「脱下請」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。第1,109回です。

 下請業者は、大会社に値段と納期を叩かれ、虫の息で生きている。そこに、政府による賃上げなどと言われても、既に労働分配率は多くの会社で70%を超えている状況だ。大企業が40%なのに比べれば、もう限界に来ていることが分る。それでも、人手不足のため、賃金を上げないと人手は確保できない。
 大企業は一般客向けに値段を勝手に上げて、過去最高益などと言っているけれど、下請業者への価格は変更してくれない。そのため、燃料費や原材料費が上がった分を中小企業は価格転嫁できずにいる。益々利益がなくなり、赤字になる企業が増えている。
 こんな現状はとてもじゃないけれど続かない。そうは思うけれど、顧客に物申すことも出来ずに仕方なく経営を続けている中小企業が多いと思う。そんな経営者に申したい。いまこそ「脱下請」をすべき時だと。こう言うと、「そんな簡単に自社製品など持てないよ!」「いまからメーカーになるのは無理だ!」そう言われる方が多いと思う。

 「脱下請」は、何もメーカーになれなどと言ってはいない。考え方を「脱下請」せよと言っているのだ。
 まず見直すべきは、顧客のシェアだ。一部の顧客に売上を依存していないだろうか?まずは過去3年の売上シェアを出すべきだ。そこで、1社の売上依存率を20%以下にしなければならない。その顧客からの仕事がなくなったら売上が20%減るということだ。20%でも多過ぎるくらいだ。理想は10%を目指すべきだが、きっと現在20%を超えている顧客が多いのではないだろうか?
 売上依存度が高い顧客だからこそ、物申せないのだ。まずは顧客の仕事を「これじゃ安くて出来ませんね!」と断る勇気を持ちましょう。「他が安くやるって!それならそこに出してください!」このくらい言えるツッパリが必要です。そう言うには、新規顧客の獲得が欠かせません。顧客を増やして、自社内で選ぶ自由を得ることが、まずは「脱下請」の第一歩になります。

 次に、いままでの下請仕事の提供方法を見直すのです。商品1個を製造すると何円。というものを製造していたのであれば、その商品とセットになる商品とセットして何円と、付加価値をアップして値段に転嫁してセット納品するのです。
 もしくは、数量でサービスを提供していた場合、そのサービス方法を時給でお客様に教えるビジネスモデルに変更するなども良い方法です。数量ビジネスは、中小企業の従業員を疲弊させ、低賃金化と人手不足の矛盾をはらんでしまいます。ビジネスモデルの転換は必須ですね。
 他にも、数量ビジネスを転換するには、納期をお金に変更する方法もあります。特急対応は価格を2倍にするなど、短納期を価格にする方法は必須です。
 数量ビジネスは、1個の価格を上げる交渉はあまり上手く行かないと思います。数量以外の提供方法に変える必要があります。
 政府が最低賃金を上げるのをパートの時給が上がると嘆くのではなく、逆手にとって、時間給に変換してもらうのも一つの方法です。そうすれば、最低賃金と一緒に、顧客に単価アップの交渉を迫れます。
 商品やサービスの提供方法を顧客の指示通りに行うのではなく、自社の提案に顧客を染めるのです。このような「脱下請」方法が、利益率を上げるコツです。
 最後に、自社の強みを生かした商品や特許などの開発を考えることも出来ます。ただ、これは極めてハードルが高いので、必ずしも出来るわけではありません。

 自社の「脱下請」は、経営を続けて、社員と社長が心豊かに生きて行くためには、必須の条件です。まずは心のマインドから、「脱下請」を果たしましょう。うーん、今日の内容は有料にしたい内容ですよ!無料で読めた方はラッキーです!

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

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シンジ

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