「人間性を高める」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 多くの経営者や上司が悩むのは、仕事が出来てパフォーマンスが高いのだけれど、人間性の悪い従業員や部下の処遇だと思う。
 実際、彼や彼女に仕事を任せると、きちんとまとめて良い仕事をしてくれる。しかし、だからといって、自分勝手な言動を許してしまうと、他の従業員の迷惑にもなるし、示しもつかない。「仕事さえできれば、何をしても良い」という企業風土が出来てしまうと、それを払拭するのは難儀だ。私なら、そんな時は西郷隆盛の例に習うのが良いと思っている。

「功績のある者には、恩賞を。徳のある者には、地位を与えよ」である。

 つまり、仕事ができるものを部長や課長にしてはならない。ということだ。中小企業では、幹部社員というのは、だいたい長年同社にいて、経験や実力から社長に取り立てられた者が多い。そのような人は、マネージメントの勉強もせぬまま、上司となるのだから、部下たちはたまったものではない。そのせいで離職する者もいる。だが、仕事を回していくために、社長は何も言えなくなる。功績があるだけの者に地位を与え、人間性を評価しないから、このようなことになるのだ。
 だから、我社の役職手当はたいていの中小企業よりかなり高額だ。その代わり、役職には簡単に付けさせないし、更迭条件も定めている。月給が6桁違えば、役職を得るために人間性を磨く努力をするはずだ。人事評価項目にも、当然どのような内容を評価しているかが、見えるようになっている。すべて点数化して、絶対評価だ。課長以上は昇進試験に合格しなければならない。

 米GEの中興の祖、ジャック・ウェルチも言っている。理念に賛同しているが、いままで良いパフォーマンスが出せなかった者には、上司を変更させよう。理念など眼中になく、高パフォーマンスだけで成り上がってきた者たちには、どうぞ他の会社へ行ってください。今後、あなた達に栄達の道はない。

 目先の稼ぎよりも、会社の未来を見すえられない経営者のいる会社には、未来がないのだ。私も一人で仕事をしていれば気楽だし、自分の稼ぎを自分の物にできる。しかし、そうはしない。とても苦しいが、借金を重ねて、自分が養って従業員を育てるのには、未来を見据えた目的があるからだ。目的の見えない行動は、場当たり的で、長続きはしない。究極の差別化は、お客様と直接接する人材の質だ。その従業員の人間性をどうやって伸ばしていくかが、人事評価を行う目的だ。給与を決めることが目的になっている人事評価など、不満の塊にしかならない。だから、失敗をする。
 従業員により良い人生を歩んでもらうためには、従業員にも成長してもらわなければならない。その道を示しているのが、人事評価である。給与はその目的の中の手段の一部でしかない。従業員の「人間性を高める」ことは、企業と経営者の人間性を高めることにつながる。そんな会社が、生き残って行くのだ。私はそう思っている。

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

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