「出張ドタバタ記③」
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
アメリカに一人で1ヵ月出張した時の事だ。期間も長いので、ホテルというわけにはいかない。コンドミニアムというところを借りて、自炊をした。当然、スーパーなどに行かなければならないので、レンタカーを借りた。
デトロイトの空港について、レンタカー会社のシャトルバス乗り場へ行った。私は事前にエンタープライズという会社の予約をしており、そのシャトルバスを待った。たまたま私一人だった。英語がまともに話せず、一人でレンタカーを借りるのはかなり緊張する。シャトルバスの運転手にもチップが必要だ。いくら出すのかもよくわからない。ただ、以前に同じエンタープライズで借りており、その時はアメリカ人と通訳の日本人と一緒だったので、その時の記憶を頼りに行うしかなかった。
シャトルバスで5分ほど空港から離れると、かなり広い敷地にエンタープライズの事務所がある。シャトルバスもそうだが、レンタカーの事務所は異なるレンタカー会社と接しており、とてつもなく広い範囲に車が並べられている。こんな台数使われるのか?と思えてしまうが、実際に使用しているのだから、日本との規模の差を感じる。
日本の自動車販売台数は約500万台だ。2020年からコロナの影響で450万台に落ちている。対するアメリカは1,500万台と3倍だ。それにしても、そのレンタカーの多さはどう見ても、日本の30倍位に感じた。とにかく広い。でかい。多いのだ。
エンタープライズの事務所へ入り、予約していることを告げると、事務員に免許証を見せるように言われた。国際免許証は事前に取得していたので、手続きはスムーズだった。まあ、英語で何か言われたが、正直聞き取れなかったので笑ってOKと言った。いい加減である。
車はフォードのフュージョンという車種だった。小型の大衆車だ。とても普及しており、多く走っている。日本でいうカローラのような存在だ。
車の点検をしてスーツケースを乗せ、書類にサインをした。この流れは、言葉がわからなくても日本と同じだ。結構適当に行った。カーナビのことをGPSと呼ぶので、GPSを日本語モードにしてくれるよう頼んだ。担当の人は手際よく設定を変更してくれた。いよいよ出発だ!私が行く予定のコンドミニアムの住所をセットし、車に乗り込む。当然、左ハンドルだ。実は左ハンドルを運転するのは初めてだ。何だか色々おかしな気分だ。
ルームミラーを合わせても、後ろの景色がよく見えない。左右逆になるだけでこんなにも見にくいものなのか?私はウインカーを出して車をスタートさせた。つもりだったが、晴れた日なのにワイパーが動いてしまった。ウインカーとワイパーも左右逆なのだ!これには笑いながらも、何十回となく間違えることとなった。
道路はレンタカー会社の敷地は1車線だ。そこから大通りに出ると、当然2車線になる。当然アメリカは右側通行だ。車が少なかったおかげで、何とか合流を上手くクリアして、そのまま公道を進むとT字路に来た。そこは信号がなく、私はGPSの示す通り左折をした。
日本の感覚では、左折は歩行者がいなければ簡単だ。アメリカの道路は基本歩道がない。車だけを気にすればいいので、運転は簡単なはずだ。ちょうど車がいなく、私一人だったので、なおさらだ。だが、私は普通の日本の感覚で左折をして、そのまま左車線へ行ってしまった。要するに反対車線、逆走になってしまったのだ。その私の前方数100mに対向車が走ってきた。当然正面衝突コースだ。私は自分の間違えに気づくのが遅く、しばらくボーっとしてしまった。けたたましいクラクションの音で我に返り、慌てて右車線へ移動した。ものすごいスピードで私の横を、クラクションを鳴らしながら車が通過する。これにはさすがに肝を冷やした。
その後、上手くハイウェイ(高速道路)に乗って進むことが出来た。フォードのあるディアボーン、GMのあるデトロイト市街地を横目に1時間北上、無事ファーミントンヒルズに到着した。そこから東に1時間走るとクライスラーにも行けるという良い拠点だ。そこに協力メーカーの事務所があり、そこをオフィスとして借りることになっていたのだ。
コンドミニアムでは、キッチンと調理器具、食器が置いてある。コインランドリーもあって、ある程度のものはそろっている。しかし、調味料や油などの消耗品は当然ない。食器を洗うスポンジはあったが、洗剤がないなど部分的だ。その他の物は食料と一緒にスーパーで買わなければならない。だいたいの事情が分かっていた私は、日本から洗剤とスポンジ、油としょうゆ、塩コショウ、砂糖、ダシの素は持ってきていた。それと米だ。
私は早速スーパーの場所をネットで調べ、GPSに登録した。有名なウォルマートや名前が読めないスーパーとマイヤーというスーパーがあったが、個人的にはマイヤーが気に入った。商品が探しやすいし、ウイスキーが置いてある。アメリカだと、大型スーパー以外は、ビールしか置いていないとか、酒は置いていないなど、意外とウイスキーは探し回らなければならない方だった。
最近は日本も酒を買うのに、20歳以上であることを、ボタンを押して承認しているが、当時はそんな習慣もなく驚いたのだが、アメリカでは酒を注文しても、スーパーで買うにもIDがなければ買うことが出来ない。旅行者ならパスポートで構わない。だから、私はパスポートを常に携帯していた。このオッサンを見て成人していないと思うのだろうか?結構面倒である。だが、日本のボタンを押す方法は、簡単ではあるが、意味のあることには思えない。どっちもどっちだろう。
マイヤーはとても大きなスーパーだった。駐車場がとてつもなく大きい。東京ドーム位あるのでは?という大きさだ。なるべく店に近いところに駐車したいが、混んでいると車を駐車してから、結構歩くことになる。買い物カートを置く場所もところどころあるのがうなずける。
私は肉や野菜と水を購入し、ウイスキーも含め初日は大量に買い物をした。スーパーのレジでは、長蛇の列に全く動じることなく、座ったままレジ打ちをしている女性がつまらなそうに仕事をしている。どれだけ人が並んでも、時給は変わらないのだから急ぐ必要もないということだ。おもてなしどころじゃない。やれやれだ。
英語もままならず、運転も右側通行にあくせくし、慣れない買い物に疲弊し、これからコンドミニアムで料理をしなければならない身の上だ。早く帰ろうと思って外へ出て焦った!日が落ちかけている!薄暗がりで車の位置が特定できなくなった!大体の場所しか覚えていなかったのもうかつだった。なにしろ駐車場はとてつもなく広い。
私は買った重い荷物を抱えて、車のキーのセンサーを何度も押しながら、開錠に反応する車がないか?30分も迷子でさまよってしまった。車種もフォードのフュージョンだ。形など覚えていない。しかも色はグレーで夜の闇に溶け込んでしまった。非常に疲れた。ようやく探し当て帰途につき、夕食を作って落ち着いたら21時だった。
明日は6時前に起きて、家内にメールしようと思った。そうすれば日本は20時頃だからちょうど良いだろう。家内の夢でも見らればと思って寝ました。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
シンジ