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置き忘れた傘

久しぶりに手をつないだ。

雨が降っていたから、君はお気に入りの長靴を履いていた。

水たまりをわざと踏んで歩いている君はなんだかうれしそうで。

デートかどうかはわからなかったけど

今日は、きっとデートのつもりなんだと思う。

不器用な君はわたしに話しかけもしない。

でもそれでいい。

一緒にいられるだけでいい。

小さく小さく鼻歌を歌っていた。

その歌を聞けるだけで、しあわせだなって思った。

君が真っ先に向かった場所はコンビニだった。

近所の、いつもの、コンビニ。

何の用もないのに、よく2人で通った。

私は買うものがなかったから

「外で待っているね。」

と声をかけて外で待つことにした。

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