「売上」
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
売上は、企業がお客様から感謝と共に手にするお金だ。その売上を利用して、また次の商品やサービスを提供する原資にする。だから、売上が重要なことは誰でも知っている。
損益計算書の一番上に計上される、一番大きな数字なので、極めて分かりやすく、誰にでもなじみがあると思う。年商規模なども売上で言われるので、比較対象にも売上を使われる。だが、これらはほぼ間違いだ。売上を追う経営者は三流だと思う。
例えば、売上20億で粗利が5億のA社と、売上1億で粗利が5,000万のB社では、どちらの方が優秀なのでしょうか?
年商は20億対1億と20倍も違う。しかし、A社の粗利率は5億÷20億で25%だ。ところが、B社の粗利率は5,000万÷1億で50%と2倍の効率で稼いでいるのだ。どう考えても、B社の方が良いと考えられる。しかし、それも絶対ではないのだ。
A社が商社のような形態であれば、自社で製造していないのに粗利率25%だったら大変優秀だ。まだまだ伸びるかもしれない。しかし、B社が製造業であったら、自社の製品はあまり高く買ってもらえていない可能性がある。少し忙しくなって、外注費が増えれば、あっという間に利益が減ってしまうだろう。それに、経営安全率を25%固定とすれば、A社は粗利率25%×経営安全率25%=営業利益率で6%あれば十分だが、B社は粗利率50%×経営安全率25%=営業利益率で13%なければならない。固定費が多ければ、もしかすると、A社よりもB社の方が赤字の可能性も出てくるのだ。要は、売上だけでは優良企業か否かなど見えてはこないということです。
また、売上を追うと、従業員達は平気で安売りを始めます。当然です。売れれば売上になるのですから、安く売ってでも、売った実績をつくることが目的化してしまいます。売上は増えても、粗利が減って、最終的に赤字になる可能性が高くなります。それは、経営者が売上を追うからです。ですから、売上を追う経営者は、三流なのです。
ただし、値引きに関する取り決めも含め、値決めをきちんとしたうえで、売上目標を持つことは大事です。必要な利益を確保し、逆算して必要売上を来年の目標にすることは、問題ありません。売上も使いようなのです。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
シンジ