「交渉術」
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
ビジネスをしていると、みなさんも数々の場面で交渉が必要になるかと思います。「立場が弱く、交渉にもならないよ!」ということもあるでしょう。「お客様に対して交渉するなんて、おこがましいよ!」という方もいると思います。しかし、交渉をすることは決して悪いことではありません。むしろ、お互いの納得を得るためにも、必要なことだと思います。交渉をするのには勇気も必要です。「お客様に嫌われないか?」「面倒な相手と思われないか?」それも分かりますが、交渉を怠ると相手のペースにはまり、自社の利益を損ねて、会社存続が危うくなることも事実ですよね。
ある弁護士が書いていた交渉術について、簡単にまとめてみます。みなさんの今後の交渉術に役立てて頂ければ幸いです。でも、責任は自分にあることを忘れないでください。
1. 時間を投資と考え、交渉相手には自社に来させるようにしましょう。行かなければならないような状況に追い込まれないように注意しましょう。下手に出て頭を下げただけで、相手が来てくれるなら、何度でも頭を下げましょう。メールだけでの交渉は避けましょう。相手の感情が読めないからです。メールを利用する場合は、最低でも必ず電話をして、こちらの言い分を伝え、相手の言い分を聞くようにしましょう。
2. 少し図々しいくらいの価格設定から始めましょう。交渉は必ず歩み寄りが必要です。最初から「これ以上は下げられない!」と頑なになると、交渉はすぐに決裂します。決裂した場合は、交渉を拒否した側が不利になることが多い。逆に、こちらから先に譲歩をすることで、交渉の主導権を握れるようになります。例えば、歩み寄る金額の幅を設定するなど。
3. 交渉は「勝ち負け」を決めるものではありません。相手を説き伏せようとしても、理論的に追い込もうとしても、相手は自己防衛のために頑なになって、感情的に一歩も歩み寄ろうとしません。相手の立場をおもんばかり、敵ではないことを知ってもらわなければ、交渉にはなりません。和解に持っていくのが交渉の目的です。裁判ではないということを忘れてはなりません。
4. 交渉前には必ずボトムラインを決めておかなければなりません。しかし、そのボトムラインを知られてはなりませんし、悟らせてもなりません。交渉が不利になったら、理由を付けて交渉を中断するのも良い。後日改めて交渉の再開を行う。相手にどこまでも付け入れられないよう時間を使うことで、仕切り直しを測ることも戦略の一つです。
5. 決定的に不利な状況の時、「自分には決定権がない」と言って交渉から逃げることも一つの手です。逃げることができない立場であれば、不慮の事故を使ってでも一時交渉を中断すべきです。不利な状況に追いこまれている時、正しい判断をすることはまずできません。相手の思うつぼにはまって、望まないサインをしてしまうことは避けましょう。
6. 交渉は逃げ腰になった方が負けます。中断を測る場合にも毅然とした態度で、不利であることをおくびにも出してはなりません。どちらが優勢なのかが分からない場合はなおさらです。「気まずくても我が社の主張を通すことが会社を守ることである」という基本を感情的にならずに貫くことです。
7. 自分に自信のある人は譲歩をしません。プライドが許さない人がいます。ですが、個人の賢さや、個人の偉さを証明するために交渉しているのではありません。交渉の是非に個人の優劣は関係ありません。逆に相手のプライドが高い場合、そのプライドをくすぐるように持ち上げてあげましょう。論点をずらしてかく乱するのも一つの手です。また、年齢や性別は関係ありません。年齢や学歴、性別などで相手を見下した場合、交渉は上手くいきません。
8. 失敗をしても謝るだけではなく、相手の怒りを忘れさせるようなユーモアを忘れないようにしましょう。相手と一緒に笑えた場合は、逆境から蘇ることが可能です。もう一度交渉のテーブルに乗ってくれる可能性もあります。
9. 価格がさっぱりわからない時は、まずは相手からオファーさせる。様子を見てから交渉に入るようにしましょう。自分からオファーすると、相手の予測以上に高い値段になる場合、その時点で交渉にもならない時がある。逆に低すぎた場合は、あなたが損するだけだ。相手からのオファーは「NO」とは言わない。条件を変えるなどして、歩み寄って、自分に有利な条件を付けていくのです。
10. 価格が分からなくても、あなたが呼ばれて特別な知識を講演した場合などは異なる。価格は相手によって変えることも必要だ。相手が大企業であり、あなたの講演に大勢が参加した場合には、人数に比例しても良い。100人集まったのなら、一人1万円として100万円を請求しても、やり過ぎではない。もしくは、日当100万円などという方法でもよい。しかし、中小企業や個人の場合は1桁小さくしなければ払えないだろう。
11. 交渉で「OK」を出すときには必ず条件を付ける。何も条件を言わずに「OK」を出すと相手は不安になる。条件を付けた方が、ギリギリの交渉が出来たと思って、相手も納得するからです。
12. 交渉にウソは厳禁です。「それがもうボトムラインだから」と言っていたのに、その後の交渉でその価格を下回った場合、あなたの交渉は2度と信用されません。信用されないものは交渉の主導権は握れません。
13. 相手に勝った気分にさせて、なおかつ自分も勝つ方法を探って交渉しましょう。感情などコントロールすれば良いのです。相手の指値で仕事をするなら、仕事量を減らして手離れを良くするなど、どちらも得するようにする。案件がいくつもある場合は、一つ目の案件で交渉が上手くいかなかった場合、それを保留にし、他の案件と絡めて交渉することで、最初の案件を譲っても良いなど、相手を喜ばして、他の点で補填することも重要な交渉術です。
14. 交渉を上手く行うことで、実は借りたお金でさえ、返さなくて良くなる場合もあるのです。泥沼になるよりも、減額を飲んでもらえる場合もあります。交渉は行ってみるまでわからないもの。諦めるよりは、強い精神で交渉に臨む方が前向きで建設的です。
いかがでしたでしょうか?具体例は割愛しましたが、思い当たる節などありませんでしょうか?みなさんの今後の活躍に活かしていただければと思います。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
シンジ