスの件と風錆との件を同時並行で展開しているのだからたまげる。

物流と自治、社会と政治と経済……そのへんの描写があるのほんと凄い

大人たちの物語だと言ったが、その当然の帰結として「酒」が重要なアイテムになってもいる。
自分は酒を飲まないけど、酒を飲む印象的なシーンのある物語すきなんだよな〜〜〜『ハルカの国 大正星霜編』然り……

ジークとカイムが兄弟って、単なる兄弟分とか幼馴染というだけじゃなくて、そういうことだったのかwwwww
うわ〜〜〜メルト最高かよ。この3人のエピソードもっと知りたい!!!

エロゲ隠し子多すぎ問題

「あいつが傍にいるうちは、俺の罪滅ぼしは終わらないからな」
うわ〜〜〜 鬼畜と聞いて身構えていたが、これはたしかにキツい・・・・・・
でも、それならいっそう、エリスにちゃんと全てを話して、謝罪して、かつ「罪滅ぼし」は一生終わることがないのだと受け入れるべきでは?
彼女を自立させて遠ざけたところで罪滅ぼしが終わると考えるのは無責任な気がする……すげぇ複雑で過激な事情だけに下手に意見できないけれど。

しかし、これまで何となくで流されてきた主人公の元殺し屋設定にちゃんと向き合うシナリオで良い。

選択肢!!!ここでtrueかbadか分岐するのか?
>それもまた道なのか badっぽいほうを選んでおく

"俺にとってのエリスは、『女』なんていう明確な直線で構成された枠に入る人間じゃない。
「確かに女ではあるが……あいつはもっとごちゃっとしたものだ」"
カイムの女性観。本章に入って男女のナイーブな形容をしていたのをここで回収する

さんざん古井戸のような瞳とか比喩に使ってきた井戸をここで初めて物理的に登場させるのか……

なるほど〜〜 牢獄がいくら酷い環境でも、100%国のせいってわけじゃなく、現状のほうが都合の良い人間たちが牢獄にもいるからこそだと。
保守主義は牢獄にもはびこっており、不蝕金鎖がその象徴である……カイムは絶妙な立ち位置だなぁ

ルキウス卿の言う「生まれてきた意味」を、カイムは飢えていない恵まれた者だからこそ考えられる貴族のおもちゃだと内心でなじったが、ティアやエリスなど、まさに酷い環境で生きている者たちが必死ですがっている「運命」だって同じようなものだろう。
運命・意味を考えることと、その人間の境遇の両義性がありありとあらわれている。

サイ、絶対暴発して風錆との全面戦争の火蓋を切るきっかけになると思ってたが、流石にブラフだった。にしてもえげつねぇ……
こういう愚かかもしれないけど印象に残る、確かに生きていたモブキャラを描けるのは名作の証拠。『ハルカの国 明示越冬編』の商売人を思い出す。

幼少期の抑圧的な環境によって自立心が失われ、他人に所有され従属することでしか生きていけなくなってしまったヒロイン……車輪の国の灯花をもっと酷くしたような感じ。
ただ、灯花と違ってエリスは「あなたは間違っている。自分が物扱いされたいという思いは間違っていない」と真正面から反論してくる。ある意味ではこれ以上なく自分の意志で行動できているともいえる。ただ、その「自分の意志」が、彼女の育てられた家庭環境とカイムに身請けされたという経験から来ていることは否定できないわけで……と、いっそう解決が見えない泥沼になっている。
「切り札」だとカイムが思っていた身請けした真の理由を打ち明けてもエリスの態度は何も変わらないというカイムの絶望が本当に良く描けている。

こんなに男主人公がヒロインに徹底的に糾弾される展開ある? すげえよ・・・・・・
「巨大感情」を抱かざるを得ない状況にしてしまったことに対しての絶望感と罪悪感。それさえも偽善性を暴かれて、暴いてしまうほどに「ずっとあなただけを見てきたから」と、彼女の巨大感情をより一層鮮明に強固にしてしまう……本当に救いも光もない井戸の底だ……

おお〜〜
母の愛情を独占する優秀な兄への妬みが彼の命を奪ってしまったことへの罪悪感、とかならありふれているけれど、「お前は、俺の分まで生きてくれ」(手を握り合っているイラスト!)をそういうエモーショナルなものにせず、"兄は自分の命と引き換えに、『立派な人間になる』という誓いを俺に押し付けたのだ。" と冷徹に表現するのが素晴らしい。
だからティアがいう「生まれてきた意味」にカイムは強く嫌悪感を覚えるのね。

なるほど〜〜
いやほんとすごい。完璧なシナリオだ・・・・・・
母が呑気に語る「生まれてきた意味」や、死ぬ直前の兄からの「押し付け」の抑圧性や空虚さをすべて見抜いていたつもりが、見抜いていたからこそ、カイムは今でも根底ではそれらに抑圧されてしまっている。家父長制の抑圧性に気付いたところでそれが解消されるわけではない、という厳然たる事実。
そして、自分が受けた抑圧を他者──エリスに対して同じく繰り返してしまっていた、とここでようやく気付く。自分がされた抑圧には気づけても、自分がしている抑圧は気づきにくい。だからエリスはカイム自身よりもカイムの真意を見抜いていた。
"エリスを物として扱うことを口では拒否しながら、実際俺はエリスを自分に都合のいい物としてしか見ていなかった。"
自分の加害性を自覚することで、より本質的な加害性を隠蔽していることがあり得る、というのをここまで鮮やかに描くのか…………

全然意味合いが違うくっころだ・・・・・・

え、これマジでバッドエンドあるの?
>楽にしてやる

ジークとベルナドの関係もわりと巨大感情でBL的に美味しいんだよな・・・・

「縁というクスリ」かぁ……生まれてきた意味・運命といった抽象的なテーマが、麻薬という即物的なモチーフとここで結びつく。お見事!!!

人間性ファシズムの欺瞞を真正面から看破して糾弾するシナリオと言えるかもしれない。

"普通の人間にとっては美酒である『自由』も、エリスにとっては猛毒なのだ。"
美酒と猛毒。ここでもクスリと同様に巧みにモチーフを繋いでくる

"俺はエリスにかかった呪いだ。"
カイムにとってエリスが呪いなのではなく、その逆であること。自分が誰かにとって呪いになってしまっていることに本人は気付けない。
(上述の「抑圧」を「呪い」と言い換えただけ)

"女子供が喜ぶような運命の出会いなんてものじゃない。
俺達の出会いにはなんの意味もない。
あるのは、出会ったという事実と時間の積み重ねだけだ。
お互いをまったく見ていないにもかかわらず、俺達の心はもつれ合い──
そして今この瞬間、はじめは無関係だった俺とこいつの人生は、確かに分けがたく絡まり合っている。"

偶然性を自覚した関係。いちばん好きなやつ〜〜〜〜

>エリスとともに歩いていきたい

娼婦になる前日に身請けされたから処女なのか。てっきり娼婦として少しのあいだは働いてたかと思ってた。身請けってそんなに即決できるものなのね。カイムもよくお金用意できたな。

エリスの見せしめの罰をカイムが代わりに受けるのは、「物扱い」を根拠にしていたのもそうだけれど、もっと一般的に、女と男の社会における(残酷な)扱われ方の違いと関係を描いてきた本章の帰結としても一貫している。

眼鏡着脱の選択肢ワロタww そこに根強い対立があるんやなぁ・・・・・・

・エリス√おわり!!!

うおおおおお再生産主義最高!!!!!!!!!
フィオネのときは結婚式ENDだったし、やっぱり大人同士の物語だけあって、大人の恋愛の一区切りは結婚か妊娠・出産なんだな。

ティアがルキウス卿下の研究施設に喜んで実験体として行ったって怖すぎる。生まれてきた意味……

牢獄に生きる子供を再生産するだけでなく、こちらの√では最終的に典型的な人間性ファシズムを再生産したわけだが、これはtrueじゃない分岐サブルートだと捉えたいのでぜんぜん問題ない。いくら出生賛美でもセーフ。ヒロインの妊娠スチルはグロ画像だと思ってしまうけど……
人形だったエリスが人間になった象徴としての妊娠。すなわち、人間らしさとは生殖することである、という非常に抑圧的な結論だ。

・おまけ「花嫁衣装の記憶」

他人の結婚式を強引に開くマンと化したジーク・・・

えっ、やっぱりメルトと先代って結婚してたの!? 身請けがそうなるのは一般的なのか?

本編へ戻る

>それでも、エリスはエリスの道を歩むべきだ

世界と人生の無意味さを受け止めて生きていく。「理不尽」から始まった物語だからなぁ

えっ、もう終わりか。既読スキップをしていたとはいえあっという間だった。

そうか〜〜 フィオネ編に比べてtrueの納得感が薄い。まぁ最初に見たほうを盲信しているだけかもしれんけど。

あんなカイムの対応でエリスは納得して清算できたのかなぁ。カイムの主張はずっと変わっていない。
あれで人形から人間になれるんだったらこんなに苦労はしない気もする・・・

・新章 イレーヌ編

聖教会のラヴィリア……牢獄でカイムと以前会ったのはうっすら覚えてるけど、どんなシーンで会ったのか忘れた

聖女イレーヌさん、思ってたより強かだし子供っぽいし人間くさいな……
声質も喋り方もかなり特徴的でおもしろい。ツンとした台詞が似合う演技

前章で、母親は食うのに困っていなかったから生きている意味などという盲言を吐く余裕があったのだとカイムは言っていたが、実際に次の章で、もっとも食うのに困っていない貧富ヒエラルキーのトップである聖女と交流し、彼女なりの思想と生き方を理解していく……というやはりバランスの取れたプロット。

イレーヌもラヴィリアも着々と攻略しとる・・・・・・

ティアが羽つきだというのはイレーヌ達に伝えているのだろうか?いや、天使の御子だから最初から分かってるのか。

どうやらイレーヌとラヴィリアが最初の孤児の2人っぽい。立場が逆転しているのが王道展開だが、どっちがどっちだろう

何かあれば都市が落ちるのに、聖女の周りの警備が薄すぎないか? ラヴィリア1人が身の回りの世話をしているのもあれだし・・・

聖女である前にイレーヌはひとりの人間か
天皇に人権はあるのか、的な問題にも思えるが、聖女の場合は国を浮かべるという実際的な役割を持っている点が大きく異なるので、徒に比較するべきではないかな

というか、聖女はどうやって選ばれるんだ?てっきり王家のような世襲制かと思ってたが、イレーヌは元孤児で違うようだし

ナダルたちはなぜそんなにティアとカイムを聖域から出したいんだ。まぁ貴族の陰謀が関わってるのだろうけれど、現状ではすげぇしょうもないことで、不当にラヴィリアが苦しまされているようにしか思えない。ちょっとプロットに無理があるようにも思える
今のところ、基本的にイレーヌにもラヴィリアにも、カイムが上から教え諭して導いてやるようなポジションでしかないことも、話がこれまでより面白くない原因だと思う。

「まるで、牢獄の苦しさにしがみついているようです/私の立場から言わせていただくのなら……/それも、信仰です」
なるほど〜〜確かにそうだ。ラヴィと違ってイレーヌは自分の意見をちゃんと押し通そうとしてくるから面白いな。(ラヴィがチェスをできない、というのもそういうことなんだろう)
この聖女の指摘は、カイム自身は当然のこと、彼の今の生活をここまで眺めてきたプレイヤーにだってよ〜く理解できることだ。
確かに牢獄は酷い場所だが、カイムの周りにはいい人たちがたくさんいるし、牢獄だからこその幸せや楽しみもある。(エリス編はきつかったけど……)
もちろん、そんなのを知らない聖女が「牢獄が嫌なら出ればいいのです」ということは酷く暴力的な発言だが、そういう一般論を踏み越えて、イレーヌはカイムの本質を見抜いたからこそこの台詞を言うことができた、というのが重要だろう。

無神論者を自認する人物が無意識のうちに拠り所としている "信仰" を見抜いて刺す。それができるのは、何よりイレーヌ自身が自分の信仰の相対性について深く考えてきたからだろう。

「私が信仰を諦める時……それは私がただの人形になる時なのです」
うわ〜〜〜 ここで、前章でさんざん焦点が当たった<人形>という単語を持ち出してくるのか……

手段と目的のどちらを優先するか、ねぇ……

聖職者は結婚できない。各ヒロインとの√では必ず結婚エンドだった今作だが、どうなるのかな。

思えば、この物語はどの章でもずっと「自分とは根本的に考えが異なる人間とどう付き合い、どう理解を深め、互いに歩み寄るのか」という異文化理解の話をやっている。今更だけど。

エリスきたあああああああああ
こっっわ・・・・あーーびっくりした〜〜〜ホラーかよ
イレーヌとエリス、バチバチにやり合ってて草

聖職者の罰と、カイムがエリスの身代わりで受けた鞭打ちの罰がここで繋がってくる

なんかセカイ系っぽいんだよな。国を浮かせるという大事と、幼馴染であるラヴィとの関係というきわめて私的なことが直結しているかのように話が進んでいくところが。

10/31

国王陛下と執政公と聖女……王家と政府と教会による3トップ制か

なるほど〜〜
空に浮かぶ都市などない世界に住む我々からすれば「そりゃそうだ」としか言いようがないことでも、そこでこれまで生きてきて、聖女が都市を浮かせていると信じてきたカイムたちからすれば衝撃を受けるだろう。
自然災害にもヒューマンエラーを見出して人災だとすれば、理不尽を糾弾する対象ができるから安心できるという人間の心理をうまく描いている。
<大崩落>そのものが、何の人災でもない単なる自然現象だと知ることは、カイムにとって、生と世界の最大の理不尽として映るだろう。彼がこれまで見詰めてきたどんな理不尽よりも大きくて残酷な……。
そうか〜〜〜カイム(たち、<大崩落>で人生のどん底に突き落とされた人々)が先代の聖女に救われている、ってのはそういうことか〜〜〜これは初見で普通に気付けたことだよな〜〜〜悔しい

足元から地面がなくなったような感覚だった(物理)

すげぇ合理的な世界設定。これがファンタジー作品である、ということすらミスリードになっているということだよな。
ファンタジーらしくないファンタジー、と上で評したのも、より本質的な意味で当たっていたのかもしれない。
「聖女が都市を浮かせてくれている」「聖女が祈りを怠ったから<大崩落>が起きて自分は不幸になったんだ」というファンタジー(=信仰)
そのファンタジーが消えてもなお、いま自分が立っている地面は空に浮いているのだというリアルは変わらない……という絶望

これはすごいな〜〜〜見事だわ。
単にシナリオ上でどんでん返しをした、というだけなら私はそんなに称賛しない。
本作が凄いのは、そのどんでん返しを受け止めるのが、我々プレイヤーではなく、作中の登場人物(主人公)であり、彼(の人生・世界観)にとってこのどんでん返しがいかに大きなインパクトと絶望を与えうるのか、という視点までを織り込んで物語っている点にある。プレイヤーを驚かせようとして仕組まれたどんでん返しトリックではなく、プレイヤーを驚かせないことを前提とした、主人公を驚かせるどんでん返し。
現実世界に生きる我々にとっては、聖女の祈りによって地面が浮かんでいるわけではないと知っても、かえって安心するだけだ。だからこそ、この世界が純粋なファンタジーである意味が生まれ、この世界で生きているカイムという1人の人間の戸惑いが迫真性を帯びる。

これまでに出会ったどんでん返しのなかでも、もっとも自分好みかもしれない。なぜなら、わたしはプレイヤーと主人公を同一視するような立場には反対したいと思っており、また、主人公を飛び越えてプレイヤーにダイレクトアタックを仕掛けてくるようなトリックは、フィクション(キャラクター)の自律性を損ねるとして嫌うからである。

イレーヌ編、カイムとヒロイン達の交流プロット自体は結構陳腐で残念だな〜と正直思っていたけど、世界設定の根幹を揺るがすこの展開のためのブラフだったと思えば全て許せる気持ちになってしまった。。。
聖女があっさりカイムに落ちるのはどうなのよとエロゲ主人公特有のたらし展開に呆れていたが、だからこそ、決して告げてはいけないはずの世界の真実をカイムに告げてしまった。全てはカイムの物語を険しくするものだと思えば、イレーヌやラヴィが彼に惹かれてしまうのも必然だと言いたくなる。

セカイ系っぽいと前に書いたが、セカイ系=ファンタジーを逆手に取った、まったく違う別物だった。
「君」にも「私」にも、世界を変えたり救ったりする力など無いのだという絶望と、それでも、そのような力があるのだと、セカイ系は存在するのだと言っておくことで、「社会」が安定するというシニカルな事実。そして、セカイ系は存在しないと知ってしまった後で、それでも生きていくための<信仰>を自ら打ち立てるという行為。

ここにきて聖女の「祈り/信仰」がきわめて内的かつ合理的なものだったと明らかになる。
国が落ちるかもしれないという大事がかかっているのに、なぜラヴィとの関係の話をうだうだとやっているのかと呆れていたが、イレーヌの信仰の在り方がラヴィから教わったものである以上、むしろ話がそこに収束することは必然的だった。

聖女まわりの護衛とかお付きとかの体制が貧弱でガバガバすぎるのも、彼女が生贄でしかないがゆえだと思えば妥当になってくるな……
それと同時に、聖女もまた天皇と同様に<象徴>でしかなかったのだということにもなる。まぁ天皇は敗戦しても処刑されないけど……
天皇は国民から<象徴>であると認識されてこそ意味があるが、聖女は逆に国民から決して単なる<象徴>だと認識されてはならない存在である。こう考えればやっぱり対照的な存在ではあるか。

ラヴィも聖女の真実は知っているのだろうか? ナダルは知っているっぽいけど、他の聖教会の人間はどうなんだ。

今更だけど、この国の「地震」って、現実世界のプレートのズレに基づく地震とはメカニズムが違うんだよな。
浮遊が安定しない結果として揺れているってことでいいのか? それとも、浮いている地盤の地質構造が原因なのか?

は〜〜 そうやってナダルに天使の御子と聖女の主張の正当性を納得させるのか

ラヴィは自身が羽つきだとイレーヌに知れたら彼女の傍にいることはできないと考えて羽を切り落としていたわけだが、イレーヌ自身は羽狩りに反対してるから羽つきに好意的なんじゃないのか? だったらラヴィが羽つきだとイレーヌに知らせるほうが良かったのでは……?

聖域外でも御子の力が使えるのか? あのなか限定だったりしない? 聖女の盲目に関してもまだ謎だし

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
悔しいなぁ・・・・・・ ティアが牢獄の皆ともう会えないがためのフラグ立てだと思っていたが、それ以上とは・・・・・・・
思い返せば、彼女がメイン(攻略)ヒロインではないのというのも、全てが、このためだったと知ってあまりに腑に落ちすぎる。それがとてもやるせなくて悲しい
そのために用意されたキャラクターだったのか・・・・・・ 作中と違って、メタな視点では理不尽さの欠片もないことがとてもつらい

どんなに血まみれになってもティアが蘇生できてしまうのだから、崩落というのはティアによる蘇生も絶対に受け付けない、きわめて絶対的な死の手段である。
どこまでも合理的で完璧なシナリオであることが本当にかなしい。

カイム、もっと自暴自棄になってくれよ・・・・・・わたしを置いていかないで・・・・・・・
立ち止まってしまうと全てが崩れて動けなくなるとわかっているからこそ、毅然としてイレーヌやラヴィやティアを気にかけて奔走しているのだろうけれど

聖女はナダルが1人で選んでいるのか?? ラヴィをはじめ聖女に選んだのも怪しい

"何かを考えている暇なんてなかった。
だがそれは、ある意味救われた状態だったのだ。"
"あとは、生きることだけを考えていればそれで良かったのだ。"

生きることだけで必死な状態が、ある意味では恵まれているのだと相対化される。うーむ……

処刑前日だというのに1人の警備もつけず拘束もしないとか、やる気あるのか?? 相変わらず聖教会はガバガバだ……

そもそも聖女が攻略ヒロインになった時点で、それなりのことをするためには彼女は聖女の座から下りなければならず、そうなるためには彼女が聖女の資格を失うような事態になれば良い──崩落が起きて民衆の怒りが膨れ上がるのがもっとも手っ取り早い道であることは簡単に予想できる。
にしても、ちょっと手っ取り早すぎないかこの展開は?? 不信心すぎる・・・・
あと、イレーヌ(コレット)とラヴィの関係のあいだにカイムが割り込んで話が散漫になっている気がする。百合の間に挟まる男
エロゲでの百合ヒロイン√でありがちなやつ。サクラノ詩とかを思い出す。

>コレットの願いを聞き入れる
こっちが非trueなんだよな!?じゃないと困るぞ!?
というか、コレットが冒涜的過ぎるのはまぁいいとして、カイムは初恋の人が死んだ日に何やってるんだ……過去を断ち切るために目の前の女に溺れているようにしか思えない

これまでのベッドシーンでも思っていたけど、べっかんこうさんの人物画って上半身と下半身のパースを意図的にずらしている?

元聖女を聖女の服のままに犯すのは、元羽狩り隊長を羽狩りの服のままに犯したときに似ている。着ているうちにやっとけ戦法

ティアと同じような境遇をコレットが反復するのね

ガッツリ髪色が違うのに遠目なら別人だとばれないのか……まぁ顔はだいたいみんな同じキャラデザだけど……

処刑場の半分に割れた丘ってカイムとアイムが競走してた丘とは別か。あれは下層だったもんな

いやぁ……聖女交代を目の当たりにすればするほど、よくこんなガバガバな仕組みで民衆は聖女を信じ続けられるよなぁと呆れてしまう
すぐに代わりが出てくる聖女というポジションをどれだけ信用することができるだろうか。それしか縋るものがないとしても、次の聖女もどうせすぐに崩落を起こすだろうと不安には思わないのか

うーん……あまりにラヴィのコレットへの純粋な想いが肯定されすぎているシナリオにはちょっと辟易する。

空へ舞う世界の彼方 闇を照らす魁星 やないかい!!!

どちらかというとキミノヨゾラ哨戒班

すげぇトントン拍子に話が進む……茶番だ……

えっ、あのときから目見えるようになってるの!?

姉ちゃん帰ってきたらどうすんだ……

コレット√おわり!!! やっぱりtrueじゃなかった。でもtrueもそんなに違わないかもしれないからこわい。
2人のハーレムエンドはないのね。おまけにありそう。

>やはりそんなことはできない こっちならラヴィリアとのシーンがあるのかな?trueだと思うけれど

Hしないだけでほぼ同じ流れじゃんやっぱり

>俺も完全に信じたわけじゃない
あれ、バッドだと思って先に選んだけど、こっちがtrueっぽいな

あっさり次章へ

>俺は二人を信じている
こっちでラヴィ√なのね。シーンは1つか
コレットには出ていけということなのだろうか

【聖教会編   まとめ】
コレットとラヴィの関係にカイムが仲立ちをする大筋のプロット自体はあまりおもしろくなかった。
互いを想い合いながらもすれ違ってきた2人の関係が昇華される流れなのは序盤で予想がついてしまったし、2人で飛び降りてアスノヨゾラ哨戒班をするのも笑ってしまった。これまでの章では、カイムとヒロインの関係を丁寧に描いてきたのに対して、本章ではヒロイン2人の関係を描きたいのか、カイムとヒロインたちとの関係を描きたいのかがどっち付かずになっていたように思う。「3人」の関係を描いたとも到底言えないし。ダブルヒロイン制にしたのが間違いだった。

2人のヒロインにそれほど入れ込めなかった原因として、崩落後はメルトのことしか考えられなかったというのも大きい。今でも信じられない。悲しすぎる。そんな小娘たちなんてどうでもいいから、幼い頃からずっと支えてきてくれた愛すべき姉貴分の親友にして初恋の人をもっと悼めよ!!!と思って全然コレットたちとの話に集中できなかった。いちおうTrue√では墓前に参るくだりがあるけど、あれだけで消化しきれるはずがない。カイムと自分の心情が乖離していく、というのは、<ファンタジー>について上で書いたことと共通するのかもしれないが、とにかく悲しすぎてコレットもラヴィリアもちょっと今は相手にしている心境ではなかった。またヴィノレタで呑んでるカイムたちが見たいんだが!? ラヴィが下層で働いている酒場のCGが使い回しなのは心臓に悪いからやめてほしい。

そのファンタジーの件、すなわち聖女と都市の浮遊の真相と、その開示の仕方についてはとても素晴らしかったので、それだけでも高評価にはなるのだけれど。

おまけにどうやらコレットとラヴィ2人との3Pがあるっぽい。そこの需要にはやはり応えるか。

えーと、残りは、なんか2章の序盤で一瞬だけ出てきた王家の娘?の章を挟んでから、最後にティア編で締めるって感じかな。
そういや、結局盲目の理由とか、コレットがティアを御子として感じられた理由はよく分かってないな。聖女なら誰でも見れたのではなく、信仰によって見えた?
このへんも今後回収されるだろう。


・5章(編)

えー……大崩落が人為的なものなら、上に書いたの台無しじゃないか……ガラガラと音を立てて崩れ落ちる……
都合よく責任を追及して怒りをぶつけられる対象が聖女から執政公へとすり替わっただけじゃないか

話を聞いてティアが泣いてくれたのは良かったけど、もっと数日ふさぎ込んでてもええんやで……?
日が傾いたら心機一転しなくても……

羽つきは今のところ明確な「病気」として扱われている。『プロメア』のバーニッシュみたいにそれが消えてなくなることが、マイノリティの同化/無化になってしまう事態は避けられて……いるのか?

カイムがルキウス卿と面影が似ているとギルバルト卿に指摘された!
えっ、キャラデザの種類が極端に少ないんじゃなくて、どいつもこいつも同じような顔なのは意図的なものなの!?

みやび理事長みたいなロリお嬢様キャラきたな・・・

システィナちゃんとカイムに王女のことを教えなかった自分の責任だと言えて偉い

王女の服えっっっっろ! 何そのピッチリしたノースリーブワンピース型ドレス・・・しかも黒革の手袋……

お約束のラッキー着替えスケベに遭遇しても慌てふためくことなく扉を閉めるカイムほんとかっこいい
この作品が好ましい理由の少なくない部分はこの男主人公に、エロゲ主人公特有の嫌なところがほとんど見当たらないことにある。
強いて言えば、攻略ヒロインの頭をすぐに撫でるのはちょっとやめてほしい

リシアちゃんと謝れる良い子

王城と牢獄の話をお互いに聞かせ合う。これまでの章でもやってきた異文化交流をこんなに前面に押し出してくるのか

ガウの長外套の下も、よく見ると黒い全身タイツみたいなピッチリとした服だな……なんだ、原画家はそういう性癖の人なのか?
強い奴と戦うことだけを望む黒髪ロングの女性……初代剣八だな!!
カイムは11代剣八だった……?

ティアは癒やし(定期)

父親を強く尊敬して指針としているのはフィオネと同じだ
高貴な身分のヒロインに取り入るというストーリーの展開はイレーヌとほぼ同じ
だけど、またかよとネガティヴな気持ちにはならず、各章が互いに響き合って魅力的にしている感があってとても良いと感じてしまうのはなぜだろう
カイム自身が、これまで接してきたヒロインたちとのことを思い出しながら目の前の少女を相手にしているからだろうな。
牢獄の料理を教えるのも聖教会編での知識だし、鞭打ちで身代わりになるのもエリスのときと同じことをしたまでだ。
シナリオとして似たことの繰り返しなのではなく、カイムの行動原理が一貫していることと、過去の経験を活かしていることの証左だと言えるのかな。
恋愛以外のメインシナリオは一本道で通している利点がここにあらわれている。

また頭を撫でた!!!
・・・うーむ、ここまで全ヒロインの頭を撫でまくっていると、さすがにカイムのなかでの「頭を撫でる」という行為の意味を真面目に考えたほうがいい気がしてきた。単にキモいからやめろと文句を言うんじゃなくて。
フィオネの場合は彼女側に「頭を撫でられる」ことに関するエピソードがあった。まさかそこからカイムのなかで頭を撫でるという行為が大切なものになったわけでもあるまい。

リシアの前でヴァリアスの言い分を擁護するのには、イレーヌの前でナダルの言い分を擁護していたのを思い出す。
カイムは敵っぽいキャラの言うことでもしっかり冷静に聞いた上で判断するから流石だ。こういうところが信頼できるというか、主人公として好きなんだよなぁ

『王は全ての国民の父である』
父=保護者にして優しく気にかけてくれる存在、というイデオロギー

二人目の妹だ

最初の2人……フィオネとエリスは比較的大人で、後半の章ではコレット&ラヴィリア、それにリシアと、どんどん幼くなっている
大人同士の関係が好きだから2,3章が特に好きだなぁ

ここで選択肢〜!? ちょっと早くない?
>髪を拭いてやる
こっちを選んでおかないと、後の√分岐の本命選択肢が出ないかもしれないと学んだ

カビのパラディ島体験ツアーみたいな感じ
リシアもめちゃくちゃ良い子なんだよな……「こいつは無知だが聡明だ」というカイムの言はまさにその通り

リシアはカイムの言うことを全て鵜呑みにしてもいけないだろう。それでは執政公の言うことを全て鵜呑みにするのと何も変わらない
しかし、それをカイムが指摘することはできない(できても彼がするはずはない)

フィオネやイレーヌは、カイムが牢獄マウントで教え諭そうとしても、彼女たちなりの矜持/信仰があると逆にカイムが教えられた面もあった。(1章のティアも)
今のところリシアには、カイムが一方的に「正しい」「現実」を見せつけて説教している。これまでの章を考えれば、おそらくこれからリシア側の矜持がカイムに迫ることになるのだろうが……最後までそうならなかったらちょっとキツい
(ちなみに3章のエリスは、教え諭したくないのに向こうから下手に回ってきて、それを拒む振る舞いまで含めて全てがエゴに基づくマウントだったことを糾弾されるという、何段階も "上" のシナリオだった。)

ティアが示唆的な夢を見る(それをカイムは信じていいのか悩む)というのも、前章のイレーヌの変奏だ

わからないところが山程あるのに質問できないまま授業が進んでいくときの心境じゃん

牢獄での虐待児童をリシアが目の当たりして叫んだ「子は宝」を、こうしてギルバルト卿が皮肉として反復するの上手いなぁ
進撃の巨人のような台詞の反復の上手さがある

ヴァリアスいいやつやん!カイムとの関係いいな
敵陣営にいるけど筋が通っていて憎めない武人、『キリンの国』の雲龍を連想する

ガウ思ったよりさらにやべぇやつだ・・・
自分の女の肉体をも利用する発想があるのも意外だ

嘘即バレで草

>リシアに申し訳なく思った

え、もしかしてルキウスまさか兄アイム・アストレア?? カイムと顔が似てるって言ってたし

碇ゲンドウやないかい!!!

カイムのことが男主人公として好感が持てる大きな理由の1つに「CVがいい」というのはあるかもしれない。
CV無し主人公が多いなかで声がついているだけでも好感が持てるが、カイムの声はすごく大人びていて格好がいい。それがカイムの言動とも合っている。
彼がこれまで牢獄で苦労して生きてきたというリアリティが声によって担保されている面は大きい。

11/2

メルトも崖に引っかかってたりしないかな……
茶番だろうがご都合主義だろうがそっちのほうがずっと嬉しい

リシアは牢獄で親に腕を折られた子を目の当たりにしたが、牢獄民だけでなく、貴族のルキウスも同じような目にあっていたと。

前章で聖女という大役を辞めて一般人になるヒロインの話をやっておいて、リシアは王女に生まれてしまったから優しいままではいけない、というのか。

すげぇわかり易く「ヒロインと結ばれることは、彼女の自律性を損ねることだ」という思想があらわれた選択肢だ

>リシアの願いを受け入れることはできない
経験上、先にtrue√をやったほうがいいと学んだ

コレットのときと違って、リシアを立派な王女にさせたいのは、聖女が実質的な国を変える力を何も持っていなかったのに対して、国王なら変えられる力を持っているから、という至極合理的な理由か。しかし、リシアは王女になってこそ輝く人間だ、的なカイムの思いはその合理とは離れた位置にある。

「俺の言葉も疑え」という言葉にしたがってカイムの言葉を疑うのは、結局疑えていないのか……というよくあるジレンマ

「頼りにできるのは、お前自身の目だけだ」
盲目のヒロインの次の章でこの台詞を持ってくることの意味合いについて

亭主関白すぎて気持ち悪いな・・・・・・ヴァリアスの妻

なるほど、ガウはもうひとりの(殺しに人生の意味を見出した)カイムなんだな。
娼婦経験があるから、やけに自身の肉体をも利用しようとするのか

1人の愛する女のために世界を犠牲にすることなんて、エロゲ主人公はよくやってることだしなぁ

ん? 結局、都市を浮かせている現役の天使はクルーヴィスってこと? でも彼女はあくまで人体実験用では?
彼女が被験者になる以前から都市は浮いていたのだし。
でも、クルーヴィスの蘇生実験が失敗したことで大崩落が起きたってことは、彼女が都市を浮かせていたということ?
よくわからん

システィナ、こんなにも緊張感のない裏切り展開はないと思う

最後になってヴァリ×ガウが一気に株を上げたな

国民に所有されるのが王である。
これを、もう片方の選択肢では男主人公に所有されるであろうエロゲの攻略ヒロインが発言する、というのはなかなかに面白いかもしれない。
どちらにせよ誰かから物扱いされるしかない人生
それを娼婦に例えるのも、娼婦を扱ってきたこの物語ならではの滋味がある

え、31代聖女さんカワイソス……

なるほど〜〜リシアが覚悟を持って王になったとき初めて、王の誰にも見せなかった優しさが彼女=次代の王=愛する我が子にだけ伝わると。
いいお涙頂戴プロットじゃないか!

というか、いい加減牢獄民を下層や上層に非難させたほうがいいんじゃないのか?

あぁそうか、リシアとルキウス──2人の血の繋がっていない子と親の関係を対比させているのか
片やずっと会うことすら叶わず、片や常に家に潜み鈴で呼ばれたら向かって虐待に甘んじなければならず。
父との最期まで対照的だ。
最後になって和解をし、<父>を継ぐことを誓ったリシア。
アイムではなくルキウスとして生きていくために自らの手で父と決別をしたルキウス。
そして、リシアの元にはカイムも誰もおらず、一人で「すべての国民の父」としてやっていかなくてはならないリシアと、父と別れるために手を握って共犯となってくれたシスティナとの2人で生きていくことになるルキウス、という構図もまた対照的。

え、マジで天使が拘束されてるのか。なぜ見せないんだ
現段階だと天使ってのが具体的にどんな存在か何もわからないからなぁ……伝説上の存在じゃなくて実在するんだ
ほんとに天や神のもとからやって来たの? 神を世界観に(単なる信仰の対象ではなく)実際的に組み込むのはファンタジー作品といえどもかなり面倒だと思うんだけど。

ルキウスこれは確実にあの夜システィナとしっぽり決めましたね……
まさかおまけとかにあったりするんだろうか →章おわりに確認してみたらマジであって草 流石だぜ

牢獄が恋しい……いつ落ちるかわからないけど……メルト……ヴィノレタ……

リシア編trueルートおわり!

結局、リシアとカイムの関係は、最後までカイムがリシアに上から教える構図のままだったなー……
これまでの章で、異文化交流と称して(はいないけど)カイム側が逆に学ばされる展開はさんざんやってきたから、ここで敢えてストレートにいった、ということか?
リシアは、カイムとの関係だけでなく、父親との関係や、ヴァリアスとの関係、執政公との関係など、向かい合わなければいけないものがたくさんあって大変とっちらかっていた印象も受ける。コレットとラヴィリアのダブルヒロイン制だった前章よりも更に登場人物が多かった気がする。

まだ恋愛ルートをやっていないので、そっちを読んでからまた考えよう。

・おまけ(ルキウス&システィナ)
あ、さすがに父親を殺めたその日ではないのね。そりゃそうか。

主人公以外のキャラ同士のHシーンが、こうしておまけとはいえ存在しているエロゲはなかなか珍しいんじゃないか?
そうでもないのかな。

・・・・・・えっ!?!?!? ない!?!?!? これだけ!?!?!?
マジかよ・・・・・・・期待してしまったのに・・・・・・・
そんなに主人公以外の男性キャラのシーンは忌避されるものなのか?
ルキウスは兄弟だし血族主義的にみればほぼ主人公といってもいいようなものなのになぁ

・リシア√に戻る

>弱さも含めて受け入れてやる
カイムの心情がtrueとは異なり「俺はこいつのことが好きだ」ということになるが、言動は一切変わらない。
つまり、ギルバルトを倒してリシアが戴冠するまではまったく同じで、その後の食事会で国王補佐の貴族になってくれという依頼を受けてから恋愛展開になるのだろうな。

えっ、カイムもヴァリアスとともにガウと戦うのか。ヴァリアス生存ルートってことね。代わりにカイムはギルバルトと天使の真実を知ることが出来ないと。

あ、そもそもギルバルトが逃げた先が塔じゃなくて普通に城内なのか。

trueではガウとカイムの因縁に決着がつかないまま終わってしまってやや残念だったので、ifルートとはいえここでちゃんとやってくれるのは良い
理不尽に意味を求めたがる者に対して、カイムが「意味の無さをそのまま受け入れろ」と諭す、1章からおなじみの論理

人生の無意味さに絶望する、というのは余暇を持て余した現代人でもよくあることだが、カイムやガウは余暇を持て余すどころか殺し屋として泥水を啜りながら生き永らえるなかで行き着いたものであって、我々と同じと言ってしまうのはあまりにも酷い。

カイムが内偵機関って、それじゃまるきりカイムの言葉を鵜呑みにしているじゃないか。まぁそれがこの恋愛ifルートなのだから筋は通っているのだけど。

「私は女だ。全ての国民の父にはなれない。ならば私は、全ての国民の母になる。人の母にならねば、その、国民の母にもなれないだろう。だがまずは、……こほん、女にだな、なってみたい」
ファーwww 流石に草
ただ、恋愛ifルートでの展開は全てifなのだから、敢えて色々とキツい内容にすることでtrueの価値/正当性を高めているのだと都合よく解釈できるので、まぁいいか。
しかし、trueより恋愛ルートのほうが納得できた唯一の章として、エリス編はかなり異端だったと振り返って思う。エリスだけは「所有」するほうがむしろ彼女との関係にとっては正しい道であるように思える。所有することの暴力性を抱えながら生きていくことがカイムにとれるもっとも誠実な道だと思う。エリス編のtrueは正直肩透かしにもほどがある。

あのノースリーブの正装のままHしてほしかったな(小声)
ロングブーツ?履いたままなのはエロいけど。手袋装備もコレットからの流れで良い

このライターさんのHシーン、膣内射精後の「締め付けて更に搾り取ろうとする→引き抜いたら精液が太腿に垂れる」って描写を毎回律儀にやるのが特徴的

絶対にブーツと手袋は脱がないんだな

ここでルキウスと再び兄弟になったということは、trueではそうならないということかな。

リシア√おわり!!!
ギルバルト卿が死の間際に塔で変な装置を作動させなかったから、国の寿命が僅かにならなかったのか。

・二人の育児計画 おわり
この最後の2つはHシーンがないんだな

・1章(未読分岐)
最終章の前にいちど1章の読んでいなかった選択肢を埋めておく(ギャラリーでティアの未開放CGが最初の方にあったので)

>機嫌を取らない

>別の方法も考える

>やはり、ティアには騙されたのかもしれない

特に新規CGやENDなどはなかった


・最終章(ティア編2)

えっ、新規オープニング!?挿入歌!?びっくりした〜〜

今度の聖女さんは救出しないのね。そりゃそうか。カイムは正義のヒーローでもなんでもないし

「罪を背負わされて無垢な少女が処刑され、大多数の人間が救われる」
男性オタクコンテンツのレイプ・ファンタジー的なメタ読みは下品だけどしちゃう

あ、ルキウスにはコレットとラヴィのこと隠してたのか

羽めちゃデカくなっとる〜〜
普通に考えれば、最終的にティアが次の天使として都市を浮かせるための生贄になる流れになりそうだが、そこでカイムがなんとかティアを救って終わるのか、普通に生贄にするのか。

え、風の影響を受けなかったり井戸水が枯れなかったりもしてるんだ。それは奇蹟だ
要するに「空に浮いている都市」を成り立たせるために必要なことは基本的にすべて天使のおかげという設定か

なるほど。浮いている原理がわからないのはこわいから「聖女」という人為を仮構したと。

"どうして、俺の周りには、他人の物になりたい奴が多いのだろう。"
それは君がエロゲ主人公だからだよ

「その、特別被災地区という呼び名はやめてくれないか」
「牢獄の人間は、別に特別扱いされたかったわけじゃない」
「関所を作り、あの土地と人間を特別にしたのは国だろう?」

「被災地」を「被災地」にしたのは国(あるいはマスコミ?)である、みたいな問題
「わかった、お前の前では牢獄と呼ぼう」というルキウスの落とし所が大人だなぁと思う
「牢獄」という名称もまた色々と厄介な気はするが……

にしても、意外とこの「都市」=「国」は小さいというか狭いことにだんだん気付いてきた。
カイムが上層・下層・牢獄を割と簡単に行き来しているからそう思えるだけかもしれないが、上層から牢獄まで日帰りで見物しに行けるくらいの地理スケール
空に浮かぶ土地という非常に特殊な閉鎖環境だから仕方がないが。

ティアを生贄にするか否かが主題となるかと思いきや、そっち方面よりも、カイム自身のアイデンティティと現在の立場のほうに主眼がいっている。
つまり、牢獄民としてのアイデンティティを持ちながらも、今は上層で国のトップ達と仕事をし、牢獄のことだけを考えるわけにはいかなくなってしまったカイムの<引き裂かれ>に焦点が当たりそう。
これは田舎から上京した人の引き裂かれとか、貧民から有力者へと駆け上がった者の引き裂かれとかと同じ、かなり普遍的な問題だろうと思う
「異邦人」というか、「旅人」(観光客?)のアイデンティティ

前から言うように、ジークはカイムの親友ポジではなく、ちゃんと彼と袂を分かつ覚悟までしているところに好感が持てる。仲良しごっこではない大人の関係

ああそうか、ジーク(牢獄)とルキウス(上層)の2人の「兄」的存在で対比をしているのか。
より古くから知っていて血の繋がっているのはルキウスだが、現在のカイムのアイデンティティの根っこにあるのはジークたちの牢獄である、というねじれがある。
実兄弟と穴兄弟……(台無し

いくら治安が悪くなるからって、下層への牢獄民の受け入れを至急進めないのはちょっと信じられないな……
難民受け入れ問題よなぁ……

最終章がいちばん政治的な話になってきてるの、信頼できるな……
前半で引っ張っといて終盤で政治の話を丸投げして美少女恋愛モノに着地したどこかの車輪の国とは大違いだ

>正直に答える

1人の無垢な少女に世界の命運がかかっているという設定はまんまよくあるセカイ系?なんだけど、男性主人公に彼女をどうこうする力があるのではなく、国の政治体制のなかで彼女をどう扱うべきかが議論され、そこに1人の有力者として主人公も存在している点はセカイ系っぽくない。(つまり、「社会」がしっかり存在し、主人公も社会の構成員の1人として振る舞っている)

いつ崩落するか分からないのに、最後の切り札であるティアを牢獄に行かせるのはどうなんだ
でも、ティアが瓦礫を胸に抱いて祈るCGで、彼女の涙で、少なくとも私の心は救われた。ありがとう

コレット、聖女を辞めても天使の夢を見れるんだ。どういう能力? 聖女関係なしのコレット固有の力なのか。本人が言うように信仰の力なのか?
もう危ないから知り合いだけでもみんな下層か上層に避難してほしいが……それが叶わないのが、ここで描かれている社会の理不尽さなのだろう
しかし、コレットは相変わらず性格が良いとは簡単にいえない面倒なところが良い。コレットの喋り方を聞くと安心する
ラヴィとも仲は良いんだけど表面上はややギスギスしている関係がすき

「まあ、女はいることにはいたが、色っぽい話はないぞ」
「コレットもラヴィリアも、リシアもないぞ」
「順番に聞いていくつもりか」

<順番>って言っちゃっててワロタ。身も蓋もねぇ!!!

やっぱりティアの明後日の方向を向いている立ち絵のたくあんみたいな形の口すき(すき)

この空中浮遊都市がパラディ島なら、「雲の下の下界は混沌に覆い尽くされている」という<神話>は不正確で、普通に人間たちが発展的な文明を築いているのだろうけれど、流石に今からそう世界観を広げると最低2倍のシナリオボリュームが必要になってしまう。

"俺は明るい夢を語り、ティアは素朴な幸福を望む。図らずも、娼館で幾度となく見聞きした男女の姿だった。(中略)待ち受ける悲劇から目を逸らそうとする、そんなやり取りは滑稽でもあったが、どこか儚い輝きを持っていた。"
これなんだよなぁ。本作の主人公たるカイムは娼館関係者という生い立ちから、このように、自分たちが(エロゲとしても)ありきたりな男女の悲劇を演じていることを客観視することができてしまう。そうしたメタな悲劇性をそれでも肯定しようとする切なさがある。
ここはカイムの本質であり、「大人」と「社会」を描いたエロゲであるこの作品の本質だという気がする。

「歴史の中で、天使についての情報は多くが失われている」
歴史の喪失……あやしすぎる
神話だと500年前から浮いてるのね

まーた記憶喪失系ヒロインですか……そういやエリスでもそんな感じのことやったな

「ノーヴァス・アイテルで、人身売買は認められていない」
うわ〜〜〜www ド正論パンチだ……
最初から娼館と共存する牢獄の生活を克明に描いてきて、ここで国の政治のトップの貴族にこうして正論で切り捨てられる展開、うまいな……

んーー……なんだか普通によくある「ヒロインか世界か」に全力疾走しているぞ……
ティア側からすれば「カイムの命か、カイムとの思い出(を覚えている自分)か」というところか。
ノベルゲームでは両方の道筋を用意できるし、主人公だけじゃなくてヒロイン視点でも物語ることができる

"正解を選ぶことは簡単だ。だが、それこそが罠といえる。"
"カイムはいつ気づくのだろうか。選択するという崇高さに。"

"こいつは、俺がいないと死んでしまう。そう思うことで、俺は自分に意味を見つけようとしていたのだろう。"
親が子供をつくる理由と同じですね

鴉が象徴的な意味以上に何か関係しているのか?

「『出来る』『出来ない』の話は結論が出しやすいが、『する』『しない』の話は違う」
「選択によって人が表現されるということだ」

いかにもこの後の展開の伏線ですよ〜感を隠さない台詞だ……普通に選択肢があるのか、それとも敢えて選択肢はないのだろうか

これまで振った女に順番に励まされる、クライマックス前にありがちな展開
エリスの「カイムのお陰。あの時、突き放してくれたから」という台詞は到底受け入れられない……なんであれで良かったんだ。やってること何も変わっていなかったのに。

天使様のCV、めちゃくちゃ聞き覚えがあるんだけど何だっけ。この作品内か?

共同体の"王"に、「いま必死に万事解決の策を進めているからあと少しだけ武装蜂起は我慢してほしい」と言わせるのは、3章で風錆と対立したジークのときと同じだ。──そしていま武装蜂起に先陣を切っているのが、そのジークであるという構図

なるほど。これまでの攻略ヒロインたちが二手に分かれて戦争をする構図なのね
リシア・フィオネvsコレット・ラヴィリア
エリスは牢獄にいるけど牢獄にも、そもそも自分の命にもあんまり興味なさそうだしやっぱり本作全体をみてもかなり異端の存在だよな〜

これすごいな。フツーに見事としか言いようがない展開だ
聖女を替え玉で救って牢獄に住まわせていたのはこのためだったのか〜〜〜
コレットの強固な天使信仰も、ジークの牢獄の王としての矜持も、リシアの国の王としての矜持も、ティアの黒い粘液浄化の光も、上層・下層/牢獄という階層構造も、完璧に噛み合っている

最終章に入って、結局ありふれた「ヒロインか世界か」逡巡モノかよ〜と落胆していたが、やはりしっかり社会闘争(革命)を描いてくれた。うれしい
これまでの章の展開やキャラクター達がこうして収束するのか……めちゃくちゃ綺麗な物語構造だ。ファタモルは見習ってほしい

「お前が全国民を我が子と思っていても、あいつらはお前を親だとは思っていない」
それはそう。ここにきてシリアの「王」信仰の脆弱性/暴力性まで看破されてとてもスッキリしている

コレットの<夢>で見える情報の限定性も絶妙だ。
彼女は国が天使を酷く扱っていることは見えるが、天使を救えば都市が落ちることは知らない。
それを知ってなお天使信仰を貫いて都市ごと落ちるのかはわからないが、少なくとも現段階で彼女の知り得る情報では、こうした行動を取るのは非常に筋が通っている。

戦争の真っ只中にするセックスは気持ちええなぁ!!!

死ぬ直前の女を抱くpart2

羽が邪魔でベッドに寝かせられない→騎乗位 なるほど?

当たり前といえば当たり前だが、trueで肉体関係を持つティアのみか。

ティアのおまけが3つあるので、残り3枠すべておまけということ。つまり、本編ではもうシーンは無いってことか!
マジでこの1回だけなのね。色々終わったあとのエピローグ的なHも無い(それはおまけに回した)と。
これはわりと真面目に完全離別ENDの心の準備もしておいたほうが良さそうだ。

最終章に入ってから、序盤に1回しか選択肢がない
これから最後まで1本道なのか、それとも・・・・・・

11/5

功利主義ガチ勢ことルキウスさん
ギルバルトが露骨なしょぼい悪役だったのも、ラスボスの風格を引き立てるためだったのね
純粋な悪ではなく、自分は正義を実行しているのだと微塵も疑っていない(が、別の正義を信じる他者の存在も知っている)冷静なタイプの人間がいちばんこわい

うわ〜〜〜
なるほど、だから頑なに牢獄民を下層へ避難させなかったのか
人命ではなく社会秩序の次元でモノを考えているルキウス

ギルバルトは<解放>の機能を知っていたのか? 崩落させたのってまだギルバルト卿の頃だよね
あの研究所・柱とは別の所に崩落スイッチがあるのか?

「私は誓ったのだ/自分が殺した人間のためにも、常に正しい判断を……/この都市を、最後まで存続させる道を選ぼうと」
自分が殺してきた人間が、「もっと殺す」行為の正当化に使われるポジティブフィードバック
死んだ仲間のためにも頑張ろう、的な調査兵団の理屈と似てるけど違うか

「だが、選択を放棄するのは気に入らないな」
「お前が何を大事にする人間なのか、私にはわからなかったのだ」
「コロコロと主張を変え、それなりの正論を吐きながら、生きていく」

主義それ自体の妥当性ではなく、主義(に基づく行動)の一貫性をもっとも尊ぶ人間
ルキウス自身がいま採っている功利主義も絶対的に正しいとは思えていないが、「正しいことをする」のではなく「一貫したことをする」(一度始めたことは曲げない)という倫理によって自分をなんとか正当化して大量殺戮に邁進している感じにみえる(それが悪いことだとも思わないけど)
「お前が始めた物語だろ」感ありますね……

で、そんな一貫性至上主義者のルキウスに失望されたのが、選択肢のあるノベルゲームの主人公、「選択を放棄」しているカイムである。
その場しのぎで正論っぽいことを言ってうまく乗り切るってのは、分岐シナリオが存在し、それらの幾つかを既に見てきたプレイヤーからすれば非常に納得できる
ルキウスが言うようにカイムは確かに頭がいいし、機転も利いて柔軟性がある。それは「殺し屋」というバックグラウンドからも補強されている。
「選ばなかったヒロインはどうするんだ」系の分岐メタ批判ではなく、「選択肢がある(=一貫した行動を取らなくても生きていける)」こと自体をメタに陥らずにあくまで物語内で批判している。ここで批判されているのはカイムであってプレイヤーではない。なぜなら、「選択肢が存在する」ことはプレイヤーの責任ではないから。(敢えて追及するなら製作者の責任だろう)

しかも、そんな一貫性の無さ(=柔軟さ)は、カイムの「裕福さ」「余裕さ」の上に成り立っている。牢獄民の中では恵まれており、最近は下層や上層へも自由に行き来できる身分である。だから「選択を放棄」できたのだ、と。死と隣合わせの状況では、誰しも選択するしかない。
これまで章ごとにダイナミックに牢獄→聖教会→王城と場所を移して物語を展開してきたが、そうしたシナリオ構造を採れること自体の優越性を糾弾される展開。これはすごい

「お前には、中身がないのだよ/カイム、お前は……/何のために生まれてきたんだ?」
うわ〜〜〜 このテーマにも繋げてくるのか〜〜 うますぎる

「私は何度も言いかけたよ……/お前は自由なのだ、好きにすればいいではないか」
"聞き覚えが……/いや、何度も言った覚えがある言葉だった。"

うわああああああ
エリス編の最後の消化不足感をここで昇華してくれるのか……?

メタ解釈をしてしまうと、カイムの「中身のなさ」は、彼の顔・姿が画面にほとんど映し出されないという、エロゲ主人公特有の「透明さ」にも紐付けられる。
Hシーンで声が消失するのもそう。

「だが、もうそろそろ理解した方がいい/人とは、選択と行動によって人たり得るということを」

"全身が虚脱感に覆われていた。立つ気力もない。立ったところで、どうしようもない。することが思いつかないのだから。
目立った能力もない。目標もない。そのくせ、自由だけがある。"

「自由」を批判的に扱う感じも進撃を思い出すな〜〜〜

ここで外界を拒否して自分の殻に閉じこもれば碇シンジになれるよカイム!がんばれ!!!

そうか、これまでティアと駆け落ちするのを躊躇わせていた原因である「人々の命/都市の安定」が、ジーク/コレット発の内紛とルキウスの<解放>によって脅かされている状況だから、そもそも「世界か彼女か」という天秤の「世界」が選ぶ前から崩壊し、セカイ系的な二項対立が成り立たなくなっているのか。
ここでティアを救うことを選んだとしても、それは世界を敵に回しても彼女を選んだという愛の証明にはならない。
マジで最高。セカイ系に収束しないで良かった〜〜

戦禍や都市の命運という大きなスケールから唯一自由で、それでも他の者達と同じように、悔いのないように必死に今できることをし、それによって初めて自分を買い戻し、「対等な人間」になった。もう3章の着地の雑さは許すよ・・・・・・・・
エリス・・・・・・・・・・・最高のヒロインだ・・・・・・・・・・・

『あなたが命がけで救った街で、彼はあなたの知らない女を抱くのです』

都市の命運をかけたヒロインの説得の最後の切り札がこれなの、エロゲらしくて良い
「昨日、どうやら交渉を持ったようです」とちゃんと研究員にバレて報告され、それによって覚醒がやや遅くなるという影響が出ているのも、18禁要素がしっかり物語に大きく関わっていて信頼できる

ここで黒羽の最期の言葉がリフレインされるのか〜〜

システィナと関係持ってないんかい!
あーそうか、こいつら互いの養父を殺害しているのか。

コレットはやっぱり天使を解放したら都市が落ちると知ったとしても行動を貫き通すだろうな

「ああそう……/もし平和が来るなら、今度はメルトみたいな料理人でも目指してみようかな」
ヴィノレタでメルトから教わっていたティアじゃなくて料理下手なエリスが…… 特にこだわりがないのがまた良い。そんなエリスがすき
エリスが出てくるたびに泣ける
井戸の底から森の奥の泉か……

リシアほんと成長したなぁ……5章の微妙さをすべて吹き飛ばすほどの成長ぶりが嬉しい
フィオネ×リシアか……なるほど

お〜〜〜
攻略ヒロインたちがそれぞれの矜持を貫いて和解しかけたところに、非-攻略ヒロインであるラスボスの補佐官であるシスティナが全てを決裂させる悪役として登場する。見事な構成
「皆の者、死んでいった者を思い出せっ/国のために戦い、散っていった同輩を思い出せっ」
ナショナリズム・保守主義をこうして悪役側に採らせるのもOK

羽狩りによる黒羽狩り再びか──

この功利主義者、最後の最後まで合理的で信用できるな・・・・・・

ルキウスの剣と、カイムのナイフ。2人の武器もそれぞれの主義の象徴になっている

ルキウスとアイムで剣の利き腕が異なるの激アツでしょ

<解放>と<地鳴り>がほとんど似たようなものに思えてきた
まぁでもエレンのように自分に身近な者のために他の全世界を敵に回しているのはルキウスではなくカイム側だ

"俺が、牢獄をいつでも出られたように。/ルキウスもまた、いつでもルキウスをやめられたはずだ。"

そうか〜〜 <大崩落>で不本意にも負わされた自分の悲惨な境遇とアイデンティティを「いつでもやめられた」点まで2人は共通しているのか。
だから、悲劇の兄弟であると同時にこいつらはどこまでも「貴族」同士の戦いなんだ

うおおおおおおお
アイム本来の利き手の左手で剣を握っているときだけ自分の思想の変遷をカイムに語り、決着をつけるときは再び右手に持ち替えてルキウスとして終わろうという覚悟。めっちゃアツい
ラスボスとの決着としても、風格を落とさないどころかいっそう魅力を増す散り方。
ルキウスにとって「できるだけ多くの人々の命を救う」(功利主義)のがいちばん大切なのではなく、はじめは不本意に負わせられた<ルキウス>という自分を、それでも自分が選んでやったことなのだと最後まで貫くことが何より大事だった。エレンポイント爆上げ必死

「競走」で同じ方向へと向かっていた2人が、再会して肩を並べて歩むようになり、そして最期は向かい合って殺し合う……美しすぎる

ここでカイムの顔が(ほぼ初めて?)ドアップでCGに映るのも激アツなんだよな・・・・・・

死ぬ前のあがきは前執政公ギルバルト卿譲りだ。

天使様のCV、ガウと同じ? 似てるだけ?
やっと既視感がわかった

初代イレーヌ、始祖ユミルみたいなあれ

500年華〜 意外と短いような気も

お〜 立ち絵からのスムーズなCGへの移行 構図をかなり寄せている

コレットは結局初代イレーヌの血を引いていたと。
天使も元は人間だったらしいから、まぁ有り得る話か。

縦の動線・画面構成について
物理的に舞台が↓したあとに↑で空のショットで締めて、さらに↓へと流れていくエンドロールへうつるという、上下の往復運動(パン)

ラヴィリアのCV、桐谷華さんか!! なんかどこかで聞いたことある声だと思ったら…… いや、全然気づかなかった。言われてみれば確かにそうだ。

おわり!!!!!!!!!!!!!!

いや〜〜〜、これは名作でしょう。
最後がダメだという人はどこが気に入らないんだ?ティアが(物理的な人間としては)生きていないことか?それとも、地上を覆っていた黒い液体を簡単に浄化してしまったことか?後者ならまだわかるが、前者はわからない。
文句を言うとすれば、まぁ結局のところ典型的なセカイ系というか、セカイよりヒロインを採ることを男主人公が選択したことで、ヒロインが彼の生きる世界を護ろうと自分を犠牲にして全てを救う展開になったのは、まぁうーん……って感じだが、じゃああのままキスしながらの心中エンドのほうが良かったかと言われれば、すれはすば日々の希美香√でもうたくさんだし、世界すべてを犠牲にすることで2人の純愛を演出しようとする感は好きじゃない。(沙耶の唄的な)
進撃の巨人だって最後は微妙だった(けど大傑作であることは疑いようがない)ことを考えれば、これは十分に満足できる結末ではないか。少なくともわたしは傑作だと思う。

それに、単に世界が救われたのではなく、空に500年間浮かんでいた都市が地上へと落下し、地に足がついた状態で社会を再興することを決意する──という締め方は、そのファンタジー世界観の文字通りの着地点としても、これより他はないと思えるほどに見事な結末ではないか。

社会を描いてきた物語は、いったん「社会」をほぼ0に戻すことで着地した。(物理)
もちろん現実の世界では、社会を「いったん0に戻す」ことなんて核戦争など起こさない限り実質的に不可能だから、本作の「着地」はファンタジーだからこそできる逃げの1手である、として否定的に捉えることはできる。

だが、「ファンタジーだからこそ」な展開に着地したのは、逃げではなく、むしろ現実的なファンタジー作品である本作を最後まで貫いた結果としての必然的な帰結であるようにも思える。
本作のファンタジー要素は「都市が空を飛んでいることくらい」だと序盤で書いた。
最終的に地上へと着地することで、唯一のファンタジー要素までが無くなり、リアリズムへと着地することになった。
つまりこの物語は、ファンタジーのなかでリアリズムを描くことを貫いた結果として最終的に正真正銘のリアリズムへと着地する物語だといえる。

「聖女が都市を浮かせている」なんてファンタジックで馬鹿げていると思った。だが中盤で、実はそれは事実ではなく、民を収めるための「ファンタジー」なのだと明らかになった。プレイヤー(わたし)からすれば「でしょうね」と安心さえできる合理的な事実だったが、主人公たるカイムは、自らが依って立っていた世界観=ファンタジーの虚構性に打ちのめされることになる。
しかし、安心できていたプレイヤー(わたし)も<真相>を知って再び本作のファンタジー性に打ちのめされることになる。
都市は聖女ではなく天使が浮かせているのだと。現実に天使はいない。所詮これはフィクションだ。ファンタジーだ。そうして、本作に強烈なリアリズムを透かし見ていたプレイヤー(わたし)は裏切られたと感じる。
こうして、プレイヤーと主人公の世界認識(ファンタジー/リアリズム)をそれぞれ異なる仕方で撹拌し続けてきた物語は、「地上=現実」へと<着地>することで幕を閉じる。この物語構造によって、プレイヤー(わたし)と主人公(彼)は常に乖離してきた。しかし、最後にはプレイヤーと主人公がともに同じ大地へと降り立ち、両者は合一するのである。
もう、唯一のファンタジー要素すらも存在せず、ひたすらに大地が、草原が続いていく世界。ここから、生きている人間たちで社会を新たに作っていかなくてはならない現実という世界。
彼とわたしのあいだには、ただ、一迅の風が吹き渡るのみである。しかし、そんな<彼女>の微笑みさえ、彼の人生の一部をともに見てきたわたしには見ることができる。彼が想像するしかない<彼女>の笑顔を、「実際に」見ることができる──これが、彼とわたしの唯一の違いであり、リアリズムとファンタジーの、フィクションとリアルの差異である。わたしがいるほうがファンタジーで、彼はこれから現実に生きていく。わたしたちはもう、共には歩めない。そうしたすべてを包み込むように、風は草原に吹き抜ける。






『ホワルバ2』『こんにゃく』『クロスチャンネル』などの他の有名作の感想メモはこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?