「会社の真の実力2021」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 資本主義の世においては、民間企業は何百万社もあり、規模も違うし、人数も違う。業種も違う。それぞれの実力は測れないように思えますよね。ですが、ザックリとした見方でその実力を同じフェアーな土俵で比べることが可能なのです。それは「一人当たりの粗利」を求めることです。これを比較することで、「会社の真の実力」を比較することが出来ます。公開されていない会社は調べられませんので、皆さんのよく知る上場している会社を比較してみようと思います。
 一人当たりの粗利=売上-売上原価=売上総利益(粗利)÷従業員数で求めます。例えば、100億円の売上で70億円の売上原価の会社の粗利は30億円です。従業員が500人だったら、一人当たり600万円の粗利です。
 1億円の売上で4,000万円の売上原価の会社の粗利は6,000万円です。従業員が5人だったら、一人当たり1,200万円の粗利です。規模は1億円でたった5人の会社ですが、100億円で500人の会社の2倍稼いでいる。優良企業と分かりますよね。
 従業員数に( )が入っているのは、アルバイトや期間従業員などの正社員ではない人です。社会保険などがないことから、( )内人数は半数として加算します。ただし、会社によっては正社員数しか標記しないところもあるので、厳密な意味での比較にはならないこと、予めご了承ください。ここで扱う数字は、すべて有価証券報告書に記載の数字を利用していますので、ネットで調べれば、どなたでも確認ができますよ。それでは行ってみましょう!

自動車メーカー7社と商用車メーカー2社と我が社10社の比較です。
KKS(我が社)・・10,802,700円 (6位)
日産・・・・・・・ 9,536,733円 (8位)
トヨタ・・・・・・17,120,838円 (1位)
ホンダ・・・・・・13,718,679円 (3位)
スズキ・・・・・・ 9,575,075円 (7位)
三菱・・・・・・・11.060,421円 (5位)
マツダ・・・・・・14,106,749円 (2位)
スバル・・・・・・12,263,634円 (4位)
日野自動車・・・・ 6,484,921円 (10位)
いすゞ・・・・・・ 8,903,924円 (9位)

 このような指標で見ると、トヨタが1位ですね。2017年まではスバルが1位で2,500万円もありました。無資格検査の後、コロナで順位が結構変わりました。マツダは正社員しか記載していないので、純粋な一人当たりの粗利とはいえません。日産はゴーン事件でがた落ちです。弊社の様な零細企業でも、一人当たりにすれば、一人1,000万円になるので、6位にはなりました。一般的に上場企業は1,500万円。中小企業は1,000万円いけば、収益としては優良な方といえます。次に、他の業種12社を見ていきましょう。

パナソニック・・・・・・・ 8,668,727円 (10位)
日立製作所・・・・・・・・ 6,680,647円 (12位)
ソニー・・・・・・・・・・37,426,162円 (1位)
任天堂・・・・・・・・・・14,843,338円 (5位)
ユニクロ・・・・・・・・・11,322,085円 (9位)
しまむら・・・・・・・・・21,887,006円 (4位)
すきや・・・・・・・・・・ 8,378,905円 (11位)
吉野家・・・・・・・・・・11,721,442円 (8位)
サイバーエージェント・・・30,381,744円 (2位)
DeNA・・・・・・・・・・25,867,791円 (3位)
オムロン・・・・・・・・・11,951,309円 (7位)
テルモ・・・・・・・・・・13,053,686円 (6位)

 見ての通り、ソニーが1位で、サイバーエージェントが2位。DeNAが3位です。ゲーム業界は非常に好調です。5位ですが。任天堂も高い方です。前ページの自動車メーカーを見ればわかるように、製造業はトヨタで1,700万円です。ここにピックアップした企業は超優良企業ばかりなわけです。
 オムロンやテルモの様な医療関係も高いですね。ユニクロ(ファーストリテイリング)が平均的な位置になりますが、数年前より落ちていますね。しまむらは驚きです!まあ社員数がとても少ないところが効いていますね。
 パナソニックや日立製作所の様な、従業員数が数十万人規模で、売上が兆単位の会社も、人数で割ればこのように横並びで比較ができます。日立の粗利の低さは、ちょっとまずいですね。上場企業なら、1,000万円を切ったら、危機感を感じなければなりませんね。経営者であれば。

 ここには書いていませんが、有利子負債(銀行からの借金)÷純資産=ギアリング比率というものがあります。要するに自転車をこぐときのギアを軽くするのか?重くするのか?ということです。自己資本にあたる純資産と同じだけの金額を借金して投資に当てていれば、100%で数字が小さくなれば、ギアは軽くなります。自動車メーカーは多くが40%~90%と借金で事業を回しているのが分かります。借金が少ないのが、同じくゲーム関係です。任天堂は1.4%しか借金がありません。サイバーエージェントも1.2%しかありません。要するに、既存事業で回しているだけで、設備投資などをしていない。ネットサービスをしていると、製造するものなどが少なく、設備投資というより人材への投資だけになるのでしょう。時代の変化が感じられますね。でも、借金がないと、いざという時の信用がないので、危ういのですけれどね。因みにソニーも19%しか借金がない。これもどうかと思う。それよりも驚いたのが、しまむらだ。(お店には入ったことがない)なんと借金が「ゼロ」だった。普通、洋服を仕入れて販売するのなら在庫が売れるまでに、仕入れ業者に支払いをするはず。お金を回すには借金をするはずです。それが一切ない。しかも、売掛金に対して買掛金が10分の1以下です。これは協力メーカーを泣かせている気がします。今度詳しく調査してみようかな?と思った。

 結果はいかがでしたでしょうか?思っている企業イメージと実際が異なっている場合などもあると思います。このように出てきた結果などから、様々な視点で数字を比較して見ることで、色々な疑問点が出てくるはずです。ただ数字を見ていても眠くなりますが、決算書から読み取れる内容から、企業の状況を想像すると、そこに物語が生まれます。そうすると、がぜん興味が出てくるものです。そして繰り返していると、数字に強くなっていくわけです。これを機に、決算書について調べてみるのも良いことかと思います。また来年の8月頃にやれたらと思っています。次回、知りたい企業などのリクエストを頂ければ幸いです。

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

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